別にこの話本編と何も関係ないですけどね。
17話
連休を利用した小旅行も終わり、オレたちはそれぞれの家に戻っていった。
色々あったが、最後までみんなと楽しく遊べたので結果オーライだ。 そう思っていたが……
「ふぃー、到着到着」
行きと同じく、月村家の車にお世話になり無事家の前にたどり着く。
「それじゃあね、霧刀君」
「うい、また明日」
オレが一番最後に送ってもらった。 すずかちゃん達を乗せた車はそのまま月村邸に向かっていった。
「お、ポストに何か入ってんな」
ポストに入っていたのは数日分の新聞、そして一通の手紙。 ……まさか最後の最後にこんなモノが来るとは予想もしなかった。
「手紙……?」
この手紙ヘンじゃね? だって表にも裏にも宛先どころか送り主の名前すらないぞ。
「……取り敢えず上がろう」
不思議に思いながら家に上がる。 ぅお! 換気しなきゃ! 結構空気がこもってる。
「晩飯は……適当でええか」
旅館を出たのが大体3時頃。 今はもう日が暮れてる。 しかし、この意味不明な手紙が気になったのでまずはこの手紙の中身を確認することにした。
「さて、と」
リビングに置いてあるソファに座り、手紙の封を切って中身を確認する。
「……随分綺麗な字だな。 どれどれ……」
そこにはこう書いてあった。
《都 霧刀様へ
この間のお礼をさせてください。 月曜日に臨海公園で待っています》
この手紙はここで終わっている。 とても簡潔な内容、それでいて達筆な文字、何だか別の意味の『お礼』をされそうな雰囲気。
「これは……まさか……ッ!」
これらが導き出す、この手紙の意味とは……ッ!
「果し状だこれぇぇぇぇ!!」
やべぇよ、やべぇよ。 一体全体どういうことなの!? ま、まさか以前霧刀君が買った恨みが巡り巡ってオレに来ちまったのかぁ!?
「……ならば仕方あるまい。 月曜日は明日、時間を指定しないところを見ると恐らく出会った瞬間殴り合いだから時間は関係ないと見た!」
ならばやる事は一つ! 決闘に相応しい格好をして会いに行ってやろうじゃないか!
「しゃあなし、明日は学校ふけるて朝から臨海公園に行くか」
ぇ……っと、じゃあ誰かに連絡してーーそうだ!
「折角だし、念話って奴でなのはちゃんに連絡してみよう!」
確かこちらから念話は出来ないけど、向こうからの念話や誰かが念話で話をしていれば対応できるって拳君言ってたな。 運良くなのはちゃんが念話していればいいんだけど……お!
『霧刀君〜……聞こえる?』
ナイスタイミングでなのはちゃんからの念話が来た!
『聞こえているよ』
『あ、本当に念話出来るんだね』
どうやら拳君が説明していた事を確かめていたようだ。
『ちょうど良かった、なのはちゃんにたなびたい事があってね』
『たなびたい……頼みたい事?』
『ああ、明日学校ふけるから先生やみんなに伝えといて』
『ふける……って、学校休むの?』
『ちょっち朝から用事があってね。 あと拳君に今日の夕方ウチに来てくれるように言っておいてくれない?』
『あ、うん。 分かったの』
『あ、決して危ない事しようって訳じゃあないからね。 ……多分』
『た、多分……?』
『だ、大丈夫! ……きっと』
『きっと!?』
『そ、それじゃあお休み〜』
『ま、待って霧刀君!』
なのはちゃんとの念話を切る。 イメージとしては電話の受話器を置く感じ。
「……明日なのはちゃん大変だな。 主にアリサちゃん辺りが」
拳君とかも怒りそう……怒りそうじゃない?
さて、さっきからなのはちゃんの念話コールがヤバいから紛らわす為にご飯作ろ……
「やれやれ……貴様、学校をサボる気か?」
「まぁ、果し状何か送られてきたし。 多少はね?」
「……殴られたいのか貴様」
「殴っちゃや〜よ……ん?」
ちょっと待って、オレ今誰と話してんの? オレは声がする方へ体を回す。 そこにはーー
「久しぶりの拳骨、タップリと味わえ……!」
拳君が立っていました。 アイエエエエエ!? 拳君!? 拳君なんで!?
「フン!」
「アバー!」
拳君の放った拳骨がオレの脳天に突き刺さる! そしてオレの体は這い蹲るように床に叩きつけられる! これがカラテ!
「な、何で家に上がってんの……?」
「オレは先程までインターホンを鳴らしていた。 ちっとも反応しないと思ったら高町 なのはと念話していたようだから勝手に上がったぞ」
「もしかして……内容聞いてた?」
「貴様が学校をふける、何て言った辺りから全部な」
ちーん。 どうやらこのまま説教コースかもしれない……。
「それで、コレを送ってきた人物と接触する気か?」
拳君が件の手紙を手に取りながら聞いてくる。
「ああ」
「会ってどうする。 貴様にとって関係のない人物かも知れんぞ」
「それでもよ、今は霧刀君の体借りてんだ。 なら行かなくちゃ」
拳君の言っている事は最もだ。 だが、今この体にいるのは霧刀君じゃないけど、彼の代わりにオレが行くしかあるまい。 これが家賃だと考えれば安いものだ。
「……なら構わん。 しかし、俺に頼るなよ。 俺も明日学校を休んである人物に合わなくてはならん」
「ある人物?」
「朱澤
「召亜……メアリーってあの畜生か」
よく分からんDQNネームの転生者の関係者か。 ……あの畜生の名前を聞くと少し怒りが沸いてくるーー『バチッ!』ーーファッ!?
「な、何だ何だ!? 今何か静電気みたいな音が!?」
バチッて! バチッて鳴った!! 一体全体どーなってんの!?
「また魔力が漏れたようだな」
「え?」
「どうやら貴様が怒りを感じる度に、その度合いによって魔力が放出されているようだ」
「何そのビックリ人間は……」(困惑)
「貴様の魔力変換資質は雷。 以前説明した通り、北欧の神、ソーの力を持っている。 トールとも呼ぶんだったか。 ソーは雷の神とされていてそれに由来しその身体が生み出す魔力は雷を帯びている」
「まさかピ○チュウになったのか!」
「一気にスケールが小さくなったな」
にしても怒ると雷が発生するとは……いよいよオレも厨二病患者の仲間入りか?
「話を戻すぞ」
あ、そういや何だっけ。 アレだ、メアリーの関係者に会うんだっけ?
「そうだ。 だから貴様に何が起こっても手は貸せんし、学校も休む」
「そっか……ならあとでなのはちゃんに連絡して拳君に頼まなくていい事を伝えなきゃ」
「それは後で俺が直接伝える」
あ、そう? ならお願いするよ。 ちゃんと玄関から入ってよね? 窓から進入しちゃダメだよ?
「するか。 礼節は弁えている」
「あらそう」
「俺の用件は伝えた。 邪魔したな」
「あ、お疲れちゃん」
玄関まで拳君を見送り、再びこの家にはオレ一人になる。
「それじゃあ、明日に備えてパパパッて飯食って寝っぺ!」
明日会うのはどんな人物なのか、考えながらオレは床に着いた。
翌日。
朝飯を食べ、キチンと『正装』し、準備万端で家を出る。 現在6時、家にキチンと鍵を閉め、財布やらの確認をする。
「財布よし、鍵よし、……うん大丈夫だ」
臨海公園の場所はあらかじめ調べておいた。 どうやらいつも行っているスーパーの通りを真っ直ぐ行くだけで着くようだ。
「出発!」
家を出てから数分、十字路でランニングしていた士郎さんに出くわす。
「あれ、士郎さん? あ、おはようございます。 朝からランニングしてんですか?」
「おお、おはよう霧刀君。 朝から身体を動かしておかないとね」
士郎さんは上下にジャージを着てランニングしているようだ。 そんな士郎さんがオレに質問をしてくる。
「ところで……その……」
「はい?」
「どうして君は……
士郎さんはオレの格好について聞いてきた。 今日のオレは赤と白の巫女服を身に付けている。
「それはですね、正装ですよ。 これから臨海公園に行ってちょっと人と会うんですよ」
「正装……? と言うかこれから? 学校はどうしたんだい?」
「あぁ、それがですね、場所は書いてあるのに時間が書いてないんですよ。 困ったんでこうして朝から行ってんですよ」
「……それ大丈夫かい?」
(冷静に考えなくても大丈夫じゃ)ないです。
「……まぁ、君もキチンと考えた結果の行動なんだろう」
「そういう事にしといてください」
「分かったよ。 でも、もし危ない人だったら迷わず逃げるんだよ? 君は子どもなんだから」
「うっす!」
やっぱ士郎さんってええ人や。 この人になら抱かれてもいい。
「それじゃこれで、目的地臨海公園なんで」
「気をつけてね」
オレは士郎さんと別れて臨海公園に向かーー「霧刀君! 臨海公園はそっちじゃないよ!」ーーファッ!?
「臨海公園に行くならコッチの道を真っ直ぐに行かなきゃ!」
す、スンマセン士郎さん。 こっちの道ですね! それじゃあ!
「……本当に大丈夫かな?」
ダメかもしれない。
ダメでした。(絶望)
「こ↑こ↓ どこ?」(涙目)
道に迷いはや数時間。 携帯なんて持っていないので救援も呼べず、念話もこちらから出来ないので誰も呼べず……
「うわぁーん! 誰かヘルプミー!」
時計も無いので詳しい現在時刻も分からない状況、ネコの手でもいいから助けて欲しい。(切実)
「えっと……大丈夫君?」
そんなオレに声をかけてくれる一人の男の子。 背丈はオレたちと変わらず同じくらい。 年も近いのかな?
「道に迷いました。 助けて」
「えっと……どこに行きたいんだい?」
「臨海公園です」
「臨海公園はそこのT字路を右に曲がってアクセサリー屋さんを左に曲がって真っ直ぐ進めば着くはずだけど……」
「マジか! ありがとナス!」
「ううん、どういたしまして」
親切な少年に助けてもらい、案内された通りに道を行く。 するとアクセサリー屋さんが見えてきた。 ついでに臨海公園の看板も。
「アクセサリー屋さんか……そうだ、ついでに買い物をば」
オレはアクセサリー屋さんに入り、目当ての物を探す。 ちらっと店内に置いてある時計を確認すると時計の針は10時を指していた。 ってことは4時間も彷徨っていたのか……(困惑)
店内を歩いている時、先程出会った少年を思い出す。
「……そういやさっきの少年、学校行かなくていいのかな?」
と言うか学校で見たことないし……何者だろうか?
「ーーっとと、あったあった」
目当ての物を無事見つけ、アクセサリー屋さんを後にし臨海公園に向かう。
「もう相手は着いていんのかな?」
10時になった今、外には人が増えている。 行き交う人達と反対の方向に向かって歩き出す。
時は少し遡り、巫女服を着ている子どもと別れた少年。 少年はその場で独り言を呟いていた。
「白髪にオッドアイ……間違いない、都 霧刀君だ」
巫女服を着ていた男の子を女子と間違える事なく都 霧刀だと判別する少年。
「真条さんが言っていた通り、少し変わった人だったな」
少年の口から溢れる拳の名字。 この少年は拳の正体や霧刀の正体をしっているのだろうか?
「あんな転生者もいるんだな」
その疑問は、転生者と言う言葉で解決される。
「おっと、そろそろ真条さんと会う時間だ。 行かなくちゃ」
この少年の名は朱澤
ま〜た転生者増えるのか。(困惑)
これ以上増えない筈です……(震え声)
今回も誤字脱字などのミスが御座いましたら、コメントにてお教えください。