―文芸部室。現在女子三人。
ハルヒ「ところで、みんな好きな人はいるの?みくるちゃんは?」
「えっ、あ、あのーー」
「何?いるのー?顔真っ赤になっちゃってー!みくるちゃんに思われるなんてその人幸せねっ」
「いやー、好き・・というか、優しい人でぇ、でも、その人はきっと人気あるんです…。私なんかダメなのは分かってるんです」
「みくるちゃんがダメな訳ないでしょ!自信持ちなさい!あたしが応援するわ。有希も応援するわよねっ?」
「……」
「有希は好きな人いるの?」
「好きという概念がよく分からない」
「それは、かっこいい~とか、一緒にいたいって思う人よ!気付いたらその人のことばっかり考えてるーみたいなのも良く聞くけど、あたしはそこまで思い詰めるのはどうかしてると思うわ」
「一緒にいたい人はいる」
「ふぇっ!」(長門さん、名前言っちゃダメーー)
「そ…そうなの?!へー。有希がそう思う人ってどんな人なのかしら、ちょっと気になるわ」
「彼はやさしい」
「ところで、涼宮さんはいるんですか?」(危なかったー)
「あたしはいないわよっ!」
「じゃあ、どうしてそんなにアタフタするんですか?」
「べ、別にアタフタなんかしてないわよっ」
「あなたの脈拍が73.287であることを確認。通常より2.7109加速している」
「なに言ってるのよ…」
「私聞きたいですー」
「へっ?あたしは、いるなんて言っ」
「言えば楽になりますよ」
「・・・・・っ!!」
「すこーし、いいなと思う人ならいるわよ。それだけよ、それだけ!恋なんてのは一時の気の迷いよ。私にはよく分からないわ」
「その人って???」
「まずはみくるちゃんから言いなさいっ!」
「ふぇっっ?私ですか??私はそのー…やっぱりいいです・・言わないほうがいいんです、きっと」
「何言ってるのよー、SOS団は皆幸せでなくちゃいけないの」
「幸せでいるために言わないほうがいいんです」
「はー?有希、ちょっとなんか言ってよー」
「彼女の発言は間違えではない」
「どういうこと?」
ガチャ
「お、今日は古泉のやついないのか」
「!」
「!」
「!」
「…ん?どうしたんだ?俺何かしたか?」
「なななななんでもないわよっっっ!!!!」
「・・・・・」
「何でもないんですう」
「・・・」
「そうですか・・」(何でもあるだろ!)
「きょ・・キョンくん!今お茶淹れますね!!!」
「あ、はい。ありがとうございます」目が本気だな。
「これ、貸すから」
「え?」
「読んで」
「お、おう。ありがとな」どうしたんだ、長門まで・・。
「いや~遅れてすみません」
「いいわよ古泉くんなら」
(なんっだとっ!)
そうだ。映画のチケットを2枚貰ったんだったな。谷口と国木田も珍しく俺と予定合わないしな。誰か暇そうなやつはいないかな?ただ、ここで誰かと行くことが決まってもなんだか恥ずかしいしな。俺はできれば…
「どうしたんです?うかない顔をしてらっしゃいますよ」
「あ、ああ、別に。皆、○○て観たことあるか?」
「なんでそんなこと言うのよ」
「いや、実はチケットを2枚持っていてだな、誰か興味あるやついたら一緒に行こうと思ったんだよ」
「はぁ…」と古泉が溜息を漏らす。
なんだよ、皆そんな怖い顔して。やっぱり今日おかしいぞ。
「いないなら別にいいぞ。中学んときの友達でも…」
「ある」俺の言葉を遮ったのは長門だった。
「へ?」
「興味がある。その映画に」
(有希!何言ってんのよっ)
(長門さん空気読んでくださーーーい)
「おお、そうか。なら、い、一緒に行くか?」
「行く」
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ」
「なに」
「ふ、二人で映画なんて、そんなの許さないわ」
「なぜ」
「キョンに女の子とデートだなんて1万年早いわよ」
「デート…い、いや、そんなつもりじゃないんだ。まじで」
「うるさいわね」
「あううううう」
やっぱりデートになるわな。ここは古泉でも誘っとけば良かったのか?いやいや、それも気持ち悪い。
「涼宮ハルヒ。あなたはこの映画に行く気あるの?」
「ふん、ないわよ。そんなラブストーリーあたしは興味ないわ」
「じゃあ私が行ってもいいはず。反対される筋合いはない」
(あーもうなんで誰もこう分かんないのかしら。イライラするわね)
「ああ、実はですね…その映画、僕も前から気になっていたんですよー。良かったら三人で行きませんか?」(閉鎖空間発生の予感…)
「おお、おごりはせんが、いいぞ」
「朝比奈さんと涼宮さんはいいんですか?」
「ぴええええ私はやめておきますう」
「興味ないってば」
「分かりました」
「もういいわ、今日は解散っ!」
朝比奈さんを引き連れてハルヒは怒ったように出て行った。なんなんだよ、全く。
「ふう…危ないところでしたよ。僕が行くと言い出さなければ、また閉鎖空間が発生していたでしょうね」
「ああそうかい」
「あなたはどこまで疎いのですか」
「だから何の話だよ」
「あなたを巡る争い」
「な、長門さん!」
「俺を巡る争いだと?」
「そう。皆あなたと映画に行きたい」
「そうですよ、みんなあなたと行きたいけど、我慢してるんですよ」
「はあ?笑えない冗談はやめろ。それに行きたいなら行けばいいじゃないか」
「色々あるんですよ、察してください」(ツンデレとかツンデレとかね)
「あなたは誰と行きたいのですか?勿論僕は抜きで答えてくださいね」
「なぜそんなこと答えにゃならん」
「いいですから」
「………長門」
「!」
「!」
「ほんと…なのですね」
「ああ」
「困りましたね」
「はあ?人に聞いといてなんだそれは」
「いえ、失礼しました。あ、もしかして映画だからという理由でですか?他の場所だったら別の人と行きたいとか」
「……長門…だな」
「そうですか。それは絶対に涼宮さんに悟られないようにしてくださいね。お願いします」
「まあ、分かったよ」
「それじゃ僕はお先に」
「悪いな、なんか迷惑かけてしまったな。お前はこの映画に興味があっただけなのに」
「あなたに興味がある」
「へ?」
「本当はこの映画の内容は知っている。あなたと行きたかった。それだけ」
「あなたは鈍い。色々な人から好かれているのにそれに気付かない。それでも、私と行きたいと言ってくれる?」
「…ああ。俺が色々なヤツから好かれてるのは信じ難いが、それでも俺はお前と行きたい。お前はいつも俺を守ってくれるからな。お返しがしたいと思うのは当然だろ」
「守る?」
「朝倉のときみたく命の恩人でもあるし、俺が寝てたときにこっそりコートかけてくれたり、その、ありがとな」
「そう。嬉しい」
そして俺は長門とデートすることになったのだった。
【続く(多分)】
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