NERV航空隊隊長綾波   作:浩介

13 / 62
第12話 心と心

コウスケはリツコのいるモニタールームを目指していた。

今後の使徒戦で有効となりえる装備の確認のためだ。

部屋に入るとリツコ、ミサト、加持の3人がいた。

どうやら加持がリツコにちょっかい出してミサトが折檻しているようだった。

「・・・お楽しみのところすまないが」

「コウスケ君!」

「待ってたわ。綾波特務二尉。」

「これが新装備か?」

「ええ。NNミサイルよ。威力は地雷に比べれば劣るけど、戦艦くらいなら一発で落とせるわ。」

「それでも使徒の足止めにしかならないか。」

コウスケは市内では使えないなと考えた。

「・・・っとあんたは確か・・・」

コウスケは加持に顔を向けた。

「知らなくていいわ。こんなバカ。」

ミサトは吐き捨てるように言う。

「つれないな葛城。あんときは世話になったな。俺は加持リョウジ。今度本部の特殊監査部に転属になった。よろしく綾波特務二尉。」

「ああ、空母の・・・よろしく。」

(・・食えない男だな。)

突如アラームが鳴り響く。

「使徒!」

「だな。」

コウスケたちは発令所に急いだ。

・・・

 

「こちら綾波。目標を肉眼で確認。」

「了解。現在EVA2機が湾岸にて待機中。」

「了解。」

待機しているのは初号機と弐号機だ。

零号機は第五使徒との戦闘で大破し改装作業中だった。

だがコウスケが最後にはなった攻撃で致命的な損傷は避けられたらしく、あと二日もあれば終わるそうだ。

(使徒は突然来るからな・・・)

使徒が来るたんびにスクランブルである。

(来る時期さえ分かればな・・・無理か。)

などと取り留めもないことを考えているうちに使徒はEVAが待機する地点に接近した。

「弐号機が先行、初号機と綾波特務二尉は援護して。」

「了解。」

「わかったわ。」

「はい。」

「先に行くわね。」

弐号機がソニックグレイブを持って、崩れたビルの上を飛んでいく。

初号機はパレットガンでけん制する。

コウスケも使徒の背後から強襲する。

着弾する弾と飛び出る青い血

(変だな。)

コウスケは違和感を感じた。

「もろすぎる。」

その違和感を拭えきれないうちに弐号機が使徒に飛び掛かった。

上段から振り落とされるソニックグレイブ

使徒は半分に裂けた。

「どう?サードチルドレン。戦いは常に無駄なく美しくよ。」

アスカが誇らしげに言った。

だがコウスケは嫌な予感が体から離れなかった。

「・・!青葉二尉!使徒の反応は?」

「あっはい・・・」

青葉が言い終わる前に使徒は二つに分かれて復活した。

「何よこれ~!」

「なんていんちき!」

通信機から聞こえてくるアスカとミサトの声(+何かが割れる音)

使徒が弐号機に襲い掛かる。

よける弐号機。

初号機もパレットガンで援護する。

着弾するが効果なし。

弐号機もソニックグレイブで応戦するが、使徒の傷は瞬時にふさがる。

「ダメ!効果がない!」

「こっちもだ。まるで効かないよ。」

「・・・撤退よ。」

ミサトが悔しそうに命令する。

「嫌!」

「アスカ!」

「アスカ!撤退しろ。このままいてもやられるだけだ。」

コウスケは下唇を噛みながら言った。

「・・・わかったわ。」

「シンジ君も全力で逃げるんだ。」

「はい。」

「葛城。虎の子の使用許可を。」

「わかったわ。EVAの離脱と同時にお願い。」

「了解。」

EVAはアンビカルケーブルをパージし全力で後退した。

それを追う使徒。

だが使徒の動きは鈍かった。

コウスケはEVAが安全圏に離脱したのを確認した。

「少しの間眠ってもらうぞ。」

そう言ってコウスケは特殊兵装の発射装置に手をかけた。

愛機から飛び出る一本のミサイル

これは新装備のNNミサイルであった。

・・・

 

「本日午前10時57分28秒目標は二手に分かれ活動再開。同58分15秒攻撃を再開するも効果は認められず。」

暗い部屋にはコウスケのほかにパイロット三人、伊吹、加持、冬月がいた。

モニターには使徒との戦闘写真が写っている。

伊吹二尉が淡々と解説をしている。

「これに対するE計画担当者のコメント。」

「無様ね。」

「好き勝手言ってるな。」

コウスケはリツコのコメントに対して憤りを感じながらつぶやいた。

「同59分30秒を持ってNERVは作戦遂行を断念。綾波特務二尉のNNミサイルにより目標を攻撃。」

「また地図を書き直す事態には至らなかったようだな。」

冬月は少し安心しているようだ。

伊吹が続けて解説する。

「構成物質の28%の焼却に成功。」

「やったの?」

アスカが尋ねる。

「足止めにすぎん。再度侵攻は時間の問題だよ。」

「まっ立て直しの時間を稼げただけでも儲けものっすよ。」

加持がおどけて言う。

すると冬月が立った。

「いいか君たち。君たちの仕事は何なのかわかるか?」

「EVAの操縦。」

アスカが当然のように言う。

「違う。使徒を倒すことだ。」

スクリーンには内部電源が切れ、活動停止したEVAを回収する写真が写っていた。

「こんな醜態をさらすために我々NERVは存在するのではない。」

使徒に負けたことが思ったよりも悔しかったようだ。

「くっくっくっ・・・」

部屋に笑い声が聞こえた。

「何かね。綾波特務二尉。」

冬月が睨めつけるようにコウスケを見た。

「失礼。子供たちが命がけで戦っているときに副司令は何をなさっていたのかと思いまして。」

「何が言いたい。」

「俺と子供たちが戦ってる時に副司令は発令所でただ見ているだけ・・・そんな指揮官を幾度となく見てきたのでね。」

「・・・もういい。」

冬月は逃げるように去って行った。

「どうしてみんなすぐに怒るの?」

「大人はさ、恥をかきたくないのさ。」

アスカに対してフォローする加持。

「あの、ミサトさんは?」

作戦部長たるミサトがここにいないのを不思議に思うシンジ。

「責任者はとるべき責務を果たしているよ。」

と言い書類の山に埋もれるミサトを想像するコウスケ。

「ともかく作戦が決まらないと何にもならないな。というわけで解散。お疲れ二人とも。」

・・・

 

「葛城。反省会が・・・こりゃすごいな・・・」

ミサトの執務室に訪れたコウスケは机の上に置かれた書類の山を見て驚いた。

中にはリツコもいた。

「関係各省からの抗議文と被害報告書。広報部からの苦情もあるわよ。」

「ふ~ん。」

「ちゃんと目に通しておいてね。」

「読まなくてもわかってるわよ。喧嘩するならここでやれってんでしょ。」

「今回は打つ手がなかったからな。」

「うっさいわね~」

ミサトはたまったもんじゃないと言いたげだ。

「使徒は私が必ず倒すわ。」

コウスケは妙な引っかかりを感じた。

「私が?」

「そう。」

「・・・」

「なによ。」

「・・・別に。」

コウスケは妙な感触がなぜか離れなかった。

「副司令はカンカンだったわよ。」

リツコが遮るように言った。

「わかってるわよ。・・・碇司令がいない時でよかったわ。」

「司令が居たらクビね。これを見るまでもなく。」

「そうだな。」

「・・・で私のクビをつなげるアイディアを持ってきてくれたんでしょ。」

「一つだけね。」

リツコは一つのUSBメモリーを取り出した。

「さっすが赤木リツコ博士。やっぱり持つべきものは心優しき旧友ね。」

ミサトがメモリーを取ろうとする。

「残念ながら旧友のクビを救うのは私じゃないわ。」

リツコがミサトにメモリーを見せる。

「加持君よ。」

途端にミサトの顔が変わるが、何かを慈しむような目になった。

(ふーん。葛城がね・・・)

などと野暮ったいことを考えるコウスケであった。

・・・

 

「なるほど。二点同時の荷重攻撃か。」

コウスケとミサトは加持がくれた案を検討していた。

ちなみに書類は一枚も減っていない。

「これなら行けるわね。」

「確かに。」

「となると誰をペアにしようかしら。って決まってるわね。」

「誰にするんだ?」

「シンちゃんとアスカ。」

「・・・」

「どうしたのよ。」

「レイは?」

「レイはまだ動けないじゃない。」

「はぁ~」

「何よ。」

「零号機は二日もすれば直るぞ。」

「そうだっけ。」

「そうだ。」

「じゃあ、援護に回せばいいじゃない。」

「・・・」

「コウスケ君はどうなの?」

「俺はレイとシンジ君だと思うな。」

「なんで?アスカのほうが成績いいじゃない。」

「だからだ。」

「?」

「シンクロ率を見てもアスカのほうがいい。だがほかの二人は似たり寄ったりだ。シンクロ率はEVAの機動性にも関わってくるんだろう?」

「うん。」

「だったらアスカには攪乱に回ってもらった方がいいだろう。戦闘機と爆撃機を無理に組ませない方がいい。」

「なるほど。でも・・・」

「なんだ?心配事か?」

「アスカは納得するかしら。」

「俺に任せろ。」

「自信があるみたいね。」

「まあな。ただ、ほんとに説得が必要な時だけだぞ。」

「わかった。その時は任せるわ。」

「任されました。」

・・・

 

「というわけなのよ。」

ミサトが今回の作戦の説明をした。

今パイロット三人とコウスケ、ミサトはNERV所有のマンションにいた。

コンフォート17より広い。

「ええ~。なんで私がメインじゃないの。」

「アスカは二人よりも素早く動けるからよ。」

「だったら・・・」

「これは命令よ。」

(はぁ~。もっと言い方があるだろう。)

コウスケはため息をついた。

「とにかくこれから使徒が再侵攻するまで、ここで三人には過ごしてもらうわ。」

レイは異論がないようだ。

シンジは戸惑っている。

アスカは膨れている。

「それとこれもやってもらうわ。」

所謂ツイスターゲームというやつだった。

「これで完璧なユニゾンを目指すのよ。」

ミサトは大張り切りだった。

・・・

 

ユニゾン訓練が始まって四日

三人は同じ服を着て訓練をしていた。

が、いまだに訓練の成果は出ない。

コウスケがコンビニから帰るとドアの前にシンジのクラスメート三人がいた。

すると

「不潔よ~!」

一人の少女-洞木ヒカリの叫び声が聞こえた。

(これ、対テロ兵器に使えないかな。)

などと、とある料理を食べたことと同じことを考えていた。

「取りあえず上がったらどうだ。」

コウスケは事態を収拾すべく三人を部屋に招いた。

・・・

 

「それでどうなんですか?」

洞木が尋ねる。

が訓練の様子を見て三人とも落胆した。

シンジとレイはいい感じに仕上がっていた。

だがアスカが加わると一人でペースを上げるのだ。

それにレイがついていくが、シンジが追い付かない。

それに気づくレイが今度はシンジに合わせようとしてミスが出る。

それの繰り返しだった。

「もうやってらんない!」

アスカが怒鳴る。

「もう時間がないんだがな。」

「こんな奴らに私が合わせるのが無理なのよ。」

「はぁ~」

もはやため息しか出ない。

「・・・コウスケ君。」

「なんだ?葛城。」

「できる?」

「・・・わかった。」

コウスケはミサトの意図を正確に把握した。

「アスカ。代われ。」

コウスケはアスカからヘッドホンを受け取った。

「いいか二人とも。俺に合わせようとするな。俺を感じろ。」

「はい?」

シンジはいまいちわかっていないようだった。

「・・・はい」

レイも同じようだった。

「EVAとシンクロするようなものだ。・・・行くぞ。」

コウスケに変わりユニゾン訓練を開始した。

最初はいまいち揃わなかったが

(この感じは・・・シンジ君か・・・)

いつの間にかシンジとコウスケの動きが重なる。

(ん?・・・これは・・・レイか)

それにつられるようにレイが合わさる。

三人がぴったりと合わさる。

「・・・少しペースを上げるぞ。」

コウスケがペースを上げる。

二人は戸惑うもコウスケに合わさった。

息をのむ傍観者たち

「・・・これは弐号機じゃなくてコウスケ君をサポートに出した方がいいかな?」

ミサトが挑発するかのように言った。

途端にアスカの顔が屈辱にまみれる。

「もういい!」

アスカは外に飛び出した。

「あっちゃ~」

ミサトが失敗したという顔になった。

「アスカさん!」

洞木が止めるも間に合わない。

「い~か~り~く~ん」

洞木はなかなか恐ろしい表情だった。

「追いかけて!」

シンジがわけもわからず追いかけようとする。

「待て。」

コウスケがとめた。

「シンジ君が追いかける理由がない。」

「え・・・でも。」

「俺が行く。二人は休んどけ。」

コウスケはミサトにアイコンタクトを送りアスカを追いかけた。

・・・

 

コウスケは第三新東京市を一望できる公園に行った。

そこにはアスカが呆然と景色を眺めていた。

「アスカ。」

「・・・」

「横に座るぞ。」

コウスケはアスカの横に腰かけた。

「今回の役に相当不満なんだな。」

「・・・あたり前でしょ。」

「この作戦で弐号機をサポートに回したのは俺だ。」

アスカは驚いている。

「どうして!私が一番うまく操縦でいるでしょ!」

「だからだ。」

アスカは納得できないようだ。

「確かにアスカはよく動ける。先日の戦闘でそれはわかった。」

「なら!」

「最後まで聞け!」

「・・・」

「よく動けるが、ほかの二人がダメなんだ。シンジ君は素人、レイは戦闘訓練をアスカと同じくらい受けてはいるがシンクロ率が低い。いわば自動車と自転車なんだ。」

「それって・・・」

「そう。無理に自動車が自転車に合わせれば遅くなる。なら最初から自転車同士で走ったほうが数倍いい。」

「・・・」

「それにこの訓練は動きを合わせるんじゃない。なぜ俺とあの二人が合わせられたか。わかるか?」

アスカは何となく感じ取ったようだ。

「そう。心だ。俺とレイとシンジ君、互いが心を合わせようとしたからだ。」

「だから俺を感じろと言ったの?」

「そうだ。メインはあの二人だがサポートする人が合わせられなきゃどこかで躓く。」

「・・・」

「この作戦は三人が揃って初めて成功するものなんだ。誰か一人が良ければいいというものじゃない。」

「・・・そうね。」

「それにこだわりすぎだ。」

「何に?」

「一人でやらなきゃいけないことに。」

「・・そう、やらなきゃいけないのよ。」

「そんなことはない。現にお前一人でEVAを起動できるか?修理は?発進は?」

「・・・」

「そう、人ひとりでは何もできん。エースと呼ばれた俺も周りに手伝ってくれる人がいたからこそなんだ。」

アスカは考え込んでいる。

「・・・似てるな。三人とも。」

「誰が?」

「アスカとレイとシンジ君だ。」

「?」

「アスカは自分を見てほしい。だから「一人」にこだわる。シンジ君も誰かに必要としてもらいたい。だからEVAに乗る。」

「・・ファーストは?」

「レイも同じだ。EVAがなきゃ存在する意味がないと考えてるんだろう。そんなこと無いのにな。」

(EVAに乗れる条件か・・・)

「・・・」

「俺の価値は戦闘機乗りということだけか?」

「そんなことはないわ。」

「だろう?わかったな。」

「ごめん。ありがとう。」

「ならいい。まあ、焦ることはない。ゆっくり考えてみろ。・・・ほら二人も来たぞ。」

後ろからレイとシンジが来ていた。

「惣流さん。」

「・・・弐号機パイロット。」

「サード、ファースト。・・・よ~し。やるわよ!ミサトに受けた屈辱を10倍にして返すわよ!」

ベンチの上でアスカが仁王立ちする。

「フフッ」

(そういうところは美点だな。)

コウスケは思わず笑みがこぼれる。

「あたしのことはアスカでいいわ!あたしもシンジとレイって呼ぶから。」

シンジとレイはきょとんとしていたが、優しく微笑んだ。

「お~。レイが笑ってる。」

レイの笑顔を見るのは初めてであるコウスケは感心していた。

「それとコウスケもやるのよ!」

「ん?!俺!」

「そうよ。あの二人が出来てあたしが出来ないなんて悔しいじゃない!」

「・・・」

「何よ。」

「そうだな。今日から俺も混じるとするか。」

コウスケは微笑んでいたが

「・・・ん?ということは、俺もそれを着るのか?」

コウスケは嫌な予感がした。

「当たり前じゃない!」

「そうなりますね。」

「・・・一人だけ違うのは訓練になりません。」

見事に的中。

「・・・・・・そうだよな~・・・はぁ~。」

(言わなきゃよかった・・・)

ミサトの嬉しそうな顔が浮かんで意気消沈する。

「墓穴を掘ったか・・・まっやるか!」

そういってコウスケは三人とともに帰って行った。

・・・

 

あれからコウスケを交えて訓練が再開された。

訓練中心が合わさるのが心地いいのか、四人とも満足のいく結果になった。

そして使徒再度侵攻日。

使徒を真っ二つに裂いたあと、うまく立ち回りサポートする弐号機

息を合わせて使徒に攻撃する初号機と零号機

三機とも使徒に隙を見せず翻弄していた。

ミサトの号令とともに起動する兵装ビル。

爆音とともに煙で視界を遮られる使徒。

弐号機の蹴りで再び合体する使徒。

空に高く飛び同時にキックを繰り出す初号機と零号機。

コウスケは発令所で一部始終を見ていた。

キックで割れていく使徒のコア

途端に爆発が起きた。

「パターンブルー消滅。」

青葉が報告する。

「お疲れ様。三人とも。」

ミサトがねぎらうが返事がない。

「?どうしたの?」

「三人とも寝ています。」

伊吹が報告する。

零号機と初号機は仰向けで、弐号機は直立不動のまま動いてなかった。

「疲れたのね。・・・EVAの回収急いで。」

「・・・葛城。すまん。俺も仮眠をとる。」

「あの三人に付き合っていたものね。わかったわ。」

「すまんな。」

(三人ともよくやった。)

コウスケは心でそういい伝え仮眠室に向かった。




零号機が使えたらどうなっていたのかを考えながら書きましたね。
ここではこのように書きましたが、実際はどうなっていたことやら・・・
IFというのはなかなか楽しいです。

今回もおまけがあります。
ていうかおまけが無いものがありませんね・・・
ことによってやってみたかっただけです。
ではどうぞ


おまけ
ユニゾン作戦の次の日
使徒の殲滅が終えて、日常生活に戻ったシンジとアスカはいつも通りに学校へと登校していた。
のだが・・・
いつもとは少し、いや、かなり変わっていた。
なぜならシンジとアスカの歩調、スピード、しまいには手足の動き方まで一緒だったのだ。
途中でレイと合流した。
レイも二人とまったく同じ動きだった。
教室に入るタイミングも
教科書をめくるタイミングも
昼食を食べ終えるタイミングも
しまいにはトイレに行くタイミングも・・・
その姿は不気味と言ってよい。
「何や?三人とも。朝から同じ動きしよって。」
とうとうトウジが我慢できずに聞いていた。
「もう終わったんだろ?・・まさか」
ケンスケがきらりとメガネを光らせた。
「常に同じ動きをしていたいってか?・・そんな関係になったんだな。」
後ろから「不潔!」と聞こえたが誰とはあえて言うまい。
「「「そんなんじゃないよ(わ)!」」」
三人が見事にシンクロする。
シンクロ率は100%だった。
そんな三人を見てトウジとケンスケは
「「いや~んなかんじ」」
と言った。
こっちもなかなかのシンクロ率だ。
説得は困難と見るや、三人は武力行使に出ることにした。
考えていることまでシンクロするんですね・・・
「行くわよ!レイ!シンジ!」
「うん、わかった。62秒でケリをつけるよ。」
「わかったわ。」
同時に動く三人
アスカがトウジとケンスケを分断
シンジがトウジ、レイがケンスケに攻撃
ミサトによる支援攻撃は・・・さすがに無かった。
アスカがトウジを蹴り、ケンスケと重なるようにした。
シンジとレイが空を舞い、同時にキックをお見舞いする。
図らずも使徒殲滅時の再現を教室で行っていた。
違う点はシンジとレイが見事に着地を決めたことだろう。
見事な連携に喝采を送るクラスメイトたち。
いや、男子生徒は顔が赤くなっていた。
なぜかはご察しいただきたい。
そんな教室は平和そのものであった。
ユニゾン訓練のもう一人の参加者はというと・・・
やはり三人と同じ動きをしていたという。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。