ハイスクールD×D 加速する戦士   作:響く黒雲

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今回少し、話が飛びます。
急な展開もあります。
ご了承下さい。


友よ、君はどこへ行ったのか

「さて、各自各々に修行メニューをこなすこと。いいわね」

 

『はい』

 

部長は、わたわたしているイッセーを置いて話を進めていく。

皆もそれに応じて、この場をあとにしようとしていた。

 

「誰も疑問に思わない!? どうみても俺、ドラゴンに襲われるよ!? 死んじゃうよ!?」

 

イッセー…… それは無駄な抵抗だぞ。

 

「イッセー、気張りなさい!」

 

家の部長はトレーニングや修行に関して妥協を許さぬお方、この手の話になると急にスパルタが入る。

 

「リアス嬢。あそこの山を貸してもらえるか?こいつをそこに連れていく」

 

「ええ、鍛えてあげてちょうだい」

 

「任せろ。死なない程度に鍛えてやるさ」

 

本人の関わらない所で商談成立。

不憫すぎるぞイッセー……

 

タンニーンさんはイッセーをつかむと、翼を広げて羽ばたき、山へと向かっていく。

 

「部長ォォォォォォォォ!!!!」

 

空からイッセーの断末魔が響き渡る。

しかし我らが部長はそんな泣いて助けを求めるイッセーに笑顔で手を振り、死刑宣告を突き付けるだけであった。

 

さらば、イッセー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

この山に来て数日が過ぎた。

俺はボロボロの雑巾と化していた。

 

でもさ。それは仕方ないと思うんだ。

だって……

 

 

ドオオオオオオオオオオンッ!!!!!!

 

 

俺の背後の岩場が火の玉で破壊される。

 

「いたいた。全く逃げ足だけうまくなっても仕方ないだろう。ほら、反撃してこい」

 

…… だって四六時中タンニーンのおっさんに命狙われてんだぞォォォォッ!?

 

「無理ッスよ!あんた強すぎだ!もしかしてヴァーリより強いんじゃないの!?」

 

「まあ、パワーだけなら魔王級とよく言われる」

 

ほらやっぱり!バケモノじゃん!魔王級って何!? 俺、なんで魔王級のドラゴンと山でサバイバル生活してんの!?

 

「おー、やってんな。どうだ?調子は」

 

不意に聞こえてきたのは聞き覚えのある声。

振り替えれば、そこには堕天使の総督さまがいた。

 

 

 

 

 

 

「うみゃい!うみゃいよぉぉぉおおっ!!!!」

 

俺のはアザゼル先生が差し入れてくれた部長のお手製おにぎりを涙を流しなから食べていた。

 

「朱乃が作った弁当もある。そっちも食ってやれよ。リアスと火花散らしながら作ってたんだからな」

 

…… なんだろう、ありがたいんだけど、後で俺が被害を受けるのでは無いかと勘ぐってしまった。

杞憂に終わって欲しいなぁ……

 

「そう言えば先生はどうしてここに?弁当を差し入れに来ただけッスか?」

 

「んなわけあるか、ここに来たのは近況報告の為だ」

 

近況報告? 一体何のだろう。

 

「他の奴等の修行状況だな。お前も気になっているだろう?」

 

「皆、どうしているんですか」

 

俺が訪ねると、先生は皆の近況を語り始める。

 

「リアス、アーシア、木場は概ね順調だな。俺のメニューをきっちりこなして能力面の向上か見られる」

 

流石部長と木場、そつなくこなしているみたいだ。

でもまさかあのアーシアが順調にいってるなんて…

 

「次に朱乃は…… まあ、わだかまりもあるが何とかやっている。ゼノヴィアは…… むちゃくちゃ過ぎてノーコメントだ。ギャスパーは何だかんだ言いながらもやっている」

 

朱乃さんは堕天使の事があるからなぁ…… ギャスパーは何とかやれてる事は、先輩としては嬉しいな。

てかゼノヴィア、お前は一体何してんだ!?

 

「そうだ、小猫ちゃんと走介は?」

 

「あー… その…… なんだ」

 

? 先輩にしちゃ珍しく歯切れの悪い言い方、二人になにかあったんだろうか?

 

「実は二人に問題があってな」

 

「も、問題!? なにがあったんスか!?」

 

「まず小猫だが…… 倒れた」

 

た、倒れた!?

どど、どうして!?

 

「俺のメニューに過剰に取り組んじまったんだ。オーバーワークと疲労で倒れたっつうわけだ」

 

マジか!小猫ちゃん大丈夫なのか?

 

「最後に走介だが…… 行方不明だ」

 

「えっ……」

 

そ、走介が行方不明?

一体何が、そもそも走介は先生が見ていたんじゃないのか?

 

「じゃあ今、走介は」

 

「どこにいるのか全く分からん」

 

「何が…… あったんですか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

今から三日前の話だ。

最初は、走介も安定していて暴走は起きなかったんだ。

 

『そらそらどうした? 足元が留守だぞ』

 

『うっ! くっ!』

 

だから実践経験と自信を取り戻させるために、俺やアレンと組手していたんだ。

 

『くそっ!! なんなんスか!そのイッセー達の鎧に似た物は!?』

 

『ん? こいつか? こいつは堕天龍の閃光槍(ダウンフォールドラゴン・スピア)つってな、俺の作った人工神器だ。その擬似的な禁手(バランスブレイカー)状態―――― 堕天龍の鎧(ダウンフォールドラゴン・アナザーアーマー)だ』

 

『はいぃ!?』

 

『タンニーンと同じ龍王のファーブニルって奴が封じられてんだ』

 

『ホントにあんたは余計な物しか作らねぇな!?』

 

あの時の彼奴は本当に面白かったな。

 

『気にしない方がいいぜソウ兄さん。アザゼルの変態趣向は今に始まった事じゃないんだからさ!!』

 

『ふざけんなぁぁぁぁぁ!!!!』

 

そうやって弄りながら戦っていた時だったか。

 

『ウグッ!? グァァァァァッ!?』

 

あいつの鎧が、また左半分砕け散ってな、暴走状態になっちまったって訳だ。

 

『ガァァァァッ!!!!』

 

変身していなくても暴走していたんだ、変身状態でならない筈は無いと思っていたが…… こんなに早いとは正直思っていなかった。

 

『ちっ! 暴走か。お前ら!! 準備はいいな!!』

 

「はい!」

 

まずロマリーが走介の動きを止めにかかった。

 

「ソウ君…… 止まって!」

 

 

『Convert!Blizzard! Storm!』

 

 

『ウグッ…… ガァァッ』

 

デットヒートで暴走していなかったお陰か、あの時よりはかなり効果的に足止め出来たんだ。

 

『ソウ兄さん。じっとしてろよ!』

 

 

『シグナルバイク!! シグナルコウカン!! トマーレ!!』

 

 

『ハァッ!!』

 

で、アレンがシグナルトマーレを使って完全に動きを止めて……

 

『グランディス!! ライフズ!!』

 

『応!』

 

『ああ…』

 

 

ドドドドドッ!!

 

 

最後に竜舞が、神器で走介のエネルギーを吸いとった訳だ。

 

「う、うぅ…」

 

「ソウ君!!」

 

「ロマリー…… そっか、また俺は……」

 

『気にするな走介、まだ始まったばかりだ』

 

『そうだぜ! こんなんでクヨクヨしても始まらねぇよ!』

 

「ああ、ありがとう」

 

そんなこんなで、最初はうまくいっていたんだ。

 

だが、三日前だ。

三日前にある事件が起こった。

 

研究されていたキメラが逃げだして運悪く走介達と遭遇しちまったんだ。

 

その時俺はいなかったんだが、酷いもんだったな。

辺りの町が全て、走介が暴走した時に出す炎で燃えていたんだ。

 

住民はいち早く避難していたから幸いにも被害は無かったが、その代わりに町が壊滅的な被害を被っていた。

 

後から三人に聞いた話だが、初めは普通に戦っていたらしい。

普段なら恐らく彼奴らだけで倒せただろう。

 

だが、ロマリーが原因不明の吐血によって隙が出来てな、キメラの攻撃を躱せなかったそうだ。

 

それを見た走介が激昂、結果暴走してキメラを倒したまでは良かったが、それから見境無く町を破壊し、最後はアレンと竜舞に止められた。

 

事後直ぐ町に向かった俺は走介にあることをしたんだ。

 

「走介、お前何でこうなったか分かってんのか?」

 

「………」

 

「それがわかるまで、クリムは没収だ」

 

俺は走介からドライブドライバー、クリムを外した。

 

「止めろ…… 返せよ…… 返してくれよ! ベルトさんは俺の!?」

 

「往生際が悪いぜ…… ソウ兄さん!」

 

「ぐっ!!」

 

クリムを取り返そうとすがり付いた走介をアレンが殴り倒した。

 

「まだ分かってねえようだから俺が言ってやるよ!今のあんたに仮面ライダーを名乗る資格はねぇ!! 見てみろよ! この町を!」

 

アレンは胸ぐらを掴んで走介に町の様子を見せる。

 

「あ…… あぁ……!」

 

「これをあんたがしたんだ!守る筈のモンを破壊するのが仮面ライダーか!? 違うだろ!! だからこそ、何度でも言ってやるよ…… あんたは仮面ライダーじゃない!!!!」

 

「アレン…… 私は……」

 

「姉ちゃんは黙ってろ!」

 

「走介、欲しいのなら力ずくで奪ってみろ。ただし…… その場合は容赦は無しだ」

 

俺は走介にそう言うが、肝心の走介は……

 

「…………」

 

なにもかもに絶望したような目をして、ふらふらとその場を去っていった。

 

「奪い返す気力すら無いか……」

 

「どうするんだアザゼル。あのままだと確実に走介は潰れるぞ」

 

「なったらそれまでの奴だったって事だろ。それに… こればっかりは彼奴が自分で立ち上がらなきゃいけねえんだよ……」

 

それから直ぐだったか…… 走介が、崖から飛び降りたと聞いたのは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

嘘、だろ……?

あんな、何時も明るい奴が… 自殺!?

 

「それ…… 本当なんですか…」

 

「分からん。だが捜索して、三日も見つからない。問題の崖にも確かに誰かが飛び降りた形跡があったからな……」

 

「そんな……」

 

「一応言っとくが、この事は他の奴等には言うなよ」

 

「なっ!?」

 

何で、何で部長達に言っちゃ駄目なんだよ!

 

「彼奴らのメンタルに影響を与えたくない。それに、小猫に言ってみろ、確実に後を追うぞ」

 

確かに…… 今、皆に言っても悪影響があるだけだ。

走介の事を慕っていて、倒れて元気の無い小猫ちゃんなら尚更だ。

 

…… あれ?

 

「あのー…… 俺はいいんですか?」

 

「お前はいいんだよ。禁手が出来るようになるかも知れないだろ? 禁手には劇的な変化が必要だからな。それにお前メンタル図太いし、スケベ根性しかないだろ?」

 

様はどうでもいいって事ですね?

この修行といい、扱いといい酷すぎません?

 

……… それにしても走介お前、一体今何処にいるんだよ。

俺達の大事な後輩が今ピンチなんだぞ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

遡ること三日、走介はアザゼルにドライブドライバーを取られた後、ふらふらとさ迷い歩いていた。

 

「…………」

 

その虚ろな目には、なにも映ってはおらず、ただ闇が広がるばかりだった。

 

「……………」

 

ふと、かなりの高さがある崖を見つける。

下を覗くと、激流の川が流れていた。

 

(もう…… 疲れたな…… )

 

走介は、崖の上でおもむろに手を広げて、思いきり深呼吸をして……

 

(さようなら…… 皆……)

 

崖から飛び降りた。

 

体を襲う浮遊感に苛まれながら、走介は落ちていく。

 

(母さん、父さん、マザー、皆… 今、そっちに行くよ……)

 

そんな走介が川に落ちる前に最後に見たのは……

 

(えっ……)

 

写真でしか見たことの無い母親が、こちらに手を伸ばしている姿だった。

 

(母…… さん…… ?)

 

そして走介は川の中に水柱を上げながら着水し、激流に流されて行った……




いや~ 遂に大晦日!! 年越しですね!

何とか年内に投稿できました。

来年も、ハイスクールD×D 加速する戦士をよろしくお願いします。

走介「来年も、ひとっ走り付き合ってくれよな!」

アレン「来年も、バッチリ追跡するぜ!」

ライズ「来年は…… 俺もライダーになるかもな…」

???「来年は私たちの出番あるかしら?」

???「さあね。作者次第じゃない?」

???『Start our Mission……』

それでは皆さん!! よいお年を!
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