ゴッドイーター アンソロジーノベル~the memory of love~   作:鷹師

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既プレイの人も未プレイの人も楽しめる作品を目指していきたい。
今回はちょっと長めです。
10/25 誤字修正


第七章 禁忌

闇にまぎれて動く影が四つ、アラガミを信仰するカルト教団の拠点に忍び寄っていた。

硬く閉ざされた門が四方に存在し、高い城壁によって来るものすべてを拒絶しているようにも見える。まるで要塞のように……

威圧感を発するそれは夜の静寂に包まれていながら不気味な気配を漂わせていた。

一つの門につき二人の人影が確認できる。遠目からではあるがおそらく銃も携帯しているようだ。気づかれないようにナイトスコープを覗きながら観察を続ける。電力が貴重なためだろうか、かがり火もちらほら見える。この寒い中門を守る門番に頭を下げたくなる。

観察をやめて隣の副支部長を見る。副支部長は頷くと端末を取り出し、操作した次の瞬間……

赤く輝く流れ星が北の門に落ち、次に轟音。驚くのもつかの間、副支部長の支持で一番近くの西の門へ走り出す。

北の門は周りの壁と共に大きく口を開け、その空は赤く染まっている。私はようやく気がついた。北の門へ落ちたのは流れ星などではなく、ミサイルであったと……

被害は大規模で、他の門にいる人も北の門へ走っていく。このような被害が計画だったのだろうかと疑問の視線を先を走る副支部長に投げかける。すると。

「あの馬鹿者……やりすぎだ」

……どうやら予想外の出来事だったようだ。

 

 

混乱に乗じて門の内側に潜入成功、まずは着ていた黒のコートを脱ぎ捨てる。

中に着ていたなるべく目立たないようにした私服。そして神機を隠すために楽器ケースを改造したトランクを担ぐとよほど注意してみない限り私たちは放浪のミュージシャンに見えるはずだ。

「いくぞ、遅れるな」

「了解です」

副支部長を先頭に怪しまれないよう、それでいて素早く移動を開始する。道中では阿鼻叫喚が聞こえてくる。

――火災だ!火を消せ!

――敵襲なのか!?いったい何者なんだ?

――空に戦闘機が見えるぞ!きっとあいつだ!

――おお、どうか神のご加護を……

内部はかなり混乱しており、人々の声が聞かずとも入ってくる。ここまでやってしまった。必ず成功させなければ無用な戦争を引き起こす引き金になる。そんな不安を抱えながらついに中心部の巨大な建造物に到着した。情報によればここの地下にターゲット……第二種接触禁忌アラガミ「アイテール」がいるはずだが、幸いにも無人のようなので速やかに進入。人々をたいらげる黒い獣のようなものが描かれた不気味な壁画を横目に、下へと続く階段を走り出す。

「いやぁ~悪趣味アル」

「同感、嫌な空気だしね」

「二人とも気を引き締めろ、近いぞ」

副支部長の言うとおり雰囲気が変わった、その圧力からターゲットが近いのだと全感覚が知らせてくる。

一番下にある扉を蹴破るように開くと奴はそこにいた。開けた空間の中央に少し段になったその頂上に浮いている。そこは祭壇なのだろうか、周りで松明が燃えているのが異様な雰囲気をかもし出している。

容姿は少し大きな人型。まるで日輪のオブジェのような頭に、老人の顔。細い体から生える貴婦人のようにフリルのついた腕と背中にある神々しく禍々しい翼のような衣の部分が存在感を引き立てる。スカートの様な腰部から鋭くとがった足が伸びている。

(へ、変態アル……)

(こいつがアイテール……なんて禍々しいんだろう……)

二人の顔にはそう書いてあり、口にしなくても伝わってくるようだ。それにしてもすごい迫力……

「劉、タカシ、アリサ、皆口にしたい言葉はあるだろう。だがそれはひとまず置いておけ。これが終わったらたっぷり聞いてやる。さぁ!いくぞ!」

副支部長の号令にそれぞれがトランクから神機を取り出し臨戦態勢をとる。こちらの空気を察したのかふわりと浮いていたアイテールは大きく衣を開く。そして頭部が光った気がした……

次の瞬間私たちがいた地面は爆発したかのように弾けとび、そこにいた私たちは避ける間もなく吹き飛ばされる。

「っ!」

受身を取り、周りを見渡す。全員無事だがいち早く復帰したタカシがアイテールに向かって走り出している。

「私はタカシの援護をする!」

アイテールの気をそらすように頭部に向けて副支部長が狙撃を始める。視界の端では劉が瓦礫を跳ね除けてゆらりと立ち上がる。

「今回は私も前に出る……!」

さっきの攻撃で劉のスイッチが入ってしまったらしい。鋭く研ぎ澄まされた殺気を放ちながらアイテールに向けて駆け出していく。

「私は支援射撃および回復に回ります」

私は神機を銃形態に変形させてバレットを装填。私のアサルトは中距離でもっとも効果を発揮するためアイテールへの距離をつめる。そのアイテールはくるくると回りながら近づくタカシを牽制している。よく見るとアイテールのいたところには光る球体が浮かんでいる。

「タカシ!アイテールが生み出す球体に注意を!」

「了……」

言葉を切り、突如タカシが膝をついた。その瞬間、球体がレーザーとなりタカシへ一直線に襲い掛かる。ここからでは間に合わない!アイテールがニヤリと笑った気がした……

「詰めが甘い」

間一髪、レーザーを掠めるようにして劉がタカシを脇に抱えその場から回避。私のそばにタカシを下ろす。よく見るとタカシは苦しそうな息遣いをしている。

「奴のリンプンからは毒が感じられる……」

そう呟くと劉はアイテールの気をそらすため私たちから遠ざかるように大きく円を描くように走り出す。アイテールは劉を見続けていたが常に頭部を攻撃する副部長を鬱陶しく思ったのか副支部長の方に向き直ると、頭部がまた発光。副支部長のいた地面が爆発し副支部長は大きく吹き飛ばされる。その隙に劉がバスターソードを振り下ろしアイテールの脚を攻撃するが向き直ったアイテールの突進を受けて吹き飛んでしまう。

(このままでは不利……)

私はタカシを少しはなれた場所まで移動させ解毒効果のあるアンプル、さらに回復薬をタカシに注入すると戦線に復帰するべくアイテールを射程距離に捕らえる。

すでに副支部長、劉共に肩で息をするボロボロの状態で、副支部長は方膝をついていたが私の姿を確認するとうつぶせに倒れこんでしまった。アイテールのほうは頭部、脚部の損壊が激しい。オラクル細胞は無限に再生し続ける細胞だが神機によってその再生を断ち切ることができる。結合崩壊――そう呼ばれているがアイテールの頭部と脚部は結合崩壊しているようだ。

「二人ともお待たせしました」

アイテールをキッと睨み付けその頭部に前進しながら連射開始、バレットが尽きるまで撃ちきる。リチャージに入ると神機を剣形態へこちらを認識したアイテールは突進を開始する。

(すれ違いざまに一太刀!)

剣を水平に構えて待つが、それを察したかのようにアイテールがジグザグと蛇行しながらこちらに接近。これではタイミングが合わせづらい!

「私を何度無視する」

私と接触する瞬間、横から入ってきた劉によってなぎ払うようにバスターソードがアイテールに叩き付けられ、意表を疲れたアイテールは横に吹き飛ばされる。

「今だ隊長」

「イヤアアアアアアッ!」

ダウンするアイテールにこれでもかと劉と共に刃を振り下ろす。恐らく体力的にも劉はこれで限界、私だけではこいつは倒せない。

――倒れろ!

――倒れろ!!

――倒れろ!!!

腕が悲鳴を上げるが切り続ける。そして遂に……

アイテールは大きくのけぞり動かなくなった。私は劉とアイコンタクトを交わすと劉はいつものように柔らかな顔に戻っていた。

「さぁ、副支部長の手当てをするアル」

「あなたも必要ですよ」

私たちはアイテールから離れたところに倒れてしまった副支部長の元に走りよる。

そう油断。それが背後で感じる強大な気配に気づくことを遅らせた。

地面に移る大きな影、情景反射で劉と振り返る。

アイテールが壊れかけの体で浮いている……その体の回りには今まさにレーザーを放たんとする球体が漂っている。

勝利の確信を得たかのようにアイテールが腕を前に出すと共にレーザーが放たれる。

すべてがスローモーションに見えた。

それでも体は動かなかった。

それでも私は、私の目だけは視界の端からレーザーよりも早く動く物体を捕らえていた。

黒い翼。しかしその翼の先は人の手のひらのようになっているこの翼の形……

人型アラガミ「シユウ」

その黒い翼はその硬い翼を丸めてレーザーをすべて防ぎきるとゆっくり振り返る。

「なん……で……」

黒い翼の持ち主はシユウでなく「タカシ」だった。




今回も読んでくださり感謝感激の至りでございます(´ω`*)
時間があるときはこうして素早く投稿していきたいですね。
今回はとても長くなってしまいましたため読みづらかったかもしれませんが臨場感を出したかったので少し冒険してみましたごめんなそーりーです。

いいとこで切りやがってーとか思ってもらえるとニヤニヤできるのでうれしいです。それでは次回にまたお会いできますように……
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