ハイスクールD×D 加速する戦士   作:響く黒雲

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走介の修行とはなにか

「…… はっ!」

 

俺は見知らぬ部屋で目覚めた。

 

「ここ…… 何処だ…?」

 

それに何時俺はベットに入ったんだろう?

ここ数時間の記憶が全く無い……

 

「やあ、目が覚めたかい?」

 

不意に、俺の隣から声がした。

隣を見ると、そこにはサーゼクスさんとセラさんがいた。

 

「も~、そー君が倒れたって聞いたからお姉ちゃん心配だったんだから☆」

 

「えっと…… 倒れた?」

 

「覚えて無いのかい?」

 

「はい…… すみません…」

 

「いや、気にする事は無いよ。今回は此方に責任があるからね」

 

サーゼクスさんはそう言ってくれるが、やはり気になるものは気になる。

 

こういう時、ベルトさんが居ないのはやっぱりキツい…

 

「あっ、そうだ… 部長達は?」

 

「それなら心配無いよ。今回の会合で、若手悪魔同士のレーティングゲームを執り行う事になってね、明日からアザゼルが、君達に修行を着けてくれるそうだ」

 

修行…… あの神器マニアのアザゼル先生のすることだ、きっとイッセー辺りがレベルアップするんだろうな…… ん?

 

「君達?」

 

「おいおい、何を他人事見たいに言っているんだい?走介君も修行に参加するんだよ」

 

「俺もですか!?」

 

「当然だろう? 少なくとも走介君は、暴走を早く自分の物にした方がいい。私達にとっても、走介君にとっても」

 

暴走…… そうだ…

俺は早くデッドヒートを使いこなさないと……

また、あんなことになるのは後免だからな……

 

そこで俺は気がついた。

俺がベットに寝ていたのはもしかして……

 

「また…… 暴走したんですね……」

 

「……… そうだね。まさか神器を使わずに暴走するとは思っていなかったけど」

 

「自分の力すら、使いこなせないなんて…… 俺は……!!」

 

気づいたら俺は拳を握りしめ、涙を流していた。

 

もう二度と、仲間を傷つけないと誓ったのに…… 誓ったのに……!!!!

 

「あまり気負い過ぎない方がいいよ。それもまた、暴走の一因になってしまう」

 

「大丈夫☆ そー君ならできるよ~!」

 

「…… ありがとうございます」

 

「修行は明日からだそうだ。今日はもう休みなさい、食事を持ってくるようには言っておくから」

 

そう言って、サーゼクスさんとセラさんは部屋から出ていった。

 

「…… どうすれば…… どうすれば俺は…… ッ!!」

 

その日は… 不安と興奮が収まらず、中々寝ることが出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、俺はグレモリー家の庭の一角に訪れると、既に皆集まっていて、そこにはグレモリー眷属だけでなく、アレン、ロマリー、そして竜舞さんがいた。

 

しかも何故か皆ジャージだ。

昨日ジャージで来いと言われた理由が分かった。

 

「ソウ君!?」

 

ロマリーが此方に気づきやって来る。

相変わらず頭のアホ毛はピョコピョコと動いている。

 

「ソウ君、大丈夫なの?」

 

「ああ、心配かけたな皆」

 

「気にすんなよ走介」

 

「全員揃ったな、それじゃ早速スケジュールの発表といくぞ」

 

アザゼル先生が、皆の前に出て一人ずつ修行メニューを発表していく。

 

「先に言っておく。今から俺が言うものは将来的なものを見据えてのメニューだ。直ぐに効果の出る者もいるが、長期的に見なければならない者もいる。ただ、お前らは成長中の若手だ。方向性を見誤らなければ良い成長をするだろう。さて、まずはリアス。お前だ」

 

まず修行メニューの発表は部長からだった。

 

「お前は最初から全てが高スペックの悪魔だ。このまま普通に暮らしていてもそれらは高まり、大人になる頃は最上級悪魔になっているだろう。だが、将来よりもいま強くなりたい、それがお前の望みだな?」

 

「ええ。もう二度と負けたく無いもの」

 

部長は先生の問いかけに力強くうなずいた。

 

「なら、この紙に記してあるトレーニング通り、決戦直前までこなせ」

 

先生は部長に紙を渡して、朱乃さんの発表に移った。

 

「次に朱乃」

 

「…… はい」

 

アザゼル先生が堕天使だからか、朱乃さんは終始不機嫌だ。

やはり家族がらみのせいなのか?

 

「お前は自分の血を受け入れろ」

 

「―――― ッ!!」

 

ストレートだ…… この上なくストレートに言われたからか、朱乃さんは顔をしかめた。

けど朱乃さんだって分かっているはずだ、このままじゃ駄目だと……

 

「辛くとも苦しくとも、今までの自分を乗り越えなければ、お前はお荷物だ。雷の巫女から雷光の巫女になってみせろよ」

 

続いて木場だ。

 

「次に木場だ」

 

「はい」

 

「まずお前は禁手を一日保たせてみろ。それに慣れたら、実戦形式で一日保たせる。一日でも長く出来るようにするのが、お前の目的だ。後は基本トレーニングで十分強くなれるだろうさ。神器の使い方は後で教えてやる。剣術は師匠にもう一度習うんだったな?」

 

「ええ、一から指導してもらう予定です」

 

木場には剣術の師匠がいたのか……

だから強いのだろうか?

 

「次、ゼノヴィア。お前はデュランダルを今以上に使いこなせるようにすることともう一本の聖剣になれてもらうことにある」

 

「もう一本の聖剣?」

 

ゼノヴィアは先生の言葉に首を傾げる。

 

もう一本聖剣があったっけ?

 

「ああ、ちょいと特別な聖剣だ」

 

先生はにやけていたが、直ぐにそれを止めてギャスパーに視線を向ける。

 

「次にギャスパー」

 

「は、はいぃぃぃぃぃぃ!」

 

ビビり過ぎだろギャスパー……

大丈夫かな、こんなで……

 

「そうビビるな。お前の最大の壁は恐怖心だ。その心身を一から鍛えなきゃならん。元々、スペックは相当なものだからな。お前には専用の引きこもり脱出計画を組んだから、まずは真っ当な心構えを身につけてこい」

 

それは引きこもりのギャスパーにとっては相当苦しいものになりそうだな。

 

「当たって砕けろでやってみますぅぅぅぅ!」

 

いや、当たって砕けちゃ駄目だろギャスパー。

 

「同じく僧侶のアーシア」

 

「は、はい!」

 

次はアーシアか。

アーシアも随分と気合いが入ってるな。

 

「お前も基本トレーニングで身体と魔力の向上。そしてメインは神器の強化だ。だが、この場合アーシアの生来のものが不安だ」

 

「アーシアの…… 何が不安なんですか?」

 

これはイッセーだ。

アーシアにある生来の不安要素…… 一体なんだ?

 

「やさしさってやつだ。アーシアは敵のケガですら治したいと心中で思ってしまうだろう。それは神器の機能、敵味方の判別の妨げになってしまうんだ」

 

アーシアの性格のせいで神器本来の力が得られないなんて…… 皮肉すぎるな。

 

「だからもう一つの可能性を見出だす。回復のオーラを飛ばす力だ」

 

「そ、それは離れた人に私の回復の力を送るということですか?」

 

「ああ、直接飛ばす感じだな」

 

「そ、そりゃすげえ!アーシア大活躍できるぜ!」

 

確かにそれは凄い。

俺のマットドクターは対象の近くで俺が発動させなくてはならない。

 

しかも滅茶苦茶痛い。

 

「あとはアーシアの体力勝負だ。トレーニング、きちんとこなしておけよ?」

 

「は、はい! がんばります!」

 

アーシアはこの修行でえらいことになりそうだな。

 

「次は小猫」

 

「…… はい」

 

! 遂にきたか…

相当な気合いを入れてるみたいだか、ここ最近調子が悪そうだった筈だ。

一体何を考えているのか、俺には分からない……

 

「お前は申し分ないほど、オフェンス、ディフェンス、戦車としての素養を持っている。だが、リアスの眷属にはお前よりもオフェンスが上の奴が多い」

 

「わかってます……」

 

先生の言葉に少し悔しそうな表情の小猫。

あいつ…… そんなことを気にしていたのか…

 

「小猫、お前も他の連中同様、基礎の向上をしておけ。その上で封じている物をさらけ出せ。自分を受け入れなければ大きな成長なんて出来やしねぇのさ」

 

「………」

 

小猫の力…

朱乃さんみたく、隠していた力があるのか?

 

「さて、イッセー。お前は…… ちょっと待ってろ。そろそろなんだが…」

 

不意に空を見上げる先生。

 

? 一体何を待っているんだ?

 

すると、空の彼方から巨大なにかが此方にやって来た。

 

 

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!!

 

 

地響きと共にそれはやって来た。

 

巨大な身体に牙、そして翼に尻尾。

これはどう見ても……

 

「ドラゴン!」

 

先生がうなずいた。

やっぱりドラゴンか、ベルトさんはこのドラゴンを知って……

 

『………』

 

そうだった…… ベルトさんは今は居ない様なものだった…… ダメだな… 俺…

 

「イッセー、こいつがお前先生だ」

 

「えええええええええぇぇぇぇ!!!!」

 

うそーん……

下手すればイッセー死ぬんじゃ……

 

「久しいなドライグ、アルテミシア」

 

『ああ、懐かしいな、タンニーン』

 

『元気そうで何よりだわ』

 

「知り合いか?」

 

イッセーとロマリーの神器が出現し、宝玉が輝いていた。

 

イッセーのその問いに『ああ』と答えるドライグ。

対等そうに話すのを見るに、相当ドラゴンの中でも強いのかもな。

 

「むっ? ドライグ、その少年は? 微かにドラゴンの気配がするが?」

 

『神藤か? こいつは今代の仮面ライダーだ』

 

「なんと! そうであったか!初めましてだな。私は(ブレイズ・)(ミーティア・)(ドラゴン)、タンニーンだ。クリムの叔父上は元気かな?」

 

仮面ライダーであることを知ると、タンニーンさんは気さくに挨拶してくれた。

 

「神藤走介。よろしく、タンニーンさん。ベルトさんは、今は……」

 

「そうか…… それにしても不思議な少年だ。普通、ドラゴンに話し掛けられれば恐怖するものだが、お前はきちんと俺に敬意を払っている。ドラゴンとの付き合いには困らなそうだな」

 

「多分…… ベルトさんのお陰です……」

 

「やはり叔父上は偉大か……」

 

しんみりしていると、アザゼル先生が耐えられなくなったのか、話題を変える。

 

「おい、走介。最後はお前の修行メニューだ。きちんと聞け」

 

「あ、はい」

 

俺の修行…… 一体どんな事をするのだろうか……

 

「お前は仮面ライダーであるが故、パワー、テクニック、スピード。どれも申し分ない。だから今回の修行はデットヒートを使いこなすことだけを考えてもらう。そこで、お前の修行相手は竜舞、アレン、ロマリーだ」

 

そうか、だから竜舞さんがここに居るのか。

竜舞さんなら俺の暴走を止められるし、ロマリーとアレンなら、多少は俺の足止めができる。

 

「それに…… 喜べ走介。お前にはこの堕天使総督様が直々に鍛えてやる」

 

それを聞いた時、俺は一抹の不安を覚えた。

 

この修行、大丈夫かな…… と。

 

 

 

 

だが、後にこの修行が生きてくる事になるのを俺は知ることになる。

 

そして…… それによって大切な者を失う事を、俺はまだ、知らないのだった………

 

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