俺とセーヌさんで繰り広げたキメラとの死闘から二日……
俺は、駒王町に戻るべく、パリの国際空港に足を踏み入れていた。
見送りは、ミカエルさんとガブリエルさん、そしてイリナだ。
「済みませんでした。まさか
「ごめんなさい走介君。貴方には要らぬ怪我と苦労を掛けさせてしまって……」
「走介君ごめん。私がもっとちゃんとしていれば…」
「ああ、そんなの気にしていないんで大丈夫ですって!」
「ですが…」
「それに、お陰でじいちゃんの遺品はちゃんと手に入ったんですし、俺とベルトさんも無事だった。これでいいじゃないですか!」
ったく…… これだから教会の人達は嫌いだぜ……
なんせいい人達まで頭がカチンコチンなんだから、面倒ったらありゃしない… 。
「走介君がそう言って下さるのなら。私達は構いませんが…」
「そう。それでいいんですよ」
「しかし…… 勇介が
ミカエルさんとガブリエルさん…… 相当じいちゃんに苦戦していたんですね…… まあ俺が殴っといたんで安心してください。
てか死んでも人に迷惑掛けるとか…… じいちゃん、今度会ったらフルボッコだな……
「では、そろそろ時間ですね」
「色々ありがとうございました。ミカエルさん、ガブリエルさん。イリナもな!」
「いえいえ、こちらこそ」
「近いうち、私も駒王に行くから、イッセー君達によろしくね!」
そして、俺を乗せた飛行機は、日本の駒王町に向けて飛び立った。
…… たった一週間の出来事だったのに、今は随分と日本が懐かしい上に恋しい。
イッセーや小猫、アレンにロマリー、オカ研の皆とも随分会っていない気分だ。
俺はフランスでの出来事を思い返しながら、飛行機で眠りに就いた。
数時間後、空港に到着した俺を待っていたのは……
「ソウくーん!!」
「ソウ兄さん。こっちこっち!!」
アレン、ロマリーのシュヘンベルグ姉弟だった。
「アレン!! ロマリー!!」
「疲れてる所悪いな! 姉ちゃんがどうしても迎えに行きたいって聞かなくってさぁ……」
「だってソウ君に早く会いたかったんだもん」
そう言ってロマリーはアホ毛をピョコピョコさせながら頬を膨らませていた。
…… 可愛い。
「まあまあ。兎も角、イッセー先輩の家に行こうぜ。夏休みも後二日だし、最後位派手にってパーティの準備してんだぜ?」
パーティ? 大袈裟だろ……
「いやいや、パーティって俺はこの通り怪我人だぜ?満足に準備なんて出来ねえよ」
「そこは… ホラ、アーシア先輩に治して貰えよ」
「そうね。アーちゃんなら問題無し!」
お前らがアーシアをどう思っているかよーく分かったぜ……
「はぁ……」
俺の状態などお構い無しに、ロマリーは俺を引っ張っていく。
『走介…… これも試練だ……』
あんた今回悟ったような言葉が多いなベルトさん!?
そうしてイッセーの豪邸に辿り着くと、オカ研の皆が出迎えてくれた。
「お帰りなさい。走介先輩」
「お、お、お帰りなさい!? 走介先輩!!」
「只今、小猫。ギャスパー、キョドり過ぎだ」
先ずは一年生のコンビが出迎えて……
「おう!帰ってきたな走介!」
「お帰り走介君」
「お帰りなさいです!走介さん」
「お帰り、フランスはどうだった?走介」
次に同級の二年生組が、
「中々有意義だったぜ、ゼノヴィア。イッセー、問題起こしてねえだろうな?木場は何時も通りだな。アーシア、後で傷の手当て頼むわ」
最後は、部長と朱乃さんが出迎えてくれた。
「お帰りなさい走介。フランスでは大変だったみたいね?」
「お帰りなさい走介君。成果は得られましたか?」
「只今戻りました。その話はまた後で」
「そうね。こうしてオカルト研究部全員揃った訳だし、パーティを始めましょうか!!」
『『『『『はい!』』』』』
部長の一言で、夏休み最後のパーティが始まった。
「へぇ~!じゃあイリナが走介を案内していたのか?」
「ああ、色々観光スポットを巡ったぞ?」
食事を終え、片付けも粗方終えた後、俺は皆にフランスでの出来事を話していた。
「しかも
「いや、英雄派って言う派閥のメンバーらしい」
「英雄派か…… 確か報告によれば英雄の子孫や、その魂を継いだ連中の派閥だったな」
『『『うわあっ!? 』』』
イッセーと話していると、横からアザゼル先生が話に割り込んできた。
「ア、アザゼル先生!?」
「よう。フランスから帰ってきたみたいだな、走介」
「お、脅かさないでくださいよ……」
「そいつは悪かったな」
そう言ってアザゼル先生は笑った。
この人もじいちゃんと同じタイプの人だったな……
いつかぶん殴る日が来るかもしれない……
「それより。ブレイクガンナーが盗まれてたなんて聞いてないですよ!」
「言ってないからな」
「お陰でこっちは大変な思いを……!」
「らしいな? クリムから戦闘映像は見せて貰ったぞ」
だ、駄目だこの人…… ルパンの事なんとも思っちゃいねぇ……
「そうだ。走介君、お祖父さんの遺品は聖剣だったんだよね?」
「ああ、そうだけど」
「良かったら見せてもらえるかい?」
「私からもお願いする。伝説の八本目のエクスカリバーが見られるなんてね」
「いいけど……」
木場とゼノヴィアに言われて、俺は
悪魔の皆は消し飛んだりしないだろうか?
が、そんな心配は杞憂だった。
「暖かいです~」
「ああ、心が洗われるようだ」
あれ?可笑しいな…… 聖剣は悪魔にとって有害なんじゃ……
『勿論、通常の聖剣ならばそうだろう。だが、この
ベルトさんによる説明で、皆が驚きながらも納得していた。
スゲェな…… ガラディーン万能だな!
「走介君。良ければ今度手合わせしないかい? 僕の聖魔剣と君の
「私も頼むよ走介。勉強漬けでデュランダルを振るいたくてうずうずしてるんだ」
二人供…… そんなに目をギラギラさせながら言う事か?
まあ断る理由もないし、俺も剣術に明るくなっときたいから文句は無いけどさ。
「むぅ~」
「………」
ん?なんか小猫とロマリーが不機嫌だな?
「どうかしたか?二人供?」
「だって…… 私は書類仕事してたのにさ、こんな美人のお姉さんとイチャイチャしちゃって……」
「私だって…… 走介先輩と……」
不味い…… 嫌な予感しかしない。
「いや、あれはセーヌさんに連れられて仕方無く!?」
「「名前で呼んでるじゃん(ないですか)」」
「うぐっ!?」
『それなら安心したまえ。彼女はもう居ないからね』
ナ、ナイスフォロー!! ベルトさん!!
「ん~…… それもそうだね」
「はい。 許してあげます」
ふぅ~…… なんで怒られたのか分かんないけど良かった…… けど……
「あのままあの人が終わるとは思えないんだよな…」
そんな風に呟いた時だった。
――――― あら?お姉さんの事、よく分かってるじゃない♪ お姉さん嬉しいな♡
『『『『『!?』』』』』
どこからともなく声がした。
「とう!」
ボン!
突然、部屋に煙幕が張られる。
っていうかこの声!?
「「きゃっ!?」」
「「うわ!?」」
「えっ!?」
「あらあら!?」
煙が晴れると、何故か俺以外皆縛られていた。
「ジャジャーン♪ サプラーイズ☆」
「セーヌさん!?」
そこにいたのは、間違いなくセーヌさんだった。
「ハァ~イ走介君。二日ぶりね?」
「なんの真似ですか!?」
「大丈夫よ。走介君の用が済んだら直ぐほどくから♡」
そう言ってセーヌさんは俺に近づいてくる。
「ん……」
「んぐっ!?」
そして、俺に濃厚なキスをしてきた。
「ちゅ…… れる…… ん…… ふふ♪」
「んん!? ちゅ…… いきなり何ですか!?」
いきなりキスされて俺は訳が分からなかった。
なんだってこうなった。
「うふふ♪ 欲しい物が出来たの。それは、走介君のこ・こ・ろ♡」
「はぁ?」
「走介君が悪いんだよ? 怪盗の私に本気で火を着けちゃうんだから」
ええ…… どうしてこうなった!?
「いや、あのセーヌさん」
「アイーシャ」
「へっ?」
「アイーシャ・ルパン。それが本名よ。アイシャって呼んでね☆」
「ア、アイシャさん……?」
「ん、よろしい」
そう言って、アイシャさんは皆の拘束を解いて、何故かロマリーと小猫の所へ向かった。
「貴女達には負けないわよ?」
「「!?」」
何かを言ったみたいだが、俺には聞こえなかった。
「それじゃあ皆さん。オ・ルボワール♪」
そう言ってアイシャさんは消えていった。
「な、なんだったんだ?」
け、結局アイシャさんは何がしたかったんだろうか?
訳が分からなかった。
「走介ぇぇぇぇぇ…… てめぇ……」
「ん?」
振り向くと、イッセーがユラリと立って俺を睨む。
「何時も何時も美味しい所ばかり持っていきやがってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
そう言って、血涙血眼で俺に襲いかかってきた。
「俺が知るかぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
俺も俺で何が吹っ切れた為、イッセーを(一方的に)鎮圧するために飛びかかった。
「うん…… やっぱり、今のままじゃ駄目だよね」
「走介先輩は…… 渡しません……!」
約二名、違う意味で燃えている人物が居たことを……
俺は気づいていなかったのだった。
次回予告
アーシアに訪れる求婚!!
「アーシア、僕の妻になってほしい」
「「「マジィ!?」」」
その裏に隠された陰謀!!
「全ては我らの理想郷、混沌の為に!!」
拐われたアーシアとロマリー!?
「姉ちゃんを返しやがれ!!」
「待ってろよアーシア!! 今行くぜ!」
そして現れたのは……
「シン、会いたかった」
「君は…… 一体何者なんだ?」
黒幕から告げられる事実。
「そんな…… 私のせいでソウ君は……」
その時アレンは…?
「てめぇだけは絶対に許さねぇ…… ディオドラァァァァァァァァ!!!!!!」
『シグナルバイクシフトカー!』
『ライダー! デーッドヒート!!!!』
『てめぇだけは…… 俺が潰す!!!!』
次章 体育館裏のホーリー type DEAD HEAT MACH
次回もフルスロットルだ!!