艦娘と巨人とネクサスと   作:瞳琥珀

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長らくお待たせ致しました。
今回はウルトラマンネクサスepisode1「夜襲ーナイトレイドー」を元にしています。ほとんど原型無いですが。(笑)
まだまだ文章表現など、未熟ですが、あたたかい目でご覧ください。それでは、始めます。


第壱話「危機-crisis-」

私達はこの平和な日々を生きている。例え世界の何処かで紛争が起きても、大事件が起こっても、そして得体の知れぬ物があったとしても、それらを私達は知らぬ振りをして生きていける。だが、この世界の全てが、偽りだったと知ったら…。

 

 

 

時刻二〇〇〇、北海道近海。幌筵泊地所属の第三遠征部隊(多摩、吹雪、叢雲、深雪、初雪)は北方鼠輸送作戦を無事終え、同鎮守府への帰路についていた。

 

初雪「もう疲れた…眠たい…。」

 

叢雲「ちょっと、初雪!うとうとしてんじゃないの!」

 

深雪「そうだよ。あ、ほら。納沙布岬越えたから!もう少しだから…ね?」

 

初雪「…うん、分かった。頑張る。」

 

叢雲「本当は岬越えてもまだあるけど…。まあいいか。初雪がやる気になってくれたし。」

 

吹雪「ふふっ。」

 

叢雲「吹雪。今のなにか面白かったかしら?」

 

吹雪「ああ、ごめんね。このメンバーで過ごすのも今日が最後だと思うと…ね。」

 

深雪「そういや、明日で別部隊に行くんだっけ…。」

 

初雪「吹雪のご飯、美味しかった…。寂しい…。」

 

叢雲「貴女は食べるのと眠ることしか考えないの?…それにしても寂しくなるわね。昇進なら喜ばしいけど…。」

 

多摩「ともかく、帰ったらお別れ会やるかニャ?」

 

深雪「いいわね。パーっとやろうよ!お酒は駄目だけどさ。」

 

吹雪「皆…ありがとうございます…!」

 

多摩「話は終わったかニャ?それじゃ、鎮守府で待つ皆のためにも、送迎会の為にも、早く帰るニャ!」

 

一同「はい!」

 

 

 

それから間もなくしてのこと。

 

多摩「結構疲れたニャ~。こんなに疲れる航路だったかニャ?」

 

吹雪「いや、流石にここまでは…。」

 

ふと疑問に思った吹雪は、端末から自らの燃料メーターを見て、愕然とした。燃料メーターの数字が、普段の遠征では決してみることの無いところまで低下しており、今なお急速に下がり続けているのだ。

 

叢雲「どうかした?吹雪。」

 

吹雪「ね、燃料が…。燃料が…ないの…!」

 

叢雲「何ですって!?」

 

多摩「皆、すぐにメーターを確認するニャ!」

 

吹雪以外もメーターを確認したが皆同じだったようで顔が真っ青になっていた。同時に、重大なことに気づいた者がいた。

 

初雪「大変…!深雪が…深雪がいないの…!」

 

その場の皆は大声で「深雪!」と呼びながら数分辺りを捜索したが、一向に返答はなかった。

 

叢雲「深雪の奴、何処へ行ったのよ…!」

 

多摩「最悪夜明けに捜索をお願いするとしても、燃料が無きゃ話にならないニャ。…皆、ドラム缶の中の燃料を補給するニャ!」

 

吹雪「だ、ダメですよ!この中の燃料は鎮守府の皆のための…。」

 

多摩「分かってるニャ。でも私達が鎮守府に辿り着けなきゃ、意味がないのニャ!」

 

多摩の一喝で各自は後ろのドラム缶と燃料タンクを臨時補給用のホースで繋ぎ、補給を開始。中々メーターの針が上がっていかない中、静寂な海上に響く小さな水音を不審に思った吹雪が確認すると、燃料タンクに指三本程の穴が開いていて、そこから燃料が漏れ出していたのが確認できた。咄嗟に持っていた応急処置をして、皆に伝えようとしたときだった。初雪が海面を指して言ったのだ。

 

初雪「水面が…ぶくぶくいってる…。」

 

初雪が叢雲の元に退避した後、皆が砲口と雷管を海中に向ける。彼女らは恐らく、潜水艦の奇襲だと思ったのであろう。しかし次の瞬間に海上に現れ、多摩が探照灯で照らしたものは、その認識を根本から覆すものだった。

 

 

 

それは、体長がざっと50メートルほどである化物だった。目が確認できず、水脹れのような不気味なもので覆われ、腕にあたると思われるところから触手が何本も生えていた。その触手の先で、彼女らの見覚えのある人が気を失っていた。

 

叢雲「何?あのキモいのは…。って、あれは!?」

 

吹雪「み、深雪さん!?」

 

叢雲「深雪!起きなさい!」

 

深雪「うっ、私は一体…ってなんだこのキモい奴は!?」

 

深雪は驚いて砲撃を化物に向け発射するが、全く動じる気配を見せない。そのまま無意味な連射を続け、遂に弾薬が尽きた。

 

深雪「嘘…だろ…。は、離せ!離せよ!」

 

化物「こきゅうううん!」

 

叢雲「深雪!」

 

深雪「うわあああ!」

 

深雪は触手から逃れるべく体を必死に揺らすのだが、一分もたたないうちに別の触手からの攻撃が彼女の背中を直撃。背中の艤装は大きくひしゃげ、彼女は意識を失った。ぐったりと触手からぶら下がる彼女を見て、攻撃意思が喪失したとみた化物は、彼女ゆっくりと口内へ運んだ。

 

叢雲「あ、あ…。」

 

吹雪「そ、そんな…。」

 

深雪が食べられたのだと言う状況。それを見た者が考えるのは当然退却だろう。生存本能という当然の理だ。しかし一名は違った。

 

叢雲「深雪…。…化物おおお!」

 

怒り狂った叢雲は砲撃や魚雷をありったけ化物に発射する。何発かは明後日の方向に着弾したりしたが、そんなことも気にせずに撃ち続ける。

 

吹雪「叢雲、ダメよ!落ち着いて!」

 

吹雪のそんな言葉でさえ彼女には届かない。それ故頭上からくる触手に気づかず、触手によって海中に叩き落とされ、その後浮かんでくることはなかった。

 

多摩「吹雪、初雪!逃げるニャよ!」

 

吹雪「は、はい…!」

 

初雪「…わかった!」

 

涙を腕でぬぐいつつ、吹雪は初雪と共に多摩の後に続き、化物からの逃避を始めた。しかし眠気が一際あったこともあってか、初雪の速度がみるみる落ちていった。

 

初雪「あ、あれ?力が…でない…!?」

 

吹雪「は、初雪?何処行くの?待って!」

 

多摩「真っ直ぐ進むニャ!追い付かれるニャ!」

 

吹雪はその命令にしたがって前に向き直る。それから二分もしないうちに後ろで大きな水飛沫と爆発音が聞こえた。それでも二人は化物から全速力の逃避を試みる。

 

 

 

それから暫くしてのこと。先頭を航行していた多摩の速度が急速に落ちていく。咄嗟に吹雪は多摩の手を取り、駆逐艦が軽巡を引っ張る。しかし、駆逐艦より重い軽巡を引っ張っているので当然速度は落ち、化物が距離を縮めてくる。

 

吹雪「多摩さん!どうしたんですか!?」

 

多摩「燃料漏れの影響が…出たみたいニャ………。穴の存在、やっと気づいたけど、遅すぎたニャ…。」

 

そう言っている間にも、二人の速度はどんどん落ちていく。そして吹雪とつかんだ手が離れそうになったとき、彼女は手に持っていた探照灯を吹雪に渡す。

 

多摩「頼むニャ。吹雪だけは鎮守府に帰るニャ…!」

 

吹雪「…!多摩さん!まだ私はやれますよ!このまま引っ張っていって…。」

 

多摩「それで二人とも殺られたら、意味ないニャ…。分かってくれニャ。あんただけでも生きて…帰るニャ…。」

 

吹雪はそれにたいして何も言えず、受け取った探照灯を12.7cm連装砲を投棄して装備。それを見届けた多摩は力なく後退していく。その彼女が追い上げてきた化物に捕らえられ、口内に投下されたのは言うまでもない。

 

 

 

その後も吹雪は特型駆逐艦の何に恥じない速度で化物との追いかけっこを続け、択捉島北部の海域まで逃げ切る。だが、燃料漏れがまだ完全に直っていないのに加え、フルスピードで逃げていたこともあり、燃料の残量が遂に零に。同時に航行速度が落ちていくのを、彼女は感じることとなった。

 

吹雪「え?あれ?速度が…。」

 

化物「こきゅうううん!」

 

吹雪「嫌だ…。お願い、動いて!動いてください!」

 

願いもむなしく減速を続けた彼女は、遂に化物に追い付かれ、触手に捉えられてしまう。持ち上げられ、宙を舞う彼女に、化物は大きな口をパックリと開け、彼女を飲み込む準備をする。

 

化物「くきゅぅぅぅぅん!」

 

吹雪「ひっ、嫌…。嫌あああ!」

 

発狂しつつも砲撃を放つが、化物は怯む気配もない。程無くして深雪の時のように、別の方向からの触手が吹雪の直撃した。

 

吹雪「嫌…。誰か…助け…て…。」

 

吹雪の意識は、そのまま闇へと沈んだ。

 

 

ー第弐話へ続くー




如何だったでしょうか?
本来は第壱話と第弐話は一つのエピソードとなる予定でしたが、
この後の描写に手間取っているため、先にこちらを上げました。
後、ここで上げられるスヘースビーストは、所謂ペドレオンですが、吹雪達が名を知るわけがないので、化物という表記になっております。
次回も出来るだけ早くあげようと思ってますので、気長にお待ちください。

次回、第弐話「救生者-saviour-」

吹雪「あ、あなたは一体…?」
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