今後も一か月に一回(出来れば二回)の投稿ペースが続くと思われますが、
気長にお待ちください。
では本編をどうぞ。
雪改の幌筵泊地訪問から一週間後のこと。SADNの面々は作戦会議室でホログラムの萩風改を中心に、瑞鶴改二甲が中心となって運用する新兵器、ストライクフォーメーションのことについての会議が開かれていた。
萩風改『…つまりストライクチェスターとは、α、β、そして最近配備されたγを合体させた、ストライクフォーメーションと呼ばれる形態なのです。』
瑞鶴改二甲「艦載機を合体させるとは…たまげたわね。」
霧島改二「ええ。連撃のように複数の武装の攻撃を組み合わせることはありますが、武装自体を合体させるとは…。」
萩風改『γに搭載されているメタルジェネレーターにより高エネルギー出力を実現し、合体が可能になりました。α、βの武装に加え、γに搭載されているマイクロミサイル”アビロック”等の武装も使用可能です。』
瑞鶴改二甲「でも、それだけだったら合体する意味が薄くない?三機でそれぞれ攻撃した方が撹乱もしやすいし…。」
萩風改『はい。実はストライクチェスターには新開発の機能を搭載しています。それは”次元位相調整機能”です。』
瑞鶴改二甲「次元位…何?」
萩風改『その前に、まずはこれをご覧ください。』
ストライクチェスターの解説画面に代わって前方に映されたのは、とある映像。吹雪改はそれに見覚えがあった。それは一か月ほど前メタフィールド内に取り込まれた吹雪改が見た光景そのものだった。
萩風改『この映像は一か月ほど前、吹雪さんと共にメタフィールド内に入り込んだαのカメラ映像です。』
その映像にSADNの面々は見入った。
瑞鶴改二甲「へぇ、メタフィールドの中ってこうなってんのね…。」
霧島改二「ふむ、見たところによると陸地4割、海や川などが6割というところでしょうか。水成分が多い分まだ戦いやすくありますが…。」
川内改二「う~ん、こんなに明るいと夜戦の感じが出ないよ~。」
足柄改「別にビーストもウルトラマンもあんたみたいな夜戦バカではないわよ…。」
吹雪改「あ、見てください!ウルトラマンとビーストが戦ってます!やっぱりウルトラマンは私たちの味方ですよ!」
瑞鶴改二甲「だ・か・ら、同士討ちかもしれないじゃない。しかもあなたウルトラマンを援護しようと思ったのか知らないけど無断発砲して…。普通なら軍法会議ものよ?今回は時雨がなんとか言いくるめたみたいだけど。」
吹雪改「す、すみません。」
時雨改二「いや、大丈夫だよ。ただ、今度からは気を付けてね。」
そんな会話が弾んでいる間に映像は終わり、解説画面に戻った。
萩風改『αが持ち帰ったこの映像や数々のデータによって、メタフィールドに関する情報が多く得られました。そしてその末開発に成功したのが、メタフィールド内に突入する為の”次元位相調整機能”です。』
瑞鶴改二甲「なるほど…。それで、ストライクチェスターを携えれば私たちもメタフィールド内に突入できるのね。」
萩風改『いえ、このままではストライクチェスターは突入できますが、皆さんは突入出来ません。』
吹雪改「そんな…。それじゃあ、どうするんですか?」
萩風改『その為に皆さんに支給するものがあります、これです。』
ホログラムの萩風改の右手にはピンポン玉大の装置があった。
萩風改『これは”位相同調装置”。皆さんの艤装にこれを組み込めば、ストライクチェスターの突入した次元に皆さんも転送されます。自動化は出来なかった為、突入時に皆さんが集中してお互いの息をピッタリ合わせる必要がありますが…。』
時雨改二「とにかく、ストライクチェスターとその装置があれば、メタフィールド内に僕らも行けると…そうだよね?」
萩風改『はい。』
時雨改二「じゃあ、装置を運用するための訓練を早速行おう。後瑞鶴、君はストライクチェスターの調整にも立ち会って。」
瑞鶴改二甲「分かったわ。…これでビースト共に更なる打撃を加えられる…。」
ストライクチェスターはその後程なくして出番を迎えることとなった。歯舞群島沖に新たに表れた植物型ビースト、ラフレイアの殲滅である。このビーストが撒き散らす花粉は気化することで超高熱を発し、触れた物を炭化させてしまうという恐るべき性質を持っていた。更に可燃性な上水素と同等の質量と言うことで、殲滅に成功した場合、風向きの関係で北海道に花粉が飛散することで甚大な被害が予想されたのだ。これを解決するため、ウルトラマンが展開するメタフィールドを密閉空間に見立て、その内部で殲滅する作戦が立てられた。それに重要な役目を果たすのは
次元位相調整機能のついたストライクチェスターとSADNの隊員達のしっかりとした連携だった。一度目の作戦は吹雪改の集中力の乱れで失敗。彼女は除隊の危機に晒されるも、訓練不足のせいと言うことで一週間の追加訓練の末、時雨改二はもう一度彼女の登用を決めた。
そして二度目の作戦当日20:00、一行は幌筵基地を後にし、歯舞群島沖へと向かった。瑞鶴改二甲は前方にいる時雨改二との通信回線を開いた。
瑞鶴改二甲「時雨、聞こえる?」
時雨改二「瑞鶴?聞こえるけど、作戦海域までまだ距離があるよ?」
瑞鶴改二甲「悪いわね。ちょっと気になることがあって。」
時雨改二「気になること?」
瑞鶴改二甲「一週間前の作戦の後、吹雪の親友だっていう睦月って娘保護したじゃない?深夜なのに何であの海域をふらついてたんだろうって…。」
時雨改二「本人は記憶がないって言ってるけど…。遠征部隊からはぐれてしまったとかそういう類じゃないかな?」
瑞鶴改二甲「そうかしら…ね。後もう一つ、吹雪が集中力乱した原因…。本人は気が抜けてたんだと言ってたけど、それだけじゃない気がするの。」
、
時雨改二「というと?」
瑞鶴改二甲「彼女の携帯端末を整備してた妖精さんが見つけたらしいんだけれど、作戦前日に怪しげなメールが受信されてたのよ。”SADNカラ身ヲ引ケ。コレハ警告ダ。”って。」
時雨改二「…只の悪戯にしては手が込んでるね。SADNの存在は限られた人しか知らないはずだし…。」
瑞鶴改二甲「ええ。しかもアドレスを見たんだけれど、翔鶴姉が昔使ってたものだったの。」
時雨改二「翔鶴が…?」
瑞鶴改二甲「もしかしたら、翔鶴姉はビーストのことに関して一枚噛んでるのかもしれない。…あまり考えたくないけど。」
時雨改二「…その話は基地に帰ってから改めてしてくれるかな。今は作戦に集中しないと。」
瑞鶴改二甲「ええ、分かったわ。」
数時間ほど経過した頃、一行は歯舞群島沖に到着し、ラフレイアの姿を目撃した。
-後編に続く-