『オオオオオオオオオオオオン……』
『コロス…… ッ!! コロスゥゥゥゥ!!!!』
イッセー君は瓦礫と化した神殿の上に立ち、天に向かって悲哀の咆哮をし、ロマリーさんは未だ狂気に包まれ、周りを破壊し続けている。
もう、戦いは終わった筈なのに、二人の鎧が解除される気配は微塵も感じられない。
僕達はどうすればいいのか分からず、ただ二人の行動を見ているしかなかった。
「…… こんな時、走介先輩がいてくれたら……」
そうギャスパー君がぽつりと漏らす。
そうだね…… こんな時にこそ、彼に居て欲しかった。
走介君は、今の二人を見たらなんて言うかな……
「困っているようだな?」
その時、第三者の声と共に、空間に裂け目が生まれ、そこから現れたのは白龍皇のヴァーリ、そして初見の二人だが、おそらく孫悟空の美猴と背広の見知らぬ男性だった。
けど、男性の手にしている剣から察するに、イッセー君が出会ったという聖王剣コールブランドの所有者だろう。
更には、死神 魔進チェイサーのライズがいた。
「ヴァーリ」
皆ヴァーリの登場に驚いていたが、すぐに攻撃の姿勢に入る。
「やるつもりはない。見に来ただけだ…… ん?」
ヴァーリは戦意が無い事を告げると、僕達の後ろをみる。
釣られて僕達も後ろをみると、オーディン様のお付きだった黒龍王のユーリさんがやって来た。
「ほう…… 黒龍王か」
「そういうお前は白龍皇だな」
早速互いの存在を確認するが、ユーリさんは直ぐにイッセー君達に目を向ける。
「……… 赤龍帝に青龍君?
「らしいな。しかも、赤龍帝の方は中途半端に
「……… この状態、元に戻るの?」
部長がヴァーリとユーリさんに訊く。
「ロマリー・シュヘンベルグは戦闘不能にすれば止まるが……」
「兵藤一誠は完全な
やっぱり危険な状態なんだ……
すると、美猴が僕の元に歩み寄る。
その腕には見知った少女が抱きかかえられていた。
「ほらよ、お前らの眷属だろ、この癒しの姉ちゃん」
その少女はアーシアさんだった!
「アーシア!」
「アーシアちゃん!」
皆一斉にアーシアさんの元に集まる。
僕は急いでアーシアさんの様子を確認した。
「生きてます!」
僕の一言に皆涙ぐんだ。
かくいう僕も目頭が熱くなる。
「でも、どうして…」
「ちょうど私達は次元の狭間を探索してましてね。そしたらこの少女が飛んできたのですよ。良かったですね。私が連れて来なければ彼女は次元ので消失している所でした」
と、僕の疑問にコールブランドの所有者が答えてくれた。
そうか、そういう訳だったんだ。
「ちょっと待てよ…… ヴァーリ、ライズ!! お前らソウ兄さんを見なかったか!!」
!そうだ、アーシアさんが帰ってきても走介君がまだ帰ってきていない!!
「…… 何?」
「神藤走介も次元の狭間に飛ばされていたのか?」
その言葉に、僕達は頷く。
この疑問が来たと言うことは……
「俺達は神藤走介なんて見ていない」
「まさか…… わざと見捨てて!!」
「俺がそんな事をさせる訳が無いだろう……」
ヴァーリの言葉に激昂するアレン君だったが、ライズがそれを宥めた。
やっぱり…… 走介君は……
「お前達、落ち込むのもいいが…… そろそろ奴らを止めるべきじゃないのか?」
…… 確かにユーリさんの言っている通りだ。
二人は、未だに暴れ続けている。
なんとかしなきゃ。
「兎に角、先ずイッセーをどうにかしないと。アーシアの無事を伝えればあの状態は解除できるかしら?」
部長の言葉に、ユーリさんとヴァーリは首を振る。
「それは自殺行為だ。リアス・グレモリー」
「伝えたとしても、
「それでも、私は行くわ!!」
そう言って部長は翼を広げて飛び立とうとする。
「部長!! 僕達も!」
当然僕達も行こうとするが……
「私一人で行くわ!!」
滅びの魔力で最大限防御しながら、部長はイッセー君の元に飛び立った。
くそっ、僕達は何も出来ないのか!!?
その時、朱乃さんと小猫ちゃんが、ユーリさんとヴァーリに話しかけていた。
「お願いします。イッセー先輩とロマリー先輩を助けて下さい!」
「白龍皇と黒龍王である貴方達なら…!」
驚く事に、断ると思っていたヴァーリが考える素振りをし、ユーリさんも二人を見て考えてくれているようだった。
そして、二人は同時にイッセー君達に向けて飛び立ち、それぞれの
『Vanishing Dragon Balance Breaker!!!!』
『Schwarz Dragon Balance Breaker!!!!』
◆◇◆◇◆
俺もヤキが回った様だな…… まさか、兵藤一誠とロマリー・シュヘンベルグを助けるとは……
『ユーリ・アースガルズ。俺は兵藤一誠をやる。君は……』
『ロマリー・シュヘンベルグだな。分かっている、ヴァーリ・ルシファー』
俺は黒龍王のユーリ・アースガルズに指示を出すと、彼もそのつもりだったのか、即座に了承し、互いの相手に向かっていった。
『何をするつもりだヴァーリ』
神器からアルビオンが呟く。
だろうな、自分でもよくわからん。
『兵藤一誠の力を押さえる』
『
確かに近づくのは難しいだろう…… だが……
『ならば、目には目を、歯には歯を、覇龍には覇龍で行こう』
これを使うと魔力を膨大に消費するから疲れるが、決めた以上は使う。
俺はそう決断し、呪文を唱え始めた。
『我、目覚めるは―――』
〈消し飛ぶよっ!〉〈消し飛ぶねっ!〉
『覇の理に全てを奪われし、四天龍なり―――』
〈夢がおわるっ!〉〈幻が始まるっ!〉
『無限を妬み、夢幻を想う――』
〈全部だっ!〉〈そう、全てを捧げろっ!〉
『我、白き龍の覇道を極め――』
『『『汝を無垢の極限へと誘おう――ッ!』』』
『Juggernaut Drive!!!!!!!!』
呪文を唱え終ると、俺は青白い光を宝玉から発し、鎧を徐々にドラゴンへと変形させていく。
そして完全に小型のドラゴンとなった時、隣で黒い小型のドラゴンも姿を現した。
どうやらユーリ・アースガルズの方も覇龍を使ったらしいな。
彼も彼で
『ヴヴッ!? グキュアアアアアアアアアア!!!!』
むっ? どうやら兵藤一誠が俺の力に反応したらしい。
彼は、俺に向けて口の発射口からレーザーを放った。
笑止、前の君なら兎も角、覇龍に振り回されている今の君の攻撃は痛くも痒くもない。
俺は両腕でレーザーを防ぎながら突き進み、兵藤一誠と取っ組み合い、赤と白の光の軌跡を描きながらぶつかり合う。
『フン、その程度か』
『ガアッ!?』
俺は兵藤一誠を尻尾で叩き落とし、そのまま地面に叩きつけようと押さえつける。
『君は俺のライバルなんだろう?兵藤一誠』
兵藤一誠は抵抗を試みて、俺の首に噛みつこうとしてきたが、逆に首に噛みつき、鎧を一部砕いた。
ドオォォォォォォォン!!!!
巨体が地面に激突したが故に地面が揺れた。
くっ…… 覇龍でいられるのもここまでか…… だが、能力発動条件はクリアした。
俺は
が、まだ動ける余力があったのか、兵藤一誠は胸の発射口からロンギヌススマッシャーを放ってきた。
『だが、少し遅かったな』
俺は、ロンギヌススマッシャーを受け止めながら能力を発動した。
『DivideDivideDivideDivideDivideDivideDivide!!』
ロンギヌススマッシャーは、徐々にか細くなっていき、遂には発動するための魔力とエネルギーが足りなくなったのか、そのまま消え去ってしまった。
お陰でこちらは
「イッセー!!」
そこで、兵藤一誠の元にリアス・グレモリーが駆けつけた。
「……… 後は、君達次第だ」
俺は
次回はユーリサイドでロマリーを止めます。
後二、三話でこの章も終わりですねぇ~
次章はちゃんと走介も活躍させるのでお楽しみに!