ハイスクールD×D 加速する戦士   作:響く黒雲

66 / 95
最近、肩が凝って仕方がない……

それではどうぞ!


怪盗の心裏とはなにか

「走介君!? しっかりして! 走介君!!」

 

「………」

 

私を庇ってキメラの攻撃を受けた走介君は、地面に激突した衝撃で気を失ない、変身が解けてしまっていた。

 

「グウゥゥ……」

 

こうしている間にも、キメラは此方に近づいている……

それにしても、どうして私まで攻撃したの!?

 

考えられるとしたら……

 

「曹操…… あいつ、レオナルド君の失敗作を寄越したわね…」

 

レオナルド君はその幼さから、稀に失敗作を生み出してしまう事がある。

そんな適当な物で…… いや、原因はハッキリしているか……

 

「走介君の…… ドライブのデータを無理矢理詰め込んだから…」

 

「ガアァァアァアァッ!!」

 

「ッ!!」

 

私は、向かってくるキメラの拳を、走介君の体を転がしながら避けた。

 

「…… 威力だけは、凄まじいわね」

 

暴走しているなら付け入る隙はあるはず、走介君をここに置いて……

 

「こっちよ!」

 

私は、走介君から離れる様に走り出した。

 

「グルルル……」

 

暴走して、理性を失っているキメラなら動く物に反応するはず。

それも攻撃してくる奴なら……

 

「尚更、こっちに来ない訳にはいかないよね!」

 

 

『ガ~ン』

 

 

ルパンガンナーでキメラを射撃しながら、私は走り回る。

気絶して無防備な走介君に、こいつを向かわせる訳にはいかない!

 

……… って、何で私、敵の筈の走介君を守ろうとしているんだろう?

 

「ゴゴゴゴカァッ!!!!」

 

「そんな大振りの拳に当たるもんですか!!」

 

再び、大振りに放たれた拳を私は、キメラの腕に飛び乗る事で躱した。

 

「てえぇぇぇぇぇぇい!!!!」

 

そのまま腕を駆け登り、キメラの顔面に蹴りを当てる。

 

「グガアァアァッ!?!?」

 

激痛が走った事に驚いたキメラは、そのまま仰向けに倒れた。

 

「これなら…… 行きなさい、虚構の兵士(イミテーショントルーパー)!」

 

ルパンガンナーを乱射し、数体の虚構の兵士を作り上げる。

彼らの姿は、ハート達ロイミュード派達の感情の神器の初期段階を参考にしている。

 

頭部に、蛇や蜘蛛、蝙蝠等に見える簡単な装飾と外見だったから、複製しても兵士っぽく見える。

 

そんな兵士達が、キメラの四肢にしがみつき、鋼鉄の拘束具に姿を変える。

 

私は、張り付けにしたキメラに、走介君にしたようにフィルムを放ち、更に拘束した。

 

「ガアァァアァアァァァァ………!」

 

いくら叫ぼうとも、その拘束から逃れるには時間がかかる筈。

止めを刺したいが、ドライブのデータが詰まっているんだ、簡単に止めを刺せる訳がない。

 

むしろ衝撃で拘束が解ける方が心配だ。

 

「今は走介君ね……」

 

私は、未だ気絶している走介君を連れて、孤児院に逃げ込む事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

逃げ込んだ孤児院は、焼け跡だったこともあり、満足に休める場所が無かったが、運良く、院長室にはベットが残っていて、そのベットに走介君を横にした。

 

「傷は…… うん、そんなに深く無い…」

 

最悪、内臓は潰れていると覚悟していたけど……

良かった、無事で……

 

私は持っていた応急セットで走介君の治療をする。

何もしないよりはましだ。

 

包帯を巻くために走介君の服を脱がすと……

 

「これは……!」

 

そこには、夥しい数の傷が、走介君の体に刻まれていた。

 

「…… 一体、どんな人生を送ったらこんなに傷だらけになるの……」

 

凡そ、十七の少年が負って良い数の傷じゃない。

 

『……… そう思うのなら、これ以上走介に構わないでくれ』

 

すると、誰かが私に声を掛けてくる。

 

「…… これは走介君の神器よね……」

 

『何故、君たちは走介を執拗に狙う!!』

 

「貴方、所有者が気絶していても喋れるの!?」

 

『私の事はどうでもいい!! 何故走介を狙うのかと聞いているのだ!!』

 

その声に含まれる怒気は、私を震え上がらせる。

圧倒的な存在から、睨まれている様な感覚だ。

 

「それは…… ごめんなさい。私にも分からないわ」

 

『…… もう、これ以上走介から何かを奪うのは止めてくれ…… 何かを奪われるたび、彼の心は磨り減って、戦いから抜け出せなくなる…… 私は、走介に戦って欲しくは、ないんだ……』

 

先程の怒気からは一転、今度は父親の様な優しさの籠った声で、静かに言った。

 

「……… 気にすんなよ、ベルトさん」

 

『走介…!』

 

「走介君」

 

そこで、気絶していた走介君が目を覚ました。

 

「戦う事は、俺が望んだ事だ。それに、ベルトさんは言ったじゃないか。『ここで戦う事を望めば、下手をすると一生戦い続ける事になる。それでもいいのか?』って」

 

『ああ、そうだったね。それに君は、「もう…… 考えんのは止めた!! 何もしないで殺されるより、俺はイッセーの敵を取ってやりたい!! だから…… 俺は戦う!!」と言ったんだったね』

 

「そうさ、俺は……… 神藤走介は、自分で選んで戦う事にしたんだ。セーヌさんを責めるのは間違いだよ」

 

そう言う走介君とベルトの神器には、友情と信頼が感じられた。

それは… 私達英雄派には無い、とても尊いものだと、私は感じた。

 

「それで? セーヌさんはどうするんです? 今なら簡単に俺に止めを刺せますけど」

 

唐突に言われた一言、忘れていたが、私と走介君は敵なんだ。

今なら、確かに簡単に走介君を殺すことが出来るだろう…… でも……

 

「しないわ。殺しは、私の怪盗としての美学に反するの。だから、走介君を殺したりはしないわ」

 

とは言ってみたが、本当にそうなのだろうか?

現に、私はなにとなく走介君に惹かれている様な気がする。

 

そんなバカなとは思っているが、ならばどうして私は走介君を助けたのだろうか?

 

「そうですか」

 

「そうよ。でも、聞きたいのはこっちも同じ。走介君、何であの時私を庇ったの? 貴方なら、避けられた筈でしょ?」

 

それだけが分からない。

私は兎も角、走介君に私を助ける理由が無い。

 

ならば、何故?

 

「特に何も考えてませんよ。ただ……」

 

「ただ?」

 

「少なくとも目の前で、あんなに悲しそうな顔をしていた人を、見捨てる訳にはいかないって…… そう思ったら、体が勝手に動いていたんです」

 

「悲しそうな顔?」

 

そんな顔、していただろうか?

 

「はい。セーヌさんはやっぱり笑顔が一番似合ってますから!」

 

そう言って走介君は、ニコッと笑った。

 

「……ッ」

 

何で? 胸が、少し苦しい。

 

でも、心地が良い締め付けだった。

 

「セーヌさん?」

 

「ふぇ? え、ええ! 何かしら!?」

 

「? いえ、顔が真っ赤ですけど」

 

う、うそ!? でも言われて見れば確かに顔が熱い気がする。

 

な、なんか癪だなぁ~ 怪盗の私がそう言う所を見られるのは……

 

「も、もう!お姉さんをからかわないの!」

 

照れ隠しな行動になったけど、走介君の背中をバチンと叩く。

 

「痛ってぇぇぇぇ!!!?」

 

「ああ!? ご、ゴメンね!? 走介君!?」

 

「い、いい… デスヨ…… 効きました……」

 

そうだった!? 走介君怪我してたんだった…

私のバカちん!!

 

「つぅ~…… それで、キメラをどうしたんですか?」

 

そういえば、忘れていた。

まだアイツを倒せて無かったんだ。

 

「アイツならルパンガンナーで拘束して、さっきの場所で張り付けになってる。ドライブのデータを使っているだけあって、私だけじゃ止めを刺せそうに無かったの」

 

『フム…… データが渡っているだけでも面倒だというのに』

 

「なら、一緒にやりますか?」

 

一緒にやる…… つまり共闘の事を言っているのか。

 

「いいの? 私は貴方のお祖父さんの遺品を盗もうとしたのよ?」

 

「どのみちこのままじゃ動けないし…… それに、遺品はあんなのでしたし……」

 

あー…… 確かに、あれには流石に私も言葉を失った。

 

まさかエロ本が遺品だなんて……

 

「……… そうね。ここは共闘しましょう」

 

『うむ、その方が合理的だ。して、拘束はどのぐらい持つのだね?』

 

拘束したのは、夕方…… 今はもう日が落ちてる…

それを踏まえると……

 

「大体、夜明け前… かな」

 

『フム… 約七時間か…… ギリギリだが、それだけあれば、戦える程には回復するだろう。だが無茶はするなよ? 走介』

 

「分かってる。そうと決まったら、今日はもう寝よう。少しでも回復させないと」

 

そう言うと、走介君はベットに横になろうとした。

 

「あっ、でもそれだとセーヌさんが寝れないな…… 一応このベット二人でも寝れますし…… 一緒に寝ます?」

 

「え、ええ!?」

 

い、いい一緒に!?

 

「でで、でも私敵だし!」

 

「今は共闘してるでしょ」

 

「そそ、それに!私、怪我してないし!!」

 

「気疲れ馬鹿にしてたら酷い目に逢いますよ?」

 

うぅ…… ダメだ、勝てない。

ど、どどうしょう!? 私、男の子と一緒に寝た事なんてないしそれに……!?

 

「はぁ…… それ!」

 

「きゃっ!?」

 

そうこうしていたら、走介君にベットに引き込まれた。

 

「ほら、さっさと寝て下さい」

 

「うぅ…… はい……」

 

もうその有無を言わせない眼光に私は黙るしか無かった。

 

「スー…… スー……」

 

暫くすると、走介君の規則正しい寝息が聞こえてくる。

やっぱりダメージを負っているから、疲れてるんだ……

 

「………」

 

ふと、私は背を向けて寝ている走介君の背中に抱き着いてみた。

 

「……… 暖かいね、走介君」

 

返ってくるのは寝息ばかりだったが、それが愛おしく思えた。

多分これが……

 

「恋心…… って物かな……」

 

私は、走介君の暖かさを感じなから、静かに眠りについた。




『奴は、貴女の大切な物を盗みました』

「それは、一体?」

『…… 貴女の心です!』

「…… そうかも、しれませんね」

『では、私はこれで』

「……… 何やってんの?」

『「カ○○○○ロの城ごっこ」』

ルパンを書いてたら凄く見たくなりました。























それにしてもターキーが食べたい。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。