リアルが忙しすぎました。依然充実はしないのに…
ということで第五幕開演です。
君が灰になってから早くも半世紀ほどが経とうとしていた。
君の娘は娘を生み、君の孫が生まれた。
君は娘を生んですぐに若くして亡くなってしまった。
今日は僕が不老不死になって100年経ったその次の日だ。
僕は8歳になった君の孫と話していた。
「僕はどうやっても死なない。いや、死ねないんだ。それに歳もとらない。だから君が困った時はすぐに助けに行ってあげるからね。」
すると君の孫は驚くべきことを言った。
「ええ‼︎お兄ちゃんって老けないの?いいなぁ〜」
「そんなに、いいことでもないよ。」
そう答えながら僕は100年前の君との会話を思い出していた。
「だって歳をとらないなんて女性の永遠の望みよ?」少しませているところまで君にそっくりだ。
「100年前の同じ日に、君のおばあちゃんも、同じことを言っていたよ。」と教えると、
「えっ⁉︎」と驚いてから、
「えへへへ〜〜。さすが私のおばあちゃん。やっぱり私と同じこと思ったんだ。」
「うんそうだよ……」
僕が唯一愛する女の子の、子孫と話していると寂しさや孤独感が紛れる。
だがその一方で、一抹の不安も覚える。
(君の孫の曾孫の……その最期、末裔が、血縁が途切れた時、僕はまた、1人ぼっちになる。)
そのことを無意識に危惧している、自分もいた。
「お兄ちゃん、お兄ちゃん?おーい大丈夫?」
君の孫が話しかけてきていることに気づいた僕は慌てて、
「どうしたんだい?」と返事する。
「だーかーらー。子供の時のおばあちゃんはどんなだったの?ずぅーーっと聞いてるのにぼーっとして答えてくれないんだもん」
ほほを膨らませながらいう。その仕草もまた、可愛らしいと思えた。
「君のおばあちゃんはね、優しくて、でも強くて、可愛いけど怖くて、、賢くて、今まで見てきた中で一番の人だったよ。」
「そうだったんだぁ〜えへへ、なんだか私も嬉しい。」おませな女の子はそう言って照れ笑いをする。
「そんな風に嬉しい時に照れ笑いをするのも癖だったよ。君のおばあちゃんの。やっぱり似てるんだねー。」
というとまた嬉しそうに笑った。
(ああ、この時が永遠に続けばいいのに…)
そんなことを考えていたからかもしれない。僕は君の孫が浮かべる物憂げな顔に気づくことができなかった。
君の孫は、君と同じように、成長して、女らしい丸みを帯びて、そしてふやけたようにシワが出来て、髪が白くなり、腰が曲がり、灰となって死んでいくのだろう。それは僕が今までいやというほど見てきた、人間の羨ましくも、しかし少し悲しい
僕にとって不変のものとは、自分自身以外の何者でもなかった。
今生きている人が死に、その娘が生まれ孫が生まれ、住んでいる場所が変わり、元の家の真っ白だった壁が黄ばんで茶色くなって廃墟となる。
自分が歩んできた道は長すぎて、後ろを見てももう跡形もないのに、今あるものは崩れていく。
やがて少年は少年の見た目にして悟りの境地に達していく。
To be continued…
毎度読んでいただきありがとうございます。ここで設定紹介。
・少年
少女と「大人になりたくない。」という会話をして、マキちゃんに不老不死にされた少年。
両親から「バケモノ」と呼ばれ、迫害されたのち、家を出る。死なない程度の能力を持つ。
・少女
両親に迫害され、事故で死んだことになった少年を探して毎晩探していた。
実は探したものを見つける程度の能力を持っている。
学校でもよくモテる美少女。少年の想い人。
⚪︎⚪︎財閥の御曹司と望まぬ結婚をさせられる。
・マキちゃん
少年の夢に現れ、自らを悪戯師と名乗り、少年を不老不死にする。願いを叶える程度の能力を持つ。
ピンクの髪にバーテン服を着ている。
このくらいですね。では来週をお楽しみに〜。