でもこの物語の重要な話なんでやらないといけないんですけどね……、こちらも笑いながら書けないんで時間がすごくかかると思います。
あと今回の後書きはありません。 話の雰囲気を重視するために い つ も の はここで書きます。
今回も誤字脱字等のミスがありましたら、コメントにてお教えください。
28話
メアリーとの勝負はオレの勝ちとなった。 倒れているメアリーに拳君が近づく。
「朱澤メアリー、管理者特権により貴様の能力を剥奪する」
拳君は右手を倒れているメアリーに向ける。 するとメアリーの体が淡く光るとその光が拳君の右手に吸い込まれていく。 全ての光を吸い込んだのか、メアリーから光は消え、同時にデバイスも拳君の右手に消えていく。
「これにて終了だ」
どうやら全部終わったみたいだ。 遠くの方からみんながやってくる。
「やったね輝凛君!」
「凄かったですよ輝凛さん!」
「礼を言わせてもらう、ありがとう」
「作戦通り行ってよかったねぇ」
みんながオレ達に近づいて行く中、一喜君はメアリーの側に行く。
「翔次……輝凛さん、ありがとうございます」
「ん?……おう」
一喜君がメアリーを担ぐ。 メアリーを一喜君に任せてフェイトちゃん達の方に向かう。
「くぅー! 疲れました、これにて戦闘終了です」
「輝凛! すごかったよ!」
「あんた、結構やるじゃないか!」
「輝凛君……だったかしら、一応礼は言わせてもらうわ」
どうやらプレシアさんの治療はすでに終わっているようだ。 オレは綺麗になったプレシアさんの顔を見る。
「うお! すげぇ、この距離で目に見える小じわが一つもないなんて! バッチリケアしてんすね!」
「え? ……あぁ、ありがとう……?」
「人の母親にあって第一声がそれかい……」
「どんなことしてんすか? 今度教えてくださいよ」
「ま、まぁいいけど……」
よし! これでオレの肌年齢がグンと下がるぜ!
「何でもいいけど、早いところ脱出しないと危険よ。 ここはもうすぐジュエルシードの暴走で崩壊するわ」
『!?』
え、あ、ちょっと待って!?
「最初からメアリーを消す為に準備していたんだけど……そこの坊やがメアリーを倒すものだから」
「えぇぇぇ!?」
「まさかメアリーが倒されるなんて想定していなかったのよ。 ……だから早く脱出しないと私が作ったジュエルシード暴走マシーンが起動するわ」
ウッソだろあんた!? ジュエルシード全部暴走させるなんて……いったいどうなるの!?
「ジュエルシード全部を暴走なんてさせたらここら一帯が消し飛ぶぞ!?」
「クロノ君それマジ!?」
やべぇよやべぇよ……
「それってあとどれくらいで……」
「そうねぇ……時間を設定していたから……逆算して……あと5秒後くらいかしら?」
『ファッーーーーうわあぁぁぁ!?』
突如発生する轟音と衝撃。 トーシロのオレでも分かる、マジヤバイ!
「全員脱出するぞ! ボクの側にこい!」
「ま、待った! 一喜君は能力で無効化されちゃうんじゃ……」
「……! 拳さん、俺の能力も剥奪してください! そうすれば大丈夫です」
「了解した」
一喜君の能力を拳君が剥奪することでみんな転送可能になった。 早いとこ脱出しようず! プレシアさんはアルフさんが担ぎ、急いでクロノ君の元に向かう。
「急げ急げ!」
「早く! ここもいつ虚数空間に飲まれるか分からない!」
「急げ急げイソゲルゲーーーーなっ!?」
走っているオレ達の足場が崩壊し、宙に放り出される。 やべぇ! このままだと虚数空間に落っこちるーーーー痛!? 急に謎の衝撃を受けたオレは、その勢いでクロノ君の魔方陣に滑り込む。 助かったけど一体誰が……? あ、フェイトちゃんとアルフさんも飛んできた……ってことは!
「母さん!」
プレシアさんか! プレシアさんが魔法をオレらにぶつけて押し出してくれたんだ!
「待ってて、今助けに……!」
「待ってフェイト! 今助けに行っても虚数空間じゃあ魔法も使えない、一緒に落ちていくだけだよ!」
「でも……母さん!」
……迷っている暇はねぇ、魔力を足に貯めて……走れ! オレェ!
「うおぉぉぉぉぉぉ!」
「輝凛!?」
「起きろミョルニル!」
《最初から聞いていましたよ!》
ミョルニルを起動し、超高速で崩れた崖にミョルニルを伸ばす。
「掴んでくれ!」
「……あなた!」
プレシアさんがミョルニルに気づき、ミョルニルを両手で掴む。 今引き上げてーーーー重いっ!?
「うぅぅ……うぎぎぎぎ……一体どうなってんだ……ッ!?」
腕の力だけで支えられねぇ……! くそっ! こんな……崖っぷちで虚数空間を覗き込む格好で足腰の力だけじゃあ引き上げるどころかオレも落ちちまう!
「虚数空間に腕を入れているからよ」
「何だって……ッ?」
「虚数空間ではあらゆる魔法が機能しなくなる。 今坊やには腕にかけている身体強化の魔法は無効化されているのよ」
「そ……そうか……ッ……ギギッ……!」
クソ! どうする!? 何とかしてプレシアさんを引き上げるにはどうすればいい!?
「……もういいわ」
「……何だって?」
「早く戻りなさい。 今ここで私を見捨てても誰もあなたを責めたりしないわ」
「……」
「私はもういいのよ。 狂いに狂った私の人生、これまでのツケ……因果応報なのよ……私に相応しい最後だわ」
「……ッ!」
「このまま落ちていくのが運命なのよ、このわたしのーー「ふざけんじゃねぇ……!」ーーえ?」
プレシアさんはオレの方を見る。 ほんの少し驚いている彼女をオレは怒鳴りつける。
「何勝手に終わらせようとしてんだ……何勝手に悟ってんだよ……!」
うぐぐッ……! まだだ……踏ん張れオレ!
「何が狂った人生だ……何が因果応報だ……! そんな言葉で……っ……自分の人生を決めてんじゃねぇ!」
「坊や……?」
「あんたは……一人で生きてんのかよ……ッ! 一人でここまで来たわけじゃあないだろ! 娘がいたんだろ! そして……今はフェイトちゃんがいるだろ! なのに……なのに……ッ! 勝手に自分を終わらせようとしてんじゃねぇよ!」
オレの言葉を受けてプレシアさんは俯く。 何を思っているかは分からないけど……オレはまだ言い足りないぞ!
「あんたは生きないといけないんだよ! 死んだ娘のためじゃねぇ、今を生きているフェイトちゃんの為に!」
「……私が一体フェイトに何をもたらす事が出来るって言うの?」
「決まってんだろ……うぐぐっ……『愛』だよ!」
「愛……この私が……とんだ笑い話ね」
何自嘲気味に笑ってんだ……愛を舐めてんじゃねぇ!
「フェイトちゃんは確かにクローンなんだろう、でも生み出したのはあんただ! フェイトちゃんの親はあんたしかいねぇんだよ!」
「……私なんて母親失格よ」
何だって……?
「メアリーと言う存在に出会って……私以上の狂気に出会って、私は正気に戻ったわ。 ……そして正常な頭で理解してしまったのよ、私の非道を」
「そりゃ……よかったじゃねぇか……」
「理解したからこそ、私にはあの子の母親になるなんて出来ないのよ。 アレだけの仕打ち……消せるものではないわ」
……そうか、後悔してんだな。 メアリーによっていかに自分がイかれているのかを理解して、思い知らされて。 でも……そこまで気づけたのなら!
「諦めんなよ! 娘を……繋がりを諦めんなよ! オレは
そうだ! オレは知っている、あんたら親じゃないといけないんだ!
「
何故だろうか、不意に涙が込み上げてくる。 胸が痛いのか? 心が痛いのか? 今のオレには分からない。
「坊や……あなたは……」
「フェイトちゃんの為に生きてみろ! 最後の最後まであの子に愛情を注いでやれ! 今ここで生きることを諦めたら、オレはあんたを一生恨む!」
フグゥッ! も、もうヤバイ! つま先だけで耐えている状態だ。 オレはプレシアさんを見つめる。 オレの言葉を受けてか、プレシアさんは強い意志を持った目でオレを見てくる。
「……ここまで年下の子に説得されるなんてね、私も歳をとったわ。 ……死ぬのはもうやめよ、必死に生きるわ」
「……! その言葉を待っていたんだ!」
「でもどうやって私を引き上げてくれるのかしら? もう限界なんでしょ?」
「へっへーん、オレに秘策あり、だ!」
オレは遥か後方にいる拳君に向かって叫ぶ。
「拳君ー! 後はよろぴくねぇ!」
それだけ言うと、オレはありったけの魔力を足に込める。
「行くぞミョルニル!」
《はい、バカマスター!》
オレは足に貯めた魔力を爆発させ、前方に飛ぶ。 そして振り子の要領で前に飛ぶ勢いを利用し、ミョルニルの先端を掴んでいたプレシアさんをみんなの方へ飛ばす。
「うおぉぉぉぉぉぉ! 飛んでけぇぇぇぇ!」
みんなの方に吹っ飛んでいくプレシアさん。 そのプレシアさんがいた位置に、入れ替わるようにオレが降りてくる。 ……これが虚数空間、気持ち悪い感じだな。
『輝ーーーーッ!!?』
遠くで誰がオレの名前を叫んでいるみたいだ。 慌てんなって、ここにはーーーー
「まったく、俺を便利屋扱いしないで貰いたい」
ーーーー
「さっすが拳君! みんなのヒロインだぜ!」
「オレは男だ」
虚数空間に突っ込むオレを助けてくれたのは拳君だった。 拳君は虚数空間でも飛べるんすね。 あ、ちなみに今オレはお姫様抱っこナウ。
「やれやれ……さっさと皆の所に戻るぞ」
「ありがとナス!」
オレはお姫様抱っこの状態でみんなの所に運ばれる。 ちなみに結構な早さで戻った。 そして何故か空中から投げ出され、クロノ君の魔方陣に顔から突っ込んだ……
「オォン!?」
「クロノ・ハラオウン、転送してくれ」
「了解した」
ちょっと待って、オレは無視? 顔から突っ込んだんですけど!?
「転送!」
本当に転送されるんかいーーーー 。
アースラに無事到着できたオレ達。 アースラは全速力でここから脱出し、脱出した2分後くらいに時の庭園が爆発し、その衝撃は遠く離れたオレ達まで届いた。 ……その衝撃で顔から床に突っ込んだのはナイショだ。 今オレ達はリンディさんに集められ、ブリッジに全員集合している。 あ、メアリーはオレがボコボコにしたから医務室で寝てる。
「改めまして……みんな、お疲れ様。 本当に無事に帰ってきてくれて嬉しいわ」
「いえいえ……ジュエルシードは結局ぶっ飛んじまったし……本当にゴメンユーノ君!」
「いいんですよ、誰もジュエルシードの被害は受けなかったので」
「お詫びに……脱ぐから!」
「脱がないでください!?」
どうやらジュエルシードがなくなったことを許してくれるそうな。 ユーノ君マジ天使!
「あなたがプレシアさんね? 今回のジュエルシード騒動は……」
「分かっているわ、責任は私にあるもの」
「母さん……それなら私にだって!」
「いいえ。 ジュエルシードは暴走の末、虚数空間に全て消えました。 いいですか? ジュエルシードは
「! ……ふふ。 あなた、中々の悪ね」
「いえいえ、肝心のジュエルシードが全て消えては何の立証も出来ません。 それにせっかく頑張ったこの子達に嫌な思いはさせたくありません」
「ありがとう……礼を言わせてもらうわ」
「どういたしまして」
……何か勝手に大人の話をしている。 ええんかクロノ君?
「……一体何の話だ?」
「あらやだこの子」
そういうことなら……そういうことでええんやけどな。
「こっちの問題は解決していないぞ」
「? 何の話だ拳君?」
「彼女……プレシア・テスタロッサのことだ」
「あぁ……やはり……」
『???』
どうしよう……拳君と木村君以外何の問題ですか? 状態なんだが……
「隠しても意味ないか……」
「だから何のことですか?」
「プレシア・テスタロッサが……彼女が助かっているのはイレギュラーなんだ」
「……それってもしかして……げ、原作を……改変してしまったのか……オレェ?」
「そうだ」
「ファッ!?」
や、やべぇよやべぇよ。 またオレのせいで色々変わっちまったのか?
「まぁ……そもそも彼女は長くない。 少し寿命が延びただけだからいいのだが」
「え?」
ど、とういうこと?
「彼女の身体はすでにボロボロだ。 いつ死んでもおかしくない、そもそもその身体で魔法を行使するのも辛いはずだ」
「ほ、本当なの母さん!?」
「……本当よ」
『っ!?』
そんな……せっかく二人がやり直せると思ったのに……ーーッ!
「拳君!」
「断る」
「早いわ! ……じゃなくて頼むよ! 拳君ってヒーラーじゃん、プレシアさんを助けることができんだろ!?」
「……たしかに可能だ。 だがこれ以上貴様に物語をめちゃくちゃにされてはーーーー」
「頼む! オレだってそろそろ原作改変してもいいだろ!? 何でもするから!!」
オレはその場に土下座する。 頼む……ッ……!!
「……ちっ、確かに貴様にはメアリーの件で世話になった。 ……不本意だが、非常に不本意だが……いいだろう」
「ほ、本当か!?」
「だか三ヶ月だ。 三か月だけ寿命を延ばす、それ以上は譲歩せん。 文句は言わせんぞ」
「構わないわ、三か月もあればフェイトに愛情どころか花嫁修行までしてあげれるわ」
「……ならこい。 くそ、まさか管理会が物語を改変するなんて……」
拳君に近づくプレシアさん。 近づいたプレシアさんに手をかざす拳君。 すると拳君の手が淡く光り、プレシアさんを包んでいく。
「これは……」
「動くな、今貴様の身体を『編集』している」
「編集……?」
プレシアさんを包んでいた光は消え、かざしていた手を下す。
「終わりだ。 今からキッカリ三か月だ。 ……大事にしろ」
「ええ、ありがとう」
「やったなフェイトちゃん、プレシアさん!」
「母さん!」
プレシアさんに抱きつくフェイトちゃん、プレシアさんはぎこちなくそれを受け止め、フェイトちゃんの頭を優しく撫でる。 ……ホンマによかった。 なのはちゃん達はあまりの感動に涙がポロポロや。
「さて、村咲 輝凛。 貴様、
「え、それは……」
「そう怯えるな、あとで教える」
「うぅ……とうとうオレの純潔がぁ……処女膜が破られてしまうのかぁ……」
「誰がそんなことするか!?」
あ、そうなんすかーーーーおよ? 何か……すっげぇねみぃ……
「眠い! はっ、まさか誰かオレに睡眠薬(サッー!)を仕込んだな! スイマセーン! 誰か野獣も化した人いませんかー!」
「眠いのか元気なのかハッキリさせろ……」
「みんなもうお疲れね。 今日はもう解散してもう休みましょう」
『はーい』
リンディさんの一言でオレ達は床に着くことにした。 オレはフラフラ歩きながら割り当てられた部屋にたどり着く。
「ん〜眠いにゃしぃ……」
《しっかりしてくださいマスター》
「うにゅ〜……」
《あ、これ駄目だぁ》
眠い……と、取り敢えず何とかベッドに着いた……
《さっさと寝てください》
「なう、おやすみミョルニル…… あ、そうだ。(閃き) 誰か夜這いに来ても邪魔しちゃ駄目よぉ〜……」
《えぇ……何で夜這いウェルカムなんですかねぇ……》
おやすみー……
「すぅ……すぅ……」
《ありゃ寝ちゃいましたね……》
輝凛はベッドにうつ伏せになって寝ている。 真っ暗な部屋の中、ミョルニルは輝凛の寝顔を眺めている。
《ふふ……寝顔が可愛いのは二人とも同じなんですね》
ミョルニルは霧刀のことを思い出す。 優しかったかつての主人、暖かい笑顔を向けてくれた主人。 少ししんみりとしてしまう。
《さて、私も休ませてもらいますね》
部屋の中は光なんて存在せず、ミョルニルが時折放つ小さな光のみ部屋を少し明るくしている。 静寂の空間、その空間にーーーー
《お休みなさーーーーーーーー誰ですかあなたは!!》
ーーーー突然現れた一人の人間。
《誰ですか! 質問に答えなさい!》
ミョルニルが動揺するのも無理はない。 何故ならこの人物が現れるまで、部屋の扉は開いておらず、魔法を使った形跡もなく、本当にその空間に現れたのだから。 その人物は声を荒げるミョルニルに向かってこう話す。
「しー。 駄目だよ
《な……ッ!? 何故私の名前を……》
現れた人物を確認するミョルニル。 現れたのは女性、身長は女性にしては高身長な170㎝くらい、肩まで伸びた黒髪を後ろで束ね、出るところも
「……お疲れさま。 ボク、ずっと見ていたよ」
女性は一人語りだす。
「カッコよかったよ、記憶を失くしてもやっぱりボクらのヒーローだ」
女性は左手を輝凛の額にかざす。
「今のあなたになら……あの頃の強さを持った今のあなたになら記憶を戻しても大丈夫だと思うんだ」
女性は誇らしげに、だが少し憂いの表情を見せながら話し続ける。
「たとえ全てを思い出して……全てを理解しても……きっと全てをあなたの力になるって信じているから」
女性の左手が淡く光る。 そしてその光は輝凛に移り……体内へと消えていく。
《その光……拳様と同じ……あなたは一体……》
「ミョルニル、
《約束……まさか
女性は輝凛の額から手を離し、名残惜しそうに別れを告げる。
「それじゃあ今はこれで。 きっとすぐ会えるから……またねーーーーーーーー」
女性は笑顔のままこの空間から消える。
ーーーーーーーー