NERV航空隊隊長綾波   作:浩介

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外伝
第20.5話 第一次NERV対人訓練


「対人訓練かね。」

ここは総司令執務室

提出された草案を確認した冬月は目の前の人物に言った。

「はい。」

「しかしなぜだね?」

「今後のことを考えるとテロなどに対処できるように職員にある程度戦闘訓練をすべきと考えます。」

そう答えたのはコウスケだった。

横にはミサト、リツコ、加持がいた。

「だが、NERVはMAGIによって監視されているだろう。不要だと思うが・・・」

「しかしMAGIとて完璧ではありません。ましてや人のつくりしものならなおさらです。」

そういうコウスケの言葉は妙に棘のある言い方だった。

リツコのこめかみに青筋が浮かぶが、誰も気づかなかった。

「それに作戦部も実戦経験に乏しいですからいざというときに役に立たんでしょ。」

それを聞いたミサトのこめかみにも・・・

「なので訓練を行いたいと思います。」

「しかし・・・」

「いいだろう。許可する。」

ゲンドウがいつものポーズで言った。

「碇!」

「実害があるわけでもない。むしろ利があると言えるだろう。」

「ならいいが・・・」

「綾波特務一尉。やりたまえ。」

「はい。」

コウスケは妙に気合が入っていた。

それを加持はため息をつきながら眺めていた。

・・・

 

なぜこんなことになったのか?

それは先日起きた出来事が原因だった。

・・・

 

リツコの研究室

そこにいつものように遊びに来るミサトと研究室の室長たるリツコがいた。

「あら、レイどうしたの?」

そこにレイが現れた。

それに対しミサトが陽気に呼びかけた。

「今日は実験・・・無いわよね。」

「はい。」

リツコがスケジュール表を確認しながら聞いた。

「赤木博士に」

「私に?」

「はい。」

「どうしたのかしら?」

リツコとレイに関係は以前に増して良好になっていた。

リツコのほうがレイに対して含むところがなくなったのが大きい。

「・・・ばあさんは用済み。」

「・・何ですって。」

「ばあさんは用済み。」

リツコは怒り心頭だった。

「それと・・・」

と言ってミサトを見るレイ

「無能」

「は?」

「あなた無能。まともに作戦指揮できない。」

「あんたね~!」

ミサトがレイに駆け寄る。

びびるレイ。

危くミサトの手がレイに伸びようとしたところでリツコがそれを制した。

「止めないで!」

「待ってミサト。」

あくまでも平静を装っているが怒りのオーラが立ち込めている。

「レイ。誰に言えと言われたの?」

「特務一尉です。」

レイは怖々とした声で言った。

「コウスケ君?!」

「はい。」

実を言うとレイの行動はコウスケによるものであった。

この前レイにお兄ちゃんと呼ばせたのが相当腹が立ったのである。

だからと言ってレイを使って報復攻撃なんて、正直大人げない。

レイはただ巻き込まれただけだった。

「そう・・・彼ね・・・」

フフフという不気味な声が部屋を満たしていた。

その光景を見ていたレイは

「怖かった・・とても怖かった・・・」

とシンジに泣きついていたそうだ。

その時のシンジの目は・・・

ついでに人が嫌がることをしてはいけないと学んだレイであった。

・・・

 

そんなこんなで三者とも堂々と決着を着けようということになり、出てきた案が対人訓練だった。

ルールは簡単

2チームに分かれた陣取り合戦である。

制限時間をすぎた地点で多くの陣を確保していたほうの勝利である。

当然司令官を撃破で終了。

弾は模擬弾を使う。

チームはコウスケ、加持チームとミサト、リツコチームに分かれた。

加持はただ単に巻き込まれただけだった。

メンバー構成を見るとコウスケチームには整備班と諜報部、ミサトチームには作戦部と技術局となっていた。

「綾波、ほんとにやるのか?」

「当たり前だ!」

「特務一尉、準備完了しました。」

コウスケにそういうのは記念すべき某定食の第一号である榛名ミツヒサだ。

榛名ミツヒサは黒縁の眼鏡をかけており背はコウスケと同じくらいだった。

知的に見えなくもない彼はNERVの整備員をやっておりコウスケの愛機の整備主任だった。

「よし!総員配置につけ。」

コウスケの掛け声とともに男たちが配置につく。

コウスケの作戦は周囲を確保しつつ多方面から一つ一つ制圧していくものだった。

訓練は開始された。

先手を打ったのはミサトたちであった。

戦場は大きく二つに分かれており両者を結ぶものは中央に位置するブロックだった。

またそのブロックは上下に一本の道しかなく必然的に激戦区となるところであった。

コウスケもそこをどうするか頭を悩ませていた。

そこをミサトたちは電撃的に攻略した。

「やるな。出そろう前に攻略か。伊達に作戦部長は名乗ってないな。」

既に相手の防衛ラインは構築されており突破は困難だった。

「各部隊に連絡。各ブロックを破棄しラインを下げる。」

「おい、いいのか?」

加持が不安げに問う。

「大丈夫だ。」

・・・

 

「うまくいったわね。」

そういうのは指揮官であるミサトである。

「ええ、電撃作戦が思いのほかうまくいったわ。」

こちらは参謀のリツコである。

「後は待つだけだけど・・・」

「相手はコウスケ君だものね。」

「それに諜報部連中もいるし。」

「油断は禁物ね。」

「報告します。」

というのは日向である。

彼は作戦部所属なのでミサトチームに振り分けられた。

「相手はブロックを破棄。ラインを一つ下げています。それにつられるように各部隊が突出してます。」

「不味いわ。」

「実戦経験のなさがここで出たわね。」

「各部隊に突出は避けるように伝達して。」

・・・

 

「今だ!三方から斉射!」

コウスケが号令を飛ばす。

それに伴い銃声が聞こえてきた。

「こういうことか。」

加持が感心するように言う。

「こうなるとは思ってた。実戦経験が無いからな。こちらが引けば興奮して突出するだろうと思ってた。」

「突出してきた敵は恐慌状態にあります。」

ミツヒサが報告する。

「よし。全部隊に突撃命令を出せ。」

「了解。」

「これでうまくいけばいいがな。」

コウスケは不吉なことを言った。

・・・

 

「早く前線部隊に後退命令を出して!それと中央ブロックは破棄!」

「いいの?」

「どのみち無理よ。なら中央ブロック手前で本隊が足止め、これしかないわ。いくわよ!」

・・・

 

「中央ブロックは確保しましたが、本隊が現れてそれ以上に侵攻は不可能でした。」

ミツヒサの報告を受けて苦い顔をするコウスケ

「意外と早かったな。」

「さすがは葛城だな。」

「さて、次はどう出るか・・・」

このままでも勝てるが油断はできない。

なんせ相手にはミサトだけでなくリツコもいるのだ。

「どういうことだ?」

ミツヒサの驚く声にコウスケが反応した。

「どうした。」

「中央を防衛していた部隊が後退を始めました。」

「何?」

「・・・多分赤木だな。」

加持がそう言った。

「偽の指令を送ったんだろう。」

「MAGIが敵に回るか。となると中央はもうとられたな。」

コウスケの言うとおりに中央ブロックはミサトたちの手に落ちた。

「そう来るなら・・・加持、剣崎はいるか?」

・・・

 

「これで最初の戦局に戻ったわね。」

「よく思いついたわね。ミサト。」

「情報を制す者はってね。」

「現代戦の基本ね。」

「さ~てこのままいけば・・・」

ミサトの言葉は銃声で途切れた。

「敵の部隊が突如現れました。」

「何ですって!」

「それと同時に中央ブロックへの攻撃が始まりました。」

「・・おそらく諜報部ね。」

「でもどうやって・・・」

「ダクトよ。」

「あんな狭いところを?」

「諜報部ならできるでしょ。」

リツコの推測は合っていた。

コウスケは剣崎キョウヤを部隊長とし、諜報部を使いダクトから奇襲をかけた。

剣崎キョウヤとは諜報部諜報一課のエースである。

「ここは大丈夫よね?」

「ええ、ここのブロックは開けられるところが無いから。」

「なら本隊で出てきた部隊を叩くわ!」

「その必要はない。」

コウスケが現れた。

「大将のお出まし?」

「そういうことだな。」

と言ってコウスケが発砲する。

コウスケは戦場が混戦になっているすきに大将を狙うことにした。

ついでにミサトの本隊もコウスケの本隊にぶつけており、混戦となっていた。

「テメ~金返せ!」

「お前もあの本を返せ!」

などということが聞こえてくるが気にしてはいけない。

コウスケの狙い通りにミサトの周りに兵がいなかったが、コウスケもミツヒサ以外にいなかった。

ミサトはとっさに回避し反撃する。

コウスケも物陰に隠れて応戦する。

リツコはすでに倒れていた。

ミツヒサにより行動不能に陥っていた。

そのミツヒサはミサトの流れ弾に不運にも当たってしまった。

互いに発砲するが当たらず、ついには弾切れとなってしまう。

コウスケは躍り出て格闘戦を挑んだ。

防ぐミサト。

「あんたね!言っていいことと悪いことがあるでしょ!」

ミサトがハイキックを出す。

「お前も同じだ!葛城!よりによってお兄ちゃんだと!」

コウスケはしゃがみこみ、そのままバク転する。

「何よ!どうせ嬉しかったんでしょ!」

「んなわけあるか!俺は危く社会的生命を失うところだったんだぞ!」

などと口走りつつ殴り合う軍人たち。

正直ただの子供の喧嘩だ。

「お前もシンジ君からお姉ちゃんと呼ばれてみるか!」

パンチを繰り出すコウスケ。

それをいなしてかわすミサト。

「それは・・・いいかも。」

「考えてみろ!学校でもNERVでもお姉ちゃんと呼ばれる姿を!」

それを想像するミサト

周囲の冷ややかな視線を感じてしまう。

「・・嫌だわ。」

「だからこれに勝ったらシンジ君にそういわせる。赤木はばあさんだがな!」

「何ですって!」

リツコは覚醒したが体が思うように動かずにいた。

「なら私が勝ったらレイにずっとお兄ちゃんと呼ばせるわ!」

などとコウスケにびしっと指を差してミサトが言う。

「そうしなさい!ミサト!」

シンジとレイは本人がいないところでとんでもないことになっていた。

ちなみに子供たちはモニターですべてを見ていた。

シンジは汗をかいており、レイはコウスケの目を思い出して震えていた。

ちなみにシンジはレイの頭をなでなでしていた。

子供をあやすように・・・

もう一人はわれ関せずだった。

「あたしにはなんも害が無いじゃない。」

とのことだ。

「やられるわけにはいかない!」

「こっちだって!」

と互いにパンチを繰り出す。

パンチは互いの顔に当たった。

クロスカウンターというやつだ。

同時に倒れるコウスケとミサト

勝負は決まった。

いつの間にか現れた加持が訓練中の部隊に連絡する。

「訓練は終了だ。互いの指揮官が倒れた。よって引き分けだ。」

・・・

 

結果を見るとさんざんなものだった。

両軍とも80%を超える戦闘不能者を出して、大将が同時に倒れたのだ。

訓練に使われたフロアは死屍累々と言えた。

だが・・・

「コウスケ君て意外とやるわね。」

「葛城も。最後のパンチは効いた。」

なんかもう吹っ切れたのか健闘を称えあう二人

「赤木も悪かった。」

「いいのよ。悪乗りしたこっちが悪いんだし。」

そんな三人を見る加持はやれやれと言いたげだった。

そこにシンジとレイが入ってきた。

「よう、シンジ君にレイ。どう・・・」

コウスケは言葉をつづけられなかった。

なぜなら二人とも鬼のような目つきだったからだ。

それはEVA以上に恐ろしかったとは特殊監査部の言葉だ。

「ミサトさん、リツコさん。綾波を使って何してるんですか。」

声は低くそら恐ろしかった。

「ちょっち出来心で・・・」

「そっそうよ。シンジ君。」

ギンと睨むシンジ

それは初号機が再起動を果たした時と同じ目つきだった。

「「ひっ!」」

コウスケはひそかにドアの近くに寄っていた。

「特務一尉。」

「うっ・・・」

コウスケは逃げ出した。

しかし回り込まれてしまった。

こんなとこだろう。

レイは無表情だったが、怒りのオーラが漏れていた。

「私を使ってなぜ?」

「そっそれは・・・その・・・」

「なぜ?」

「あの・・・」

「なぜ?」

「・・・」

「なぜ?」

「・・ごめんなさい。」

ちなみにもう一人の子供は普段見れない光景に腹を抱えて笑っていたという。

・・・

 

ここに利を得た人たちがいた。

「碇。訓練は終わったそうだぞ。」

「そうか。」

「意外といい結果が出たな。」

「ああ、これでやりやすくなった。」

「既にリストアップは終わっている。」

「そうか。」

「綾波特務一尉にはもう一頑張りしてもらうか。」

「副課長には?」

「整備員にいいのがいた。」

「そうか。」

「碇。我々はもう少し長く話せんのか?」

なんてこと聞いてるんだ?冬月さん。

「作者がこれ以上は無理だと言っている。問題ない。我々のシナリオ通りだ。」

変なプレッシャーかけるなよ!

「問題ない。」

そう言ってゲンドウはニヤリと・・・




真面目にアホな話を書こうとして出来たものです。
第一次とありますがこれ以降は無いです。
・・・多分

アホな大人たちが巻き起こした騒動はひとまず一件落着した。
平穏な日々が始まり、再び小説本編が続くはずが
この結果に納得のいかない者もいた。
再び巻き起こされるNERVでの騒動
「彼」もまた直接介入を図る。
翻弄されるNERV職員たち
止まらない作者
暴走の果てにたどり着いたものとは・・・
次回
第20.55話 シン・第一次NERV対人訓練

2015年9月24日20時0分
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