インフィニット・ストラトス ~神に抗った少年と少女の物語~ 作:ぬっく~
“問題児たちが異世界から来るそうですよ?”
あれって、10話しかなかったのか!?
面白かったのにな~
対抗戦から数日がたった。
あのことがあったのに関わらずIS学園は平和だった。
しかし、一夏、鈴、簪、のほほさんを除いては……。
「…………」
一夏は春名の事について考えていた。
対抗戦の後、春名は保健室に運ばれたが、命に別状は無いとのことだった。
それとは別に知りたい事があって、一夏、鈴、簪、楯無は保健室に集まっていた。
さらに、山田先生と織斑先生までもが保健室に来ていた。
「対抗戦の報告ついでに教えてくだいますか?」
諸事情でIS学園を離れていた楯無が帰って最初の報告が対抗戦に所属不明のISが侵入。
しかもそれを倒したのはあの春名だと言うことで楯無は織斑先生を問い詰める。
「ああ、いいだろう。お前たちも知る権利はあるからな」
のほほさんと楯無を除けば、ここいたメンバーは漆黒のISを見ている。
そして、その正体が春名であることも。
「ただし、他言無用だ。山田くんもだ」
「「「「はい」」」」
「わかりました」
全員の承諾を得た織斑先生は春名の寝るベットに腰を下ろす。
そして、自分の知っている事を全て話す。
「最初に言っとく、春名は人ではない」
その言葉に一同は驚いた顔をする。
それでも織斑先生は続ける。
「ドイツに帰ってきたついでに私の腐れ縁に春名の調査を頼んだ。しかし、結果は惨敗。生まれなどの経歴は一切不明。あの漆黒のISの行方も不明だった」
織斑先生はそっと春名の頭を撫でる。
「だが、一つだけわかったことがあったのだ」
「それは……」
楯無は恐る恐るそれを尋ねる。
「春名には人体では決して使われない物が含まれていたのだ。それもある物しか使われなかった……」
次に放たれた言葉は予想を超える物だった。
「春名の皮膚、骨、筋肉、内臓、それら全てが“ナノマテリアル”だと言う事が分かったのだ」
◇
楯無は春名の正体を聞いた時から頭を悩ませていた。
あの“ナノマテリアル”が目の前にあるって事だった。
「あの夢のナノマテリアルで完全な人間を作ることって可能なの……?」
ナノマテリアル。
IS武器から装甲と何でも再現できると言う事で多く学者はそれを使ったIS開発が行なわれた。
しかし、ここでナノマテリアルの欠点につき当てってしまったのだ。
ナノマテリアルナノマテリアルは状態維持の為に常時演算が必要であり、ハイパーコンピュータなみの演算処理が必要であったのだ。
IS自身でこれを行なえば問題はないが、それだとIS自身の基本装備にかかる演算が処理できないのだ。
つまりナノマテリアルで形が出来た張りぼて機体の完成と言う訳だ。
それでは駄目と学者は色んな手この手を使うも……儚い夢で終わってしまった。
以降、ナノマテリアルを使った開発は完全衰退、ナノマテリアルもお蔵入りとなってしまった。
だが、そのナノマテリアルが人型となって姿を現したのだ。
「あの漆黒のISが従来のISを超える演算処理できていると言うの?」
春名の正体の後に漆黒のISについて話されたが、それに関しては我々更識家が知っているのと全く変われなかった。
待機状態を所持していなかった春名がISを使用すると言う事と……漆黒のIS。
この二つは共通している。
◇
簪もまた春名の事を考えていた。
織斑先生から春名の正体を聞かされた時は、驚いてしまった。
人のように体温、脈、感触すらあったのに、それら全てが作り物。
簪自身にとっては信じたくない真実。
だからこそ……
「今度は……私が、春名さんを守る」
ナノマテリアルの事については知っていたので、もしこれが外部にもれれば大変な事になる。
助けてもらってばかりだったからこそ、簪は心から春名を守ることを誓ったのだ。
◇
対抗戦から二日に春名は目覚めるも、頭を押さえる。
変わった詠唱を唱えた後からの記憶が無く、何かの使命だけが頭の中に残っていたのだ。
“織斑一夏を■■■!!”
様子を見に来た織斑先生に会うも、どうしたらいいのか分からなかったが、その日は「ゆっくり休め」と特別に授業を休む許可を貰う。
「わかりました……」
春名はそのまま寮へと足を運び、自室に入ってすぐに寝た。