ハイスクールD×D 加速する戦士   作:響く黒雲

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新しい力の代償とは

ロキの襲撃があった翌日、俺の家の地下に皆集まっていた。

 

面子は俺達グレモリー眷属と教会組、アザゼル先生にバラキエルさん、シトリー眷属――― そして、ヴァーリチームと、未だ目が覚めない走介だ。

 

「先ず先にヴァーリ。俺達に協力する理由は?」

 

それは俺達にとっては聞いておきたい話だ。

こいつらが俺達に協力する理由が知りたい。

余りにも不気味すぎるぜ。

 

「ロキとフェンリルと戦ってみたい…… それが最初の目的だったんだがな。今はライズを取り戻したい。この理由では不服か?」

 

それを聞いた先生は、怪訝そうに眉を寄せていた。

 

「ライズに関しては同意見だが、不服だな。だが戦力としては欲しい。今は英雄派のテロの影響があるからな」

 

「俺はそちらと組まなくても戦うつもりだ。―― 組まない場合はそちらを巻き込むことも辞さない」

 

脅しじゃねえか。

組むなら俺達とロキを倒し、組まないなら俺達ごと攻撃する、と。

 

まあ、あいつもライズを取られてるから必死なんだろう。

なんだかんだであいつも仲間を大切にしてるんだな。

 

「ま、サーゼクスも悩んでいたみたいだが、旧魔王の生き残りであるお前からの申し出を無下に出来ないと言ってな。甘い奴だが、俺もその方が懸命だと思うよ」

 

「納得出来るかは別だけどね」

 

部長が先生の意見にそう言う。

魔王がよし、て言ってるから部長も強く言えないんだろう。

 

会長も了承はしていた。

二人共かなり不機嫌だけど。

 

「さて、ロキとフェンリルの対策の前に…… ライズについてだ。はっきり言おう、今あいつの超重加速でまともに動ける奴は走介しかいない」

 

そうだろうと思ったぜ。

あの時、俺達を連れて逃がしたのは走介だ。

どうやったかまでは分からなかったけど。

 

「今のあいつは…… ロキに従うだけの殺戮人形だ。対処法は見つけるが、万が一は殺すことも考えとけよ、ヴァーリ」

 

先生の容赦ない一言に、目を伏せるヴァーリ。

そのまま、チームの奴等に目を向けると、どこか辛そうな様子で頷くが、黒歌だけは俯いたままだった。

 

「ああ、分かっている。ライズも操られたままを望まないだろうからな」

 

「おいアザゼル。デッドヒートじゃダメなのか?」

 

「走介の戦いを見ていただろ?デッドゾーンの状態なら辛うじて動けるが、威力は半減しちまうし、なにより効果が切れたら終わりだ」

 

てことはアレンのデッドヒートマッハも余り期待は出来ないってことか……

 

「こればっかりはどうしようもない。あいつが超重加速を使う前に倒せればいいが、今の奴にはフェンリルの能力も備わっている…… 寧ろ、あの状況で俺達を逃がせた走介の方が異常だ」

 

肝心の走介はまだ目が覚めないし…… てか走介、そこ代われ。

なにしれっと小猫ちゃんに膝枕してもらってんだてめぇ……

 

「あらイッセー。膝枕が欲しいなら言ってくれればいいのに」

 

ありがとうございます!部長!

ロキをぶっ倒した後にじっくり堪能させていただきます!!

 

「この状況でも変わらないな、君は」

 

うっさい!惚れてる女の膝枕は男の夢だろうが!!

 

「――――― もし」

 

その時、ソファーから声が聞こえた。

 

「もしライズが、本当に殺戮人形になっちまったんなら…… 戦わないと」

 

振り向くと、走介が目を覚まして起き上がっていた。

 

「走介先輩、大丈夫ですか?」

 

「ああ、ありがとう小猫。もう大丈夫」

 

走介が起きたなら丁度いいじゃないか。

皆もそう思ってるだろうし、聞いてみるか。

 

「なあ、走介。お前あの時どうやって俺達を逃がしたんだ?」

 

「私達には一瞬過ぎて分からなかったのだけど」

 

「…………」

 

すると走介は、ポケットから青いシフトカーを取り出した。

あのシフトカー…… 見たことないな……

 

「あの時……」

 

そして、走介は語りだした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

『クソッ…!何か手段は…!』

 

俺はあの時、目の前でエネルギーを貯めているライズを見ながら、どうにかして動こうともがいていた。

 

『仕方ない、開発していたNew Bodyを使うぞ!走介!』

 

『はぁ!? あんたまた隠していたのか!?』

 

『隠しておかねば君は無茶して使うだろ!!』

 

うっ!? ごもっともです……

 

『でもそれならどうにかなるんだな!!』

 

『分からん、こいつを使っても超重加速に対応出来るかどうか…… それに、出力調整が上手くいっていないのだ。君の体にどんな影響を与えるか……』

 

『何でもいい!! 今はそれしか無いんだろ!?』

 

『……… 分かった、君を信じるぞ! COME ON!!!! Newシフトカー!!!!』

 

ベルトさんが叫びと共に信号を送り、彼方から青い軌跡を描いて、新たなシフトカーが高速でやって来る。

 

『トリプルチューン!!!!』

 

それと同時にライズもエネルギーチャージが終わったらしく、フェンリルの遠吠えと共に、エネルギーの塊が俺に炸裂する。

 

そして着弾の瞬間、やって来たシフトカーがデッドヒートを強制的に解除してレバーモードに変形、そのままシフトブレスに装着され、独りでに倒れた。

 

 

『DRIVE!!!! type FORMULA!!!!』

 

 

エネルギーが大爆発を起こし、俺は炎に包まれた。

その時、俺を中心に旋風が巻き起こり、炎の渦を生み出す。

 

『……… 風の戦士』

 

その炎の最中、俺は新しい鎧を纏い、必殺技を発動させた。

 

 

『ヒッサーツ!!!! フルスロットル!!!! FORMULA!!!!』

 

 

その瞬間、俺は炎を突き破り、ライズに超高速のタックルを放ち、ロキとフェンリルには一発ずつパンチとキックを放って、超高速のまま皆をスレイプニルに引っ掛けたり馬車に乗せ、トライドロンを超高速にして離脱した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、イッセーの家に辿り着いて力尽きたって訳だ」

 

我ながらあれは本当に死ぬかと思った。

ライズがいつ此方に来るんじゃないかとヒヤヒヤしたもんだ。

 

「お前…… ここに来て人外度上がってきてるんじゃないのか?」

 

「君は本当に人間なのか?」

 

またか、もう慣れてはいるがヴァーリにも疑われるとは…… 解せぬ。

 

にしても小猫は俺を人外呼ばわりしないのは何でだ?

 

「…… 走介先輩が人外じみているのは今に始まったことじゃないですから」

 

……… 聞かなきゃよかった。

 

「ま、まあ、次にライズが来た時は俺に任せてくれ。フォーミュラであいつをもとに戻して見せる」

 

そうだ、こいつを使えばあいつの超重加速に対応出来る。

あとは俺次第……

 

『駄目だ。君にフォーミュラを使わせる訳には行かない』

 

その時、俺に異を唱える奴がいた。

他ならぬベルトさんだ。

 

「なんでだよ、ライズを止めるにはこれしか無いのはベルトさんも分かって―――」

 

『分かって無い、君は何も分かっていない!!』

 

「―――― どういうことだよ」

 

俺が何も分かって無いってどういうことだよ。

これしか、奴を止める方法が無いってのに……!!

 

『私が何も知らないと思っているのか!? これを使えば今度こそ!君の体が危ないんだぞ!!!!』

 

「「「「「!?」」」」」

 

「……… どういうことだ、クリム」

 

『……… これを見たまえ』

 

ベルトさんは、カラフルコマーシャルを呼び、何かを投影した。

それは俺のレントゲン写真だった。

 

『これは走介のレントゲンだ。フォーミュラでFinishを使った事が原因で、走介の全身の骨は罅だらけだ……』

 

「酷い……」

 

『走介。君は今、そうやって喋っているだけでも限界なんだろう……』

 

「……………」

 

バレてたか…… 確かに俺は今こうしているだけで全身に激痛が走ってる。

正直自分でもどうして気絶していないのか不思議な位だ。

 

「わ、私なら!!」

 

『アーシア…… 君の神器なら治せるが範囲が広すぎる。範囲を全身にすれば治せるが間に合わない。逆に範囲を狭くすれば、治った場所に他の箇所が耐えられず、走介は二度と動けなくなるだろう』

 

「そんなぁ……」

 

でも、それでも俺は……!

 

「頼むよ…… ベルトさん。あいつを止められるのは俺達だけなんだろ? だったら、戦わせてくれ!!」

 

『…… 駄目だ。私は約束したのだ。クレア、アリス、大介と…… 君を守ってみせると』

 

「父さん達は関係無いだろ!!!!」

 

『!』

 

確かに、次にフォーミュラを使えば、俺は確実に命を落とすだろう…… でも俺がやらなきゃ皆死ぬ!! それだけは…… 嫌なんだ……

 

気がつくと俺は泣いていた。

 

「父さん達は此処に居ない!! 今は俺達しか居ないんだ…… 頼む…… 頼むよ…… ベルトさん……!」

 

『走介……』

 

これだけ頼んでも駄目なのかよ……!

 

「クリム。走介のこれはフォーミュラ単体で必殺技を放ったからなったんだな?」

 

『ああ、その通りだ』

 

「なら、創ってやろうじゃねえか。フォーミュラの強力なGが必要のない、それでいてフォーミュラの力を最大限生かせる武器をよ」

 

アザゼル先生の言葉を聞いた瞬間、俺はアザゼル先生の方を勢いよく…… とまでは行かなかったが、向いた。

 

「出来るんですか!? 先生!」

 

「俺を誰だと思ってやがる。三日しかないが…… 間に合わせてやるさ」

 

これなら、どうにかなるかもしれない!

 

「ベルトさん!」

 

『…… 分かった』

 

遂にベルトさんは折れた。

これでアザゼル先生の武器が完成すれば!!

 

『だが、条件がある。完成しなかった場合、フォーミュラは使うな』

 

「……… 分かってる」

 

『あとは体の回復だ。済まないがアーシア、頼むよ。小猫も仙術でバックアップしてくれ。その方が回復率はいい』

 

「任せて下さい!」

 

「走介先輩の為なら……!」

 

自分を助けてくれる奴がいるってのはこんなに心強いものなんだな。

 

「よし、走介の方は片付いた。次はロキとフェンリルの対策についてだ」

 

そして、漸く本題に戻っていった。

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