デートまでの過程   作:★☆音羽★☆

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第1話

 

 

―文芸部室。現在女子三人。

 

 

ハルヒ「ところで、みんな好きな人はいるの?みくるちゃんは?」

 

「えっ、あ、あのーー」

 

「何?いるのー?顔真っ赤になっちゃってー!みくるちゃんに思われるなんてその人幸せねっ」

 

「いやー、好き・・というか、優しい人でぇ、でも、その人はきっと人気あるんです…。私なんかダメなのは分かってるんです」

 

「みくるちゃんがダメな訳ないでしょ!自信持ちなさい!あたしが応援するわ。有希も応援するわよねっ?」

 

「……」

 

「有希は好きな人いるの?」

 

「好きという概念がよく分からない」

 

「それは、かっこいい~とか、一緒にいたいって思う人よ!気付いたらその人のことばっかり考えてるーみたいなのも良く聞くけど、あたしはそこまで思い詰めるのはどうかしてると思うわ」

 

「一緒にいたい人はいる」

 

「ふぇっ!」(長門さん、名前言っちゃダメーー)

 

「そ…そうなの?!へー。有希がそう思う人ってどんな人なのかしら、ちょっと気になるわ」

 

「彼はやさしい」

 

「ところで、涼宮さんはいるんですか?」(危なかったー)

 

「あたしはいないわよっ!」

 

「じゃあ、どうしてそんなにアタフタするんですか?」

 

「べ、別にアタフタなんかしてないわよっ」

 

「あなたの脈拍が73.287であることを確認。通常より2.7109加速している」

 

「なに言ってるのよ…」

 

「私聞きたいですー」

 

「へっ?あたしは、いるなんて言っ」

 

「言えば楽になりますよ」

 

「・・・・・っ!!」

 

「すこーし、いいなと思う人ならいるわよ。それだけよ、それだけ!恋なんてのは一時の気の迷いよ。私にはよく分からないわ」

 

「その人って???」

 

「まずはみくるちゃんから言いなさいっ!」

 

「ふぇっっ?私ですか??私はそのー…やっぱりいいです・・言わないほうがいいんです、きっと」

 

「何言ってるのよー、SOS団は皆幸せでなくちゃいけないの」

 

「幸せでいるために言わないほうがいいんです」

 

「はー?有希、ちょっとなんか言ってよー」

 

「彼女の発言は間違えではない」

 

「どういうこと?」

 

 

ガチャ

 

「お、今日は古泉のやついないのか」

 

「!」

 

「!」

 

「!」

 

 

「…ん?どうしたんだ?俺何かしたか?」

 

「なななななんでもないわよっっっ!!!!」

 

「・・・・・」

 

「何でもないんですう」

 

「・・・」

 

「そうですか・・」(何でもあるだろ!)

 

「きょ・・キョンくん!今お茶淹れますね!!!」

 

「あ、はい。ありがとうございます」目が本気だな。

 

「これ、貸すから」

 

「え?」

 

「読んで」

 

「お、おう。ありがとな」どうしたんだ、長門まで・・。

 

 

「いや~遅れてすみません」

 

「いいわよ古泉くんなら」

 

(なんっだとっ!)

 

そうだ。映画のチケットを2枚貰ったんだったな。谷口と国木田も珍しく俺と予定合わないしな。誰か暇そうなやつはいないかな?ただ、ここで誰かと行くことが決まってもなんだか恥ずかしいしな。俺はできれば…

 

「どうしたんです?うかない顔をしてらっしゃいますよ」

 

「あ、ああ、別に。皆、○○て観たことあるか?」

 

「なんでそんなこと言うのよ」

 

「いや、実はチケットを2枚持っていてだな、誰か興味あるやついたら一緒に行こうと思ったんだよ」

 

「はぁ…」と古泉が溜息を漏らす。

 

なんだよ、皆そんな怖い顔して。やっぱり今日おかしいぞ。

 

 

「いないなら別にいいぞ。中学んときの友達でも…」

 

「ある」俺の言葉を遮ったのは長門だった。

 

「へ?」

 

「興味がある。その映画に」

 

(有希!何言ってんのよっ)

 

(長門さん空気読んでくださーーーい)

 

「おお、そうか。なら、い、一緒に行くか?」

 

「行く」

 

「ちょ、ちょっと待ちなさいよ」

 

「なに」

 

「ふ、二人で映画なんて、そんなの許さないわ」

 

「なぜ」

 

「キョンに女の子とデートだなんて1万年早いわよ」

 

「デート…い、いや、そんなつもりじゃないんだ。まじで」

 

「うるさいわね」

 

「あううううう」

 

 

やっぱりデートになるわな。ここは古泉でも誘っとけば良かったのか?いやいや、それも気持ち悪い。

 

「涼宮ハルヒ。あなたはこの映画に行く気あるの?」

 

「ふん、ないわよ。そんなラブストーリーあたしは興味ないわ」

 

「じゃあ私が行ってもいいはず。反対される筋合いはない」

 

(あーもうなんで誰もこう分かんないのかしら。イライラするわね)

 

 

「ああ、実はですね…その映画、僕も前から気になっていたんですよー。良かったら三人で行きませんか?」(閉鎖空間発生の予感…)

 

 

「おお、おごりはせんが、いいぞ」

 

「朝比奈さんと涼宮さんはいいんですか?」

 

「ぴええええ私はやめておきますう」

 

「興味ないってば」

 

「分かりました」

 

「もういいわ、今日は解散っ!」

 

朝比奈さんを引き連れてハルヒは怒ったように出て行った。なんなんだよ、全く。

 

 

「ふう…危ないところでしたよ。僕が行くと言い出さなければ、また閉鎖空間が発生していたでしょうね」

 

「ああそうかい」

 

「あなたはどこまで疎いのですか」

 

「だから何の話だよ」

 

「あなたを巡る争い」

 

「な、長門さん!」

 

「俺を巡る争いだと?」

 

「そう。皆あなたと映画に行きたい」

 

「そうですよ、みんなあなたと行きたいけど、我慢してるんですよ」

 

「はあ?笑えない冗談はやめろ。それに行きたいなら行けばいいじゃないか」

 

「色々あるんですよ、察してください」(ツンデレとかツンデレとかね)

 

「あなたは誰と行きたいのですか?勿論僕は抜きで答えてくださいね」

 

「なぜそんなこと答えにゃならん」

 

「いいですから」

 

「………長門」

 

「!」

 

「!」

 

「ほんと…なのですね」

 

「ああ」

 

「困りましたね」

 

「はあ?人に聞いといてなんだそれは」

 

「いえ、失礼しました。あ、もしかして映画だからという理由でですか?他の場所だったら別の人と行きたいとか」

 

「……長門…だな」

 

「そうですか。それは絶対に涼宮さんに悟られないようにしてくださいね。お願いします」

 

「まあ、分かったよ」

 

「それじゃ僕はお先に」

 

 

「悪いな、なんか迷惑かけてしまったな。お前はこの映画に興味があっただけなのに」

 

「あなたに興味がある」

 

「へ?」

 

「本当はこの映画の内容は知っている。あなたと行きたかった。それだけ」

 

「あなたは鈍い。色々な人から好かれているのにそれに気付かない。それでも、私と行きたいと言ってくれる?」

 

「…ああ。俺が色々なヤツから好かれてるのは信じ難いが、それでも俺はお前と行きたい。お前はいつも俺を守ってくれるからな。お返しがしたいと思うのは当然だろ」

 

「守る?」

 

「朝倉のときみたく命の恩人でもあるし、俺が寝てたときにこっそりコートかけてくれたり、その、ありがとな」

 

「そう。嬉しい」

 

 

そして俺は長門とデートすることになったのだった。

 

 

【続く(多分)】

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