ロイミュードを早く出せるように頑張ります。
夢に現れる男は誰か
どこかは分からない……
けど、確実に見たことのある風景…
辺りは草原で溢れ、獣道が道なりにあるだけの場所。
そんな場所を、俺は何処か懐かしく思っていた。
『見つけた。我と同じ無限の存在』
その場所に一人の少女が、獣道に黒いスポーツカーを停めていた男に話し掛ける。
『無限? 一体なんの事を言っている。そもそもお前は何だ』
『我、オーフィス。無限の龍神』
『龍神…… ドラゴンか。そのオーフィスが一体何の用なんだ?』
『お前、我と一緒にグレートレット達を倒すの手伝う。二人でやれば勝てる』
オーフィスと名乗った少女は、男に自分の願いを伝える。
しかし男は……
『断る』
その願いを切り捨てた。
『どうして?』
『俺にメリットが無い。それに、オーフィスは何故次元龍を倒そうとする?』
『我、次元の狭間に帰って、静寂を得る』
『静寂ね…… それは楽しいのか?』
男はオーフィスに、静寂は楽しいのかと訪ねる。
だがオーフィスは訳が分からないのか、首を傾げていた。
『楽しい? それはなに?』
『お前、楽しいって事を知らないのか? それは勿体無いな…… オーフィス、その花を見てお前はどう思う』
男はオーフィスに草原に咲いていた花を見せる。
『分からない……』
『ならこいつを見て、お前の此処はどんな風になっている?』
そう言って、男はオーフィスの胸に手を当てる。
オーフィスは自分の胸に手を置き、再び花をじっと見詰める。
『分からない… けど、此処はぽかぽかする』
『それが楽しいって事だ』
『これが… 楽しい?』
『そう、俺は静寂にはそれが無いと思う。どうだ?オーフィス、グレートレット達を倒すのは後にして、俺と一緒に楽しいを探さないか?』
そう言って男はオーフィスに手を差し伸べる。
『うん。我、もっと楽しいを知りたい』
オーフィスは男の手を取り、二人は一緒に黒いスポーツカーで走って行った。
◇◆◇◆◇
「うっ……」
目が覚めると、カーテンから射し込む陽の光が、俺の顔に当たっていた。
夏休みに入り、気温が上がったせいか…… はたまた、今見ていた夢のせいなのかは分からないけど、俺は汗だくになっていた。
「今の夢は……」
自分でも分からない男と少女の夢を見ていた事には驚いた。
でも俺はあの男を知っていた気がする。
夢に出てきたあのスポーツカー…… 色は違ったけど、形はトライドロンその物だった……
もしかして…… あれが初代仮面ライダードライブなのか?
「考えても…… 仕方ないか」
俺は起き上がり、机の上を見る。
そこには、ベルトさんが置かれていた。
「おはよう。ベルトさん」
『………』
しかし返事は無い。
ベルトさんはこの前の暴走以来、一度も喋っていない。
アザゼル先生にも診ては貰ったが、異常は無いらしく、変身自体は出来るそうだ。
俺は服を着替え、リビングへと向かった。
「おはよう。ソウ君」
「おはようございます。走介先輩」
「おはよ! ソウ兄さん」
するとリビングには、ロマリーとアレン、そして小猫がいた。
何故俺の家に三人が居るのかと言うと、先日の魔王命令で、オカルト研究部の女子部員は俺かイッセーの家に同居することになったのだ。
それで小猫と、新しく部員になったロマリーが家を選び、残りはイッセーの家に行った。
アレンはホームステイ扱いで家に居る。
「おはよう。皆」
「今日は、イッセー先輩の家で集まりがありますから、早めに行きましょう」
「ん、分かった」
「ほい!出来たぜ、俺のフランス朝飯!」
「おっ!旨そうだな」
因みに、我が家では料理は当番制にしていて、今日はアレンの番だ。
おちゃらけた性格の癖に料理は上手いから驚いたもんだ。
朝食を済ませ、兵藤邸に向かった俺達は信じられない物を見た。
「何だ…… これは……」
豪邸が建っていた……
可笑しいな…… ちょっと前までは普通の家の筈だったんだけどな… まあ、入るか。
突然の出来事に困惑しつつ、俺はイッセーの家に上がった。
「冥界に帰る?」
「ええ、里帰りをしようかと思って」
そっか、部長は純血の悪魔だから冥界に実家がある訳か。悪魔にも里帰りの風習があるなんてなー。
「ってイッセー。お前は何泣いてんだ?」
「だって!てっきり部長が俺を置いて冥界に帰っちまうと思ったんだぞ!?」
駄々っ子かよ!? 部長に限ってそんなわけは無いと思うんだがなぁ…
「馬鹿ね。皆で行くに決まっているでしょう?」
ほらな?……… ん?
「部長、皆って……」
「勿論走介にアレンとロマリーも一緒に来るのよ?」
ああ… 何時の間にそんな話に…
「俺も冥界に行くぜ」
「「「「!?」」」」
すると、何時の間にかいたアザゼル先生が、不敵に笑っていた。
「ど、どこから入ってきたの?」
「……… 気配すら感じませんでした」
「?何言ってんだ部長、木場。普通に玄関から来てたぜ?」
「気付いていたのは走介とロマリーとアレンか…… 他は修行不足だな。向こうできっちり鍛えてやるから覚悟しとけよ?」
彼は俺達の先生役を引き受けてくれた。その豊富な知識で、今後の戦闘スタイルの指導までしてくれるそうだ。
「アザゼル、貴方はあちらまで同行するのね? 行きの手配は此方でしておいていいかしら?」
「ああ、よろしく頼む。 悪魔ルートで冥界入りするのは初だな。楽しみだぜ、いつも堕天使ルートだからな」
冥界ね…… 一体何で行くのだろう?
単純に今まで通り魔方陣か?
でもそれだと、俺やイッセーが通れないな…
まぁ、その日になれば分かるか。
冥界に行く日、俺達は何故か最寄り駅にいた。
しかも服は学校の制服だ。何でも、冥界ではこれが正装らしい。
「にしても…… 何で駅?」
「直ぐに分かるよ」
木場にも直ぐ分かると言われて大人しく着いていくと、地下に下っていった。
「地下!? 冥界に行く方法って地下にあるのか!?」
「それ以外にも、悪魔専用ルートがあってね。町の至るところにあるよ」
悪魔ってスゲー、と改めて思った。
地下に着くと、そこにはかなりの広さがあるホームがあった。
「広いな…… それに… 何だ、あの列車らしき物は」
目の前には、悪魔的な紋章がたくさん刻まれた列車が鎮座していた。
まさか……
「グレモリー家所有の列車よ」
……… もうなんでもアリだな… グレモリー…
もう、俺は悪魔の金銭感覚や物品感覚について考えるのは絶対に止めようと心に誓った。
「さっ、直に出発するわ。早く乗りましょ」
「イッセー君。行きますわよ♪」
「うわぁ!?」
「あっ!ちょっと、朱乃!私のイッセーよ!!」
「ずるいです!私もイッセーと一緒がいいです!」
部長は朱乃さんとイッセーを取り合い、それをアーシアが涙目になりながら追って、列車の中に入っていった。
「あはは…… 大変そうだね… イッ君は…」
「あはは… もう名物のような物かもね…」
と、苦笑いしながら木場とロマリーは入っていった。
「おい、アレン!いつまでやってんだ、さっさと来い!!」
「待てよアザゼル!! 今俺はギャスパーに列車の素晴らしさを説いているんだ!!」
「ほぇ~ べ、勉強になりますぅ~」
「んなもん中でも出来るだろ!?」
「ちっ、わーったよ!! 行こうぜギャスパー」
「は、はいぃぃぃぃ!」
と、訳の分からない事を言いながら入っていくアレンとそれに着いていくとギャスパー。
そして呆れながら入るアザゼル先生。
「じゃあ、私も行くとするか」
と、元気よく入るゼノヴィア。
後は俺と小猫だけになったんだが……
「…… どうかしたか?小猫」
小猫の元気が無いのだ。
最近こんな調子で、上の空になっていることが多い。
何かあったのだろうか…
「…… 大丈夫です」
その一言だけを答えて、小猫は列車に入っていった。
「………」
多少その言葉に違和感を抱きながらも、俺は小猫を追うように列車に乗り込んだ。