バイザーを討伐して二日、オカルト研究部で俺はいつも通り給仕をしていた。
イッセーは悪魔の仕事で今は居ない。
部室に居るのは、俺、ベルトさん、小猫、部長、朱乃さん、木場の七人だ。
因みに、シフトカー達は小猫と遊んでいたり、部長や朱乃さんの肩に乗っていたりする。
余談だが、ベルトさんは部員にシフトホルダーを渡している。
何でも、悪魔でない俺の為だそうだ。
部長にはバーニングソーラーとマッドドクター。朱乃さんにはファンキースパイクとファイアーブレイバー。木場はマッシブモンスターとロードウィンター。小猫はスピンミキサーとランブルダンプ。そしてイッセーにはジャスティスハンターとフッキングレッカーだ。
何故イッセーにその二台を割り当てたかといったら、もしイッセーが変態行為に及んだ場合、ハンターで拘束、レッカーで強制連行するためだ。
…… そんな時が来ない事を願いたいぜ。
おっと、そうしてたらアップルパイが焼き上がったみたいだ。
わりといい仕上がりだぜ。
「みんな、アップルパイが焼き上がったぞー」
「……! 本当ですか走介先輩……!!」
「あ、ああ… 焼けたぞ小猫」
小猫の目が何時もよりも輝いているぜ。
ホントに食べ物が好きなんだな。
「走介君の作る物はどれも美味しいからね、仕方ないよ」
「そうか? 店の奴に比べたら全然美味くはないと思うが…」
「あらあら、そんな事無いですわ、とても美味しいですわよ、走介君」
「 そうね、お店の物よりも美味しいわ、走介」
「ありがとうございます、部長、朱乃さん」
俺は紅茶を注ぎ、皆に配って食べ始めようとした、その時だった。
『走介!! 大変だ!!』
「んぐっ!!? ゲホッ!! ゲホッ!!」
ベルトさんがいきなり叫び、俺はアップルパイを喉に詰まらせてしまった。
「…… 走介先輩、水です」
俺は小猫に渡された水を受け取り一気に飲み干した
「ゴクゴクゴク…… ふぅ~ サンキュ小猫、助かったぜ、たく… 一体何なんだよベルトさん」
『不味いぞ、イッセーが契約先で何者かに襲われている!!』
「はぁ!?」
「な、なんですって!? それは本当なのクリム!?」
『ああ、今ハンターから連絡があった』
「こうしちゃ居られないわ… 皆、行くわよ!!」
「「「はい!! 部長!!」」」
すると皆は魔方陣に乗り転移を始める。
「部長!! 俺もトライドロンで行きます!!」
「分かったわ、先に行ってるわよ!!」
そして他の皆はイッセーの元に転移した。
「さて… 俺も急ぐか!! ベルトさんトライドロンを!!」
『もう呼んである!! 行くぞ走介!!』
そして俺はトライドロンに乗って現場に向かった。
俺は道をトライドロンで走っていた。
「なあ、ベルトさん… イッセーを襲ったのってやっぱり…」
『ああ、恐らく堕天使達だろう』
「あいつら……!!!!」
また、奴等はイッセーを殺すつもりか…!!
何時だってそうだ… 俺はいつも大切な物を何かに奪われていく…!!
孤児院の時だって…!!
『走介!! 前を見ろ!!』
「!」
ベルトさんに言われて前を見ると、急に目の前にバイクが横切り、俺はトライドロンをドリフトさせて、激突を防いだ。
「くっ!! なんだ彼奴は!!」
俺はトライドロンから出て、バイクに乗っていた奴に言った。
「おい!! いきなり前に飛び出てきて危ないじゃないか!!!!」
しかし奴は俺の言葉を無視して何かを呟いた。
「車型の
「何をブツブツ言ってるんだ? 俺は急いでいるんだ、そこを退いてくれ」
てか、今あいつ
「止めておけ、ここから先は只の人間の来る所では無い」
「!? さては… お前も堕天使の仲間か!!!!」
「裏の事を知っている…… ますます危険だな……」
「おい!! 答え…!!?」
ガァン!!
え? 今俺、撃たれなかったか?
あいつの手には、バイクのグリップのような紫と銀の拳銃が握られて銃口から煙が出ていた。
何で俺は無事なんだ?
『走介!! 大丈夫か!?』
どうやらベルトさんとシフトスピードが銃弾を弾いていたらしい。
「ああ、助かったぜベルトさん」
「神器が二つも…… !?」
『気をつけろ… 奴はバイザーよりも遥かに手練れだ!!』
「わかってる、行くぜベルトさん!!」
俺はベルトさんを腰に巻き付け、イグニッションキーを捻り、エンジンを始動させた。
『OK!! Start your Engine!!!!』
シフトスピードをシフトブレスに取り付け、倒して俺はドライブに変身した。
「変身!!」
『DRIVE!!!! type SPEED!!!!』
「鎧型の神器!? 成る程… そう言う事か」
『悪いが、先を急いでいるんだ、トップスピードで付き合って貰うぜ!!』
俺はバイク男に向かって走り、殴り掛かった。
『ハアッ!!』
しかし…
「フッ!!」
『なっ!?』
俺の拳は奴に受け流され、腕を掴まれた。
「悪くない拳筋だが…… この程度では俺には届かない」
『ブレイク…』
「フンッ!!」
『グアッ!?』
なん… だと…!?
奴は銃口を押し込むと拳銃から低い音声が流れ、奴はそれをメリケンサックのようにして俺の胴体を殴った。
それにより俺は吹き飛んだ。
「今はまだ未熟だが…… いずれ脅威になるかもしれん…… 今のうちに排除する」
奴は銃口に手を押し当てる、すると拳銃からヘビィな待機音が流れる。
「変身」
『ブレイク… アップ…』
すると今度は重厚なギター音が鳴り響き、奴の体にスクラップを寄せ集めたかのような鎧が纏われた。
あ、あれは… ドライブ!?
俺は驚愕した、奴が変身した姿はどことなくドライブに似ていたからだ。
『ベルトさん… あれは…?』
『分からん… 一体あれは…』
『俺は死神…… 魔進チェイサー…… 堕天使の番人だ』
やっぱり…!!
奴は堕天使の…!!
『魔進チェイサーと言ったな、君のそれは神器か?』
『違う、これはアザゼルが造った人工神器、その名も
『アザゼルって?』
『堕天使の総督だ、成る程… 彼なら神器を人工的に造り出す事も可能だろう、恐らくプロトドライブのデータを使ったんだ』
『プロトドライブ? 』
『君の前のドライブだ、嘗ての人外大戦で大きな功績を挙げたが…』
『どうしたんだよ?』
『大戦終了と同時に… 死んだ…』
成る程… 詰まり彼奴は先輩からの置き土産って奴か。
『全く厄介な置き土産だぜ!!』
俺は再び奴に向かって走り出した。
『フッ!! ハッ!! セイッ!!』
『………』
俺は何度も奴に殴り掛かったが一つ残らず受け流されてしまう。
『フンッ!!』
『グアッ!!』
『ハアッ!!』
『ガッ!!?』
それどころかカウンターを受け、逆にダメージを受けてしまっていた。
『うっ、くそ……!!』
『冷静になるんだ走介、タイヤ交換だ!!』
『ああ!! 来いベガス!!』
俺は、ドリームベガスを呼びシフトブレスに装着して倒した。
『タイヤコウカーン!!!! ドリームベガス!!!!』
すると俺の手と、タイヤにスロットを模した盾が二つとタイヤが装備された。
『盾か、少しは戦いやすくなるか?』
『なんだ…… ? あれは…?』
死神は戸惑っていたが、ブレイクガンナーで銃撃をしてきたが、俺は盾で防ぎながら接近していった。
『ハアァァァァァッ!!!!』
『くっ…!!』
『オラァッ!!!!』
『ヌオッ!!?』
俺は死神に体当たりをして、ぶっ飛ばした。
『ぶっ飛ばしたはいいものの…… 絶対倒れてねえよな… 彼奴』
『心配するな、どうやら性能はタイプスピードとほぼ互角のようだ』
『詰まり、俺に足りないのは経験って訳か』
『Exactly だが冷静に行けば勝てない相手じゃない。』
やっぱりベルトさんは頼りになるぜ、この言葉で幾分か俺の心は落ち着いたぜ。
そして死神は起き上がってきた。
『流石は仮面ライダーと言った所か……』
『仮面… ライダー…?』
なんだそりゃ? 随分格好いい名前だけど… 後でベルトさんにでも聞いてみるか。
『ヴァーリや美猴程ではないが…… フフッ… 面白くなってきた……!!』
そう言うと死神は再び構えた。
『何にせよ、早くイッセーを助けに行かねえと!!』
『いい案がある、ベガスの必殺技を使うんだ!!』
『分かった!!』
俺はキーを捻って、ボタンを押し、ベガスを倒した。
『ヒッサーツ!!!! フルスロットル!!!! ベガス!!』
すると、手に持っていた盾がタイヤと連結してスロットになった。
『君の熱い心でスロットを止めるんだ!!』
『ウオォォォォォォォォッ!!!!!!』
そしてスロットが止まり、出た目は…
パンパカパーン♪
見事
『お見事!! よくやった!! 走介!!』
『ハアァァァァ…… ハアッ!!!!!!』
そしてスロットから大量のコインが放出された。
『ヌ…!! クッ…!! グアッ…!!』
そのあまりのコインの量に死神は堪らず押し出されてしまった。
『今だ、走介!!』
『ああ!!』
俺は急いでトライドロンに乗ってこの場を離れた。
暫く走ると俺は部長からイッセーを回収したと聞いて直ぐ様オカルト研究部に戻った。
◇◆◇◆◇
『ム…… 』
俺は先ほど仮面ライダーによって放出されたコインをかき分け、奴がいた場所に目を向けた。
しかし、既に奴と車の姿はなく、砂煙が舞っているだけだった。
『…… 逃がしたか……』
標的が居ない事を確認した俺は変身を解いた。
それにしても…… 本当に面白い奴だ…… まさかこの俺が獲物を逃すとは… 勘が鈍ったか?
「だが…… 次に会うときが楽しみだ、仮面ライダー」
俺は、ライドチェイサーに乗って走り出し、夜の景色に溶け込んだ。
はい、登場しました、魔進チェイサー!!
彼の今回の事件の立ち位置はいかに!!
敵なのか!? それとも!?
次回をお楽しみに!!