オレを知っているやつに会いに行く   作:ほったいもいづんな

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まず本偏前のお話し
なのはのキャラの出番はまだです


1話 朝から騒ぐのは近所迷惑

  第1話

 

 

 

 

「人生何が起こるかなんて誰にも分からない」

 そう誰にも分からないが、大抵のことは誰かに共感して貰えたり理解してもらえるものだ。 しかし大抵の場合はこの言葉で済んでしまうから困ったらこう言っておけばいいのだ。一体どこの誰が最初に言ったかは知らないがずいぶん便利な言葉だと思っていたーーーー今日の朝目覚めるまでは。

 

「お、お、落ち着けオレ、coolになるんだクールに」

 

『オレ』は鏡の前に立ち自分の姿を確認した。 鏡に映っていたのは腰まで伸びた白い髪、右はルビーのような赤い輝き、左はエメラルドグリーンのような強い緑の輝きを持った二つの眼。 どちらもカツラやカラーコンタクトをしていれば、まだ納得出来る範囲内だ。

 しかし、『これ』は納得など出来ない、朝目覚め真っ先に感じた違和感、まくらが変わっているとか布団だった筈なのにベッドに変わっているだとかーーーー何故か自分自身の記憶を思い出すことが出来ないことさえも『コレ』の前には些細なことになってしまった。

 

「なんで子供になってんだあああああああぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 ーーあれから小一時間、身悶えしていた自分を何とか落ち着かせた。

 

「ふっ、ふっ、フゥー、……よし、何とか落ち着いたぞ、疲れて動けなくなっただけだけど」

 

 先ほど奇声を上げて暴れていた少年は床に大の字になって寝転がっている。 少年の息は上がっているが、暴れたであろう部屋は少年が目を覚ましてから殆んど変わっていない。

 

「はぁ……はぁ……、つーか体力無いのなオレ……と言うかこの体……?」

 

 どうやら少年の体は少年が思っているよりかなり貧弱なようだ。 体力はもちろん腕力にいたってはぶ厚い辞書を両手で持たなければならず、それを投げることなど到底出来ない。

 

「ま、ある意味見た目相応なのかな。 おおよそ見積もっても小学生、しかも低学年だろう。」

 

 少年は付け加えるように「ま、オレも小1、2の頃は木登りすら出来ない貧弱ボディだったし……」 そう呟いて、ふとある疑問が浮かんだ。

 

 

「あれ? 本当にそうなのか?」

 

 

 少年は自分のことを思い出そうとする、自分の名前、好きなもの、嫌いなまの、好みの女性のタイプ、初恋の相手、自分の夢。

 

 ほんの数十秒のことであったが少年は無限に続く迷路のような思考を続けていた。 まるで出口にたどり着いてはいけないかのように、そこに気づいてはいけないかのように。 ーーーーそして少年をたどり着いてはいけない結論にたどり着く。

 

 

 ーーーーオレハ、ダレダ?

 

 

 

 

 

 

 落ち着いた筈だったオレの思考は再び混乱のカオスに引き込まれる。 いやいやいやいや、落ち着け落ちつけ……

 ーーーーーーーーいや落ち着けるかぁい!

 

「自分が記憶喪失になっていて分けわからん状況だってのに、その上まったく記憶にかすりもしない場所にいて、自分じゃない体になっていて、ああぁもうわけわかめ!!」

 

 くっそー、記憶喪失になるのは主人公か物語に重要なキャラだけでいいんだよ! しかも何だこの体は! 貧弱ってレベルじゃねぇぞこれ!

 

「……ん? オレ……何でこの体がオレのじゃあ無いって分かんだ?」

 

  自分で言っといて何だがわりかし重要なことなのではないか? 冷静に考えてみればさっき辞書投げようとして結局投げられなかったが、オレは辞書を投げてその先の窓ガラスが割れるだろうと確信していた。 もっと暴れるだろうと思っていたが、すぐにバテてしまい部屋もそんなに荒れなかった。

 

「……そうか、オレの意識と体が噛み合ってないんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 記憶喪失と言ってもその者の状態によって症状は様々だ。 部分的に記憶を失っているものから言葉が喋れなくなるものや、歩けなくなる、箸の持ち方を教えなければならないなど、赤ちゃんのようになってしまう場合もある。 どうやらこの人物は『自分に関することだけ』を忘れてしまったらしい。

 

 

「オレのことだけ忘れるなんて、どんだけピンボイントなんだよ」

 

 ぼやきながら少年は少しづつ、今置かれている状況を整理し始めた。 どうやら自分が記憶喪失になっていることよりも、自分が多くの中学生が経験した『中二病』のお手本のような外見になっていることの方が衝撃的だった。 そのおかげか記憶よりもこのイタイ外見を何とかするために早く状況を整理しなければならないと考えていた。

 

「……うん、大体整理出来たぞ。 何かメモ出来る紙は…………ちょうどいいサイズのメモ用紙があったぞ、これに整理したことを書いていこう」

 

 

 

 

 

 

 

 うん、こんなものかな。 読み返してみよう。

 

 ①オレは記憶喪失

 ②この体はオレの体じゃない

 ③元々オレは高校生から大学生くらいの年齢?

 

 

 こんなものか? あとはオレの外見が中二病丸出しなことくらいか。 結局今のままじゃ何も分からないことだけ分かったな! 最早開き直らないとやってられない、と言うかオレは一人で考えるより行動を起こした方がいいタイプの人間なのかな? まぁ一先ずこんな所だろう。

 

「それじゃあさっき見つけた誰かの日記でも読んでみるか」

 

 ふはははは、この部屋にあったから恐らくはこの部屋で寝ていたこの少年の物であろう! 一体どんなイタイことが書いてあるか楽しみだZE☆

 

 

 

 ーーーーピンポーン

 

 

  む、インターホンが鳴ったみたいだ。 そう言えばオレはこの部屋から一歩も出ていないからこの家がマンションなのか一軒家なのか知らないな。 何にせよ早い所インターホンに出なければ。もし出るのに遅れて文句言われても自家発電していたと言えば大丈夫だろう。 ……この体って精通来ているんですかね?

 

 

 

 

 

 少年はドアを開けて首を少しだけ出して辺りを見渡した。 少年は廊下の先に階段がある事は発見した。 高級なマンションでない限り階段が付いているのは一軒家くらいなものだ。 少年が階段を発見した時、羨ましいと無意識に思った。 どうやらこの少年の中にいる推定18歳くらいの人物はそれほど広い家 に住んではいなかったようだ。 インターホンが下から鳴っているのを確認し、少年は階段を降りていった。

 

「えーと、インターホンは……あったあった。 おー、これがカメラ付きインターホンってやつか 」

 

 少年はカメラを確認した。 『黒いネコ』がマスコットキャラの会社のロゴマークがある制服を着た男性が映っていた。 どうやら宅急便が届いたようだ、この家の住民の物だろう。

 

「宅急便ってことはあれか、受け取りに行かないとダメか」

 

 少年は玄関を探し、何か履物はないかと探していた。 ちょうど子供のサイズであろう靴を見つけると同時に玄関の棚にある印鑑を見つけた。

 

「こんな所に印鑑置いてたらあかんやろ。 どうなってんねんこの家は」

 

 謎の関西弁を呟きつつ靴を履き印鑑を持ってドアを開けた。

 

 

 

 

 

 

 

「な〜んでエロゲーが宅急便でくるんですかね?」

 

  オレはさっき配達してもらった物を見ながら言った。 子供の教育に悪いってレベルじゃねぇぞ!?

 

  ん? 受け取り人の名前が書いてあるぞ、何なにーーーー

 

 

 

 

 ーーーー受け取り人 キリト=T=都《みやこ》ーーーー

 

 

 

 うっそだろお前。

 

 

 

 

  とりあえず目覚めた部屋に戻ってきた。 途中で他の住民を探してみたが誰も居なかった。 何処かに出かけているかもしれないと考えたが玄関に子供用の靴しか無いことを思い出し、この家に住んでいるのはこの体の持ち主ではないかと仮説を立てた。 ーーーーいやそうするとあのこっぱずかしい名前がこの少年の名前になってしまう! それにこのエロゲーをプレイするのがこの少年だと確定してしまう! いかんいかん、そりゃ宅急便のお兄さんも変な顔するよ! 普通に出ただけであんな目しないよ! しかもこのエロゲーのタイトルーーーー『ドピュ♡ドピュ♡天使アザゼル ち◯ぽなんかに負けたりしない!』 ひどすギィ! しかもこれふたなり系じゃねぇか! 取り敢えず余所に置いとこう……。

 

「やめやめ、とりあえずこの日記(仮)をよもう」

 

 気分を切り替えて日記(仮)に手を伸ばした。

 

「しっかし、やっぱこれ変だよなぁ」

 

 日記(仮)の表紙に書かれているタイトルをもう一度確認する。 そこにはデカデカと『Daily Memory』と書きたかったのか、『Diely Memory』と書いてあった。 デイリーがダイリーになっているし、あとダイリーなんて言葉無いし。 まぁ、子供らしい間違いだと思おう。

 

 

 オレはこの地雷過ぎる日記(仮)をひらいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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