インフィニット・ストラトス ~神に抗った少年と少女の物語~ 作:ぬっく~
世界は実につまらない……ルールの無いゲームはゴミだと一度目の人生で私は実感した。
ただただ、時間が過ぎる毎日……自分が望んでいない職場……格安セールを買って一人部屋で食べる日々……実につまらない。
世界とは理不尽の塊なのだ。
そして、私はその理不尽に殺された。
(ああ……本当につまらない終わり方だね)
目の前には、猛スピードで向かって来るトラック。
テンプレの終わり方にしては、実に珍しい。
そんなことを考えながら私はトラックに接触し、跳ねられた。
身体は宙を舞い、道端に叩きつけられる。
真っ赤な液体が流れ、同時に温もりが冷めていく。
周りも騒がしくなっていくが、徐々に聞こえなくなっていく。
(でも……、これで終われる……)
「なら、その命。私に頂戴」
突如、聞こえた言葉に私は振り向く。
そこにいたのは、白いワンピースを着た緑色のロングヘアーの女性が立っていた。
「誰ですか……」
「聖槍十三柱、白円卓。第七位のアテナよ」
緑髪の女性はそう名乗る。
よく見れば周りは今さっきいた道端ではなく、真っ白な空間だった。
「では、アテナ。何故私の魂が欲しいのですか?」
「いきなり呼び捨てとはいい度胸ね……。いいわ、教えてあげる。実験をするからよ」
「実験……」
「では、ここで問題。主人公を殺したら世界はどうなるでしょう?」
「世界が崩壊する」
「一般的な答えとしてはそうなるね……でも、本当にそうなるのかな?」
アテナは私の周囲を歩きながら話を進める。
その内容は禁忌と呼ばれるものだった。
「そこで、私は考えたのだ。君にその世界の主人公を殺してもらい、世界はとうなるのか」
「私が了承すると思う?」
「うん、しないね。でも……」
「っ!?」
いきなりアテナは私の首を掴む。
しかも、女性とは思えない程の力で掴まれ、足掻くこともできない。
「今君がこうして形を保てるのは、私が居るお陰なのよ……」
見た目とは裏腹にアテナは恐ろしい顔を私の前に見せる。
「もう、君は私の実験の為の玩具でしかないのさ♪ 解ったなら……ボロボロに成るまで私の実験体になりなさい!!」
そう言ってアテナは私を手放す。
私は今までの中で最も恐ろしい存在に目をつけられてしまったのだと理解する。
「さて、そうと決まれば早速始めましょう」
アテナは空中に投影された何かの端末をいじり始める。
「君が行く世界にして、最初の実験場所……」
そこに写っていたのは一人の少年。
私はその少年が誰なのか知っていた。
「インフィニット・ストラトス。織斑一夏を殺して来なさい」
私の数少ない好きな作品の一つ。
その世界をアテナは私に壊せと命じる。
「さて、まずはその世界で活動出来る様にと改造しなくちゃね♪ ポチッとな♪」
アテナは何かのボタンを押すと、私の身体は光に包まれる。
光が晴れる頃には私は死ぬ前の服……髪型髪色までもが変わっていた。
「さて、頑張って殺して来てね♪」
私の足元に大きな穴が開き、そのまま落ちた。
◇
重力に従っているのか、解らないけど私は落ちている。
落ちている先に光が見え、それを抜けると町と雲が見えた。
「え?」
放り出された先は空の上で今現在スカイダイビング状態で私は落下している。
もちろん、パラシュートなどと言う装備などない。
「いやぁぁぁぁぁぁ!!!」
人生初のスカイダイビングに私は叫ぶことしかできず……そのまま、どこかの倉庫に落ちた。
それが、運が良かったのか悪かったのかが解らないが……私は一人の少年に出会った。