ハイスクールD×D 加速する戦士   作:響く黒雲

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語られる真実の大きさとは

禍の団(カオスブリゲード)の兵隊達と戦っている最中、俺が創った人工神器に宿るファーブニルの宝玉に、強力な反応があった。

 

俺は、その強力な反応が何なのか確かめるべく、ファーブニルの導きで、反応がある場所へと急いだ。

 

そして、その場所に降り立つとそこには、腰まである黒髪の小柄な少女。

ワンピースも髪の色と同じく黒を身に付けていた。

 

…… 最後に会った時と全く変わってねえ……

 

「まさかお前自身が出張ってくるとはな」

 

少女は俺の声に反応してこちらを向き、薄く笑う。

 

「アザゼル。久しい」

 

「お前は全く変わってないな。一体何を考えている?オーフィス」

 

無限の龍神(ウロボロスドラゴン)オーフィス。現在の禍の団(カオスブリゲード)のトップ!

 

相変わらず不気味な奴だ。

こいつ自身が出張ってくるって事は、今回の作戦はこいつにとって重要な事なのか?

 

「見学。ただ、それだけ」

 

「高みの見物ね…… ボスのお前が現れるなんてな。お前を倒せば世界は平和か?」

 

俺は苦笑しながら、人工神器の矛先を突きつけるが、奴はただ首を振るだけだった。

 

「無理、アザゼルでは我を倒せない」

 

随分とはっきり言ってくれる。

だろうな、俺だけじゃお前を倒しきれない。

 

「では、二人ならどうだろうか?」

 

そう言って舞い降りたのは巨大なドラゴン!

 

「タンニーン!」

 

元龍王のタンニーンだった。

 

「それでも無理。我は倒せない」

 

タンニーンが居てもか…… さて、どうするか……

 

「ただ…」

 

「ん?」

 

「我を倒せるのはこの世界ではただ一人、シンだけ」

 

「!」

 

そう言うオーフィスの顔はどこか寂しげで、悲しげで…… まるで迷子の子供の様だった。

 

全く、無の存在である筈のオーフィスにここまで影響を与えるとは…… 我が友人ながら恐ろしいものだ、仮面ライダーってのは。

 

「あれほど世界に興味が無かった貴様が今頃テロリストというのが気に入らん!! 何が貴様をそうさせたのだ!!」

 

それには俺も同意だ。

一体、何がこいつをこうさせた?

 

「暇潰し――― なんて、シンと一緒にいたお前が考える筈がないよな」

 

さあ…… 世界を今まで傍観していた最強の存在が何故いまになって動き出した?

 

そこら辺、きっちり語って貰うぜ、オーフィス!

 

「――― 静寂な世界」

 

「…… は?」

 

「故郷の次元の狭間に戻り、静寂を得たい。…… シンの居ない世界は、我にとって意味は無い」

 

そ、それが理由かよ?

本当にあいつは…… なんであの時じゃなく今になって厄介事を運んでくる!?

 

あいつは確かに希望でもあったが絶望でもあったと、俺が再確認した瞬間だった。

 

「…… 恋人失った鬱かよって普通なら笑ってやるが…… 次元の狭間か…… 彼処には確か…」

 

「そう、四次元龍がいる」

 

四次元龍…… グレートレッドを筆頭に次元の狭間を護っている四匹のドラゴン。

まさか、次元の狭間に戻るために、奴等に懐柔されたのか?

 

…… そうか、ヴァーリ。お前の目的は!

 

その時、ディオドラの神殿の一つから、炎が噴き出す。

 

あれは…… 走介のガラディーンか!!

 

ふと、オーフィスを見ると、オーフィスも神殿を注視していた。

それも食い入る様にだ。

 

「……… シン?」

 

! 不味い、気づかれたか!!

 

「…… そんな筈無い。シンはあの時死んだ、此処に居る筈が無い」

 

…… まだ気づいてはいないみたいだな……

 

その時、オーフィスの横に旧アスモデウスの紋章が現れ、一人貴族服を着た男が転移してきた。

 

やれやれ…… こっちも一筋縄じゃいかねえな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

メディック、ブレンの二人のロイミュード派の幹部との戦いを終えた俺達は長い長い階段を駆け登っていた。

 

その途中……

 

「皆!」

 

「走介!!」

 

「アレンも!」

 

「無事だったんだね!」

 

別の神殿で勝利してきた部長達と無事に合流することが出来た。

 

「二人共、よく無事で居てくれたわ」

 

「ロイミュード派の幹部二人と戦っていたって聞きましたけど……」

 

「なんとかはなりましたけど…… すみません、逃がしました」

 

「兎に角、二人が無事で居てくれて良かったですわ」

 

これ以上邪魔はしてこないだろうけど…… やっぱり逃がしたのは痛かったかな……

 

「アレン君…… どうしてベタベタなの?」

 

「う、うっさい!ち、ちょっと油断しちまっただけだ……」

 

ギャスパーはなんか別の心配をしているな…

 

「これで皆揃ったわ。行きましょう、ディオドラから二人を取り戻すために」

 

部長の言葉に頷き合った俺達は、まだ続く長い階段を、再び昇り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

……… ここは?

 

私は、見知らぬ場所で目覚めた。

 

「ロマリーさん……」

 

「……! アーちゃん!」

 

そうだ、思い出した。

私達はディオドラに捕まって……

 

「やあ、お目覚めかな?ロマリー」

 

「ディオドラ!」

 

すると、目の前に憎たらしい笑いをしているディオドラが現れた。

 

「やっぱりいいね。君もアーシアと同じ位価値がある」

 

「例えそうだとしても、貴方に上げるものなんて何も無いわ!」

 

私は、青龍君の具足(コンバートクリーヴ)を発動させてディオドラを蹴ろうとしたけど……

 

「そんな!? 神器(セイクリットギア)が発動しない!!」

 

「あっはっはっはっはっは!!!! 青龍君である君の神器を僕が警戒しない訳が無いだろう? その拘束には神器を封じる能力があるのさ!」

 

「そんな!? アルテ!聞こえる!? アルテ!」

 

本当に発動しないのか確認するべく、アルテに何度も呼び掛けるが、一向にアルテは返事をしなかった。

 

「無断だよ! 神器封じたと言っただろう?」

 

「ロマリーさん…… 私…… 私……」

 

「アーちゃん! ディオドラ、貴方アーちゃんに何をしたの!?」

 

今ごろになって気がついたけど、アーちゃんは泣いていた。

しかもあの表情は何かに裏切られた人の表情だ!

 

「別に。ただ真実を言っただけさ。君が教会から追放されるように仕向けたのはこの僕だってねえ!」

 

何ですって!? それじゃあ、アーちゃんが教会を追放されたのは、全部こいつの演技だったの!!

 

「この外道!!」

 

「なんとでも言えばいいさ。それに、君も本来なら何年も前に手に入れていた筈だったんだけどね」

 

どういう事だ?

私はディオドラと面識があったことは無い筈だ。

 

「私は貴方と一度も会ったことは無いわ」

 

「それはそうさ。君はアーシア以上に教会に保護されていたからね。だから、唯一の隙である孤児院を襲撃して君を手に入れようとしたのに、君はあの日現れなかった!!」

 

「えっ?」

 

今、ディオドラは何て言った?

孤児院を襲撃? 何時の話だ? 分からない、分からない!!

 

「君の誕生日のあの日。僕は君の通っていた孤児院に火を着け、君を拐おうとした!だが君は現れなかった。だから腹いせにその孤児院にいた奴等を皆殺しにしたのさ!」

 

そんな…… 嘘。

皆が…… 孤児院の皆が…… だって、あれは事故で…!

 

「楽しかったなぁ…… 泣きわめくガキ共は最高だった…… 最後まで抵抗したババァはうざかったけど」

 

マザークレア!! そんな…… じゃあ…… じゃあ!

 

「まさか仮面ライダーがあの孤児院の生き残りだとは思わなかったなぁ~。本当、知った時は笑いが止まらなかったよ!」

 

そのまま狂った様に笑い続けるディオドラに、私は涙を流すしか出来なかった。

 

「そんな…… 私の…… 私のせいでソウ君は…… 今まで…」

 

今まで、遭わなくてもいい危険で残酷な目に合っていたの……?

 

「そう!その顔だ!! いや~ 何時見てもいいね!! 聖女や聖職者が信じていたものが砕かれて絶望した顔は!」

 

もうディオドラの笑い声なんてどうでも良かった。

私の心の中にあるのは後悔と絶望だけだった。

 

ゴメン…… ゴメンね、ソウ君……

私には…… 貴方と一緒に居る権利も、貴方を愛する資格も…… 最初から無かったみたい……

 

私は、ソウ君に涙を流しながら心の中で謝り続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

「そう言う訳で、俺ちゃんにさっさと食われて下さいな!」

 

俺達は今、生きていたフリードの相手をしている。

しかも、奴は体をキメラに改造されていた。

今、奴の体は、異形となっている。

 

そして、奴から告げられた事実。

 

俺達の孤児院の火事は、ロマリーを狙ったディオドラが引き起こしたものだったと言うことだ。

 

それに、アレンはそれを言う前に止めようとしていた。

もしかしてアレンは……

 

「なあ…… アレンは知っていたのか?それに、多分ベルトさんも知ってたろ?」

 

『ああ、私はクレアから君を頼まれていたからね』

 

「ああ、知ってた」

 

「なんで俺に言ってくれなかった?」

 

これだけは聞いて置きたい……

ベルトさんは何時もの秘密主義だろう、だがアレンは何でだ……

 

「姉ちゃんの為だ…… 姉ちゃんは、この事を知らない」

 

だよな…… アレンの行動原理は何時だって姉であるロマリーの為だ。

今更疑う必要もないよな。

 

「走介君、イッセー君、アレン君。あのうるさい口は僕が止めてこよう」

 

そう言って木場はフリードと対峙する。

 

「これはこれは!俺をぶった斬ってくれたクソ悪魔のクソイケメンじゃあーあーりませんか!!」

 

「………」

 

フリードは木場を挑発するが、木場は動じない。

それだけ怒りを感じているって事なんだろう。

 

「無視してんじゃねえぞクソがぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

 

何も答えない木場に激昂したフリードが木場に襲い掛かるが……

 

「君はもういないほうがいい」

 

そう言って木場は視界から消えて……

 

 

ズババババッ!!

 

 

フリードは、木場によって無数の肉片に切り刻まれていった。

 

「―――― んだ、それ。強すぎだろ……」

 

頭だけになっても喋り続けるか……

 

「ひひひ。ま、お前らじゃ、計画の裏にいる奴等は倒せないさ。神滅具(ロンギヌス)所有者の恐ろしさを知らねえ」

 

神滅具(ロンギヌス)…… そんな物をもった奴がまだ裏にいるのか……

 

「続きは、地獄の死神にでも言っているといい」

 

そして木場は、フリードの頭に聖魔剣を突き立てて、フリードは完全にこの世から消滅した。

 

「………」

 

「走介先輩……」

 

小猫が心配そうな目でこっちを見てくる。

大方、また俺が復讐に走ると思っているんだろうが…… もう大丈夫だ。

 

「安心してくれ小猫。復讐に囚われたりはしないさ」

 

そう言って俺は小猫の頭を撫でた。

 

「行こう。ロマリーとアーシアを助けに」

 

その言葉と共に、俺達はフリードだった物に背を向けて、再び階段を昇り始めた。

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