ゴッドイーター アンソロジーノベル~the memory of love~ 作:鷹師
白いもやのかかる朝方のキラキラと輝く美しい景色の中に似合わない異形の存在がポツンと一つある。もちろんそれはアラガミでありそいつの名は「クアドリガ」、四足歩行型のアラガミだがほかのアラガミとまったく異なる部分がある。
アラガミは捕食したモノを取り込んでいく性質があるため多くのアラガミは食物連鎖の頂点に君臨すべくどこか生物の面影がある。
しかしこのクアドリガに生物の面影はほとんど見られない。前足の部分はキャタピラを縦に立てたつくりであり、胸には分厚い装甲、顔の部分にはかろうじて生物の面影が残っているもののまるで骸骨でその周りはアンテナのようなものが張り出している。背中には他連装ミサイルがなんと二つもついており、胴、後ろ足も胸とまではいかないまでも銃弾を容易に通さない固そうなつくりである。
戦車型アラガミ。その冠に恥じない戦うために生まれてきたアラガミがそこにはいた。
神機でまずは脅威であるミサイルポッドを狙う。私の攻撃と同時に隠れていたチームが飛び出す手はずになっているのだが……
「何をやっているのでしょう……」
クアドリガの後方に隠れているリズとタカシがなにやらハンドサインでやり取りをしている。
いや、もはやハンドサインではなくジェスチャーだ。声を出さないことはミッションへの最大限の配慮であろうか、二人とも感情むき出しで熱い議論を……アレはケンカですね……
ふと、劉が気になり反対側へ目をやると案の定神機によっかかり舟を漕いでいる。朝ですよ!
「攻撃を仕掛けます。集中してください」
不安になり無線を飛ばすとようやく緊張感が出てきたのだろうかみんなの目つきがかわ……
「劉!朝です!」
はっと顔を上げて両手で頭の上にもっていき大きな丸をつくる劉。大物ですね。
自分にも気合を入れなおして再び狙いを定める。悠然とゆっくり歩いていくその姿に第一射!
命中、さらにもう一撃も命中。クアドリガが振り向きその目が私を捉える。
「クアアアアアァァ!」
突然の攻撃に怒りを示したのか雄叫びを上げてこちらへ突進してくるクアドリガ。
そこにチームが挟撃を仕掛ける。
タカシのショートブレードが、リズのロングブレードが、劉のバスターブレードがクアドリガのミサイルポッドを捉える。
結合崩壊――神機によるオラクル細胞の結合を破壊することによって起こるその現象はアラガミを大きく弱体化させる部位破壊だ。破壊された細胞は再生することができずにその部位はまさに弱点と化す。クアドリガのミサイルポッドは再生不可能なほど傷ついた状態だ。
連続奇襲攻撃は成功といって言い出来だがクアドリガはまったくスピードを落とすことなく三人を跳ね飛ばし私のほうへと突っ込んでくる。
「さすが戦王と呼ばれるだけはありますね……ですがっ!」
クアドリガの動きがいきなり止まる。クアドリガと私の間に仕掛けておいたホールドトラップにより麻痺状態になっているのだ。
ここぞとばかりに一斉に切りかかる。集団リンチのように見えて汚い方法と思うかもしれないがこれはれっきとした狩りの基本だ。罠を仕掛けて身動きが取れないうちに攻撃を仕掛けて一気にしとめる。なるべく損害を出さずに自分より大きな獲物を倒すことが出来るのは人間のこうした高い知能とそれを使いこなすための技術が必要なのだ。
しかし、麻痺状態もそう長くは続かない。生物界の頂点に立つアラガミは毒や麻痺をも時間と共に克服してしまう。
麻痺状態から開放されたクアドリガはその巨体に似合わず大きく跳躍する。落ちてきたときの衝撃に供え神機に内蔵された盾を構えるが一人足りないことに気がついた。
「伊達に飛蝗と呼ばれてないんで……ね!」
クアドリガよりも高く飛び上がったタカシがクアドリガの顔面に刃をつきたてた!
それによってバランスを崩したクアドリガは着地の態勢もとれずに落下し再び大きな隙をつくる。
「今です!」
全員が横倒しになったクアドリガの顔面やミサイルポッドめがけて刃を繰り出していくと
「クァァア……」
短く一鳴きしてクアドリガは力尽きた。
このミッションの終了は同時に大きな陰謀の始まりであったことにこのとき私たちは誰も気づいてはいなかった。
遅れました。かなり遅れました申し訳ございませんです!
やめることはありません。かなりスローペースですが生み出したキャラクターたちそして読んでくださる皆様のためにも続けて書いていきたいと思います!
それでは次回でまたお会いできるとうれしいです。