遅くなってしまってすみませんでした。
第7幕、開演です
君の孫が死んでから、早くも数世紀が過ぎ去った。最初の一世紀は悲しく、立ち直れなかったが、それも時が解決してくれた。
その後も君の子孫を見守り、時には助けていた。
僕が不老不死になってから6兆年もの歳月が経とうとしていた。
それに伴って僕が住んでいる国も、みんなが笑顔の幸せな国から、若者が召集され出征し、連日新兵器の開発の進捗がニュースで報道される軍事国家へと移り変わった。
大空襲で周りが焼け野原となり、仮設のテントに住まう生活。路上よりもいい生活だったが、家がある普通の国民は動揺を隠せないでいた。
そして、君が⚪︎⚪︎財閥の御曹司と結婚し、その後に脈々と受け継がれていった屋敷は、跡形もなく、灰になった…
この頃から、国民の銃などの武器の所持が許可され、侵入してきた敵兵は問答無用で殺してしまって構わないというお触れがでた。
それと同じ時期に妙な噂が流れた。血を流し、斬れば肉の感触があるのに、いくら攻撃しても死なない少女が空襲のたびに襲いかかっているというものだった。
そしてその噂が現実であることを僕はこの目で見ることになる。
戦争が始まってから半年が経った。戦況は拮抗しており、長期戦の予感も匂わせていた。
そんなある日、あの娘の子孫(女の子ではあったがもうあの娘の何に当たるのかはわからない。)が避難していたテントの近くを戦闘機による爆撃が襲った。
全身を舐め回すような爆風。
地を這い回り全てを飲み込む炎。
その中で、生き残り、動けるものはいない。
僕はその中に棒のようなものを振り回す人影を見た。
「え⁉︎待って……」
追いかけると気配を察知されたのか、二本の細い鉄の棒が飛んできて僕の両足を地面に縫い付けた。
「グッ」痛みをこらえながら棒を抜くが、その頃には人影はなくなっていた。
煙で空は暗くなっていた。周りは焼け野原となり、生のかけらさえも感じられなかった。
もちろんあの娘の子孫さえも。
(約束を、守れなかった。)
不甲斐なさと悔しさが胸の中で大きくなる。
その悔しさはやがて怒りへと変わる。
不甲斐なさ復讐心に変わる。
少年が数百年ぶりに本気で怒った日は、少年の故郷である国が、灰になった日であった。
あの娘のお墓に行く。ずいぶん焦げてはいたが、墓石はなんとか無事だった。
その場に生えていた黄色い花を墓石の前に供えた。
(この花は僕の大事な今は亡きもの。あの子と僕の故郷への供物だ。)
少年は決意する。
少年の大事な宝物を奪った敵国に復讐することを。
そしてあの人影の正体を突き止めることを。
To be continued ……
ふう。やっと終わりに近づいてきましたね。
次の次の話で最終となります。
最終話は2ルートと言ってましたが、プラスαのおまけルートも付く予定です。
更新は遅くなりますが暖かく見守ってください。
コメント欄に感想の書き込みお願いします。