ハイスクールD×D 加速する戦士   作:響く黒雲

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アーシアは何故迫られたのか

走介に拉致られた後、俺はアーシア、ロマリー、アレン達と商店街に来ていた。

 

俺は途中ブー垂れていたが、アーシアの笑顔でノックアウト、そこからは大人しく荷物持ちになっていた。

 

アーシアの笑顔が見れるなら荷物持ちなんてへっちゃらだい!

 

「肉… 魚… 野菜… 豆腐… 後買ってないのは何だ?」

 

「調味料だよソウ君。ほら、丁度切らしていたでしょ?」

 

「ああ、そうだっけ?」

 

「もう!しっかりしてよソウ君~」

 

しっかし…… あのやり取りはどうにかならんものか。

こちとらさっきからイチャイチャしとるのを見てイライラしてんだよ!

 

「良い画だね~、姉ちゃんとソウ兄さん。そう思わない?アーシア先輩」

 

「はい!まるで夫婦みたいです!」

 

あー確かに、何処か見たことのある光景だと思ったら家の母さんと父さんが買い物している時に似ているんだ。

 

ていうか高校生で熟練夫婦の貫禄って何事!?

 

「やぁーだぁー!アーちゃんってばぁ!! そんな夫婦だなんて…… ねぇ?ソウ君♪」

 

「………ブツブツ」

 

な、なんだ?走介の奴、なんかブツブツ言い始めたそ!?

 

「マリア…… うぅ……」

 

あらら…… 夫婦とかそう言う関連で走介を弄るのは止めておこう… また自殺でもされたら色々と困る。

 

「ああっ!? ご、ごめんなさい走介さん!! 私ったらつい…!」

 

「いや…… いいよ。アーシアは何も悪くない…… 悪いのは全部俺……」

 

なに!? アーシアの癒しパワーが効かない!?

どんだけ落ち込んでるんだ走介の奴!?

 

「お、お、落ち着けってソウ兄さん!?」

 

「そ、そうだよ!? ソウ君は何も悪くないから!だから落ち着いて!? ね!?」

 

「そうだって走介!! マリアさんも怒ってないから!!」

 

何とか全員で走介を必死に慰める。

 

このままじゃ本当にまた自殺…!

 

「イッセーに慰められるとか…… 屈辱的だ…」

 

なんでさ!?

 

「てめえ走介!! 人がせっかく慰めてやったのにその言い方は無いだろ!!」

 

「落ち着けってイッセー先輩!!」

 

「離せー! 離せアレン!! 今日こそ彼奴に一発入れるんじゃぁぁぁぁぁ!!!!」

 

その騒動は俺がアレンを振り切って走介に殴りかかり、元浜と松田と同じ方法でやられるまで続いた。

 

やっぱり、駄目だったよ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆

全く、イッセーのせいで余計な時間喰ったぜ。

正直に言って何が悪い。

 

まあ、今は俺が鎮圧してドナドナしているわけだが。

 

「あの~…… イッセーさんは大丈夫ですか?」

 

「心配すんなアーシア。殺しちゃいない」

 

「ソウ兄さん殺す気だったの!?」

 

「いい、加減、離せ、走介!!」

 

「もう襲いかかるなよ?」

 

反省した様なのでイッセーをドナドナから解放してやった。

 

「ったく、酷い目に逢ったぜ……」

 

「大丈夫ですか?イッセーさん」

 

「ああ、大丈夫だよアーシア」

 

アーシア、そんなエロの権化に優しさは必要無いぞ。

と言っても、アーシアは優しいからな。

そう言っても聞かないだろう。

 

「さて、これで全部かな?」

 

「ああ。必要な物は全部買ったぞ」

 

「んじゃ、帰りますか!!」

 

「ああ!? 待ってください!! …… きゃあ!?」

 

「アーシア!?」

 

少し遅れぎみだったアーシアが、俺達に追い付こうと走って来るが、アーシアは基本ドジっ娘だ。

そんなアーシアが慌てて走れば必然的に転ぶ。

 

そんなわけでアーシアは何も無い場所で何故かつまずき、転ぼうとしたその時。

 

「おっと」

 

「きゃっ!」

 

誰かが後ろからアーシアの肩を掴んでアーシアが転ぶのを阻止した。

 

「アーシア!! 大丈夫か?」

 

「はい~…… すみません、ありがとうございます」

 

アーシアを助けたのは、見た感じ良いとこ育ちの優男だった。

 

こいつ…… 何処かで……

 

「アーシア・アルジェント…… 会いたかった」

 

「えっ? あの……」

 

アーシアの知り合いか?

にしてはアーシアの方に覚えが無いみたいだが…

 

「おいおい!アーシアに何の用だ!」

 

間にイッセーが割って入るが、男は真摯な表情を崩すことなく続ける。

 

「僕を忘れてしまったのかな? あの時に会っている筈だよ」

 

そう言うと男は胸を開き、そこにあった傷をアーシアに見せつけた。

 

「! その傷はもしかして…」

 

「そう、僕はあの時に君に治療してもらった悪魔だ」

 

! こいつが、アーシアが教会から追い出される原因を作った悪魔か!!

 

「僕はディオドラ・アスタロト。僕は君を迎えに来たんだ」

 

迎えに来た? 何を言っているんだこいつは。

 

すると、ディオドラは突然跪き、アーシアの手の甲にキスをする。

 

落ち着けイッセー、今怒っても仕方無いぞ。

 

俺はディオドラに飛びかかろうとするイッセーを宥めながら、ディオドラの言葉を聴く。

 

「僕と君の出会いは運命だったと思う。僕の妻になってほしい。君を愛しているんだ」

 

なんと、ディオドラはアーシアに求婚をしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後、アーシアはまだ決められないと言い、ディオドラは大人しく帰っていった。

 

運命だの、愛しているだの言っていた割りにはアッサリと引き下がった物だ。

 

帰り道、アーシアとイッセーはずっと無言だった。

そして…… 何故かアレンとロマリーも。

 

「おい、どうしたんだよ?イッセーやアーシアならともかく、お前達までそんな難しい顔して黙ってよぉ」

 

二人供、それぞれで違う表情をしていた。

アレンは義憤と怒り、そして嫌悪の表情をして、ロマリーは、不安と憂いの表情をしていた。

 

「聞いてんのか?」

 

「あの野郎…… アーシア先輩に求婚しときながら、意識と目線はずっと姉ちゃんを見てやがった…」

 

「なんだって?」

 

求婚している相手を目の前に、しかもプロポーズの最中に他の女を見ていただと?全く気づかなかった。

 

「…… イヤな予感がするの…… 何か良くない事が起こるんじゃないかって」

 

ロマリーはロマリーでなんかナーバスになってるし…

 

「こういう時の私の勘…… 凄く当たるんだ」

 

「いやでも絶対に当たるって訳じゃ……」

 

「孤児院の時もそうだった…… あの時もイヤな予感がして…… そしたら、私の誕生日の日に…… 孤児院が……!」

 

「!」

 

「お父様が今日は家に居なさいって…… でも皆が待ってるからって…… でも聞いてくれなくて、行けなくて……」

 

そうか…… だからロマリーはあの日無事だったのか。

あの日、俺はそもそも孤児院に居なかったから巻き込まれなかったが、ロマリーも孤児院に居なかったのか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうこうしている間に家に到着した。

アレン達はイッセーの家に言ったらしい、ここには俺とロマリーしか居ない。

 

「ソウ君……」

 

ロマリーの手が不安げに俺の腕を掴む。

その手は、震えていた。

 

「もう居なくなったりしないよね? 私、もう嫌なの…… 大好きな人が居なくなるのは…… もう、嫌……」

 

「ロマリー……」

 

そういえば…… 俺はずっと忘れていた事があった。

俺が復讐を志していた時や、やる気を失っていた時、ロマリーに何があったかということだ。

 

こいつはこいつで、色々な物を背負っていたのかもな……

 

「大丈夫だロマリー。前にも言ったろ? 俺はもう何処にも行ったりしない。行ったとしても、必ず帰ってくる。だから泣かないでくれ、ロマリーが笑っている顔が、俺は今も昔も大好きなんだぜ」

 

「ソウ君……」

 

少しだけ、笑顔を取り戻すロマリー。

うん、やっぱりロマリーは笑っているのが一番だ。

 

「ありがとうソウ君。大好き!! 孤児院で会った時からずーっと!!」

 

ファ!? な、何でだ!? 慰めていたのになんで告白の流れになった!?

 

何? 気づいて無かったんじゃないのかって?

そんなわけあるか!! あれだけ露骨にアピールされたら流石に分かるわ!! イッセーじゃあるまいし。

 

「あの~…… ロマリーさん? 好きってその~……」

 

「勿論LOVE!! 猫ちゃんも、あの泥棒も……」

 

「デスヨネー……」

 

はぁ…… 天国の神藤ファミリー、どうしてこうなったんだろ? 俺そんなに節操無しだったかなぁ?

 

「駄目……?」

 

や、止めろ!? そんな目で俺を見るな!!

…… でもどうするか、ロマリーは好きだし、アイシャさんだって好きだ。

小猫も好きだけど…… 俺は皆友達と思ってたしなぁ……

 

何より、俺にはマリアがいる。

死んでしまったとは言え、彼女を裏切りたくは無い。

それだけ彼女の存在が俺の中で大きかった事を改めて痛感した。

 

「ごめんロマリー…… 正直に言えば、俺は皆友達だと思ってる。それに、マリアの存在が俺には大き過ぎるんだ」

 

「うん……」

 

「だから…… せめて、答えはマリアへの思いにけりが着いたらでいいか?」

 

「うん、良いよ。私達にだって分かってる、今のソウ君に告白しても、きっとソウ君は皆を傷つけたく無くて無駄に悩むって事ぐらい」

 

「うっ…」

 

お見通しだったか…… やっぱりロマリーには敵わないな……

 

「だから…… ちゅっ」

 

「!」

 

そうして、ロマリーはいきなり俺にキスをする。

 

「ソウ君の事、マリアちゃんなんて目じゃない程メロメロにするから、覚悟しといてね!」

 

そう言って、ロマリーはイッセーの家に走って行った。

 

「ほらほら、早く行こ! 皆待ってるよ!」

 

「ははっ…… やっぱ敵わないな、ロマリーには」

 

女の子は強い。

そう俺は改めて思った。

 

そして同時に、これから先の未来でも、こういう事では一生ロマリーには勝てないということも、理解出来てしまったのだった。

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