「これはどうですか姉さま?」
「う~~ん白音はそっちよりこっちの方が似合うにゃ」
何処にでもあるデパートで白音と黒歌が服を見繕っている
「何でこうなった?」
その光景を見ながら夏は小さな声でつぶやいた。ことの八端は昨日の夜に遡る
龍宮家にメイドとしてやってきたグレイフィアを加えた夏達は何時もと変わらない日々を過ごしていた
「そう言えば、夏様達の服をあまり見ないのですが」
食事をしながら日中、炊事をしているグレイフィアが自身の思ったことを尋ねる
「最低限の数しか持ってないからな」
「私達のは自作だにゃ。この森には服にできる葉っぱとかがあるからにゃ」
「服が欲しいとは思わないのですか?」
「・・・欲しいですけどお金がありません」
グレイフィアの質問に白音が正直に答えた
「その事でしたら大丈夫です。お金ならありますので」
そう言うと、グレイフィアは貯金通帳を取り出し夏達に見せた
「通帳?これってグレイフィアさんのですか?」
「いえ、夏様の物です」
「ほんとだにゃここに龍宮夏って書いてあるにゃ。残高は・・・にゃ!?」
「・・・0がいっぱいあります」
「どういうこと?つーか、通帳なんか作った覚えないんだけど?」
身に覚えのない通帳と金額に夏が首を傾げていると
「私がサーゼクス様に頼んで作って貰いました。入っているお金は正真正銘、夏様がお稼ぎになったお金です」
「いや、金を稼いだ記憶が無いんだけど?」
「実は家の掃除してこのような物を見つけたのです」
グレイフィアは一冊の本を夏達に見せた。そこには猛獣捕獲レベル+換金高と書かれていた
「本の中身を見て、サーゼクス様に相談した所、この森の食材を本に書かれている通りの金額で買い取ると言ってくれました」
「だからここ最近、取った食材の一部を渡してくれって言ってたんですか」
グレイフィアの行動に納得がいった夏は、何も言えず、グレイフィアに感謝した
「俺も一つ質問良いですか?送った食材は一体誰が食べてるんですか?まさか、上級悪魔だけって言う訳じゃありませんよね?」
夏は真剣な表情でグレイフィアに尋ねる
「・・・食材を食べた上級貴族が食べる権利があるのは我々だけだと言いましたが、魔王様達の命令により、他の悪魔、一般人も食べれるように手配したそうです」
「そうですか、それならよかった。旨い物を食べるのに地位は関係ないですから」
「そうだにゃ~~おいしいものは皆で食べた方がいいにゃ」
「同感です」
夏の言葉に黒歌達も賛同する
「話がそれてしまいましたが、明日は3人の服を買うために人間に行きます」
「でもまさか、グレイフィアさんがあんな立派な家を持っていたなんて」
「姉が用意してくれたものですたが、使う機会が滅多になかったものであまり家具などはありませんけど。どうせでしたら人間界での滞在地にしましょうか?」
「いいんですか?」
「勿論です」
「だったら家具も用意しないといけないな」
「でしたら数日間は休暇と言う形で人間界に滞在してはいかがでしょうか?夏様は毎日、猛獣達と戦っています。少し休みをとっても問題ないかと」
「う~~ん、俺としては好きでやってることなんだけどな~~・・・グレイフィアさんがそう言うなら休むか。ってか、あいつ等は言ったどれだ買うつもりなんだ?」
夏は冷や汗をながらしながら籠一杯に入れられた服を入れている黒歌と白音を見る
「あ~~~暇だ」
人間界で数日間休養すると決めた翌日、夏はグレイフィアの家、改め第二の龍宮家のリビングで寝っころがっていた
「黒歌達はこの家で使う家具を買いに行ったからな~~・・・散歩でもしてくるか」
ゆっくりするようにと言われ、買い物に付いて行かなかった夏はすることが無いので街の散策をするために家を出た
「結構いい街見たいだな。っお、神社もあるのか。願掛けでもしていくか」
散策しながら街を散歩していた夏は神社を見つけ、丁度いいから賽銭でもしていこうと石段を上り社まで辿りつくと、何故か黒ずくめの集団とそれに襲われている母娘を見つけた
「何これ?」
何度目かによる同じような状況に夏は呆れを通り越して何も言えずにいると、一人の男が母娘に持っていた刀を振り下ろそうとしていた
「まず!!」
夏は素早く、炎を噴出して高速で移動し、振り下ろされた刀を歯で受け止めた
「はぶねぇ、はぶねぇ(あぶねぇ、あぶねぇ)」
「何故ここに子供がいる!?人払いの結界を張っていた筈だぞ」
男が驚いている中、夏は蹴りで男を吹き飛ばした
「どうします?」
「見られた以上、この子供もあの化け物と一緒に始末する」
「っぺ。化け物?誰が?」
歯で受け止めた刀を掃出し、夏は男達に聞いた
「ボウズの後ろにいる子供だ。その子供は我等人間の敵である堕天使と人間の間に生まれた子」
夏は男が指さす方を向く。指さされた子は母親の腕の中で振えていた
「化け物ねぇ・・・・俺にはどこにでもいる普通の女の子にしか見えないんだけどな」
夏は女の子を見て普通の子だと口にする
「っと言うより、堕天使ていう血が流れてるだけで化け物だ何ていうアンタらの頭の方がどうかしてると思うぜ?それに化け物っていうのはよ」
夏は刀を持つと口で刀身をかち割った
「俺のみたいなやつの事を言うんだよ。っと言う事でアンタらが言うこの化け物の力で俺はこの母娘を守る。ぶっ飛ばされたい奴からきな」
折れた刀を投げ捨て、夏は体から炎を放出させて男達を威嚇する。背後には赤い龍が見えた
「ひ、怯むな!相手は子供、一斉にかかるのだ!!」
『お、おぉおおおお!!』
リーダー格の男の一声で士気を取り戻した黒ずくめの集団は一斉に夏達に襲いかかる
「君、私達の事はいいから逃げて!!」
母親が夏に逃げるよう言う
「目の前で殺されそうになってる人を見捨てるほど腐ってませんよ。それに、ここで逃げたら死んでも死にきれない!」
夏は拳に炎を纏わせて構える
「火竜の飛拳!」
そして、拳を突き出すとともに巨大な拳の形をした炎を飛ばした
『うわぁああああ!?』
炎の拳がヒット、巻き起こった爆発で半数の黒ずくめの男達が吹き飛んだ
「火柱」
夏は地面に手を添えると、力を流し、残りの黒ずくめの集団の足元から炎を柱を噴出させた
「温いな、捕獲レベル1の猛獣の方がもう少し歯ごたえがある」
「す、凄い」
圧倒的な夏の力に母親が驚いていると
「がぁああああ!?」
空から雷が夏に落ちてきた
「この雷は・・まさか!?」
「朱璃、朱乃!!」
「貴方!?」
母親が驚いていると、空から黒翼を生やした男が降りてきた
「大丈夫だった・・・ごは!?」
男が母娘に近づき安否を確認しようとした矢先、男は夏に殴り飛ばされた
「行き成りに何しやがる!?この筋肉ダルマ!!」
「俺の雷光を受けて、まだ立てるとは。それによく見たらまだ子供ではないか」
大したダメージではなかったのか男は立ち上がり戦闘態勢にはいる
「だが、子供とは言え朱璃と朱乃を襲う奴なのであれば子供だろうと容赦はせん」
「何かよく解らないが売られた喧嘩は買うぞこら!!」
夏もさっきの雷で頭に血が上ったのか、迎撃態勢をとる。一触触発の状況で先に動いたのは
「やめなさいって言ってるでしょう!!」
「あがぁ!?」
意外にも助けた母親だった。母親は何処にあったのか手にした箒で男の頭を思いっきりはたいた
「(今の箒で叩いた音じゃないよな?)」
「な、何をするんだ朱璃?」
「黙りなさい!話も聞かず、いきなり私達を助けてくれた子に攻撃する人にはこうです」
そう言うと母親は箒で堕天使を何度も叩いて行く。よく見ると男は嬉しそうな顔で叩かれ、母親は笑顔で男を叩いている
「(子供のいる前でSMってどんだけ?ってか、よく見るとあの女の子顔を赤くしてないか?)」
夏と同じように二人のやり取りを見ている娘は何かに目覚めたように二人のやり取りを持ている
~そして30分後~
「改めて私達を助けてくれてありがとう」
男のある場所に刺さった箒をばっくに母親は夏にお礼を言った
「い、いえ(本当にさっきまであの堕天使?を笑顔で叩いていた人か?)」
「それとごめんなさいね、家の人がいきなり攻撃して。後できつ~~く言っておくから」
「(まだやるの!?)」
母親の発言に夏は軽く戦慄を感じた
「朱乃、貴方もお礼を言いなさい」
親の後ろに隠れていた女の子が前に出てくる
「た、助けてくれてありがとう。それと一つ聞いていい?」
「別にいいが?」
「・・・私の事怖くないの?」
「怖くないけど何で?」
「だって私、あの人たちに化け物って呼ばれてるから」
夏はさっき吹き飛ばした男達が言ったことを思い出す
「・・・・名前、何ていうんだ?」
「朱乃、姫島朱乃」
「朱乃か、いい名前だな。よ~く見ておけ」
女の子の名前を聞いた夏は、高揚した表情で倒れている堕天使の方を見ると
「火竜の・・・咆哮!!」
炎のブレスをぶちかまし、堕天使を黒焦げにした
「どうだ?俺の方がよっぽど化け物だろ?何せ口から炎を吐いたんだからな」
夏は驚いている朱乃を見て言う
「周りの奴らが何を言おうと無視してればいいんだよ。それにいつかきっと自分の事を理解してくれ、一緒に歩いてくれる奴が見つかる。現に俺は見つけることが出来た」
夏は黒歌と白音、グレイフィアの事を思い浮かべる
「それでも不安だって言うなら俺が一緒に歩く第一号になってやる。・・・しばらくここに居るからいつでも来ていいぞ」
夏は家の地図と電話番号を書いて朱乃に渡す
「じゃ~な~~」
朱乃に紙切れを渡すと夏は石段を降りて家へと帰って行った。家に帰ると黒歌達が家に戻っており、ボロボロになったのを見られ、状況の説明+説教を喰らった
因みにR-15場面はフェアリーテイルのアニメでそう言った場面で流れる効果音の思い浮かべてください