翌日の早朝、まだ日が出ていない時刻であるにも関わらず、俺は目覚めた。
時間的には、そろそろキメラの拘束が解かれる筈だ。
起き上がろうとして、体を動かそうとしたが……
ギュ……
なにかがしがみついていて動けない。
首だけ傾けて見てみると……
「スゥ…… スゥ……」
静かに寝息を起てて寝ているセーヌさんがしがみついていた。
「…… どうしてこうなった?」
なんでセーヌさんがしがみついている?
確かに一緒に寝たけど、セーヌさんに密着はしていなかった筈なんだけどなぁ……
「うにゅ……」
不意に、セーヌさんがなにかを言いもらす。
…… 可愛い。
俺は、いつの間にかセーヌさんの頭を優しく撫でていた。
「……んん? ムフフ……♪」
撫でていると、嬉しそうにセーヌさんは声をもらす。
…… 可愛い。
そうしていると、もっと反応が見たくなって更に撫でてしまう。
「んふふ…… こーら、何時までお姉さんの髪の毛を撫でてるの? そんなに気持ち良かった?」
「あ、すいません。起こしちゃいましたか」
そんなこんなで、セーヌさんは起きた。
「ううん。そろそろ時間でしょ? 丁度良かったわ」
『お早う二人共、体調はどうかね?』
ベルトさんも目を覚ましたのか、俺達の会話に入ってくる。
「お早うベルトさん。こっちは大丈夫だ」
「私もよ」
『ウム、それは何よりだ』
体の方は完全に、とまではいかなかったが戦えるまでには回復している。
それに今回はセーヌさんも一緒だ。
今度こそ奴に勝つ!
「それじゃ、行きましょうか」
セーヌさんの言葉に頷き、俺達は孤児院を出た。
前日、俺達が戦闘した場所までたどり着くと、キメラを縛っていた拘束が解かれる直前だった。
ピキピキ…
「ガァァァァァッ!!!!」
『Good Timingだったようだね』
「だな」
「そうね。完全に解けない内に変身しちゃいましょうか」
そう言うと、セーヌさんはルパンガンナーを取り出して、銃口を手のひらに押し付ける。
「変身」
すると、ルパンガンナーからとてもゴージャスな待機音が流れ始め、セーヌさんはルパンガンナーを振るい、宝石を空間に散りばめる。
宝石が徐々に砕け、破片が次々とルパンの鎧の形になっていき、遂に鎧は、ゴージャスな変身音と共にセーヌさんに纏われた。
『仮面ライダールパンここに参上!なんちて☆』
真面目にやってくださいよ……
マントをはためかせながらそう言う彼女に、俺はそう思ったが、結局無駄だと思い、俺も変身を始めた。
「行くぜベルトさん」
『ああ!ここで決着を着けよう!』
俺はイグニッションを回し、シフトブレスにスピードを装填した。
「変身!!」
スピードを倒し、右腕を左上に、左腕を右腕の下に構え、ハンドルを切る様に時計回りに回して両腕を一気に開いた。
『DRIVE!!!! type SPEED!!!!』
真紅の鎧が纏われ、トライドロンから放たれたタイヤが、俺の左肩にたすき掛けされた。
「グアァァァァア!!!!」
バキンッ!!
俺達の変身が完了すると同時にキメラの拘束が破れた。
拘束を破ったキメラは俺達を視界に入れると、殺気を出して、吠えた。
「ゴガガガガガガッ!!!!」
『相当ご立腹の様ね』
『関係ないね! さあセーヌさん!ひとっ走り付き合えよ!』
『OK、一緒に踊りましょう!!』
互いに気合いを入れ合うと、俺達は共に走りだし、キメラの胸に同時に膝蹴りを放った。
『『ハッ!!』』
「ゴガッ!?」
突然の衝撃で後ずさるキメラだったが、奴には俺のデータか入ってる。
厄介な事をされる前に倒す!
『セーヌさん! 合わせて下さい!』
『分かった。何時でもどうぞ!』
セーヌさんに指示を飛ばし、了承を得た俺はキメラに殴り掛かる。
先ず顔面に一発!
『ダァッ!!』
「グガッ!!」
キメラは、俺を振り払おうと腕を振るうが、俺はしゃがんで避け、セーヌさんが俺を台にしてキメラに蹴り込む。
『セイ!』
「グギッ!!」
そこからセーヌさんは体を反転させて俺を掴み振り回し、俺はまたキメラの顔面に蹴り入れた!
『ハアッ!!』
「ガァァァァァッ!?」
その衝撃に堪らず倒れるキメラ。
そのチャンスを生かすべく、タイヤ交換をしようとしたが……
『あれ!? フレアが居ない!?』
何故かホルダーからマックスフレアが居なくなっていた。
ど、何処にいったんだフレア!?
『ゴメンね走介君♪これ、借りていくわね♡』
『あー!フレア!? いつの間に……』
いつの間にかフレアはセーヌさんの手に渡っていた。
しかし、フレアは嫌な様で必死にジタバタさせていたが……
『ゴメンね。でも走介君の為だから』
と、この一言でフレアは抵抗を止めた。
シフトカー手なずけるの上手いですね……
『ありがと。さて、行きますか!』
そう言うと、セーヌは金色のシフトカー…… いや、ブレイクガンナーの改造品だし、バイラルコアか。
金色のバイラルコアをルパンガンナーに装填した。
『チューン!ルパ~ン ウィ~ップ!』
すると、バイラルコアから鞭が出現し、ルパンガンナーは鞭になった。
『ハッ!!』
鞭となったルパンガンナーをしならせ、キメラを転倒させる。
『捕った!!』
「グガァァァァァッ!?!?」
『それっ!』
そして鞭を、周りの木に巻き付け、ターザンの様に移動し、木の上に昇る。
『次は…… これね』
ルパンウィップバイラルコアを抜き取り、次は前方に長い銃身が付き、後方にレールが付いたルパンスナイプバイラルコアを装填した。
『チューン!ルパ~ン スナ~イプ!』
前方の銃身が伸びて、スナイパーライフルになったルパンガンナーに、バイラルコアの後方に付いたレールに、俺から盗ったマックスフレアを装填した。
『さて、出番よ。フレアちゃん♪ ツインチューン!』
『チューン! マ~ックス フレア!』
『これでどうかしら!!』
ドンドンドンドンドンドン!!!!
マックスフレアを装填した事により、ルパンガンナーの銃弾は火炎弾となり、キメラに襲い掛かる。
「ガッ!? ギャッ!? ガァァァァァッ!!!!」
ルパンガンナー本来の連射性とルパンスナイプバイラルコアの精密性、そしてフレアの威力が合わさった事により、驚異的な破壊力を生み出していた。
『す、スゲェなセーヌさん。初めて使うシフトカーの特性を正確に理解している!』
『ああ。そのセンス、技術。どれも怪盗ルパンに引けを取らないようだ!』
けど肝心してばかりも居られない。
『俺達も行くぞ!! ベルトさん!』
『OK! モンスター!』
ベルトさんの呼び掛けに応じて、マッシブモンスターが俺の元にやって来る。
『よし、行くぜモンスター』
モンスターの後方を180度回転させて、シフトスピードを抜き取り、モンスターを装填して倒した。
『タイヤコウカーン!!!! マッシブ モンスター!』
トライドロンから、緑色のモンスターの口にある紫のタイヤが放たれ、モンスターの部分は俺の両手に、タイヤはスピードタイヤと交換された。
『ウオォォォッ!!』
「! ガァァァァァッ!!!!」
突撃してくる俺に気が付いたキメラは、セーヌさんの火炎弾も気にせずこちらに向かってくるが、俺は両手の武器で、迎え撃った。
『ハァァァアッ!!!!』
「ゴォオアアアッ!!!!」
振り抜かれる左腕を、右腕の武器で弾く。
ドオォォォォォン!!!!
続いて来る右腕を、同じ様に左腕で弾く。
ドオォォォォォン!!!!
弾いた両腕は、当然俺の真横の地面に振り抜かれるれるが、余りの威力に地面は陥没していた。
一歩間違えば自分もこうなると思うと…… うぅ、恐ろしくてブルって来るぜ……
『ダアァァァァッ!!!!』
「ゴアアアアアアッ!?!?」
がら空きになったキメラの胴体に向かって俺は、両手を突きだして吹き飛ばした。
『セーヌさん!決めるぜ!』
『OK、何時でもいいわよ!』
俺はモンスターをシフトブレスから抜き取り、シフトテクニックを装填して倒した。
『DRIVE!!!! type TECHNIC!!!!』
『よし、来い!ウィンター!!』
タイプテクニックにタイプチェンジした俺は、ロードウィンターを呼び寄せた。
そして呼び出したドア銃に装填した。
『ヒッサーツ!!!! ウィンター! フルスロットル!!!!』
『食らえぇぇぇぇぇぇッ!!!!』
『いっけぇぇぇぇぇッ!!』
俺はドア銃から冷凍光線を、セーヌはルパンガンナーから火炎弾を放った。
冷気と熱気の温度差により、奴の肉体を駄目にしてしまおうと言う作戦だ。
『『ハアァァァァァァ!!!!』』
「グッ!? ゴアアアアアアッ!!!!」
ドカァァァァァァァァン!!!!!!
温度差に耐えられなくなったのか、キメラは爆発を起こして、炎に包まれていった。
ルパンウィップバイラルコアのモチーフはインディ・ジョーンズから。
ルパンスナイプバイラルコアのモチーフはルパン三世の良き相棒、次元さんから。
代名詞の武器ですよね、あの二人の。