不味い不味い不味い!!!?
走介の奴、スレイプニルから落ちちまった!?
あいつ人間だから飛べないし、ロキが邪魔で助けにも行けねぇ!
「さて、呆気なかったが仮面ライダーは始末した…… 残りは雑魚だが、余興にはなるだろう」
その時、波動が突如ロキに襲いかかる。
その波動は聖剣のオーラで、ゼノヴィアがデュランダルを振るったようだった。
「先手必勝だと思ったのだが…… どうやら効かないようだ。流石は北欧の神か」
ゼノヴィアの視線の先には、何事もなく浮いているロキの姿があった。
「いい威力だが、神を相手にするにはまだ早いな」
木場が聖魔剣を創りだし、イリナも光の剣を発生させるが、それすらもロキは嘲笑う。
「無駄だ!これでも神なんでね、たかが悪魔や天使の攻撃ではな」
ロキが左手を突き出すと、得体の知れないプレッシャーが集まっているのが分かった。
あれは不味い!!
『Welsh Dragon Balance Breaker!!!!』
『Azul Dragon Balance Breaker!!!!』
ロマリーも俺と同じものを感じたのか、共に禁手化し、ロキに向かっていった。
「っと。そうだったそうだった。ここには四天の龍の内、赤、青、黒がいたんだった。だが、赤と青は神を相手にするにはまだ早い!」
ロキの手に、圧倒的な力が圧縮されていって、俺達に撃ち込まれようとしている。
そして放たれたロキの波動に、俺は最大のドラゴンショットを放ち、ロマリーも能力で強化した技を放った。
『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』
『ConvertConvertConvertConvertConvertConvertConvertConvertConvertConvertConvert!! Thunder!!』
ドッバァアアァァァアアアンッ!!!!!!
三つの波動が派手にぶつかり、勢いよく弾け飛んだ。
けど…… クソッ!! 俺達の本気の一撃を軽く破りやがった!!
でもロキの手にも赤い煙と、青い雷電が走る。
幾分かは通ったみたいだ。
「特別手を抜いた訳ではないのだがな。これもまた面白い!! ふはははっ!」
嬉しくもなんともねぇ!あれが本気じゃない!? 嘘だろ!?
『そんな… 私の稲妻が効いてない……』
ロマリーもロマリーで驚いているようだ。
「それで?貴様は掛かってこないのか? 黒龍王」
「…… まだ隠し駒がある奴に全力ではいかない」
隠し駒!? 本気じゃないのに、まだそんな力があるのかよ!?
「ふむ、そうか。よろしい。ならば呼ぼう。出てこいッ!我が愛しき息子よッ!」
ロキの叫びに応え、宙に歪みが発生する。
な、なんだ?何か呼んだのか?
その歪みから姿を現したのは、巨大な灰色の狼だった。
「…… ロキめ、厄介な事を…」
『Schwarz Dragon Balance Breaker!!』
その狼を確認した時、ユーリさんが禁手化して黒い鎧姿になった。
『全員気をつけろ!奴は……
『『『―― ッ!?』』』
ユーリさんが言った言葉に、俺達は驚き、同時に納得もしていた。
『相棒、奴は危険だ』
『ロマリー、牙には絶対に触れちゃ駄目よ』
『ユーリ。お前は半分神だ…… それにこの人数だ。最低限の覚悟はしとけ』
四天龍であるドライグたちでさえ、こんなことを言うのだ…… よっぽどって事だよな。
「お前ら!そいつは最悪最大の魔物の一匹だ!そいつに噛まれたら、鎧でも保たないぞ!」
―― ッ!
アザゼル先生がそんなに言うの!?
このでっかい狼、そこまでヤバイの!?
そりゃドライグたちも避けろって言う訳だ!
「本来、北欧の者以外には使いたくなかったのだが…… 北欧以外の血を覚えるのも、いい経験となろう」
そういってロキは部長に視線を向ける。
野郎ッ!? まさか!?
「行け、フェンリル。魔王の血筋を屠れ」
フェンリルは見事な遠吠えのあと、視界から一瞬で消え……
「部長ぉぉぉぉぉぉっ!!!!」
部長に向かっていったのを感じた。
やらせるか!やらせねぇ!
俺達の部長!俺の惚れた女にッッ!!!!
「触るんじゃねぇぇぇぇぇッ!!!!」
一瞬速く、フェンリルの前に立った俺は、渾身の力を込めて、殴った――― けど。
「ごふっ」
「イッセー!?」
俺は血を吐いていて、鎧に大きな穴が空いていた。
しまった、殴った時に引っかけられた……
見ればフェンリルの爪に血が着いていた。
「イッセー君、しっかり。直ぐにアーシアさんの治療を!」
「こっちです!イッセーさん!」
木場が崩れる俺を支え、アーシアの所に連れていこうとするが……
「いや、そうはさせん。赤龍帝はフェンリルに追い付いた。それは恐るべきことだ。厄介な事にならない内に始末しないと」
不味い!! フェンリルは確実に木場より早い!
次は避けられねぇ!!
「行け、フェンリル!!」
再びフェンリルがこっちに向かってきたその時――
パラパラー! パッパッ!!
ドゴンッ!!
「キャウンッ!?」
―――― 赤い何かが、クラクションを鳴らしながらフェンリルを轢いていった。
……… クラクション?
いやいや、あれは車だしそんな事は……
俺は一瞬考えた事を即座に否定したが、赤い何かは俺達の直ぐ隣にやって来た。
「ロキ…… てめえ、よくも落としてくれたな!お陰で死ぬかと思ったぞ!」
それは何故か飛んでいるトライドロンと、その上に乗る走介だった。
え?ええええええええっ!?
いやいや!! 可笑しいだろ!? 車が空を飛ぶなんて!?
「イッセー!大丈夫か!」
「あ、ああ。そ、走介…… お前それ……」
「ん?トライドロンの事か? 先生が補助機体を完成させててさ。お陰で助かったんだ!! サンキュー!先生」
確かにトライドロンには、俺達の知らない部品が両方の側面に着いていた。
なんだあれ?ゴーカート?
「ブースタートライドロン、どうにかして走介に空中戦を克服させてやろうと考えてな。どうせなら、アレンやライズにも使えるようにしようと思って作った」
先生…… スゲエノリノリで解説するのもいいけど、あれは流石に調子に乗りすぎだろ……
ん?なんでライズも?
「で、それをトライドロンに連結するように創ったのが…… このライドブースターってわけさ。左右合わせて二機だ」
それで走介が落ちずに戻ってこれたのか…… ということは走介に弱点が無くなったのか!
「アザゼル!! あれ俺にも使えるのか!?」
「今そう言ったろ!! 落ち着きのない奴め」
「これが落ち着いてられるかっ!Let,s!変身!!」
『シグナルバイク!ライダー! マッハ!』
それを聞いたアレンは、早速マッハに変身して、走介の所に飛び移った。
◆◇◆◇◆
『よっと!』
「うおっ!? あ、危ないなアレン!もっとゆっくり来いよ!?」
『へへっ、ごめんごめん』
アレンが、じっちゃんのいる馬車からブースタートライドロンの赤いライドブースター部分に乗って、その衝撃で少しぐらついた。
全く、もう少しどうにかならないかな……
『でもよ、ソウ兄さん。ライドブースターの事知ってたっけ? 俺も完成しているのは知らなかったんだけど』
「いや。でもベルトさんが知ってたんだ」
『私が依頼したんだからね。知っていて当然だ』
この秘密主義者め…… お陰で地面スレスレだったんだぞ!? あと数秒遅れてたら…… 考えたくもない……
「仮面ライダー…… 一度ならず二度までも、我が顔に泥を塗るか!!」
「先代の事は関係無いだろうが…… 全く」
ロキが顔を歪め、悪意全開で言うが、はっきり言って迷惑でしかない。
『まーまー。もうこれは諦めるしかないって、ソウ兄さん』
「はぁ…… 嫌だな、これからもこういうことがあるなんて……」
「今度こそ、フェンリルの牙で貴様を地獄の底に送ってやろう」
フェンリル? あー…… そういえばさっきおっきな犬っぽいの轢いていったような………
まあ、そんなのお断りだが。
俺は変身しようとベルトさんに手をかけたその時、俺達の間の空間に、魔方陣が表れた。
そこから出てきたのは……
「兵藤一誠、無事か?」
「ヴァーリ……」
出てきたのはヴァーリチームだった。
という事は…… 当然あいつも……
『…… 何故戦っていない?神藤走介』
「色々あって参加出来て無かったんだよ。ライズ」
さも当然の様に、青いライドブースターの所にいた魔進チェイサー――― ライズは、俺にそんな事を言う。
スレイプニルに興奮してて油断したなんて言えないな…… これ。
次回!! ライズに異変が……