ハイスクールD×D 加速する戦士   作:響く黒雲

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何故走介は夢に招かれたのか

「ここは……?」

 

気がつくと、俺は光輝く空間の中にいた。

 

「可笑しいな…… 俺は確か冥界行きの列車乗っていた筈なんだけど」

 

見渡せど、辺りには何も無く、只々無限に空間が広がり続けるだけだった。

 

『知りたいか? 我が子孫よ』

 

「!? 誰だ!!」

 

俺しか居なかった筈の空間に、知らない誰かの声が響く。

 

振り替えると、彼方から朧気ながらも、一人の男が歩いてくる。

男は此方に歩み寄りながら語りかけてきた。

 

『ここはムゲンの間…… ムゲン(無限 夢幻 無間 六幻 夢現)の資格を持つ者のみに訪れる事の許される場所……』

 

「ムゲンの間!?」

 

一体なんたってこんな所に来ちまったんだよ…

 

『ここでは過去、未来、現在、全ての時間が別たれる事無く存在する場所。現在ここに立ち入る事が出来るのは、私とお前を含めて十人』

 

『グレートレット、グレートブルー、グレートホワイト、グレートブラック、オーフィス…… そしてかつて私と共に戦い、今はお前と共にあるクリム、加速する世界神竜(ドライビアドラゴン)とそれに対をなす停止する世界神竜(グローバルフリーズドラゴン)とその所有者だ……』

 

その時、男から聞き捨てならない言葉が聞こえた。

 

「ベルトさんと共に戦った? あんた、一体何者なんだ!?」

 

すると、漸く男の全貌が見えてきた。

そこにいたのは……

 

「黒い…… ドライブ……!?」

 

体を漆黒に染めたドライブだった。

俺のタイプスピードと違うのは、タイヤを着けていないのと、ヘルメットのテールウィングが無いところだ。

 

「貴方は!?」

 

『若き戦士よ。己の炎を恐れるな。お前は今、力の分岐点に立っている…… ここで選択を誤れば、お前にとって…… そして世界にとっての地獄が待つだろう』

 

「力の分岐点……」

 

そう言って、俺の横を通りすぎ背後に立つ、黒いドライブ。

 

そうだ… きっとそうに違いない。

この人が、初代仮面ライダードライブなんだ…

 

『だがそれを乗り越えた時、お前は更に大きく、そして強く成長するだろう。自分を、仲間達を信じるのだ』

 

俺の背中をバンと叩く黒いドライブ。

 

振り替えると、そこにはもう黒いドライブは消えていた。まるで最初から存在が無かったかの様に……

 

『お前は…… 決して一人では無い……』

 

その声を最後に、空間から光が溢れ、俺の意識は遠ざかっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ソウ君? 起きて、ソウ君」

 

「ん…… うん?」

 

目が覚めるとそこは元の列車だった。

 

「?…… えっと…」

 

「ははっ、寝ぼけているのかい? 走介君」

 

「無理もない、私も昨日は楽しみで眠れなかったからな」

 

断じて違う、ゼノヴィアとだけは一緒にされたくない。

 

「…… 大丈夫ですか? 魘されてましたけど」

 

「…… 俺なんか言ってたか?」

 

「ええ、確か『初代』がどうとか」

 

初代…… 思い出した!

確か俺はムゲンの間って所で初代仮面ライダードライブに会ったんだ!

 

「おいおい、そんな調子で大丈夫なのかよ走介」

 

「頼むぜソウ兄さん。またあれ止めんのは嫌だぜ俺は」

 

「まあ… 多分大丈夫だと思う…」

 

俺は、車内の端でグーグーと寝ているアザゼル先生に近づいた。

 

アザゼル先生は俺の接近に気がついたのか、パチリと目を覚ました。

 

「んぁ? 何だ走介。何か用か?」

 

「あの…… アザゼル先生は大戦に参加してたんですよね?」

 

「そりゃな、仮にも堕天使の頭をやっているからな」

 

「だったら、初代仮面ライダーの事を知っていますよね」

 

「…… お前、本気でどうかしたか?」

 

「実は……」

 

俺はアザゼル先生に、先程夢で見た出来事を話した。

 

「成程な、それで俺に聞いた訳か」

 

「教えて貰えますか?」

 

「そりゃあ、教えるのは吝かじゃあ無いが… 後ろの奴らはどうする?」

 

先生に言われて後ろを振り向くと、そこには皆がいた。

 

「当然、聴くぜ! 走介のご先祖様見たいなもんだろ?」

 

「俺も俺も! 昔の仮面ライダーがどんなだったか聴きたいぜ!」

 

「走介は、私達の仲間よ。私達には知る権利があると思わない?」

 

聞くと他の皆も同じらしく、全員で聴く事になった。

 

コレほとんど遊び半分だろ?

こっちは真剣だってのに…

 

「よし、分かった。話そうじゃねえか。大戦時の仮面ライダーについて」

 

そう言って、アザゼル先生は語り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

あれは大戦終盤に入った頃だったか。

同時三大勢力は疲弊していて、天使も悪魔も堕天使も数が随分少なくなっていてな、神が神器を人間に与えて暫くたった時だった。

 

「シェムハザ、今状況はどんなだ?」

 

「今はどこも膠着状態です。暫く大きな動きは無いでしょう」

 

「詰まらん、天使と悪魔の腰抜け共め!!」

 

「そう言うなコカビエル、今が体勢を立て直すチャンスと捉えろ」

 

「ハッ、言ってろバラキエル。最後に勝つのは俺達だ!」

 

戦場は膠着していた。

その時は下手に動けない状況だった。

 

そんな時だった。

 

「失礼します!」

 

一人の部下がある報告を持ってきた。

 

「どうした? 何か動きがあったか」

 

「敵襲です! 既に何人も殺られています!」

 

「何だと!? 何処の勢力だ!」

 

「いえ… その…」

 

「どうした!? 早く言え!」

 

「…… 一人です……」

 

「…… 何?」

 

「勢力ではありません!たった一人です!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

「それを聞いた時は言葉を失ったね。一体何処のバカが仕出かしたのかってな」

 

「め、滅茶苦茶だわ!? 堕天使の本陣にたった一人で乗り込むなんて!?」

 

ああ… 正気じゃない…

前にアザゼル先生が言ってたな、ドラゴンを宿す奴は何処か普通じゃ無いって。

 

「それで興味が出ちまってな、思わす見に行っちまったんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

「何だ…… これは!?」

 

もうそこは死屍累々、堕天使は愚か、俺達に力を貸した神器持ちでさえも死体になって転がっていた。

 

『…………』

 

その死体の上に、ただ一人だけ立っていた奴がいた…

 

『貴様らが、堕天使のトップか……』

 

それが、初代仮面ライダー…… 便宜上プロトドライブと呼ばせて貰うぜ。

 

「ああ、アザゼルだ。一体何の用…… ってのは聴かないぜ、何処の勢力だ」

 

『俺は他人に与しない…… ましてや人外など…… 俺は俺だけの為に戦っている……』

 

そいつの言葉は酷く平淡でな、あの頃ブイブイ言わせてた俺ですらも底冷えする何かがあったぜ。

 

「そうか。なら目的は何だ」

 

殺り合う前にコレだけは聴いて置きたかった。

唯の死にたがりか、それとも別の何かか…

 

『俺の目的は全ての人外の殲滅。それ以外は何も望まない』

 

「ならば、何故神器持ちも殺した!? 人外の殲滅なら堕天使だけを狙えばいい!」

 

『神器…… 普通の人間には備わらない能力。ならばそいつらも人外だ!』

 

「何だと!? 私が言うのもアレだが…… 貴様、それでも人間か!!」

 

これにはシェムハザに同意だ。俺達は確かに人間の力を借りているが、道具の様に扱うのは一部のバカだけだ。

 

それを何とも思わない様にあっさりと殺しやがるとは……

 

『人は人であればいい…… そう言う事だ……』

 

危険だ…… 真っ先に潰さなくては、堕天使処か全ての人外を滅ぼされかねない。

それにこいつの持論で行くと神器を持つ人間も危ない。

 

「そうか。ならば死ねぇ!!」

 

「まてコカビエル!!」

 

コカビエルがプロトドライブに光の槍を突き立てた。

 

普通ならそれで終わりなんだが…

 

「何!?」

 

『…… 弱い。弱すぎる』

 

奴はそれを指一本で止めていた。

 

「ぐっ! これは唯の小手調べだ!!」

 

『そうか、ならさっさとやれ』

 

「嘗めやがって……ッ!!!!」

 

奴の言葉に激昂したコカビエルは奴に逃げ道を与えない様に光の槍を大量に投擲した。

 

『…… こんな物か……』

 

奴は落胆した様に呟くと、コカビエルが手放した最初の槍を向かってくる槍の一つに正確に当てた。

 

『ハァッ!!』

 

「なっ!? コレは!?」

 

槍は次々とピンボールの様に弾かれ、最初からコカビエルを狙っていたかの様に向かっていく。

 

「グハァァァァァッ!!!!???」

 

「コカビエル!!!!」

 

そして光の槍は群れをなしてコカビエルに襲いかかった。

 

体を自らの放った槍に貫かれ、満身創痍になったコカビエルが地に堕ちた。

そんなコカビエルに奴が近づいた。

 

『…… 余計な事をしているから負けるんだ……』

 

そう言って、奴は踵を返して歩き出した。

 

「まて!!」

 

『…… 何だ』

 

「俺達の殲滅が目的じゃなかったのか?」

 

『貴様らの力は分かった。この程度なら何時でも殺せる。故に後回しだ』

 

言外に堕天使では自分は殺せないと言っている様なものだった。

俺は拳を握りしめる事しか出来なかった。

 

「…… お前、名は…」

 

『答える必要があるか? いつか倒される者達に……』

 

その言葉を残して、奴は俺達の前から去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

「まあこんな感じが、俺と奴の出会いだったな」

 

…… マジか、よく殺されなかったな先生。

 

「人外処か神器持ちまで狙うなんて…… 」

 

「って事は、俺走介に殺されるのかぁ!?」

 

は?バカじゃねえのかこいつ(イッセー)

 

「な訳ねえだろ…」

 

「だ、だよな。あはははは…」

 

「それで?続きはどうなんだよ?アザゼル」

 

「ん? あぁ、それから…」

 

続きをアザゼル先生が語ろうとした時だった。

 

「リアスお嬢様、間もなく到着でございます」

 

グレモリー家専属の車掌、レイナルドさんが到着を知らせてきた。

 

「あら? もうそんな時間なの?」

 

「なら、この続きはまた今度だな」

 

その言葉を聞き、皆は降りる為の準備を始めた。

 

「……」

 

アザゼル先生の話を聞いたが、ムゲンの間で会ったあの人とは似ても似つかない性格だ。

 

ベルトさんも前に、人外には問答無用だったと言っていた。

 

となると、大戦中に何があったんだろう?

「また聞けは分かるか…」

 

この続きは近日中に聞くと決め、俺は荷物を纏めた。

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