ハイスクールD×D 加速する戦士   作:響く黒雲

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祖父が孫に与えた謎とはなにか

「ありがとう走介君。私の我が儘に付き合ってくれて」

 

「いいですよ。なんだかんだ楽しかったですし」

 

「そう言ってくれるのは、お姉さん嬉しいな~♪」

 

夕陽を見終えて、俺達は元のホテルに戻っていた。

 

「さて、名残惜しいけど。この辺でね」

 

「はい。多分もう会わないでしょうけど、舞台、応援してます」

 

俺がそう言うと、セーヌさんは何故か難しい顔をしていた。

 

「ありがと。……… 本当にそうだったらどれだけいい事か……」

 

「セーヌさん?」

 

「あっ!? ううん! なんでもないよ」

 

ありがとうの後、何て言っていたか分からないけれど、特に問題は無さそうだし大丈夫だろう。

 

「そうですか…… では、俺はこれで…」

 

「うん。バイバイ」

 

俺はセーヌさんと別れて、明日に控える遺品捜しの為、早めに眠った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

走介君と別れた私は、自分の部屋で迷っていた。

 

何故、あの子が神藤勇介の孫なのか?

何故、あの子が仮面ライダーなのか?

あんないい子から、私は遺品を盗まなければいけないのか?

 

一人、私は罪悪感に苛まれていた。

 

「でも…… それでも私は…」

 

そんな時、私の端末に連絡が入った。

 

「…… ハロー?」

 

〔俺だ〕

 

「曹操…」

 

私に連絡を入れたのは曹操だった。

 

〔任務は順調か?〕

 

「ええ、明日にでも遺品を回収出来るわ」

 

〔そうか。奴の遺品は我々英雄派でこそ価値が発揮される。その為に、お前に出向いて貰ったのだ。かの大怪盗の子孫、アルセーヌ・ルパン〕

 

「……… その名前で呼ばれたく無いわ」

 

〔これは失礼した。では、頼むぞ〕

 

そう言うと、曹操は連絡を切った。

 

終わった途端、私はベットに倒れ込んで端末を投げ捨てる。

 

「ごめんなさい。走介君。でも、私は私の為に戦っているの……」

 

そう口に出しては見たものの、罪悪感だけは、私の中から消える事は無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

翌日俺は、俺が住んでいた孤児院跡に来ている。

 

「久しぶりだな…… ここに来るのも……」

 

『無理はするなよ。走介』

 

「分かってる」

 

孤児院の外見は、焼け跡のせいで真っ黒になっていたが、それ以外は原形を留めていた。

 

俺は、炭と化したドアを開けると、そこは懐かしい場所。

天井は無くなっていたが、よく神に祈りを捧げていた場所だった。

 

まあ、俺は気が向いた時にしか祈って居なかったが……

 

『さて、何処から捜そうか?』

 

「心当たりが二つある。先ずはマザー、ばあちゃんの部屋だ」

 

俺は礼拝堂を抜けて、マザークレアの部屋を目指す。

 

その道中、俺と孤児院の連中がよく遊んでいた場所に出た。

 

「…………」

 

そこに目を向けて瞳を閉じると、今でも彼等の元気な姿が目蓋の裏に現れる。

 

 

――――― なにしてんだ走介!

 

――――― 一緒に遊ぼうよー!

 

――――― ほらほら!早く!

 

 

「…………」

 

次に通ったのは、俺と孤児院の連中が一緒に眠っていた部屋だ。

 

ここで俺達はよく将来の夢を語り合ったもんだ……

 

 

――――― 皆は、大人になったら何になりたい?

 

――――― 私美容師!!

 

――――― 俺は宇宙飛行士だな!

 

――――― 僕は警官!!

 

――――― 走介は何になりたいんだよ?

 

――――― 僕は………

 

 

「…… 忘れちまったよ、そんなこと」

 

自分を嘲笑した一人言を言いながら、俺は孤児院の中を進んでいく。

そして俺は、マザークレアの院長室へやって来た。

 

脆くなったドアを開けるとそこには、当時のままの部屋があった。

 

 

――――― おや? どうしたんだ走介。眠れないのかい?

 

――――― うん。なんか変な夢見た。

 

――――― フフッ… しょうがない子だねぇ…… ほら、ここにお出で、私と一緒に寝よう。

 

 

「今は…… 一人で寝ることになれちまったよ。マザー」

 

マザーと一緒に寝たベットに転がり、孤児院での思い出を思い返していると、ベルトさんが言った。

 

『それで? ここにあるのかね?遺品は』

 

「さあな。だが、マザーが俺の思う通りの人なら…」

 

俺は、ベットの下の床を踏み抜く様に蹴りつけた。

 

 

ガコンッ!!

 

 

すると床が可動して、隠し倉庫が現れた。

 

「ビンゴ!」

 

『忍者屋敷かね…… ここは……』

 

「マザーは用心深かったからな。多分これで終わりじゃないと思う」

 

隠し倉庫の中には小さな箱があり、中を開けると…

 

「ほらな?」

 

カギの束が出てきた。

 

『カギがこんなに沢山……』

 

「多分、ダミーも入ってる。ったく、用心深すぎないか?ばあちゃん」

 

『だが、肝心の遺品が……』

 

「ああ、分かってる。そこで心当たりの二つ目が出てくるんだ」

 

俺はマザーの部屋を出て、真っ直ぐ進み、突き当たりの部屋に入る。

ここもマザーの部屋と同じ様に当時のままだが、何もない。

 

『何もないじゃないか』

 

「ちょっと待て、ソーラー、部屋を照らしてくれ」

 

バーニングソーラーが、光を放ち部屋を照らす。

しかし、それでも何もない。

 

『やはり何もないな』

 

「そう思うだろ? ほら」

 

部屋の隅にいき、俺はベルトさんにある場所を示す。

するとそこには、先程手に入れたカギが入りそうな鍵穴があった。

 

『おおっ!! こんな所に鍵穴が!』

 

「ホント、用心深いばあちゃんだぜ」

 

『しかし…… 何故走介はこの鍵穴を知っていたんだ?』

 

「昔マザーにこの部屋には入るなって言われてな。気になったから入ったんだが…… 鍵穴しか見つかんなくてな」

 

『つまり、言いつけを破って探索した結果見つけたと?』

 

「アハハ…… そう言う事」

 

『全く君と言う奴は…』

 

あの時はマザーにスゲェ叱られたっけなぁ~。

しかも何で怒られているか分かんなかったから聞いても教えてくれなかったし。

 

「兎に角、今は遺品だ。ベルトさん、カギと鍵穴の解析を頼む」

 

『了解した。 …………………… 解ったぞ、真ん中のそれだ』

 

「真ん中のって…… これか?」

 

ベルトさんが調べた結果、鍵穴に填まるカギは、真ん中にあった剣だった。

 

「いや、これは違うだろう」

 

『私が信じられないのかね?』

 

「まあ、言われた以上はやるけどさ……」

 

渋々俺は、剣を鍵穴に差し込むと、カチリと何かが填まる音がした。

そして、俺は剣を回すと……

 

 

ガチャン…… ガコンッ!! ガコンッ!! ガコンッ!!

 

 

地下に続く階段が現れた。

 

「…… マジかよ」

 

『こんな仕掛けになっているとは…… 君の祖父の遺品とは一体……?』

 

「行ってみるか…… ソーラー、先に行ってくれ」

 

俺はソーラーを灯り代わりにして地下に進んでいくと、狭い空間に、大きめのアタッシュケースが鎮座していた。

 

「これがじいちゃんの遺品かぁ…」

 

『管理が厳重だったわりには、あっさりとしていたね』

 

確かに遺品は手に入った。

でもなんか違うような気がするんだよな……

 

『? どうかしたかね、走介』

 

「んー……… 本当にこれがじいちゃんの遺品か?」

 

『どういう事だ?』

 

「なんか違う気がする…」

 

『そうは言うがこれ以外には何もないぞ?』

 

そうなんだよな……

本当にこれが遺品か?

それとも…… 遺品はまだ別にあったりして……

 

『いずれにせよ、ここで考えていても仕方がない。一度ホテルに戻って中身を確認しよう』

 

「……… それもそうだな」

 

色々と腑に落ちない点が幾つかあったが、とりあえず遺品と思われる物は手に入れた。

一旦帰って中身を確認してみるか。

そうすれば何か分かるかもしれない。

 

 

 

 

 

 

しかし、俺は後に後悔する。

 

何であの時、その場で中身を確認しなかったんだろう…… と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、一応遺品捜しは終わった訳だし、帰りますか」

 

『ああ、中身が楽しみだ』

 

孤児院を出て、ホテルに帰ろうとトライドロンに向かおうとしたその時だった。

 

 

ズガンッ!!

 

 

「『!?』」

 

銃声が響き、俺はその場を飛び退くと、銃弾が俺のいた場所に着弾した。

 

『な、なんだ!?』

 

「銃弾!? 何処から!?」

 

俺は、狙撃された場所と犯人を探そうとすると、第三者の声が聞こえてきた。

 

『あら?しくじっちゃった?』

 

「!? 誰だ!!」

 

すると、目の前の木から、影が飛び降りた。

 

その姿は、誰が見ても派手だった。

全身に宝石が散りばめられ、映画のフィルムを模したマントを羽織り、シルクハットのようなヘルメットに赤い瞳。

 

奇妙な格好をした人物が俺の前に現れた。

 

「仮面ライダー……? てめえ、何者だ?」

 

『あら嬉しい。仮面ライダーに認めて貰えるなんて。そうね、私は仮面ライダールパン。禍の団(カオスブリゲード)って言えば分かるかしら?』

 

その瞬間、俺の運命が動き出した。

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