「うほ――!タラバガニとオマールエビの身がこんなにあるぜ」
虹の実捕獲から数日後、相も変わらず夏は猛獣達との死闘とうまい食材を探して森を探索している
「まさか海まで存在するなんてな~~~どういう環境なんだここは?もしかして海の向こうにも土地がある・・・な~~んて事はないよな?」
あり得ないであろう妄想を振り払い、カニの身、エビの身をもぎ取って行く
「これだけ取れば充分かな?では、帰る前につまみ食いを・・・・・うめぇ~~~!!」
持ってきたバック一杯になるまで身を詰めた後、生えているカニ、エビの身を食べる夏。すると、海から鮫が飛び出て来た
「何だこいつは?鮫?いやカニ?・・・・面倒だから、カニ鮫とでも名付けるか?」
その鮫はカニの足と爪を付けており、水陸両用の猛獣だった
「ついでだ、こいつも持ち帰って食べるか。ふふふ、晩飯はカニとエビの身、鮫の刺身、フカヒレの姿煮の魚介パーティだな」
カニ鮫は爪と牙をうまく使って夏を食べようと迫って行くが、夏はそれらを避けて足から噴出した炎で宙を飛び後ろに回り込む
「貰った!火竜の鉄拳!」
炎を纏わせた拳を叩き付けようとしたが、カニ鮫はカニ歩きで横に移動して夏の拳を躱した
「巨体の割に素早いなこいつ。なら、逃げ場をなくすだけだ。火竜の翼撃!」
夏はカニ鮫の逃げ場をなくすため囲うように炎を放出する
「今度こそ終わりだ!火竜の咢!!」
逃げられないカニ鮫の脳天に炎を纏わせた組んだ両手を振りおろし倒した
「気が付いて暴れないようにノッキングっと。・・・・完了、んじゃ帰るか」
カニ鮫にノッキングをした後、縄で縛り身の詰まったバックを背負い夏は帰路についた
「ん?やけに家が騒がしいな?」
家のある河原に辿りついた夏は家がにぎわっていることに気づいた
「ただいま~~・・・って、なんじゃこりゃ?」
夏が家に入るとそこには数日前に出会ったリアス、ルーシィ、グレイフィアがおり、その他にも沢山の人がいた
「あ!おかえりにゃ夏」
「お帰りなさい兄様」
「ただいま、黒歌、白音。所でこれはどういう状況だ?」
夏が二人に説明を求めると
「こんにちは君が夏君かい?」
紅髪の男性が話しかけてきた
「そうですけど・・・どちら様で?」
「自己紹介がまだだったね。私はサーゼクス・ルシファー。君が数日前に助けてくれたリアスの兄さ。こっちは僕の妻の・・・」
「サーシャ・グレモリーよ。リアスの無茶なお願い事を聞いてくれてありがとう。お蔭で素晴らしいパーティーになったわ」
「はぁ」
「へぇ~~~この子がリアスちゃんの言っていた子か。う~~ん結構カッコいいわね☆」
「あの貴方達は?」
「私はサーゼクスちゃんの友達でセラフォルー・レヴィアタンよ。気軽にレヴィアたんって呼んでね☆」
「私はアジュカ・ベルゼブブ。セラフォルーと同じでサーゼクスの親友だ」
魔法少女の服装をした女性と男性が夏に自己紹介をした
「後は私達だけですね。初めまして私の名前はレイラ・ハートフィリア、ルーシーの母親です」
「私はジュード・ハートフィリアだ。ルーシーが君に迷惑をかけたようで済まなかった」
最後にルーシーの両親が紹介をした
「いえいええ、二人にも言いましたが俺は虹の実を食べたかったから取りに行っただけですよ」
「ふふふ、そう言う事にしておこう」
夏の言葉を聞くとサーゼクスは笑みを浮かべて何かを納得した
「それで、今日は何の用でここに来たんです?お礼だけをしに来たわけじゃないんでしょ?」
「・・・何でそう思ったのかな?」
「う~~~~勘ですかね」
サーゼクスの問いに夏は正直に答える
「勘っか。・・・グレイフィアの言うとおり面白い子だね。君の言うとおり今日ここに来たのはリアスやルーシィちゃんを助けてくれたお礼の他に君に会いに来たんだよ。この森の猛獣にも負けない力を持っている君に興味があってね」
サーゼクスは夏をじっと見て言う
「なら手合わせでもしますか?」
夏が言うと
「危ないわ夏!お兄様は魔王、私達悪魔の中で一番強い存在なのよ!?」
話を聞いていたリアスが待ったをかけた
「へぇ~~そんな話を聞いちまったら余計燃えてきたぜ」
リアスの話を聞いた夏は好戦的な笑みを浮かべて手に炎を纏わせる
「ふふ・・・本当に面白い子だ。では手合わせをしよう。私に君の力を見せてくれ」
「これより、魔王サーゼクス・ルシファー様対龍宮夏様の試合を始めます。時間制限は無し、どちらかが倒れたら勝ち、それでよろしいですね?」
試合をすることになった夏とサーゼクスは家から少しばかり離れた場所に移動し、グレイフィアの審判の元、試合をすることにした
「それでは・・・始め!」
二人が頷いたのを見ると、グレイフィアは試合開始の合図を出した
「火竜の鉄拳!」
試合が始まると、夏は炎を推進力代わりにして一瞬でサーゼクスの懐に飛び込み炎の拳を叩き込むが、サーゼクスは体を少しずらして躱した
「火竜の鉤爪!砕牙!炎肘!」
蹴り、爪による薙ぎ払い、加速した拳などを繰り出し果敢に攻めていくが全て紙一重で躱されてしまう
「足元がお留守だよ?」
サーゼクスは夏の片足を払い、転倒させようとしたが、転ぶ前に両手を地面に置く
「火竜の転脚!」
そして、腕の力だけで跳ぶとそのまま回転しながら炎の蹴りを繰り出していく
「からの・・・火竜の咢!」
そして、手から放った炎を推進力代わりに使い一回転した後、組んだ両手を振り下ろした
「良い一撃だ!」
だが、その一撃をサーゼクスは片腕で受け止めた
「はぁ、はぁ、はぁ」
夏は荒い息を吐き、舌打ちをする
「これで終わりかい?なら今度はこちらから行くよ」
サーゼクスは大量の魔力球を作ると夏に向け時間差で放っていく
「火竜の・・・・咆哮!!」
大量の魔力球を避けるのは無理だと判断した夏は炎のブレスを吐いて打ち消そうとしたが、魔力球は炎を突き破り、夏に当たった
「(これが魔王・・・実力が違いすぎる)」
魔力球をくらい地面に倒れた夏は、サーゼクスとの実力差を感じた
「(だけど・・まだ、俺は戦える)」
傷付いた体でゆっくりと起き上がる夏。サーゼクスは攻撃をしないでそれをじっと見ている
「うらぁ!!」
立ち上がった夏は両手の平で火球を作り、サーゼクスに放つ。それに対し、サーゼクスは魔力を放って火球を打ち消し、反撃に移ろとした時、夏が掲げた右腕にある紋章が輝き、膨大な魔力が流れる
「集え!妖精に導かれし光の川よ。照らせ!邪なる牙を滅する為に!妖精の輝き(フェアリーグリッター)!!」
太陽、月、二つの光を集め濃縮されたエネルギーがサーゼクスを包み込んだ
「はぁ、はぁ・・・やったか?」
今の魔法で魔力殆どを消費した夏は息を荒げながら爆煙を見つめていると、服とマントがボロボロになった以外、無傷のサーゼクスが煙の中から歩いて出てきた
「マジかよ」
自身の持つ魔法の中で絶大な威力を持つ魔法でそれだけしかダメージを与えられなかったと知った夏はから笑いをしながら地面に倒れ込んだ
「・・・・・夏様が気を失ったことにより、この勝負、サーゼクス様の勝利をいたします」
倒れた夏に近づき気を失っているのを確認したグレイフィアはサーゼクスの勝利だと唱えた
『夏!』
「兄様!?」
試合が終わると観戦していた黒歌、リアス、ルーシィ、白音が夏に駆け寄る
「凄かったですね、あの子。服だけとはいえあなたにダメージを与えただなんて」
サーゼクスに歩み寄ったサーシャが思ったことを口にしていると
「サーゼクス、最後・・・本気になっただろう?」
「え!?本当なのサーゼクスちゃん!?」
試合を見ていたアジュカがサーゼクスに問いかけ、その話を聞いていたセラフォルーが驚いた表情でサーゼクスに尋ねた
「・・・あぁ。本気にならければ危なかった。アレはそれ程の力を要していたからね。だけど、全てを消し去ることは出来なかった。見てくれ」
セラフォルーの問いに答えた後、サーゼクスは片腕を3人に見せる。腕には焦げ跡が出来ていた
「まぁ」
「それに受けた瞬間、我々が苦手な光の力も感じた」
「妖精の輝き(フェアリーグリッター)・・・大魔法の一つです」
サーゼクス達が夏の放った魔法について考えていると、レイラが近づき魔法を伝えた
「太陽と月、二つの光を集め、濃縮させたエネルギーを放つ大魔法の一つ。話には聞いていましたが、まさかそれを扱えるものがいて、ルーシィが気になっている子だったなんて」
レイラも心配そうな顔で夏を見ているルーシィを見ながら言う
「それを言うなら私もです。本人は気づいていないでしょうがリアスは彼に惹かれている。そうでないと帰り間際に彼の頬にキス何てしないでしょうからね」
「サーゼクス、彼の事どうするつもりだい?」
「・・上層部には黙っていようと思う。このことを知ったら、上層部はどんな手を使ってでも彼を手に入れようとするだろうからね」
「だが、保険は必要だろ?」
「あぁ。彼を見守り、導くものが必要だ。本当なら私が残って彼にあれこれ指導したい所だが、仕事がおろそかになってしまう」
「それなら丁度いい子がいるわよ貴方」
話を聞いていたサーシャがサーゼクスに言う
「それは一体誰だいサーシャ?」
「それはね・・・・」
「は?グレイフィアさんをここに留まらせる?」
家に戻り、体力、魔力が回復した夏がサーゼクスの話を聞き気の抜けた声を上げる
「そう。この森で暮らすには子供3人だけじゃ心配でね。彼女は凄いよ、戦闘もそうだけど、炊事、洗濯、その他諸々完璧にこなすメイド。一家に一人は欲しい存在だ・・あた」
「人を物みたいに言わないでください」
いつの間にか持っていたハリセンでサーゼクスの頭を叩くと
「夏様、ご迷惑はおかけません。私がここに留まるのを認めてはくれないでしょうか?」
「どうする、二人とも?」
一人で判断することが出来なかった夏はそばにいた黒歌と白音に尋ねる
「夏の負担が少しでも減るにゃら私はOKにゃ」
「私もです」
「・・・それじゃあ、グレイフィアさん。これからよろしくお願いします」
「こちらこそお世話になります」
夏の了承の言葉にグレイフィアは笑みを浮かべてお辞儀をした
「良かったわねグレイフィアちゃん。貴方にもついに春が来たみたいで、お姉さん嬉しいわ」
「?何のことですかお姉さま?」
「ふふ、何でもないわ。その内、グレイフィアちゃんにも解る日が来るわ」
こうして、龍宮家に新しい家族、グレイフィア・ルキフグスが加わった。サーシャがグレイフィアに言った意味はどういう事なのか?それは言った本人しか知らない