「さて、白龍皇。一応何をしに来たのか聞こうじゃないか」
「無論、あなたに宣戦布告しに来たのだ。ロキ殿」
そう、ヴァーリがロキに言い放つ。
ふむ…… 唐突過ぎて皆面食らっているな。
「ならば、見せてみるがいい。白い龍の力とやらを」
「言われなくともそうするさ」
そう言うと、ヴァーリは解除していた兜を再び展開して戦闘体制に入った。
それは同時に、俺達の戦闘開始の合図でもある。
美猴は筋斗雲に乗って如意棒を構え、アーサーと黒歌は魔方陣に乗って構え、俺もまた構えはしないものの、ロキから視線を外す事は無かった。
「では、行け。フェンリル」
ロキは、フェンリルに指示をだし、フェンリルは真っ直ぐヴァーリのもとに向かった。
『俺の力は神代の魔物に通用するのか…… 試させて貰おう』
『Half Dimension!!!!』
ヴァーリの神器、白龍皇の翼の力で空間が半減しながら歪んでいき、フェンリルの動きを停める。
『……… やはり神には効果が薄いか……』
苦々しく告げるヴァーリ。
それもそうだ、フェンリルはその爪と牙を使って歪んだ空間を引き裂き、自由に動ける様になっていた。
「出鱈目だぜぃ……」
「ヴァーリのハーフディメンションを破るとは」
『黒歌、仙術でバックアップを頼む』
「任せるにゃん!」
黒歌による仙術強化を受けた状態で、再びヴァーリに向かおうとするフェンリルを、俺はコブラバイラルコアを装填して鞭を出現させた。
『チューン…… チェイサー…… コブラ……』
『ハアッ!!』
バチンッ!
俺は鞭でフェンリルを打ち上げ―――
『行ったぞ美猴』
「あいよっ!!」
ドゴッ!!
――― 美猴が如意棒で叩きつけ―――
「黒歌ぁっ!!」
「大声出さなくても聞こえてるにゃん」
――― 黒歌が仙術を駆使して迎撃し―――
「アーサー!」
「お任せを」
ズバッ!!
――― アーサーがコールブランドで切り裂いた。
「ヴァーリ!!」
『俺一人でやりたかったんだが…… 好意は受け取るとしよう!!』
そして最後にヴァーリが大量の魔力弾でフェンリルを撃ちのめす。
「ほう。フェンリル相手に中々立ち回るではないか」
『次は貴方が相手をしてくれるかな?悪神ロキ』
「我が息子を舐めてもらっては困るな、白龍皇」
『なに?』
「ガアァアァアァァアアァッ!!!!」
…… 流石フェンリルと言った所か。
俺達の攻撃をものともしないとはな……
「まて、フェンリル。気持ちは分からんでもないが…… 丁度いい玩具があるのでな、久々に遊ぼう」
玩具?一体何を言って――
その瞬間、俺の体は宙に舞った。
『カハッ……!!』
「「「ライズ!?」」」
それもその筈だ。
何故なら今俺はフェンリルに咥えられているのだから……
◆◇◆◇◆
何が… 起こった……?
ライズ達が、凄まじい連携でフェンリルを追い詰めていたと思ったら…… ライズがフェンリルに食われた!?
フェンリルはライズを咥えたままロキのもとに戻っていく。
「ご苦労。ふむ…… 成程、こういう仕組みになっているのか……」
『グアッ!?』
「ライズ!?」
『…… ロキ、ライズをどうするつもりだ』
「何、少し遊んでやろうと思ってね。まずは洗脳からだ」
そう言うとロキはライズを掴み、手の光をライズの頭に向かわせる。
『グアァアァアァアアアッッッ!!!!!!』
「ライズ!! ッテメエ!!!!」
アザゼル先生が激昂しながらロキに向かっていく。
同時に、ヴァーリとアレンも飛びかかる。
「フッ…… フェンリル」
「ガアァアァアァァアアァッ!!!!」
しかし、それもフェンリルによって防がれてしまう。
「くっ、邪魔だ!!」
「変身!!」
俺は、シフトスピードをブースタートライドロンで突撃しながら装填して倒し、変身した。
『DRIVE!!!! type SPEED!!!!』
ドライブに変身してフェンリルの前に来ると、フェンリルは警戒したように俺を睨み、唸る。
「グルルル……」
『なんだ?』
「ん?フェンリルが怯えている?…… そうだった。お前も先代の仮面ライダーにやられていたのだったな。姿形は違えど、覚えているのか」
怯えているか…… 伝説の魔獣のフェンリルが俺に怯えているって…… どんな事をしたんだ、先代。
「たが、此方は終わった。フェンリル、お前の出番はないぞ」
そう言うとロキは、ライズを離し、変身を解いてロキの側に立つ。
『ライ、ズ?』
「………」
俺はライズに呼びかけるが、ライズは反応しない。
「よろしい。死神よ、我が息子の力の一端を与えてやろう」
『チューン…… ハイパー…… フェンリル……』
ロキはライズの持つブレイクガンナーに手を当てると、スロットに灰色の狼のバイラルコアが装填された。
「……… 変身」
『ハイパー…… ブレイク…… アップ……』
何時もの手順でライズは変身し、その変身は重厚なギター音が神聖で、何処か恐怖を醸し出す音に変わっていた。
そしてライズの回りに灰色のタイヤが同色の鎧を身に付けていた。
「フム…… 我ながら上出来だ。確か…… 魔進チェイサーと言ったか…… ならば魔神フェンリルチェイサーと言った所だな。行け、我が傀儡よ」
『…… イエス、マイファーザー』
ライズは…… いや、魔神フェンリルチェイサーはロキの言葉に簡単に答える。
「おいおいライズぅ…… ホントに操られてんのかぁ?」
「貴方は、鋼の精神の持ち主だった筈ですが……」
「ライズ…… 嘘よね…… 操られるなんて… ライズが、そんな…」
美猴、アーサー、黒歌がライズに呼びかける。
しかし、ライズはそんな言葉には耳も貸さず、フェンリルのごときスピードで仲間たちを攻撃し始めた。
「おわっ!?」
「くっ!」
「にゃん!?」
『…………』
ライズはただ淡々と攻撃を加え、次に目を付けたのはヴァーリ、アレン、アザゼル先生。
まさか、自分の親しい奴から消していくつもりか!?
「ライズ!! 抵抗できるなら今すぐ変身を解け!人間のお前がフェンリルの力を受け入れるのは無理だ!!」
『アザゼル…… あれは無理だろ…… ライズの奴。完全に操られてる』
『…… ロキ。貴様よくも俺の仲間をッッ!!!!』
「怒るか、白龍皇。良いだろう、フェンリルチェイサー!奴から消してやれ」
『……… イエス、マイファーザー』
させるかよ!
俺は三人の前に立ち、ライズの行く道を塞いだ。
『ライズ……』
『………』
前に立って改めてその姿を見ると、体は鈍い銀色でアンダースーツは濃い灰色。
肩にはフェンリルと同じ角の様な装飾があり、ヘルメットは欠けたアンテナ部分に爪が着いていた。
『もう、お前に言葉は届かないのか?』
『グッ…… ヌウゥ…… 目標変更、仮面ライダーを殲滅する』
さっきまで三人を標的にしていたが、俺が前に出た事により、俺が攻撃対象に変わったらしい。
いいぜ…… どうしてもやるってんなら、俺が殴ってでも元に戻してやる。
『ハッ!!』
『フン!!』
俺達は同時に飛び上がって互いを殴るが、ライズの方が圧倒的に力が強く、押し負ける。
『グアッ!!』
「走介!!」
『ソウ兄さん!?』
『来るな!こいつは俺がやる!!』
俺はデッドヒートを呼び寄せ、スピードと入れ換えてタイプデッドヒートにタイプチェンジした。
『DRIVE!!!! type DEAD HEAT!!!!』
『ウオォオォオォオォオッ!!!!』
『グッ…… ガァッ!!』
一気にデッドゾーンに入った俺は、たたみ掛ける様にライズに拳打を放つ。
よし!あの状態でもデッドヒートは通用する!
このまま押しきるぜ!
『……… フン!!』
『何!? グアッ!?』
反撃の隙も与えないとして再び近付くが、ライズの腕が光ったと同時に、デッドヒートの鎧がタイヤごと引き裂かれた。
『何が……!』
ライズの腕を見ると、フェンリルの顔がデフォルメされた様な鍵爪が装備されていた。
「今代の仮面ライダーは随分と弱いな。まあフェンリルの牙を受けたのだ、当然の結果か」
フェンリルの牙!? それってかなりヤバイんじゃ!!
『ハアァァァァ…… ハッ!!』
『! クッ!! ウオッ!?』
ライズの余りの猛攻に、俺はギリギリ避ける事しか出来なかった。
不味い、デッドゾーンも切れる………!その前になんとかしないと……
「何をしている、フェンリルチェイサー。奴に止めを刺せ」
『………… イエス、マイファーザー』
ロキの命令に、ライズは一端鍵爪を引き、ブレイクガンナーを地面に叩き付けた。
『ハアアアァァァァァッ!!!!』
すると、ライズを機転にエネルギーフィールドが形成され、重加速が始まった。
重加速か…… けど俺とアレンは仮面ライダー、重加速の影響は…… 何!?
『グッ……! クッ……! クソッ……! 体が重い… !!!』
『バカな!? 私を上回る重加速を発動させたと言うのか!?』
ベルトさんがいるのに何で!?
『そ、そうか!重加速に神の力が加わる事により、重加速が強化されたのか!!』
『成程…… 俺はデッドヒートだから辛うじて動けるけど…… 他の皆は、ほぼ止まっちまってる』
体が動きづらい…… このままじゃ……!
『フン!!』
『グアアッ!! クッ、ウオオッ!!』
『…… ハッ!』
『ガハッ!!』
動きにくい体を無理矢理動かしてライズを殴ろうとするが、ロキですら止まっているこの超重加速のフィールドで、奴だけが影響が無いらしい。
さっきまでと同じ威力で俺を引き裂いてくる。
そして遂に………
ブシュー!!!!
『!しまった、デッドゾーンが!』
デッドゾーンも限界になり、力の放出が終わって、今まで辛うじて動けていた体も、止まり始めていた。
『…… これで最後だ』
そう言うとライズは、三つのバイラルコアを取りだし、順番に装填していった。
『チューン…… チェイサー…… スパイダー…… バット…… コブラ……』
背中のタイヤから、今までのチェイサーの武装が全て現れ、ライズの右腕に装着された。
『エグゼキューション……!!! フル ブレイク……!!!!』
そして武装にエネルギーが溜まっていき……
『トリプルチューン!!!!』
その掛け声で、フェンリルの遠吠えと共に、俺に目掛けて放たれた。
『クソッ…! 何か手段は…!』
凄まじいエネルギーの奔流は、動けない俺に炸裂し、大爆発を起こしたのだった。
活動報告にちょっとしたアンケートを投稿しました。
よかったら見てください。