ゴッドイーター アンソロジーノベル~the memory of love~   作:鷹師

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第四章 共闘

崖から降りると雪がブーツを優しく包み込んだ。クッションの変わりになって衝撃は和らげるが動くときに足をとられる可能性は充分にありえる。戦場では一瞬の隙が命取りとなる、慎重に行動しなければ。

足に力を込め近くの瓦礫まで移動し、そこから様子を伺う。ここはコクーンメイデンの死角になっているから捕捉はされていないはず、瓦礫は横に長く伸びこのまま移動すれば見つかることなくコンゴウと接触できるはずだ。ただしさっきの移動の足音で聴覚のいいコンゴウには発見されている可能性はある。そっと顔を出してコンゴウを見るがこちらに背を向けているのでどうやらまだ捕捉はされていないようだ、このまま左にいるコクーンメイデンの死角になるように右へと移動しコンゴウに一撃を浴びせる。そのまま右奥へと移動し周りを壁に囲まれた廃墟へ誘導。これでコクーンメイデンとコンゴウを分断できる。

コンゴウが後ろを向いているうちに足音を立てないように移動する。距離が10メートルを切ったところでコンゴウが何かを聞きつけたように頭を高くもたげ様子を伺うが迷わず接近する、ここで私はコンゴウと目があった。

「コンタクト!」

仲間へ合図と同時にコンゴウへ向けてダッシュ。コンゴウが右腕を振り上げ攻撃のモーションに入るのを確認しつつ神機を剣モードで右横に構え、踏み込みと同時に真一文字に左へ凪ぎ、そのまま切り抜ける。すれ違い様にカウンターをもらったコンゴウは盛大に空振りながらもすぐさま振り向き私を追いかける。

遠くで仲間の戦闘音を聞きながら走り、廃墟に到着。コンゴウは不意打ちをくらったことに怒りを覚えたのか私が立ち止まるや否や雄たけびとともに胸を激しく叩く。ゴリラが行ういわゆるドラミングの行為に似ている。

「さぁ来なさい!」

気合とともに神機を握りなおし戦闘態勢に入る。

それを感じ取ったのかコンゴウが一際大きく吠え、大きく跳躍した。

押しつぶそうというのだろう、大きな体が上から降ってくるのはかなりの迫力がある。思わず恐怖で動かなくなりそうな体にしっかりと気合を込め、前に飛ぶ。

背後にずしんと重い音が響き渡るのを感じながら反転と共に神機で切り裂く。

「いやああああああああああああ!」

まずは真横に一閃、続いて斜めに神機を走らせる。さっきの攻撃で頭から地面に激突したのかコンゴウは頭を抱えてうずくまっている。ここは一気に畳み掛ける!

「グオオオオオ!」

コンゴウの苦しげな声が響き渡る中、コンゴウを切り続ける。

(これなら倒せる!)

そう思ったのも束の間、突如コンゴウが大きく腕をなぎ払うように動かす。攻撃に夢中になっていた私はコンゴウの動作をよく見ていなかった。

コンゴウの丸太のような太い腕が私の腹部に食い込む。

「ーっ!」

肺の中の空気が全て口から出てしまうような衝撃を受け、私の体はたまらず背後に吹っ飛ばされ背中が壁に打ち付けられる。

「がっ!あっ……」

起き上がらないとコンゴウがこっちに向かって走ってきている。

このままでは……死……

 

そのとき、爆音と共にコンゴウが横に吹き飛ばされた。

土ぼこりが舞う中声だけが響き渡る。その声が絶望の中の私を現実に引き戻した。

「ナイス劉!」

「今度はちゃんと当たったアル!」

「普段からこうでなくては困るな」

煙が晴れ、三人の背中が見える。隊長の私がここで寝てるわけにはいかない。

「ぐっ……!」

体中の痛みが私を動かすまいと突き刺さる。負けるものか、私は神機を杖代わりにして渾身の力を込めて起き上がる。

「アリサ、大丈夫か?」

顔だけ振り向きながらタカシが気遣ってくれる。

「隊長ともあろうものが無様な……しかし、そのダメージで起き上がったことは評価する」

前半の辛辣な言葉は胸をえぐるが、少しは認められたようだ。

「おおー隊長!私射撃あたるようになったアルよ!」

あなたはなんでそんなに元気なんですかドン引きです。

体制を整え神機を構えるとコンゴウが起き上がってくるのが見えた。

「劉さん撃ってください」

劉が銃を撃つと同時にタカシとイワンが左右に散開し、挟み込むようにコンゴウへ駆け寄る。劉の弾はあさっての方向へ飛んで行くがコンゴウの気がそれた。タカシとイワンの剣がコンゴウの足を切り裂く。

「グオオ!?」

バランスを崩し、コンゴウがうつぶせに倒れる。弱点の頭をむき出しにして――

「たああああああ!」

既に間合いはつめていた。むき出しになった弱点のその頭目掛けて刃を突き立てる。

弱点を攻撃されたコンゴウは怒り狂ったように腕を振り回して暴れる。その腕にイワンとタカシが剣を突き立てる。

「このォーっ!」

渾身の力を込めて刃を押し込む。すると一際大きく仰け反ったコンゴウは糸が切れたようにその場で動かなくなった。全員がぜえぜえと肩で息をしているところにオペレーターからの通信が入った。

「目標アラガミの反応消失。ミッション達成お疲れ様でした」

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