この作品を昨夜の9時から書けば突然の再起動……
もはや呪われているなんてレベルではない。
何らかの力が私の邪魔をしているようにしか思えなく
なってきました……〇条さんもビックリですよ。
明日、新型を買って来ます!
この低スペックの雑魚とはおさらば出来る
そんな若干の嬉しさを交えて、どうぞ
幻想郷と外の世界を隔てている『博麗大結界』の傍に建在するしているとある神社。
その境内から、凄まじい速度で一筋の流星が
既に見えなくなりかけている光を見つめながら、神社に残った黒髪ショートの少女が
もう一人の黒髪の少女に向けて、目を輝かせながら語りかけた。
「いやぁ、しかし霊夢さんも中々やりますねぇ! まず魔理沙さんを先兵として送り込んで
内状を探らせ、異変の規模や目的を暴いてからレミリアさんのいる紅魔館で合流して、
改めて異変解決の為乗り込んで王手をかける‼ 私思わず感服しちゃいましたよ‼」
一人で勝手に盛り上がっている文。
そんな彼女を横目に、霊夢は冷静に切り返す。
「別にそんなんじゃないわ。ただ魔理沙に行かせて異変解決しちゃえば、万々歳でしょ?」
「あ、思ってたよりも下衆でしたわこの人」
「何よ、勝手に勘違いしてたのはアンタでしょうが。それに、誰が解決してもそれで平和が
保たれるのだし、何よりも(私が)一番楽なんだから何も問題無いじゃない」
「そうですね。ソレを本来その役目を果たすべき人が言わなけりゃ、問題ありませんでしたよ」
いかにも
霊夢は冷静に疑問に思った事を口に出した。
「て言うかアンタはいいの?久々の特ダネかもしれないんでしょ?」
霊夢の言葉を聞いて僅かに動揺した後、文は渋々といった体で呟く。
「あのですね………お、お恥ずかしながら、あの少年がどうも苦手と言いますか」
「何よソレ。………とにかく、此処にいられても迷惑だし早く行きなさいって」
霊夢に促されて、文は文句を言いながらも一息に飛び立っていった。
そんな彼女の姿を見送りつつ、霊夢は再び湯呑に茶を淹れ直して熱いうちに飲む。
先程の文の情けないセリフを振り返って、一人呟いた。
「仮にも妖怪の文が怖がる相手、ねぇ…………。面倒な事にならなきゃいいけど」
「…………ホント、驚いた。まさかここまでやれるとは思わなかったわ」
「ハハ、恐縮です。パチュリーさん」
僕の目の前でやや低めの声が聞こえる。パチュリーさんの声だった。
僕はその声に返答し、改めて今置かれている状況を見つめ直す。
ここは紅魔館の大図書館、その中央に設置された特殊な魔法陣の中心に僕はいる。
この魔法陣は、僕の能力を大幅に向上させるためにパチュリーさんとこあさんの二人が共同で
作り上げたものであると、こあさん自身が胸を張って話してくれた。天使で間違いないよアレは。
ともかく、僕はこの異変の立役者に現在進行形でなっている訳だ。
「ご苦労様、紅夜。もう充分よ」
「凄過ぎますよ紅夜君‼ 今昼過ぎなのに、月が太陽のあんな近くにあるなんて!」
「…………………」
レミリア様が僕を労ってくれて、美鈴さんも僕を褒めてくれた。
だけど姉さんだけは、何も言ってはくれなかった。
「ふぅ………ん? 美鈴さん、お嬢様はどちらへ?」
僕の仕えている主人のフランお嬢様の姿が見当たらないため、美鈴さんに居場所を問う。
美鈴さんは首を傾げていたが、代わりにこあさんが僕の質問に答えてくれた。
「妹様なら、ご自分のお部屋にお戻りになられました」
「
「フランを戻らせたのは私よ。お前と話がしたかったからね」
こあさんと話していると、レミリア様が割って入ってきた。
「話…………ですか」
「そう、だからすぐに私の部屋へ来なさい。待っているわ」
そう言ってレミリア様はゆったりとした足取りで大図書館から出ていった。
その後に姉さんも続いて出ていくのを、僕らはただ見ていた。
ほんの少しの沈黙の後、美鈴さんが仕事を果たしにいくと言って門へと向かった。
僕はレミリア様の言いつけ通りに、彼女の自室へと赴いた。
ドアをノックしてから中に入ると、レミリア様だけがソファに座って待っていた。
「待っていたわ。さあ、そこに掛けなさい」
反対側のソファに座るように促されて、僕はそのようにする。
紅茶を一口飲み込んで、レミリア様は僕に話しかけてきた。
「まずは、異変の礎となる為に今日まで力を蓄えてきたこと、ご苦労だったわ」
「いえ、全てはフランお嬢様とその姉君である貴女の為ですから」
「フフ………フランの割には、よく躾が出来ているじゃない。良い気分よ」
再び紅茶に手をつけたレミリア様は、言葉通り嬉しそうに頬をほころばせた。
だがすぐに真剣な顔に戻ると、今度は急に僕に向かって頭を下げてきた。
突然の事に驚いたが、僕はその行動を真摯に受け止めて話す。
「………顔をお上げくださいレミリア様。僕は仕える側の存在、貴女は従える側の
存在なのですから。こんな所を誰かに見られては事ですよ?」
「…………………そうね」
僕の言葉を聞いて、レミリア様が顔を上げた。
しかしその眼は紅く輝き、ひたすら僕のみに焦点を合わせていた。
吸い込まれそうなほど透き通った
「とにかく、私はお前に礼が言いたかったのよ。それだけだわ」
「………そうですか、では僕はそろそろ」
「ええ、行って頂戴。そろそろ厄介なのが来る頃だから」
単なる時間潰しに呼ばれただけらしい。何だか拍子抜けな感じで終わってしまった。
とにかく話が終わったから、僕は今からレミリア様に命じられた地点でやって来る異変を
成就させる妨げとなる人物の排除に向かわなければならない。
僕はレミリア様に一礼して、部屋の扉を開いて退室した。
「…………………本当に感謝しているわ、紅夜」
誰もいなくなった室内で、レミリアは一人ポツンと呟いた。
だがその呟きを聞いている者がいた、彼女の従者の十六夜 咲夜である。
彼女はレミリアが紅夜を自室へ招いた事を疑問に思って、彼女の部屋の前で待機していた。
中の話を聞こうとしたが、すぐに話が終わったようで少年が部屋から出てこようとした為
一度時を止めてその場を移動してやり過ごし、改めて主人の部屋へと向かったのだ。
「………お嬢様」
あの少年が部屋から出ていったのを確認してから部屋へと入り、主人に声をかける。
その声に気付いたレミリアは紅茶のカップをテーブルに置いて立ち上がる。
そして咲夜のいる扉の近くへ歩いて、呼びかけに応じた。
「咲夜、こんな所で何をしているの?早く持ち場に就きなさい」
「……………お嬢様は何をお考えなのですか?」
咲夜がレミリアに疑問を投げかける。
だが、それは今回の異変に関しての事ではなかった。
「それは、お前の弟についてかしら?」
「……私に弟などいません。何処の誰とも知れないヤツが、私の身内なんて…………」
「フフ、『何処の誰とも』ねぇ……。それは咲夜も同じでしょうに」
「それは!……………ですが、本当に何者なんですか?」
「そうね、お前の弟という点以外なら………吸血鬼ハンター、とか言ってたかしら」
「えっ…………」
「でも今は、
愉快そうに笑みを浮かべるレミリアだったが、咲夜はさらに眉間に皺を
寄せて声を荒げてまくしたてる。
「そんなヤツをこの紅魔館に住まわせるだなんて、お嬢様は本当に何を…………」
「面白いじゃない、『姉の
「そんな理由で…………"姉の仇"……?」
咲夜はレミリアに何かを言おうとしたが、ある言葉が何故か頭の片隅に引っ掛かり黙り込む。
そんな従者の様子を見て、レミリアはさらに笑みを深くして話を続ける。
「ええそうよ、『五年前』に消えた自分の姉を探して、『地下の施設』から抜け出してね」
「………"五年前"、"地下の施設"………………?」
「どうしたの咲夜? 何か身に覚えでもあるのかしら?」
「うッ!…………い、いえ。そんな事は……」
必死に否定している咲夜だったが、先程から頭の中身を溶かすかのような緩い頭痛が彼女を
襲っていた。レミリアはそれを見て何かを確信し、咲夜に優しく声をかけた。
「まあいいわ、とにかく持ち場へ行きなさい。もう来るわよ、多分ね」
「は、ハイ……………それとお嬢様」
頭を軽く振って痛みを飛ばそうとした咲夜が、レミリアに尋ねる。
「何かしら?」
「あの少年は、一体何をしたんですか? 月を再び空へ昇らせるなんてこと、いくら
パチュリー様の魔法陣による援助があったとしても、どれ程までの力があれば可能に………」
「そうね、他の皆は薄々気づいているでしょうけど、咲夜は顔を合わせたのが一番
遅かったのだし、分からなくても仕方ないか…………いいわ、教えてあげる」
そう言ってレミリアは咲夜の疑問に応え始めた。
「咲夜、あの子の能力について何か気づいた事はあるかしら?」
「え?気づいた事、ですか……………私と同じ『空間操作系』である事でしょうか」
____________________空間操作系能力_____________________
この能力は言葉通りの意味であるが、一応解説をさせてもらいたい。
まさに『空間』に干渉し、『操作』する類の能力である。
例えば先程の十六夜 咲夜の能力である『時を操る程度の能力』を例にしよう。
彼女はその能力を使い、時間の流れに干渉することが出来る。
時間の停止や早送りなどが使えるが、唯一例外として『巻き戻し』は使えない。
彼女は時間の流れに干渉する事は出来るが、流れを操作する事までは出来ないのだ。
しかし、そもそも『時間』とは、いわば概念のようなものだ。
彼女は時間に範囲的に干渉し、操作する事でその能力を活用している。
弾幕ごっこではナイフを弾幕の代わりにばら撒き、その速度を能力で調整することで変幻自在の
弾幕を張って相手の身動きを封じたりすることも可能である。
彼女は時間という『概念』を『空間』的に操作する、いわばイレギュラーな能力者なのだ。
この幻想郷においては、能力を大きく分けて三つのタイプに分類する事が出来る。
一つめは、巫女の霊夢や魔法使いの魔理沙、門番の美鈴のような『自身強化系』。
二つめは、鴉天狗の文や従者の咲夜などのような『空間操作系』。
そして三つめは、吸血鬼のレミリアのような『概念干渉系』である。
だが咲夜や霊夢は、僅かに『概念』にも触れているために完全に分類は出来ない。
咲夜はその定義を頭の中で反芻しながら、レミリアの問いに答えた。
質問をしたレミリアは帰ってきた答えに満足気に頷きながら、話を続ける。
「惜しいわね、確かに紅夜は空間を操作出来る。けれど、それだけでは無いわ」
「惜しい、ですか? それではまさか……………概念にも干渉が?」
「それでも半分。あの子は全ての能力の分類に該当する力を持っているのよ」
「全てに………一体どういう能力なのですか⁉」
主人の言葉に焦る咲夜。彼女は既に気が気ではなかったのだ。
咲夜は、レミリアから半日は紅魔館から外出しろという奇妙な命令を受けたあの日の午後に
紅夜と初めて出会った、にも関わらず彼は馴れ馴れしく自分を「姉さん」と呼んで笑顔を見せた。
始めはただただ鬱陶しく、正体の分からない相手に戸惑い、警戒していた。
だが彼は美鈴はおろか、パチュリー様やお嬢様、果ては妹様とまで親密な関係を築いていた。
特に妹様________フランドール・スカーレット様の執事となった事をお嬢様から聞いた時は
心の底から本当に驚いた。触れたもの全てを破壊するような彼女にどうやって近づき、
どうやってその狂気をかいくぐって館の住人達の信頼を得たのだろうか。
分からない事が、怖い。
自分に分からない事を平然とやってのけたあの男が、恐い。
恐い、怖い。
怖い恐い怖い恐い怖い恐い怖い恐い怖い恐い怖い恐い怖い恐い怖い恐い怖い恐い怖い恐い怖い
恐い怖い恐い怖い恐い怖い恐い怖い恐い怖い恐い怖い恐い怖い恐い怖い恐い怖い恐い怖い恐い
怖い恐い怖い恐い怖い恐い怖い恐い怖い恐い怖い恐い怖い恐い怖い恐い怖い恐い怖い恐い怖い
恐い怖い恐い怖い恐いこわいこわいこわいコワイコワイコワイコワイコワイ___________。
「_________くや、咲夜?」
「_____‼‼」
目の前が暗くなりかけ、胸も締め付けられるような感覚に見舞われた直後、
お嬢様の私を呼ぶ声を聞いて目が覚めた。いや、気付いた、と言うべきだろうか。
「大丈夫なの?大事な仕事前なのに」
「も、申し訳ござません………」
「いいわ、もう行きなさい。随分時間を使ってしまったようだし、何より」
レミリアが言葉を区切り、外の方へ顔を向けて続ける。
「もう来てしまったようだから」
紅魔館の目の前に伸びる大きく長い石橋。
その先に見える門の目の前で、色鮮やかに散らばる弾幕。
既に弾幕ごっこが始まっていたようだが、今まさにこの戦いは佳境を迎えていた。
「こいつで終わりだぜ! 星符【メテオニックシャワー】‼‼」
「ま、まだまだ………華符【破山砲】ッ‼」
異なる二種類の虹色の弾幕が正面からぶつかり合う。
だが、一発だけの美鈴のスペルカードは、もう一つの弾幕に押し負ける。
とうとう美鈴が相手の弾幕に被弾し、弾幕ごっこが終了した。
「うう………弾幕ごっこでは、まだまだ修行不足ですね……」
勝負に負けた美鈴が地面に倒れて打ちひしがれる。
その様子を、箒に乗った金髪の少女が上から見下ろしていた。
「うっし! やっぱアタシはこうでなきゃな!」
白い下地のエプロンドレスに、胸の辺りまでしか
下半身のドレスは星の無い夜空のように黒い布地に、白いフリル付き。
頭部には、魔女が被るような巨大な三角帽子を被っている。こちらも白いリボン付きだ。
肩までかかる金髪に、顔の左側だけに結わえた三つ編みの男勝りな口調な少女。
彼女の名は『霧雨 魔理沙』、普通の魔法使いである。
「さぁ~て、勝ったのはアタシだからな。ここ通してもらうぜ!」
「くぅ……致し方ありません、お通りください」
「なんだ?ヤケに礼儀正しいじゃんか…………まぁいいや」
普段はあまり聞かない彼女の礼儀正しい話し方に、少し違和感を覚えながらも進もうとした
魔理沙だったが、ふとある事を思い出して美鈴にその事について尋ねた。
「そう言えば、おい中国。ここで新しく男を雇ったってのは、ホントか?」
「中ご…………………ええ、そうですよ。確かに新しくウチに男性従業員が入りましたが⁉」
「そっか。文の言ってたことはデマでも間違いでも無かったと………」
「誰の言ってたことがデマですって魔理沙さん?」
「うおっ! 文、お前いつから来てたんだよ‼」
「あなたが美鈴さんと弾幕ごっこ始めた辺りでしたかねぇ?」
「ほとんど最初からじゃねぇかよ!」
魔理沙の背後に突然現れた鴉天狗の文。
随分前からいたようだったが、魔理沙は全く気付けなかったらしい。
魔理沙のツッコミをスルーして、文は美鈴に話を聞こうとする。
「ところで美鈴さん、先程のお話をもう少し詳しくお聞かせ願えませんか?」
「彼の事ですか? 私よりももっと詳しい人から聞けばいいじゃないですか」
「あやや、もっと詳しく詳細を知る人が! その方はレミリアさんですか?それとも_____」
「おいおい文、んな事コイツから聞くより直接本人探して聞きゃいいじゃねぇか」
「い、いや。今回だけはソレは勘弁願いたいと言いますか………」
「何だそりゃ。いいからホラ、さっさと行って異変終わらせて、宴会でパァ~っとするぜ!」
「え?あ、ちょ、ちょっと魔理沙さーーーーん‼‼」
襟首を掴まれ、強引に引きずられていく文の悲痛な表情を、倒れたままの美鈴が見送る。
傍からこの状況を見ていた者がいれば、爆笑する事必至だろう。
そんな二人を見つめた後で、美鈴は埃を払いつつ立ち上がり門の横の塀に寄り掛かる。
「さぁ~てと。巫女も来なかったし、今日のお仕事は終わ___________( ˘ω˘)スヤァ」
紅魔館の内部に堂々と侵入した魔理沙と文は、侵入を妨害してくる妖精メイドを蹴散らして
どんどんと奥へと歩みを進めていった。その中には小悪魔も混じっていたような気がした。
勢いそのままに突き進んでいく魔理沙に、カメラのシャッターを切りながら問いかける。
「あのー、魔理沙さん?何処に向かってるんですか?」
「どこって、大図書館に決まってんだろ」
魔理沙がぶっきらぼうに答える。
文はただアテもなくがむしゃらに進んでいるだけかと思っていたが、違ったようだ。
「あやや?異変の首謀者のレミリアさんの部屋は、上の階ですよね? なんで大図書館へ?」
「ん?なんだ文、お前魔法に関しちゃド素人なんだな。いいぜ、教えてやるよ」
言いたい放題言われた文とは対照的に、魔理沙は少し得意げに話し始める。
「大図書館の辺りから、中々に強い魔術の反応があってな。こんなのあのカリスマ(笑)なんかじゃ
造ろうとしても長くは持たないだろうぜ。だから、作ったのは間違いなくパチュリーなんだ。
そんな訳で、パチュリーの魔法を発動させてる魔法陣か何かをぶっ壊しゃ、この紅い霧は止まる」
「……………………」
「そんで霧を止めりゃ、異変の首謀者さまは怒って部屋から出てくるはずだ。
そこを大図書館で待ち受けていりゃあ、こっちから出向く手間も魔力も省けるって訳だぜ」
「……………………」
「文?どうしんだよ、急に黙って」
「いや、魔理沙さん…………あなた脳筋じゃ無かったんですね」
「うるせぇな‼ どういう意味だよソレ‼」
怒鳴りながら箒に乗って、大図書館への道のりを進む魔理沙と文。
もう少しで入口の大きな扉が見えてくると思って顔を上げた、しかし。
「おやおや、大図書館に一体何の御用でしょうか?」
「「‼‼」」
その先に待っていたのは、噂の男だった。
昼を過ぎてもなお輝く太陽の光を反射している
水平から僅かに浮き上がった
平凡な白いシャツの上に、深い黒色の燕尾服を綺麗に着こなしている。
下半身も、上と同じような色合いのズボンを履いて直立している。
魔理沙は彼を見た直後、箒を止めて廊下に降り立って、
文は飛ぶことをやめて魔理沙の半歩後ろに立って、成り行きを見守る。
すると少年から先に話しかけてきた。
「貴女がお嬢様のおっしゃっていた、魔理沙さんですね?」
「………おう、アタシが魔理沙だ。んで、お前は一体何者なんだ?」
魔理沙が目の前の男に尋ねる。
すると男はこちらを見た後、何故かうっすらと微笑んだ。
魔理沙はその視線に気付いたが、同時に妙な違和感に気付く。
(何だコイツ………今文を見てニヤッとしたのか? でも何でだ?)
少し考えた魔理沙だったが、ブルブルと頭を振るって雑念を頭の片隅に追いやり、
目の前の相手に集中する。自分の長年の勘が、油断するなと警鐘を鳴らしていたからだ。
「僕が何者、ですか…………。今までは答えられませんでしたが、これからは違います」
「……何言ってんだ、お前」
「いえ失礼、こちらの話です。………では、遅ればせながら自己紹介をしましょう」
男は大仰な素振りで右手を振り上げ、左手を腰の後ろ側にあてがい、ゆっくりと右手を下ろす。
かしこまった態度と口調で、男は自分の『名前』を告げる。
「僕の名前は、十六夜 紅夜。フランドールお嬢様の従者にして手足!
生涯の忠誠をあのお方に誓った身であり、この紅魔館の執事長を務めさせて頂いております!
そして今回の異変の中心は、レミリア様ではなく___________この僕です‼」
「何‼ お前が異変の首謀者だと⁉」
「あやや、やっぱり只者ではありませんでしたか……。と言うか、十六夜って……」
魔理沙は読みが外れたことに驚愕し、文はただ目の前の少年の気迫に気圧される。
紅夜と名乗った男は、さらに話を続ける。
「さぁ、『普通の魔法使い』霧雨 魔理沙‼ 我らが願いの為、ここで倒れて
両手を大きく広げて、高らかに告げる紅夜。
文はカメラを構える事すら忘れていたが、魔理沙は帽子を深く被り直して挑発に乗って切り返す。
「へっ! 売られたケンカは言い値で買う主義でね‼ さぁ、弾幕ごっこの始まりだぜ‼」
「ふふふふ……あまり図に乗らない方がいいですよ、たかが魔法使い如きがね」
「言ったな! なら見せてやるぜ、『たかが』魔法使いの実力をな‼」
互いに戦闘態勢に移行する二人。
魔理沙は再び箒に飛び乗り、右手には愛用の装備『ミニ
紅夜は燕尾服の袖や襟などの隙間から、刃渡り15cm程のジャックナイフをズラリと覗かせる。
「ちょっとだけ予定と変わったが、異変を解決するのがアタシなのは変わらない。……この勝負」
「誰が相手でも、僕は負ける事など出来ない。誰でもない、僕が決めた事だから。だからこそ」
「「____________絶対に負けられない‼‼‼」」
『普通の魔法使い』 霧雨 魔理沙
vs
『完璧で無辻な執事』十六夜 紅夜
二日掛けました。なのでエライ事に………。
書いては消えての繰り返しで、投稿が遅れてしまい
本当に済みませんでした。心からおわび申し上げます。
今日新しいパソコン買ったので、有線をつないで
設定を自分好みに変更すれば、キチンと書けますので
皆さんこれからもよろしくお願いします。
それでは次回、東方紅緑譚
第十伍話「紅き夜、星降る昼の決闘」