『クッ、クッソォォォォォォォォ!!!!』
転移して最初に聞こえたのはアレンの絶叫だった。
あいつはシスコンって言われる程ロマリーを大事に思っているからな。
守れなかったのが悔しいんだろう。
「キャッ!?」
「うーん、良い尻じゃな。若さゆえの張りがたまらんわい」
悲鳴が聞こえて見てみると、オーディンのじっちゃんが朱乃さんのスカートを捲っていた。
な、何してんだじっちゃーん!?
瞬間、ゴウッと風が吹き、ズドン!! と音がする。
じっちゃんはいつの間にかユーリさんに足蹴にされて取り押さえられていた。
『あんた…… 今の状況分かっているのか?』
「すまんすまん。ついの」
ふ、普段感情が表に出ないユーリさんが怒ってる!?
じっちゃん…… 自重してくれ。
「クソジジィ!どっから…… ってあんた、その鎧は!!」
おっ、イッセーがユーリさんに気がついた。
『お前が赤龍帝の兵藤一誠だな?俺はユーリ。黒龍王だ』
『『『『こ、黒龍王!?』』』』
皆驚くよなぁ…… いきなりイッセーのライバルになり得る存在が現れたんだし…
『よう!赤いの!元気か?』
『お前は相変わらずか… 黒いの』
『あったりまえだ!俺から元気を抜いたら何が残る?』
『…… 何も残らんな……』
『だろ?』
何時も何時も、ドラゴン同士の会話ってどうしてこうもカオスになるんだろう?
「ま、まさか。イッセーとロマリーを狙って!!」
『今はそんな事言ってる場合じゃないだろ!? 皆!』
「は!? そ、そうね。走介の言う通りだわ。オーディン様!どうしてここへ?」
「うむ。簡潔に言うと、
部長にじっちゃんが説明していた時だった。
「相手は北欧の主神だ!討ち取れば名が揚がるぞ!」
旧魔王派の奴らが一斉に魔力弾を放ってきた。
これはヤバイだろ!!
しかし、じっちゃんは慌てず、杖を一突きすると、放たれた魔力弾は全て打ち落とされた。
「ほっほっほっ。取り合えずこいつをアザゼルの小僧から渡すように言われてのぅ。全く年寄りを使い走りにするとは… あの若造、どうしてくれたものか…」
『じい、小言が多いぞ』
うん、確かに小言が多いな…
じっちゃんは人数分の通信機をグレモリー眷属とアレンに渡した。
俺は既に貰ってヘルメットの下の耳につけている。
「ほれ、ここはこのジジィと黒龍王に任せて神殿まで走れ」
『行け走介。ここは俺達が引き受けた』
「頑張って下さい!皆さん」
「でも爺さん達だけで大丈夫かよ!」
イッセー…… 仮にも主神だぞ?
大丈夫だろ……
「なーに、ジジィもたまには運動せねば体が鈍るんでな。さーて、テロリストの諸君。この老いぼれは強いぞい」
そう言うと、じっちゃんは槍の様な物を出して……
「――― グングニル」
一帯が吹き飛んだ。
マ、マジかよ…… 流石主神…… 伊達じゃねえ…
「ほれ、さっさと走らんかい」
「ありがとうございます!! オーディン様!」
『じっちゃん!! 一応気を付けろよ!』
じっちゃんとユーリさん、ロスヴァイセさんに礼を言って、俺達は神殿へと走った。
入口に着くと、通信機からアザゼル先生の声が聞こえてくる。
〔こちらアザゼル。お前ら、無事か?〕
先生達は大丈夫だろうか…
〔言いたい事もあるだろうが、まずは聞いてくれ。今現在、テロリストの襲撃を受けている。各勢力が協力して撃退している所だ〕
やっぱり、先生達は予想はしていたのか?
手際が良すぎると言うかなんと言うか……
通信の要点を纏めると、旧魔王派の奴らが今回の黒幕で、ディオドラはそれに乗っかった形で事を起こしたらしい。
「先生、アーシアとロマリーがディオドラに連れ去られたんです!」
〔何? そうか。お前達の事だ、帰って来いって言っても聞かないだろ…… 今回は限定条件なんて物はない。思う存分に暴れて来い!! アレン!! 必要ならあれを使え、使える様に調整はしてある〕
『―― ッ!? あれだな?』
〔ああ〕
あれ? マッハに何か切り札があるのか?
〔最後にこれだけは聞いてくれ。ゲームは停止しているためリタイアはない。助ける手段は無いから肝に銘じておけ。…… 気を付けろよ〕
そう言ってアザゼル先生は通信を切った。
そうだな、俺達に後戻りは無い。
なら、突き進んで二人を助け出す! それしか、俺達が助かる道はねえ。
「小猫、アーシアとロマリーは?」
部長が小猫にサーチするように促した。
小猫から猫耳と尻尾が飛び出し、神殿の奥を指差した。
「彼処からアーシア先輩とロマリー先輩とディオドラ・アスタロトの気配を感じます」
ディオドラ…… 彼奴をぶっ倒して必ずロマリーを救って見せる!!
待ってろよ!ロマリー!
俺達は、神殿に続く長い階段を走り始めた。
そろそろ神殿にたどり着く頃か?
にしても大分長かったな…… ディオドラの嫌がらせ根性を体現したような造りだったぜ……
『ごめん…… ソウ兄さん……』
突然、隣で走っていたアレンが謝ってくる。
一体何を謝っているんだ?
『目の前に居たのに…… 側に居たのに…… 姉ちゃんを守れなかった……』
その事か…… まあ、アレンはふざけているようで責任感が強いからな、自分を責めるのも無理は無いか。
『何で俺に謝ってんだよ』
『でも俺はソウ兄さんの代わりに…!』
『バカ野郎、お前を代わりだなんて思ってねえよ。お前はアレン・シュヘンベルグ。仮面ライダーマッハだろ? お前は俺の代わりなんかじゃねえし、俺もお前の代わりになんてなれない。お前はお前のままで良いんだよ』
まったく…… ふざけた事を抜かしやがって……
『それに、謝るなら俺じゃなくてロマリーとアーシアだろ?それを間違えてどうする』
『……… そう、だよな。謝るのは姉ちゃん。俺、また逃げようとしてたんだな』
『良いんじゃねえか?俺達は一応人間なんだし』
最近、人外魔境に長く居すぎたせいで時々人間なのか怪しく感じる時もあるが、俺達は人間なんだ。
傷つけば死ぬし、仲間が死ねば悲しむ。
でも、それは人外達だって変わらない。
だからこそ、他者を見下す奴が俺は許せないんだ。
『サンキュー、ソウ兄さん。俺、絶対姉ちゃん達を救って見せるよ!!』
『ああ、その意気だ!』
そうこうしていると、神殿に到着して、俺達は中に突入した。
神殿の中は広々とした空間で、広間がずっと続いており、巨大な柱が並んでいた。
そして…… 目の前にはディオドラの眷属と思われる人影が十名ほどいる。
〔やー、リアス・グレモリーとその眷属の皆〕
広間にディオドラの声が響く。
俺達の事を言わなかったのは、見下しているのか、それとも怒らせる為か…… まあ、小者のやることに代わりは無いな。
〔さあ、遊ぼう。中止になったレーティングゲームの代わりだ〕
ゲームの代わりか…… やっぱり小者だな。
そんな遊びをしなくても、普通に戦えば良いだろうに……
「いいわ。貴方の戯れ事に付き合ってあげる。私の眷属がどれぼどのものか、刻み込んであげるわ」
マジか、承諾して良いのかよ? 相手は騙し討ちを平気でやる奴だろ?
「相手の提案を呑んでもいいんですか?」
イッセーの言う通り、俺もそう思うが……
「応じておいたほうがいいわ。あちらには…… アーシアとロマリーを人質にとっているんですもの」
! そうだった…… 頭に血が上っていて大事な事を忘れていたぜ。
あっちにはロマリー達が囚われているんだったな…
小者ほど、刺激すると訳の分からない行動を取るからな……
〔さて、ルールの説明の前に…… 人間の二人には別の所に行ってもらおう〕
『? どういう―――』
ディオドラに言葉の意味を聞こうとした瞬間、俺とアレンの足元に魔方陣が現れ、俺達は何処かに転移された。
◆◇◆◇◆
今、目の前で走介とアレンが消えた。
一体何が起こった?
「ディオドラ!! 走介君とアレン君を何処にやった!!」
〔あっはっは!! さーて、何処だろうねぇ~〕
木場がディオドラに叫ぶが、ディオドラは笑うばかりで答えない。
「てめえ…… バカにするのもいい加減にしろよ!」
「落ち着いて下さい。イッセー君」
「落ち着いていられませんよ朱乃さん!走介達が消えたんですよ!?」
「…… 落ち着いて下さい、イッセー先輩」
「ぐほっ!?」
ディオドラにイライラいていたら、小猫ちゃんに殴られちまった…… 効くぜ……
「大丈夫です。走介先輩もアレン君も別の神殿に飛ばされたみたいです。安心して下さい」
そう言えば走介が消えたのに小猫ちゃんが取り乱していない。
仙術で走介達の居場所が分かっていたからか。
〔果たしてそう簡単にいくかな?〕
「どういう事かしら?ディオドラ」
〔彼らを転移させた場所にはロイミュード派の幹部二人がいるからね〕
「!? なんですって!!」
ディオドラの解答に部長が驚く。
ロイミュード派って、あのハートが居る派閥だよな!?
そこの幹部二人が相手って…… 走介達、大丈夫かよ…
〔人間の事は放っておいて、僕達は僕達で始めようか?ゲームをさ〕
そして、俺達グレモリー眷属とディオドラの、アーシアとロマリーを賭けた戦いが、始まった……
ちょっとお茶請けみたいな軽い感じで聞いて欲しいんだ…… (´・ω・`)
Fateやってて思ったんだけど、鎧武の戒斗って、クラス適性全部あるんじゃないかなって思ったんだ。
根拠はこれさ。
セイバー ロバロンの主兵装
アーチャー レバロンの主兵装
ランサー 皆大好きバナナ
ライダー だって仮面ライダーですし?
キャスター オーバーロードの能力やインベスの支配等
アサシン 皆大好き戦極先生を皆の知らぬ間に真理パンチで暗殺
バーサーカー ロバロンは狂っているとしか思えない
……… アサシンとバーサーカーは無理矢理かな?
まあ、こんな感じだよ。
付き合ってくれた読者諸君にはヘルヘイムの森の実を贈るよ(´・ω・`)
じゃあ、次回もよろしく。