インフィニット・ストラトス ~神に抗った少年と少女の物語~   作:ぬっく~

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エレ姉さん「“焦熱世界・激痛の剣”の能力は『逃げ場の一切ない砲身状の結界に対象を封じ込め、内部を一分の隙間もなく焼き尽くす回避不能の絶対必中の攻撃を放つ』だ。劣等共よ、覚えておけ」


14話

「春名さん……」

 

簪は今起こった現象を理解出来ていなかった。

苦しみだした春名が何かの詠唱を唱えると漆黒のISを纏ったのだ。

そして、春名はそのまま防御壁のある方へと歩く。

 

「はる~! どこにいくの!?」

 

のほほさんもこの状況かで冷静にいられていなく。

それでも、春名は防御壁の前まで歩いた。

そこで、二人はとんでもない光景を目の当たりにする。

 

「「きゃぁぁぁ!!」」

 

春名は普通のISでは突破することが不可能な防御壁をいとも簡単に破壊したのだ。

それも、ただの拳で……。

爆風が収まる頃には、人が通れる程の穴が空いており、春名はそのままステージへと降りた。

 

「春名さん!!」

 

「はる~!!」

 

簪とのほほさんは後を追うも、そこで更なる光景を目の当たりにする。

 

 

    ◇

 

「織斑くん! 凰さん! 聞こえています!? もしもし! もしもし!!」

 

「落ち着け」

 

「ひゃうっ!?」

 

慌てる山田先生にデコピンを一発入れる。

 

「おっ……織斑先生……!」

 

そこには織斑先生がいた。

 

「つ……通信がきれちゃって。織斑くんと凰さんが……!!」

 

「ああ。本人がやると言っているのだから、やらせてみてもいいだろう」

 

「な……何を呑気なことを言っているんですか!? 早く救助に行かないと!」

 

普通なら山田先生の言う通りだが、状況はさらに悪かった。

 

「これを見ろ」

 

「え……」

 

織斑先生が指した物を見た山田先生は……

 

「こ……これは!」

 

それはアリーナの遮断シールドレベルだった。

 

「遮断シールドがレベル4に設定……ステージに通じる扉も全てロックされている。これでは二人を救助には行けない」

 

「まさか……あのISが……!?」

 

「だろうな」

 

状況は絶望的と言える状況かだった。

 

「シールドの解除を三年の精鋭たちに任せているが、あと何分かかるか分からない。政府に援助の連絡も入れたが……それもすぐには来ないだろう。しばらく二人には……持ちこたえてもらねばならない」

 

「そんな……」

 

「シールドの解除が済み次第、ステージに部隊を突入させる。部隊以外の教員は生徒たちを屋外に避難させるように。山田先生、全教員に連絡を」

 

「は……はい!」

 

山田先生は織斑先生の指示を受け、連絡に入る。

それと同時にセシリアが入出する。

 

「わたくしも突入隊に入れてください! お願いします!!」

 

「オルコットか……。お前は駄目だ」

 

しかし、返ってきた言葉は反対だった。

 

「な……なぜですか!?」

 

「お前のISは一体多向きだ。多対一ではむしろ邪魔になる」

 

「そんなことはありませんわ! このわたくしが邪魔だなどと……」

 

その時、アリーナ全体が揺れ出した。

すぐさま、織斑先生は確認すると一部の観客席に損傷と言う文字が出ていた。

 

「あいつら、しくじったのか」

 

その観客席を写した時、織斑先生の顔色が変わる。

そこに写っていたのは一機のIS。

漆黒のISが立っており、それはステージへと降り立った。

 

「なんで、あれがある……」

 

セシリア、山田先生は織斑先生の言葉の意味が解らなかった。

そして彼女らもそのISの戦いを見ていた。

 

 

    ◇

 

 

一夏と鈴も今起こった事が解らない。

遮断シールドを破って来たISを足止めする為と一夏と鈴は山田先生の指示を無視してまでステージに残ったもの、そこらのそう操縦者より強く、手を焼いていたがそんな中に更なる乱入者が現れたのだ。

突如、観客席の防御壁から爆発音がし、そこから漆黒のISを纏った操縦者が下りて来たのだ。

だが、一夏はそのISを知っていた。

 

「あれは……」

 

「一夏、あれを知っているの!?」

 

「ああ、あれは春名だ!」

 

「はぁ!? 嘘でしょ!?」

 

鈴は驚く。

それもその筈、代表候補生である鈴だからこそわかるのだから。

 

「企業所属でもない春名がなんでISを持っているのよ!?」

 

「そう言われても、俺にはわかないぞ」

 

そんな口論をしている内に侵入して来たISは春名を攻撃して来る。

遮断シールドを破る程の威力を持つ強力なビーム兵器を躊躇なく撃つ。

 

「春名!!」

 

一夏が叫ぶが、春名はそこから動くことは無かった。

しかし、そのビームを春名は()()()()()のだ。

 

「嘘だろ……」

 

一夏と鈴はその光景に目を疑うも、春名はゴーレムとの距離を一気に縮める。

勿論、ゴーレムもその間にビームを撃つが当たらない。

春名はゴーレムの目の前に来るとその拳を振り下ろす。

だが、ゴーレムはそれを回避する。

しかし、一夏たちは驚いた。

 

「鈴! 下がるぞ!!」

 

「う、うん!」

 

春名の拳が地面に当たるとそこを中心に地面が陥没したのだ。

地響きと振動が辺りを襲うも、春名はゴーレムを追撃する。

 

「なんだよ……あれ」

 

一夏は解らなかった。

漆黒のISを見るのはこれで二回目になるのに前回見たのとは全く違って見えたのだ。

ゴーレムが春名から距離を取ると、春名は追撃を止めた。

 

Echter als er schwur keiner Eide;(彼ほど真実に誓いを守った者はなく)

 

treuer als er hielt keiner Verträge;(彼ほど誠実に契約を守った者もなく)

 

lautrer als er liebte kein andrer:(彼ほど純粋に人を愛した者はいない)

 

und doch, alle Eide, alle Verträge,(だが彼ほど総ての誓いと総ての契約) die treueste Liebe trog keiner wie er(総ての愛を裏切った者もまたいない)

 

Wißt inr, wie das ward?(汝ら それが理解できるか)

 

Das Feuer, das mich verbrennt,(我を焦がすこの炎が) rein'ge vom Fluche den Ring!(総ての穢れと総ての不浄を祓い清める)

 

Ihr in der Flut löset auf,(祓いを及ぼし) und lauter bewahrt das lichte Gold,(穢れを流し熔かし解放して尊きものへ)

 

das euch zum Unheil geraubt.(至高の黄金として輝かせよう)

 

Denn der Götter Ende dämmert nun auf.(すでに神々の黄昏は始まったゆえに)

 

So - werf' ich den Brand in (我はこの荘厳なるヴァルハラを)Walhalls prangende Burg.(燃やし尽くす者となる)

 

Briah(創造)

 

Muspellzheimr Lævateinn(焦熱世界・激痛の剣)

 

春名が詠唱を唱え終えると同時にステージの地面に亀裂と灼熱の炎が噴き出す。

瞬時に危険と感じたゴーレム、一夏、鈴はすぐさまその場から逃げる。

しかし、周りは先程いたステージでなくなっており、それはまるで砲身の様な物だった。

 

「一夏あそこ!」

 

鈴が指した先に穴が空いていたが、それも徐々に閉じて初めていた。

一夏は鈴を抱え、その穴へと瞬時加速で突っ込んだ。

穴が閉じると同時に爆音が響く。

 

「春名!!」

 

一夏がアリーナの方に振り向き、妹の名前を叫ぶ。

爆音が止むと同時に砲身らしき物が無くなり、普通のステージへと戻っていた。

その中心には漆黒のISが立っており、ゴーレムの姿は何処にもなかった。

 

「春名さん!!」

 

アリーナの遮断シールドが強制的に解除され、生徒たちが外へと逃げる中、簪は打鉄弐式を展開して春名の元に近寄る。

それと同時に漆黒のISが解除され、春名が倒れ込む。

それを簪が抱き仕留める。

 

「春名さん! 春名さん!!」

 

その日は春名は目を覚ますことは無かった。

対抗戦も中止になるも、ゴーレムの正体、漆黒のISが何だったのかは解る事無く事件は闇に包まれてしまった。

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