ハイスクールD×D 加速する戦士   作:響く黒雲

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新年、明けましておめでとうございます!

新年一回目の投稿です!

今年もヨロシク!


流れ着いた先はどこか

ここは冥界の外れにある農村……

 

豊かな土地と植物を操るのに特化した悪魔や堕天使、天使等がいる冥界唯一の中立地帯。

 

「♪~ ♪~」

 

そこに一人の少女が、鼻歌を歌いながら歩いていた。

 

「マリアちゃん。今日も元気ねー!」

 

「おばさん、おはようございまーす!!」

 

マリアと言う名の少女は、近隣の知人に挨拶しながら自分達の家族が担当している畑へと足を運ぶ。

 

「♪~ ♪~…… あれ?」

 

ふと、近くの川を見る。

すると、昨日まで無かった黒い物体があった。

 

「なんだろう……」

 

好奇心に駆られたのか、マリアはその黒い物体に近づく。

そこにいたのは水浸しになり、ボロボロになっていた走介だった。

 

「きゃあ!? だ、大丈夫!? ねぇ、しっかりして!」

 

「………… うっ……」

 

「マリアやー、どうしたんだーい!!」

 

遠くから、自分の祖母が来るのを確認したマリアは、直ぐに祖母に助けを求めた。

 

「おばーちゃーん!! おじーちゃん連れてきてー! 人が倒れてるのー!」

 

そうしてマリアの祖母はマリアの祖父を連れてきて、走介を自分達の家に連れていき看病するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

ソウ君が消えて三日が経った。

涙はもう流れない。

多分、私の目は真っ赤に腫れていると思う。

 

『ロマリー。今回は誰のせいじゃないわ。貴女のせいでも、アレンのせいでも、アザゼルのせいでも…… ましてや、走介のせいでも…… こうなることが、彼の運命だったと、諦めるしかないわ』

 

「随分と簡単に言うのね。アルテ」

 

『ドラゴンですもの。叔父様が特殊なだけよ』

 

「そう……」

 

それでも私はまだ幸せな方なのかも知れない。

私にはアルテがいるけど、ソウ君には…… ベルトさんはいないから。

 

「アレン。入るわよ」

 

私はアレンに与えられている部屋を訪れた。

あれから、アレンは一度も人前に出てきてはいない。

 

「………」

 

返事は無い。

だが、ドアの鍵は開いていた。

 

部屋に入ると、アレンは窓を眺めたままじっとしていた。

 

「アレン?」

 

「…………」

 

私はアレンに呼び掛けるが、返事は無い。

だから私は一方的に話しかけることにした。

 

「何か食べないと、体がもたないよ」

 

「……… ごめん、姉ちゃん……」

 

ここでやっとアレンは話し出す。

か細い声だったが、確かにごめんと言っていた。

 

「…… 何で謝るの」

 

「俺のせいだ…… 俺のせいでソウ兄さんは死んだんだ…… 俺が…… あんなこと言ったから……」

 

「アレンせいじゃないよ。私のミスが、あんなことになったんだから……」

 

「でもあの時言葉でソウ兄さんを責めたのは俺だ!!」

 

アレンは泣いていた。

今まで我慢していたものが一気に溢れだしたのか、私には絶対に見せようとしなかったアレンが、始めて私の前で泣いた。

 

「ソウ兄さんの苦しみを理解しようとしなかった癖に!! 分かった風に言って!! 姉ちゃんや町を理由にして!! ………… 俺はただ、自分の無力に対する苛立ちを…… ぶつけたかっただけなんだ……」

 

「アレン……」

 

「なにが仮面ライダーの資格は無いだ! 本当に資格が無いのは…… 俺の方じゃないか……」

 

そっか… アレンも後悔してるんだね。

 

私は、そっとアレンを抱き締めて頭を撫でた。

 

「そんなに自分を責めないで。けしてアレンだけが悪い訳じゃない、私も悪かったの。だって自分の事、アレン以外に言って無かったから」

 

「姉ちゃん………」

 

「だから、一緒に乗り越えよ? 私達、姉弟じゃない」

 

「うぅっ…… うぁ…… ああ…!」

 

アレンも限界だったんだろう。

アレンは私の腕の中で、泣き続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暫くして、アレンは泣き止んだ。

そして同時に何かを決めた顔をしていた。

 

「姉ちゃん、俺決めたよ」

 

「何を?」

 

「俺、ソウ兄さんを探してくる。一言謝りたいんだ。例え死んでいたとしても、せめて遺体だけでも見つけないと」

 

「……… 皆がソウ君を転生させようとしたら?」

 

「ぶっ潰す、誰だろうとぶっ潰す。人間のままでいたい。それがソウ兄さんの願いだ。それを無視したり、ソウ兄さんを利用しようとするやつは絶対に許さねぇ」

 

強くなったね、アレン。

私は、心の整理をなんとか付けられているだけなのに……

 

「自己満足なのは分かってる。でも、それが俺に今出来る事だと思うから」

 

「そっか、私は何もしてあげられ無いけど……」

 

「そんなことねぇよ。姉ちゃんは姉ちゃんで頑張ってる」

 

「…… ありがと」

 

何時の間にか、私より大きくなったねアレンは。

これなら、シュヘンベルグも大丈夫かな?

 

「それと…… ごめんな、姉ちゃん。ソウ兄さんの事好きだったんだよな?」

 

「ふぇ? …… えぇ!? 何で知ってるの!?」

 

何で!? 何で!? ソウ君好きな事、猫ちゃん位しか言って無いのに!?

 

「そりゃ~ こんな事してりゃあな…」

 

そう言ってアレンが取り出したのは、一月前、空港で私がソウ君にキスしている写真だった。

 

「きゃぁぁぁぁぁっ!? 何でそんな写真があるの!?」

 

「はっはっは!! そうそう、そういう顔だよ!その顔の方が、ソウ兄さんも好感が持てるんじゃない?」

 

大きくなったって思ったけど…… 全!然! 成長してない!

人の真っ赤になった顔見て何が面白いのよ!

 

「さて、早速ソウ兄さんを探しに行きますかな!」

 

そう言ってアレンは、ヘルメットとベルトを持って部屋を出ようとする。

 

「あ、姉ちゃん。この事は皆に内緒な」

 

「うん、分かった」

 

「アルテミシア、姉ちゃん頼んだぞ」

 

『貴方に言われるまでも無いわ』

 

「OK!そんじゃ、今回はソウ兄さんを追跡するとしますか!」

 

アレンは何時もの明るさを取り戻し、駆けるように部屋を出ていった。

 

ソウ君、私はソウ君が生きてるって信じてる。

だから… 早く帰って来てね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

「フンフフンフーン♪」

 

私は何時もの道を歌いながら歩いていた。

勿論、自分の家に帰る為だ。

 

今は夏だけど、時期に秋が来て冬が来る。

その前にやれる事はやっておかないと。

 

「たたいま!おばーちゃん、おかーさん!」

 

「おや、お帰り。マリア」

 

「お帰り、マリア」

 

家に帰って一番におばーちゃんとおかーさんに挨拶をする。

 

そして、中に入って真っ先にするのは……

 

「………」

 

三日前に倒れてるのを拾った、不思議な人間さん。

彼の様子を見ることだ。

 

「人間さん。調子はどう?」

 

「……」

 

でもこの三日間、人間さんが喋った事は無い。

それどころか、どこか遠い所を何時も見つめている。

 

そんなこんなで、今日も一日が終わった。

 

「マリア、あの人にも分けておやり」

 

おかーさんから食事を貰い、人間さんの所へ持っていく。

 

「人間さん。食べられる?」

 

「………」

 

人間に食器を渡すが、 人間さんは黙ったまんま。

やっぱり喋れないのかな……

 

「……… どうして」

 

「えっ?」

 

「どうして…… 俺を助けたんだ……」

 

それはいきなりだった。

ふと、聞き取り難い声量だったけど、確かに人間さんは喋った。

 

「お、おかーさん!! 人間さんが喋ったぁ!」

 

「おやぁ!漸くかい? あんた三日も喋んないからあたしゃてっきり……」

 

「どうして……! 俺を助けたんだ!」

 

少しだけ声を荒げて、人間さんはまた同じ事を言った。

そんなに助けて欲しくなかったのかな?

 

「あんたに死なれたら、あたしゃらが死体の世話をせにゃならんだろうが。飯が要らんのなら寄越しな。あたしゃが全部食べるよ!」

 

おばーちゃんはあんなこと言ってるけど、少なくとも私はこの人に助かって欲しかった。

だから助けたんだ。

 

「食べられる? 人間さん。食べさせてあげよっか!」

 

「……… 自分で食べれる……」

 

相変わらず人間さんの表情は変わらなかったけど、それでも食べてくれるのは嬉しい。

それに…… もしかして照れてる?

 

「……… なんだよ」

 

「ううん♪ 何でもなーい♪」

 

「……… 変な奴」

 

じっと見てたらちょっと怒っちゃったのかな?

 

…… それにしても綺麗な声と顔、よく言うイケメンさんなのかな? 目が死んでるのがちょこっと気にはなるけど。

 

こんな人が何であの川で倒れていたんだろう?

でも、それは聞いちゃいけない様な気がする。

人間さんが話してくれるまで、気長に待ってみようかな!

 

兎も角、この日私達の家族に、人間さんが加わったのでした。

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