ハイスクールD×D 加速する戦士   作:響く黒雲

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太陽の聖剣の力はどんなものなのか

不思議だ…… 体が軽い。

太陽の聖剣(エクスカリバーガラディーン)を持ってからというものの、体がポカポカと暖まって疲労感も、傷の痛みも引いていた。

 

これも、この聖剣の力なのだろうか?

 

『キャアァァァァァッ!!!!』

 

っと、グズグズしても居られないな、セーヌさんが危ないんだ!

 

俺は、一気に走り抜けて元の場所に戻ってきた。

すると、キメラはセーヌさんを追い詰めていて、今にでもその拳を振り下ろさんとしていた。

 

「止めろぉぉぉぉぉぉッ!!!!」

 

瞬間、俺はキメラとの距離を詰めて太陽の聖剣(エクスカリバーガラディーン)でキメラを切り裂いた。

 

「ガアァァァァァァァッ!!!!?」

 

剣筋から炎が立ち上ぼり、キメラの背中を燃やし、火が着く。

キメラはその事に驚き、その場で転げ回った。

 

『そ、走介君!? 傷は大丈夫なの!? それにその剣って…』

 

「話は後です。傷を癒せ!ガラディーン!!」

 

俺は太陽の聖剣(エクスカリバーガラディーン)に力を込めると、刀身が淡く輝き、ゆっくりとセーヌさんを包み込んでいく。

 

『暖かい…… この剣、聖剣よね?』

 

「はい。太陽の聖剣(エクスカリバーガラディーン)……… じいちゃんの本当の遺品です」

 

『ガラディーン…… かの円卓の騎士の一員、太陽の騎士ガヴェインが所有していたエクスカリバーの兄弟剣…… それが、貴方のお爺さんの遺品……』

 

「ええ。あげませんよ?」

 

『ううん。宝は相応しい人の手に有るべき。それが私の美学だから…… 盗らないわ、その聖剣は』

 

「そうですか」

 

『二人共、悠長に喋っている時間は無いようだ』

 

ベルトさんの注意で、キメラの事を思い出す。

見ると、キメラは既に背中の炎を消していて、此方を殺気の篭った目で見ていた。

 

「グウゥゥ…… ガアァァァァァァァッ!!!!」

 

キメラが吼えると、体色が紅白になり、体から真紅の稲妻が迸っていた。

 

あの現象…… 間違いない。

敵はデッドゾーンまでコピーしていたようだ。

 

「厄介な事しやがって…」

 

『敵もそれだけ力を入れているという事だろう』

 

「セーヌさんはそこで見ていて下さい。まだ動きにくい筈ですから」

 

『分かった…… 気をつけてね』

 

「死にはしませんよ」

 

そう言うと俺は、セーヌさんから少し離れ、シフトデッドヒートを手にした。

 

「ここでお前を倒してやる…」

 

『Start Your Engine!』

 

俺は、デッドヒートのサイドカーを収納してイグニッションを回し、デッドヒートをシフトブレスに装填した。

 

「変身!!」

 

 

『DRIVE!!!! type DEAD HEAT!!!!』

 

 

軽快なサウンドと共に、俺は紅白の鎧を纏い、デッドヒートタイヤをたすき掛け、DーHコウリンのメーターを始動させ、身体中から蒸気を大量に放出した。

 

『ハァァァァァ……』

 

「ガアァァァァァァァッ!!!!」

 

『見せてやるよ…… 本当のデッドヒートがどういう物なのかを!!!!』

 

吼え猛り、真紅の稲妻と共に此方に向かってくるキメラを、俺は赤い超エネルギーを纏いながら迎え撃った。

 

「ガアッ!!!!」

 

『ダアァァァァアアッ!!!!』

 

キメラの拳を押し退け、俺の拳は吸い込まれる様にキメラの胴体を捉えた。

 

「ゴアッ!? ? ?」

 

こいつは分かっていない様だな、何で自分が押し負けたのか。

簡単な事だ、デッドゾーンは大量に体力を消耗する捨て身の戦法。

 

それを後先考えずにずっとMAXの状態で使っているキメラに対し、俺は一瞬だけ爆発させるように一気にエネルギーを放出した。

 

その為、拡散しているキメラのエネルギーと、一点に集中させた俺のエネルギーでは密度が違った。

 

これも、理性なく暴走しているキメラと、デッドゾーンを正しく乗りこなした俺との違いだろう。

 

『ガラディーン!! ハッ!! ダッ!! ハアッ!!』

 

「ガッ!? ゴッ!? ゴアッ!!!!」

 

デッドヒートのエネルギーを纏わせたガラディーンでキメラを切りつける。

強化された炎が容赦なくキメラを襲い、既にキメラは戦闘不能になりつつあった。

 

『決めるぞ走介!!』

 

『ああ!今度こそ、来い!フレア!!』

 

俺に呼ばれたのが嬉しかったのか、フレアが炎を滾らせながらやって来た。

 

俺はデッドヒートをシフトブレスから抜き取り、フレアを装填して倒した。

 

 

『タイヤコウカーン!!!! マックス!フレア!』

 

 

炎を纏ったフレアタイヤに交換され、鎧の熱は更に上昇した。

タイプデッドヒートとフレアは、性質上危険を伴うが相性は抜群だ。

 

すぐさま俺は、イグニッションを回し、イグナイダーを押してフレアを倒し、必殺技を発動させた。

 

 

『ヒッサーツ!!!! フルスロットル!!!! フレア!』

 

 

『ハァァァァァ……』

 

必殺技の発動により上昇した熱を、全てガラディーンに移した。

ガラディーンは超エネルギーを受けて、刀身を炎そのものと化す。

 

太陽の(エクスカリバー)……… 聖剣(ガラディーン)!!!!』

 

そしてガラディーンの真名を解放、炎の大剣となったガラディーンをキメラにぶつけた。

 

「ゴアァアァアァアァァア!!!!」

 

激しい紅蓮の炎にキメラは包まれていった。

 

『やったな!走介』

 

『ああ。これが…… じいちゃんの遺品!!』

 

刀身を覗くと炎の光が反射して、キラリと光った。

炎を背にして、セーヌさんの元に戻ろうとしたその時だった。

 

「ゴオォォォォォアァァアァアッ!!!!!!!!」

 

『『!?』』

 

炎の中から、蓄積されたエネルギーを正に今暴発させんとするキメラが俺に迫った。

 

しまった!? 間に合わない!!!?

 

責めて防御だけでもしようと体を動かした時。

俺の横を、セーヌさんが走り抜けた。

 

 

『チューン!ルパ~ン ブレ~ド!』

 

 

ルパンガンナーの銃身を押し込み、ライズと同じ様に必殺技を発動させる。

 

 

『ア~ルティメット!!!! ルパ~ン ストラッシュ!!!!』

 

 

そして、ブレードモードになったルパンガンナーをキメラの体に突き刺した。

 

『ハアッ!!!!』

 

「ガアァァァァァァァッ!!!!!?」

 

『セーヌさん何を!?』

 

俺はセーヌさんの行動が分からなかった。

 

あのまま其処にいれば、少なくともダメージは少なかった筈なのに何故!?

 

『フフ…… そうね…… 強いて言うなら… 私の演技を褒めてくれたお礼…… かな?』

 

『そんな事で!?』

 

『それでも私とっては、その一言が嬉しかった。私はテロリストで怪盗。決して誉められる事じゃない… でも走介君は純粋に褒めてくれた…… それが何よりも嬉しかったから……』

 

『それなら幾らでも言ってあげますから!! だから早く逃げて!!!!』

 

セーヌさんは静かに首を振る。

それは彼女が、もう決めた事だと言っているのと同じだった。

 

『またね♪ 走介君』

 

そして………

 

 

ドオォォォォォォォォォン!!!!!!!!!!

 

 

キメラは、セーヌさんを巻き込んで大爆発を起こした。

 

『うわぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!!?』

 

俺は衝撃で吹き飛ばされ、木に激突した。

 

『走介!? 大丈夫か!?』

 

「う、くっ…… なん、とか…」

 

衝撃で変身は解けてしまい、爆発した所も、酷い有り様だった。

 

俺はその光景に膝を突いた。

 

「そんな…… セーヌさん…… なんで……」

 

また、守れなかったのか…… 俺は…!

 

悔し涙を流しながら、爆心地を見ていると、空から、一枚の紙切れが飛んできた。

 

『走介!! 見てみろ!!』

 

「えっ?」

 

ベルトさんに言われて、足元に落ちた紙切れを拾うと、其処にはこう書かれていた。

 

〔今度会った時は、貴方の何かを盗ませて貰うわ。それが何かは、次のお楽しみ♪ またね、走介君♡〕

 

それは、間違いなくセーヌさんの物だった。

 

「はは……ッ!! やっぱ…… 苦手だわ。あの人」

 

こうして、俺のじいちゃんの遺品を巡るフランス旅行は、幕を閉じた。

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