艦娘と巨人とネクサスと   作:瞳琥珀

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長らくお待たせ致しました。
受験勉強と並行しながらの執筆はハードルが高いです…。
そういえば瑞鶴改二と改二甲が発表されましたね。
僕としては迷彩の方が好みにあってるので改二で運用すると思いますが…。(まずカタパルト入手ですが(笑))今回は瑞鶴は改のままですが、次話くらいで改二になってるかもしれませんね。

それでは、本編をどうぞ!

追記;スペースビーストには普通の艦娘達の攻撃は効果ありません。SADNの面々の特殊な武装、又はウルトラマンの攻撃のみ有効という設定です。なお、青い艦載機とは所謂クロムチェスターです。


第参話「夜の狼達-SADN-」(後編)

数日後。時刻一七五〇、幌筵島付近の沖でのこと。海上護衛輸送任務を終え、帰路につく一艦隊があった。

 

雷「ふう、やっと終わったわね。」

 

電「今日、もう8回目なのです。疲れたのです…。」

 

名取「まあまあ…。母港に帰ったら休憩時間少ないですけど、間宮さんのところの甘味をご馳走しますから、頑張ってください。」

 

島風「ほんと!?皆、早くいこうよ!早く早く!」

 

電「あははは…。島風ちゃんはほんとに元気でいいのです。」

 

そんな会話を繰り広げながら、彼女らは幌筵島南部泊地に向けて航行していた。そんなときだった。最後尾にいた電の小型端末が警告音を発信し出したのは。

 

電「あれ?出撃前に点検したばかりなのに…。それとも…。」

 

怪訝な面持ちの電が端末の画面を見ると、レーダーが彼女のすぐ後方に超巨大な影を捉えていた。電は一時止まって後ろに振り返るが、そこにはなにもない。慌ててエンジンを吹かし、雷達に追い付いた電は震える声で報告する。

 

電「あ、あの…。後ろから大きなものが近づいているようなのです…。」

 

雷「え?大きなもの?」

 

皆が一時停止し、端末を見ると、確かにすぐ近くにレーダーに大きな反応はあった。だがその正体を視認できた者はいなかった。

 

名取「…新手の潜水艦かもしれません。皆さん、臨戦体制に移行してください。」

 

各自は持っていたソナーや連装砲を装備し、装填も済ませる。

 

島風「そういえばさ、ここのところ謎の襲撃事件多いじゃん?大きな化物が目撃されてるって噂もあるし、もしかして…。」

 

雷「や、止めなさいよ、島風。」

 

電「そ、そうなのです。ホラーは勘弁なのです。」

 

島風「でも仮にそうだとしたら、私たちの手に余るよね?早く帰った方が良くない?」

 

名取「…そうですね。皆さん、警戒を怠らずに、全速力で鎮守府に向かいましょう。鎮守府に待機してる戦艦や空母の皆さんなら、なんとかしてくれる筈です。」

 

名取を旗艦とした遠征艦隊は全員一層エンジンを吹かす。しかしそれでも彼女らの後ろに超巨大な影が不気味なほどぴったり付いてきている様子が、彼女らの端末の画面にも映っていた。

 

 

 

そして、その時はやって来てしまった。彼女らの後ろの海面が急に盛り上がり、海中に潜んでいた触手の化物、ペドレオンが姿を現したのだ。

ペドレオン「きゅおおおおん!」

 

電「ふあーーっ!?」

 

島風「おうっ!?」

 

雷「なにこいつ、キモッ!」

 

名取「皆さん、逃げてーー!」

 

パニックになった彼女らは、無我夢中の逃走劇を始めた。暫くして、名取と島風は、幌筵島南部の沖合い1kmの所まで到着していた。ペドレオンは振り切ったようである。だが一安心したとき、重大なことに気づかされることになった。電と雷の姿がなかったのだ。

 

 

 

その頃、電と雷はペドレオンからの逃亡の真っ最中だった。彼女らは先の二人とは逆方向に逃げており、ペドレオンはそれを追ってきたのだ。最高速度での長時間運転でエンジンは赤熱し始めていたが、それでもペドレオンとの距離はなかなか縮まらない。それどころか逆に小さくなっていき、遂には…。

 

電「はにゃあーー!」

 

雷「あ、こ、こら…!」

 

触手は二人の腰に巻き付き、そのまま拘束した。触手の力は非常に強く、二人がいくらもがいても振りほどけない。やがて二人は触手に持ち上げられ、靴の推進装置は空しい空回りをする。

 

雷「こ、このっ…!放しなさい!」

 

雷は触手に向かって12.7cm連装砲の砲撃を浴びせたが、怯む気配すら見せない。ペドレオンは二人の後ろの艤装にある燃料ハッチを器用に開け、彼女らを逆さまにすると、人間の缶コーヒーを飲み干す動作のように彼女らを傾け、垂れてくる燃料を貪る。彼女らの端末にも急減少する燃料の様子がはっきりと表示されていた。

 

電「やめて…。他の資源は置いてくから…燃料だけはやめて…。帰れなく…なっちゃう…。」

 

電の涙ながらの懇願もペドレオンには届かず、逆に楽しんでいるようだった。雷は再び砲撃をペドレオンに試みるがなんの効果もなく、弾薬が尽きる。暫くして"燃料0"という赤い画面の表示と共に、ピーという警告音が二人の端末から鳴り響く。二人の脳内に最早希望はなかった。するとペドレオンは二つほど触手を新たに生やし、そのうちのひとつを雷の腹部に食らわせる。

 

雷「うぐっ…!」

 

電「い、雷ちゃ…。」

 

程なくして電にも触手の一撃が加わり、二人は力なく触手にぶら下がる形となった。

 

 

 

それとほぼ同時刻であった。SADNの部隊がペドレオンの前に姿を現したのは。

 

吹雪改「あ、あの二人は…。」

 

川内改二「要救助の二人のはずだったけど…。この分じゃあ…。」

 

吹雪改と川内改二の後ろで霧島改が端末を操作する。遠隔通信で電達のコンディションを確認しているようだ。

 

霧島改「確認がとれたわ。二人は捜索願いが出ていた艦娘ID38452217;雷と艦娘ID38452218;電で間違いない。燃料弾薬共に0だけれど、バイタルに異常はないみたい。恐らく気絶してるだけよ。」

 

吹雪改「よ、よかった…!じゃあ、あのスペースビーストをやっつけて二人を助け出さないと…。」

 

瑞鶴改「待ちなさい。そんな単純な話じゃないわよ。ね、時雨。」

 

時雨改二「うん…。さっきの会議でも言ったけど、ペドレオンは特にエタノールが大好物なスペースビーストなんだ。故に僕ら艦娘の燃料を狙って襲ってくるんだけれど…。」

 

足柄改「その身体や体液は多くのエタノールを含んでいるから、私たちの砲撃を受けて引火すれば木端微塵に吹き飛ぶ。だけれど…。」

 

吹雪改「あ、そうか…。そしたら二人も巻き添えに…。」

 

川内改二「"人質"ってことか…。この前討伐したときは人命救助を優先したから、もしかしてそれを学習して…。」

 

瑞鶴改「…ふん、ズル賢いわね…。」

 

隊長の時雨改二はインカムで瑞城少将に連絡を入れる。

 

瑞城少将『どうしたんだ。時雨。』

 

時雨改二「不測の事態が発生したんだ。目標が保護対象二名を拘束してる 。このままだと攻撃できない。提督、指示をお願いするよ。」

 

瑞城少将『作戦の主目標に変更はない。確実に撃破しなければ、被害は拡大する一方だからね。多少の犠牲は……やむを得ない。』

 

時雨改二「…了解。」

 

時雨改二は通信を切った。

 

時雨改二「総員、迎撃準備!」

 

吹雪改「そ、そんな、冗談ですよね…?生存が確認されたばかりなのに…。」

 

時雨改二「吹雪。…命令を実行するのが、僕らの仕事だよ。」

 

吹雪改以外は武装を構え、ペドレオンへの攻撃準備に取りかかる。いち早く準備を終えた瑞鶴改は、青い艦載機の弓矢をとりだし、弓を構え、発射しようとするが、寸前で吹雪改が前に立ち塞がる。

 

吹雪改「ダメ…ダメですよ…。助けられるのに、助けないなんて…。」

 

瑞鶴改「邪魔よ!退いて!」

 

瑞鶴改は吹雪に肘うちを食らわして払いのけ、弓を構え、青い艦載機の矢をセットして発射しようとした。

 

 

 

その時、彼女の頭上を灰色の見慣れない飛行物体が駆け抜けていった。

 

吹雪改「え!?新型の艦載機!?」

 

瑞鶴改「あ、あんなの見たことないわ。いったい誰の…。」

 

瑞鶴改と吹雪が同時に後ろを振り向くと、SADNの部隊のずっと後方に、弓を構えた姿の一人の少女の姿があった。薄暗くなりつつあったが、右腕に装着されている飛行甲板、沈み行く夕日を受ける長い黒髪、紅白の服装から、瑞鶴改は彼女を正規空母の艦娘、赤城だと確信した。

 

瑞鶴改「い、一航戦…?なぜここに…。」

 

赤城改は無言のまま弓を仕舞うと、右のポケットから白いスティック状のものを取り出した。それは心臓の鼓動のように緑色の光が点滅させている。彼女がそれを前にかざすと、紅い光を放ち始めた。

 

赤城改「一航戦赤城、変身します!」

 

そう言って彼女がそれを頭上に振り上げると、紅い光は益々輝きをまし、彼女を包み込んでいく。

 

瑞鶴改「な、何よ…これ…?」

 

赤城改を包んだ紅い光はやがて上昇し、吹雪達の頭上を越え、ペドレオンの前に到達する。そして紅い光は急降下し、海面に激突して大きな波を起こす。

 

吹雪改「きゃっ!」

 

ペドレオン「きゅおおおおん!?」

 

光は段々収束していき、同時に一体の巨人が姿を現す。その巨人は以前吹雪改を助けた銀の巨人、ウルトラマンネクサスだった。

 

吹雪改「あ、あれ…。あの巨人ですよ!あの日私を助けてくれたのは!!」

 

川内改二「こ、これが…銀の巨人…。」

 

ネクサス「シュワッ!」

 

ペドレオン「キュオオオン!!」

 

ネクサスは助走をつけて大きく飛び上がると、電達が囚われている触手先に向かって右手から鞭にも似た青白い光線を放つ。光線を通してネクサスは電達を奪還する。着地するとSADNの面々に向けて、右手からまた青白い光線を発射。光線は途中で分岐して足柄改と川内改二に向けて降り注ぎ、電達を彼女らの目前に置いて消失する。力なく倒れそうな二人をみて、足柄改は雷を、川内改二は電を支え、部隊の後方に後退する。

 

電「ん…?はわっ!?わ、私…。」

 

川内改二「大丈夫だよ。落ち着いて。」

 

雷「わ、私たち、助かったの…?」

 

足柄改「ええ。もう、大丈夫よ。」

 

吹雪改「す、すごい…。」

 

二人が保護されたのを見届けると、ネクサスは再びペドレオンに向き直る。ペドレオンは"今日の収穫"を奪われた怒りで、大きく咆哮する。ネクサスは手裏剣を投げるように光弾を発射し、着弾して怯んだところに詰め寄り、蒼白く発光した右拳をぶつける。更に蒼白く発光した右足で回し蹴りをお見舞いし、後退する。そしてネクサスは再びペドレオンに詰め寄ろうとした刹那、後方から攻撃を受け、ネクサスは怯む。

 

ネクサス「フゥッ!?」

 

ネクサスが後方を見ると、瑞鶴改が発艦させていた青い艦載機がネクサスに向けて照準を合わせていた。

 

 

 

吹雪改「…え!?瑞鶴さん、何を…。」

 

瑞鶴改は吹雪改の問いに答えることなく、インカムを通じてパイロットの妖精に、冷静に指示を下した。

 

瑞鶴改「…攻撃続行よ。」

 

吹雪改「や、やめてええええ!」

 

吹雪改の叫びもむなしく、第二射は放たれ、ネクサスに着弾した。

 

-第肆話「巨人-ultraman-」に続く-




というわけで第参話終了しました。
受験も本格化するので更に更新速度が遅くなることが予想されますが、出来る限りの早くあげようと思うので、御了承ください。
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