NERV航空隊隊長綾波   作:浩介

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第31話 覚醒

「鈴原君は今日退院だな。」

トウジは使徒戦の後、NERVで検査を受けたが心身ともに異常なし、使徒による浸食もなしと判断された。

一応一日だけ入院することになったが、今日には退院することになっていた。

「はい。」

「フッ、嬉しそうだな。レイ。」

コウスケにはレイがとても嬉しそうに見えていた。

「私よりも洞木さんの方がもっと嬉しいはずです。」

「そうだな。・・確か迎えに行ってるんだよな。」

コウスケがトウジのお見舞いに行ったあとヒカリから電話があったのだ。

ヒカリはコウスケの番号をレイから聞き出していたのだ。

コウスケが即決で許可を出したのは言うまでもない。

「あっ・・・」

と言ってレイは一つの手紙を差し出した。

「なんだ?恋文でももらったのか?」

「違います。それに私はもう碇君の・・・」

レイは最後まで言えなかった。

コウスケの腕が唸りレイの頬をつねっているからだ。

「ものだからと言いたいんだろ?問題発言だ。そういうのを言うとどうなるか考えろって言ってるだろ。」

「いひゃい・・・」

「お前さんは良くてもシンジ君の立場がなくなるぞ。」

コウスケは頬をつねるのを止めた。

レイは痛そうにつねられた頬をさすっていた。

「それは嫌・・・」

と言うがレイが不服なのはわかっている。

頬が2㎜膨らんでるからだ。

コウスケがつねったからではない。

「それでその手紙がどうしたんだ?」

「相田君からもらいました。特務一尉に渡してくれと。」

「俺に?」

(前の恨み言でも書いてあるのか?)

前にコウスケがケンスケにしたことは確かにひどい仕打ちであったことに違いない。

少年の抱く理想を一瞬で破壊したのだから

それでも自分宛てに手紙が来たのだから読まないわけにはいかない。

コウスケは手紙を読むことにした。

・・・

綾波特務一尉へ

この前はすみませんでした。

あの後いろいろなことを考えてました。

・・・なぜ自分はダメなんだと

他の三人と自分は何が違うんだ

そう思うと綾波特務一尉が憎くてたまりませんでした。

でも冷静になって考えるとあの三人は最初と違うことに気づきました。

初めてEVAに乗った時、碇が泣いているのを見ました。

こんな奴にできるんだから俺にだってできる

そう思ってました。

でも、最近の碇は変わったと思います。

何というか、何か目的があってEVAに乗ってると感じることがあります。

あの時の綾波特務一尉はとても恐ろしかった。

それ以上の恐怖と三人は戦っているのですね?

そしてその世界に綾波特務一尉はいるんですよね。

そう考えると自分は何に憧れていたのか

見た目だけにこだわってその中を見ようとしなかったんじゃないか

それを綾波特務一尉は教えてくれたんじゃないか

そう思います。

正直まだ悩んでいます。

EVAに乗るとかじゃなくて自分は何を見ていたのかと言うことに

まだまだ答えが出そうにありませんが、綾波特務一尉には感謝しています。

そしてすみませんでした。

相田ケンスケ

 

追伸

三人が無事に帰ってくるようにお願いします。

自分はただ見ていることしかできませんが、三人が無事に帰ってくるように祈ります。

・・・

 

「解ってくれたのか。」

レイがきょとんとしていた。

「お前さんたちをよろしく頼むだとよ。無事に帰ってくるように。」

「そうですか。」

とても冷たく思える声だがコウスケにはその中に含まれる嬉しそうな音を聞き逃すことはなかった。

「そういや、相田君から何か聞かれたか?」

「EVAに乗るのが怖くないかと聞かれました。」

「そうか・・やっぱりな。」

ケンスケの手紙に書かれたことからコウスケはEVAに乗る怖さがどれほどのものなのかを知ろうとしたのではないかと考えていた。

「・・・怖くないのか?」

レイはきょとんとするが何を聞かれたのか分かったのであろう。

「それよりもみんなが居なくなる方が怖いです。」

その答えにコウスケは思わず笑ってしまう。

レイは膨れながらコウスケをにらんでいた。

「すまん。別にレイをバカにしたわけじゃない。・・思ったよりもレイが周りを大事にしていることがわかって嬉しいんだよ。」

コウスケの言葉にレイがはっとなる。

「その様子だと自分でも気づかなかったのか。・・最初、EVAになぜ乗るのか聞いたことあったよな。」

レイはこくりと頷きながら言う。

「みんなとの絆だから・・ほかには何もありませんから。そう言ったら特務一尉は怒ってた。」

「何でこいつは周りを見ようとしないんだと思ってたからな。まぁ、見えないように仕組まれてただけだったんだが・・・」

「でも見ようと思えば見れた・・」

「そんなレイが今では周りを気にするようになったんだ。特に碇君のことはな。」

と言ってコウスケはニヤリとする。

そんなコウスケにレイは赤くなりながら俯いてしまう。

「最初、特務一尉はまじめな人だと思ってた。」

「ほう、今はどう思ってるんだ?」

「・・・とてもいじわるな人。」

「そりゃ、結構。」

(レイとこんな会話をするなんて想像できなかったけどな・・変わるもんだ。)

そんなことを思いつつ思わず笑いが出てしまう。

「まぁ、レイが変わったというのがよくわかったよ。だがな、一つ忘れちゃいけないものがある。」

「何でしょうか?」

「みんながいるということは自分がいる。つまり自分がいて初めてみんながいるということだ。」

レイは頭に疑問符を浮かべていた。

「心の底に押しとどめてくれればいいよ。」

(そう言う俺もここに来るまでは解らなかったんだけどな。)

そして目の前には疑問符を相変わらず浮かべている少女が一人

この少女もコウスケを変えた一人であるに違いない。

・・・

 

「これはよし・・これは・・三課じゃねえか。」

コウスケは自分の執務室にいた。

目の前には普段より多い書類の束がある。

上司である作戦本部長に押し付けられたわけではない。

彼女は前回の使徒戦で負傷を負い、左腕が使えなくなっていた。

そのため事務仕事は次席であるコウスケに回されることになったのだ。

とある二尉の仕事量が格段に減ったのは余談である。

ともかくコウスケはNERVに登庁してからというものの、執務室から一歩も出ていない。

灰皿には10本以上も吸い殻と握りつぶされた箱が残されている。

「これは訂正行き。」

書類を一つ一つ確認しながらケースの中に放り込んでいく。

「葛城が嫌がるのもわかるな・・・」

コウスケは休憩とばかりに煙草を取り出す。

「はぁ~、・・ん?」

コウスケは取り出した煙草を見ていた。

半分にぽっきりと折れていた。

「もったいない。」

新しいのを取り出そうとすると警報が鳴った。

「使徒か・・随分と早いお出ましだな。」

・・・

 

コウスケが発令所に行くとオペレータがすでに指定に席にいた。

伊吹の後ろにはリツコもいた。

リツコは爆発があった時にミサトがかばったそうだ。

そのため頭に傷を負うだけで済んだのだ。

ゲンドウと冬月も今到着したようだ。

「状況は?」

「駒ヶ岳防衛線にて目標を確認。国連軍が迎撃に出ています。」

「パターンブルー・・使徒です。」

コウスケが尋ねると青葉と日向から状況がいち早く知らされた。

メインモニターに使徒が映し出される。

人型と言っていい形で全般的に丸みを帯びていた。

腕と思わしき白いものは布のように見えた。

胴体には赤い球体‐コアがあった。

使徒に対して国連軍が攻撃するも使徒はまったく意に介していないようだった。

「総員、第一種戦闘配置。」

コウスケは厳かに告げる。

ミサトが怪我でいない今は次席であるコウスケが指揮を執ることになるのだ。

『総員、第一種戦闘配置。繰り返す、総員、第一種戦闘配置。』

『地対空迎撃戦用意。』

「目標が射程に入り次第、攻撃開始しろ。」

「了解。」

コウスケの命令に日向が返答する。

「目標、駒ヶ岳防衛線を突破しました。」

「よし、迎撃施設をすべてアクティブにしろ。」

「了解。」

第三新東京市にある迎撃施設が火を吹く。

使徒に無数のミサイルと弾丸が撃ち込まれるがやはり効果が無い。

不意に使徒の目が光る。

それと同時に発令所は大きく揺れた。

なんとかバランスを保ち、転ぶことは避けることができた。

「バカな・・衝撃波がここまで届くなんて・・・」

コウスケは使徒の攻撃力に驚きを隠せなかった。

(惚けてる場合じゃない)

「被害状況は?」

『第4地区に直撃。損害不明。』

「地表全装甲システム融解。」

「24層ある装甲を一瞬で・・・」

青葉の報告を聞いて日向が呟く。

「NN誘導弾の使用を許可する。第三新東京市の迎撃施設を特化運用だ。・・市民は?」

「現在避難中です。」

「急がせろ。・・死ぬぞ。」

「了解。」

と言う返事とともに青葉が急いで指示を出す。

使徒にNN誘導弾が数本刺さり、爆発するが効果は認められない。

『目標、健在。』

『NN誘導弾、効果なし。』

「NN誘導弾の第二派攻撃も許可する。直衛に回せ。」

日向が攻撃指示を出した。

(EVAの地上迎撃は間に合わないな。)

使徒の攻撃で装甲システムはボロボロであった。

もしEVAが間に合ってもジオフロントへの侵入は防げないだろう。

そう考えているうちに後ろのドアが開いて左腕を吊っているミサトが現れた。

「葛城?!大丈夫なのか?」

「そんなこと気にしてる場合じゃないわ!EVAはジオフロントに配置して。地上迎撃は間に合わないわ。」

(ここに来るまでに情報を整理していたのか。)

そんな彼女を見て非常に頼もしく思えるのであった。

「コウスケ君は出れそう?」

「無理だ。俺にジオフロントは狭すぎる。・・第三新東京市がまるごと吹き飛べば話は別だけどな。」

ジオフロントは高さ0.9㎞、全長6㎞であるので飛べないことはないが、高さが十分ではないためどうしても制限された動きになってしまう。

そのうえジオフロントにある迎撃施設からの攻撃もあるのだ。

そしてEVAと使徒がいる。

つまるところコウスケが出て行っても邪魔なだけなのだ。

こういう時は戦闘機よりもヘリの方が有利であったが、戦闘用のヘリはNERVには無かった。

「俺は迎撃施設の指揮を執る。」

「わかったわ。」

「Zラインをすべてアクティブにしろ。使徒がジオフロントに侵入と同時に迎撃だ。出し惜しみは無しだ。撃ち尽くせ。」

「聞いたわね、みんな。使徒が侵入次第迎撃。」

三人から了解と返事が返ってくる。

三機のEVAはすでにジオフロントに配置されていた。

足もとには無数の火器が準備されている。

再び発令所が揺れる。

「目標、ジオフロントに侵入しました。」

青葉が振り向きながら言う。

「第5次防衛線を早くも突破か・・厄介だな。」

「頼んだわよ、みんな・・」

ジオフロントの天井から使徒の顔が現れた。

「今だ!撃て!」

ジオフロントの迎撃施設が一斉に砲火を浴びせる。

同時にEVAからも弾丸が発射される。

爆炎で一時的に使徒が見えなくなった。

(完全に不意打ちだったはずだ。無傷ではあるまい。)

さらにATフィールドの中和圏内でもある。

通常兵器でも多少の傷は負わせたはずだ。

そうコウスケは考えていた。

不意に爆炎から光が見えた。

『うわああああ!』

初号機が後ろに吹き飛んだ。

「シンジ君!」

「伊吹二尉、初号機は?」

「直撃ではないため損傷は軽微ですが、パイロットが気絶してます。」

24層の特殊装甲を一撃で破壊できる光線だ。

直撃していたらどうなっていたことか・・・

「初号機は緊急回収!二人は援護して。」

「兵装ビルも援護に回せ!地上にある弾薬もすべてここに回すんだ!」

再びあらゆる方向から使徒をめがけて弾丸が発射される。

それにもかかわらず使徒はゆっくりとジオフロントに降りてくる。

『ATフィールドは中和しているはずなのに・・・なんで倒れないのよ!』

アスカの焦るような声が聞こえた。

それは発令所でも同じだった。

「初号機、回収完了しました。」

「ダミープラグを使用する。換装急げ!」

ゲンドウの断固とした声だったが、わずかに焦りも感じさせた。

モニターでは使徒に射撃する二機が写っている。

使徒はじっとしている。

どうやら効果が無いようだった。

使徒の腕がするすると地面に落ちていった。

「・・二人とも避けろ!」

コウスケが言うと同時に布のような使徒の腕が前に突き出される。

弐号機はかろうじて避けるも、零号機は若干遅れた。

零号機の左腕が宙を舞う。

『くううう・・・・』

「零号機の神経カット急いで。」

「零号機はダメか・・」

腕が一本なくなったので使える武器が非常に少なくなってしまった。

格闘を挑むこともできるが、あの使徒に接近戦など無謀である。

「マヤ、予備の腕があるわね。」

リツコが伊吹に問う。

「ありますが、フィードバックの調整をしないと・・」

「解ってるわ。でも時間が無いのよ。」

「レイ、聞こえたわね。急いで戻ってきて。」

『・・・了解。』

レイの苦痛に満ちた返答があった。

零号機が戻っていく。

『初号機、換装完了。』

「コンタクトスタート。」

リツコが指示を出す。

しかし横のモニターがALERTで埋め尽くされる。

「ダメです。パルス消失。ダミーを拒絶!EVA初号機起動しません!」

伊吹から絶望的な報告を受け取った。

「ダミーを受け付けないの?初号機が・・・」

リツコが驚愕しながら言う。

ゲンドウが立ち上がった。

冬月に一言何かを言うと発令所を後にする。

おそらく初号機のもとに行ったのだろう。

『コンチクショー!』

モニターに目を戻すと弐号機が派手に動き回りながら射撃を繰り返していた。

使徒はまたもやじっとしているだけだった。

弐号機が右から左へ動き始める瞬間であった。

そこに使徒が光線を発射する。

『きゃあああ・・・』

直撃はしなかったが、衝撃波で弐号機は吹き飛ぶ。

弐号機が立ち上がったところに使徒の腕が伸びる。

「やばい・・弐号機の全神経カット!」

ミサトの命令で弐号機の神経がカットされると同時に右腕と頭が切られた。

「弐号機のエントリープラグを緊急射出だ!」

「コウスケ君?!」

ミサトが咎めるように呼んだ。

「言いたいことはわかる・・だが、今のEVAは何もできん。そんなところにいたらアスカが危ない。」

「そうね・・アスカの救助急いで!」

弐号機のエントリープラグが射出された。

これで弐号機は何もできない。

使徒はそんな弐号機に興味を失ったのか、移動を始めた。

「初号機と零号機が戻るまで持たせろ!」

ジオフロントにあるすべての兵装が火を噴いているが使徒には全く効果が無い。

使徒はそんな兵装ビルが邪魔になったのか、兵装ビルを壊し始めた。

「Zの5から9まで沈黙。」

「構わん!撃ち続けろ!」

するとモニターに零号機が写った。

左腕はとれたままであった。

右腕はNN誘導弾を抱えていた。

「・・!バカな真似はよせ!レイ!」

レイの意図がわかったコウスケは叫ぶも、使徒に向けて走り出す零号機

リツコもわかったようだ。

顔が驚きで満ちていた。

「まさか・・・自爆するつもり?!」

使徒がATフィールドを展開する。

そこにNN誘導弾が突き刺さる。

よく見るとATフィールドのようなものがNN誘導弾を纏っていた。

『碇君やみんなを守る・・・』

通信機からレイのつぶやきが聞こえると同時にNN誘導弾がロケットエンジンを始動させた。

使徒のATフィールドが破れる。

そして起こる大爆発

モニターは真っ白になった。

発令所も大きく振動した。

この時シンジが目を覚ましたと報告があったのだが、発令所でそれに気づくものがいなかった。

「・・・レイは・・・」

モニターが戻ったのでコウスケはモニターに目を向けた。

煙が晴れて零号機が現れる。

使徒は無傷であった。

いち早く反応したのはミサトであった。

「零号機のエントリープラグを射出して!」

零号機のエントリープラグが射出される。

少し遅れて使徒が腕を伸ばした。

零号機の顔が半分に割れて地面に倒れる。

「・・Zラインは?」

ミサトの声で気を取り戻したコウスケは兵装ビルで抵抗しようとした。

「ダメです。先ほどの爆発ですべて沈黙しました。」

「なんてこった・・・」

コウスケに抵抗する手段が失われた。

「初号機は?」

最後の希望でもある初号機はどうなのかリツコが聞く。

「ダメです・・起動していません。」

伊吹は顔を伏せながら言う。

使徒がNERVのピラミッドを砲撃した。

発令所が大きく振動する。

モニターはちかちかと点滅していた。

『第三基部に直撃!』

「最終装甲板融解!」

「不味い!メインシャフトが丸見えだわ!」

ミサトの悲鳴のような声が響く。

発令所がまたもや振動する。

「目標はメインシャフトに侵入!降下中です!」

青葉の焦りが声に出ていた。

「目的地は?」

「そのままセントラルドグマへ直進しています!」

「ここに来るわ!総員退避、急いで!」

『総員退避!繰り返す、総員退避!』

発令所に警報が鳴り響く。

メインモニターが消えた。

そして使徒がメインモニターを割って出てくる。

コウスケの目の前には使徒の顔があった。

妙ににやついた顔に見えた。

コウスケは煙草を取り出す。

どうやら最後の一本だったようだ。

発令所は禁煙だがもはやどうでもよかった。

使徒の目が光り始めていた。

ここを吹き飛ばすつもりなのだろう。

「無粋な野郎だな。最後くらいゆっくりさせろよ。」

(・・・ここまでか・・レイ・・無事でいろよ。)

コウスケが覚悟を決めたとき使徒の顔が爆発した。

使徒はよろけたように見えた。

「なんだ?」

後ろを振り返るとミツヒサとシンゴがいた。

下のフロアには零課の隊員たちがいた。

「何してるんだ!」

「総員退避?そんなもん零課にはねえよ。」

シンゴが110mm個人携帯対戦車弾を捨てながら言う。

「そうですよ、課長。それに課長を見捨てたら子供たちに合わす顔がなくなるじゃないですか。」

ミツヒサはFN P90を構えながら言う。

「第一、課長らしくねえんだよ。」

「まったくです。その胸にあるものは飾りなんですか?」

コウスケは気付いた。

まだ抵抗する手段は残されていたことに。

胸に隠し持っているグロック17

兵装ビルやSu-37に比べれば貧弱な装備だ。

だが、それが今では頼もしく思える。

「そうだったな。」

コウスケはグロック17を取り出す。

「総員、全力射撃!」

「「了解。」」

一斉に使徒に向けて銃声がなる。

弾丸は使徒の体に当たり四散していく。

使徒はただじっとしているだけであった。

どうも攻めあぐねているようだった。

「長良は?」

コウスケはグロック17を放ちながら言う。

「アダムを確保しに行ってますよ。」

「機動力ならあいつが一番だからな。」

「なら、結構。」

(ここが無くなっても対抗する手段が無くなるわけじゃない。)

横を見ると日向と青葉もUSPを取り出していた。

伊吹は惚けているようだった。

「何してる!葛城と赤木を連れて離脱しろ!」

「でも・・・・」

「怪我人がいると邪魔なんだよ!とっとと行け!」

コウスケの喝に伊吹は「了解」と答え二人を連れて発令所を出ていった。

「人間をなめんなよ!」

すると横のモニターが割れた。

そこから初号機が現れると同時に使徒の顔にパンチを放っていた。

ちらりとこちらを見ているようだった。

「シンジ君か!」

初号機は使徒を押し戻していった。

本部内から破壊音が聞こえてくる。

派手に暴れているのだろう。

『コウスケさん!』

シンジになぜ呼ばれたのか・・・

「!固定ロックすべて外せ!」

日向がキーボードを操作した。

途端に破壊音が聞こえなくなる。

コウスケはジオフロントに射出されたと思った。

「ここじゃ状況が解らない。外に行くぞ。」

・・・

 

コウスケたちが外に出ると、先に出ていた三人に加持もいた。

おそらく退避する途中で出会ったのだろう。

初号機はピラミッドの残骸に叩きつけられていた。

だというのに初号機はピクリともしない。

「エネルギーが切れたのか・・・」

使徒の目が光る。

初号機の胸が爆発した。

そこには赤い球体‐コアが露出していた。

初号機のコアを使徒がいたぶるように突いていた。

エントリープラグは射出できない。

背中にピラミッドの残骸があるからだ。

無理に射出すればピラミッドに当たってエントリープラグがどうなるか予想もつかない。

使徒は楽しむように初号機のコアを突いている。

不意に初号機の手が動いた。

使徒の腕が初号機の指で切れていく。

初号機は使徒の腕をつかむと一気に引き寄せた。

そして胴体に蹴りを一発

使徒の腕がもぎ取れる。

「暴走か?」

過去に初号機はエネルギーが切れたにもかかわらず使徒を殲滅した。

それをコウスケは思い出していた。

「EVA初号機・・再起動・・」

伊吹が報告するがそれは誰の目にも明らかであった。

初号機がゆっくりと立ち上がり、剥ぎ取った使徒の腕を左腕につける。

初号機の左腕は再生した。

「すごい・・・」

ミサトのみならずその場にいた全員があっけにとられていた。

「・・信じられません。シンクロ率が400%を超えています。」

伊吹が持ち出したPCを見ていた。

(もしかしたら・・・)

「目覚めたのか・・」

「おそらくね・・」

コウスケの考えを肯定するようにリツコも呟く。

使徒が残った腕を伸ばすが、初号機が腕を振り払う。

その衝撃波で使徒の体が切り刻まれる。

初号機は使徒が倒れるのを確認すると四つん這いになり使徒を目指す。

「・・何をする気だ?」

使徒のもとに初号機がたどり着いた。

すると初号機は使徒に噛みついた。

もしゃもしゃという音が聞こえてくる。

「・・使徒を・・食ってる・・」

「S2機関を取り込んでるんだわ・・」

伊吹は目の前で起こることに堪え切れず吐き気を催していた。

グロテスクな音が鳴り止み、初号機は再びゆっくりと立ち上がる。

そして咆哮

初号機の拘束具が次々はじけ飛んでいく。

その光景をコウスケはただ黙ってみているしかなかった。




食っちゃいましたね・・初号機・・
ところで使徒って美味しいんでしょうか?
見た感じだとちゃんと肉って感じでしたし・・・
そんなアホなことを考えてしまう私でした。

零課
出番作りました。
と言うよりここの話を考えたとき出すことは決定済みでした。

おまけを書きました。
今回はシンジで書きましたが・・・
大変読みにくいと思います。
では、どうぞ

おまけ
もうここまで来たんだ
いつもなら地上で戦うのに・・・
『聞いたわね、みんな。使徒が侵入次第迎撃。』
「了解。」
ミサトさんの声
いつもより焦って聞こえる
使徒の顔が見えてきた
『今だ!撃て!』
コウスケさんの命令
トリガーを引かないと
使徒にいろんな方向から弾が飛んでる
煙で見えなくなった
やったのかな?

ひかり?
・・・

なんだろう
ここはどこだろう
ジオフロントだよね?
・・・
使徒は?!
いる
それに零号機?!
なんで腕が一本無いの?
それに零号機が持っているものは?
『碇君やみんなを守る・・・』
あやなみ?
ダメだ!綾波!
そんなことしちゃ!
あやなみ!
・・・

はっ・・・ここは・・病院?
今のは夢だったのかな?
使徒は?!
・・・
零号機?!
なんで動かないんだよ!
!!
綾波がやられた・・・
こんなことしてる場合じゃない!
早くいかないと!
みんなが
綾波が
死んじゃう!
・・・

父さんがいた!
「父さん!」
「シンジ!大丈夫なのか!」
父さんが心配そうに見てくれてる
嬉しいけどそんな場合じゃないよ!
「早く僕を初号機に!」
「わかった。・・シンジ、頼む。」
・・・

使徒は発令所にいる
急いでいかなきゃ!
・・・
良かった
みんな無事だったんだ
早くここを離れないと
・・・
NERV本部が壊れていく
ここじゃ狭すぎるんだ
なんとかして上にでないと

腕がやられた
痛い・・・
でも
こいつを倒さないと・・・
やった!
射出口だ!
「コウスケさん!」
上に上がる感じ
良かった、通じたんだ
こいつを倒さないと!

なんで動かないんだ?

「エネルギーが切れた・・・」
くぅ・・・
ものすごい衝撃だ
背中が痛い
それに胸も
このまま死ぬのかな
・・・
いやだ・・・
いやだ!
折角父さんと分かり合えたと思ったのに
綾波に会えたのに
このまま死ぬなんて
みんなに会えないなんて・・・
綾波にもう会えないなんて・・・
嫌だ!
動け!
動けよ!
お願いだから動いてよ!
母さん!
僕に力を貸してよ!
・・・・・・・・・
・・・・・
・・・
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