インフィニット・ストラトス ~神に抗った少年と少女の物語~ 作:ぬっく~
前の話を修正しましたので、前話から読むといいかもしれません
春名は深い闇へと沈んでいく。
(駄目……これ以上沈んだら……)
戻れなくなってしまう。
どうにかして、上へと上がろうするが、一方に進めない。
まるで、何かに引き寄せられているかのように。
「うっ!?」
突如、頭の中に何かが入り込んでくる。
『エラー。システムに異常を確認。再構築を開始。オールグリーン』
(何……これ……)
解らなかった。
突如、頭の中に流れるメッセージ。
『抹殺対象―――』
抹殺対象……?
そうだ、私は―――誰かを殺す為に送られて来たんだ。
『織斑一夏。速やかに実行せよ』
そうだった。
私は織斑一夏を殺す為に生まれたんだったけ……
どうしてだっけ? 解らない。思い出せない。
それだけを残して、春名は目覚める。
「織斑一夏を……殺す」
不完全な状態で目覚めた春名。
その牙がもうじき一夏に襲いかかるのは、そう遠くなかった。
◇
六月も終わりに入り、IS学園は学年別トーナメント一色にと変わる。その荒ただしさは予想よりも遥かに凄く、今こうして第一試合が始まる直前まで、全生徒が雑務や会場の整理、来賓の誘導を行っている。
「ひゃーすごい人出だよ!」
「学園外の人も沢山きてるね……」
更衣室のモニターから観客席の様子を見る。そこには各国の政府関係者、研究所員、企業エージェント、その他諸々の顔ぶれが一堂に会していた。
「そりゃあ企業にとっても大事なイベントだからね」
「黛先輩」
「有能な三年を見極めてスカウトしたり、援助している生徒の成長を確認する為に、色んな国・企業の人間が集まるのよ」
「へ~……」
「うう……なんか緊張してきた……」
「そういえば先輩はどうしてこんな所に?」
「それは勿論! 今話題のドイツの候補生の試合前インタビューをする為よ! まぁ、速攻で一蹴されたんだけどね……」
「……はぁ……」
「先輩はどなたとペアを組んだんですか?」
「私? 私はねぇ……」
「(私は焦ってばかりいる。一夏とのこと……候補生でも無い自分のこと……)」
箒は静かにまぶたを閉じながら、その心中は穏やかではなかった。
「(こんな有様で……今度こそ強さを見誤らず、勝つことは出来るだろうか……)」
ペア参加へと、箒はどうやって一夏を誘うかを考えていたらいつの間にか夜になっていた。
せめて日付が変わる前にと部屋を訪れると、待っていたのは知らない女が出て来たのだ。
その後、一夏の客だと分かると、彼女は奥に行ってしまい、その後に一夏が出て来る。
箒に返って来たのは「もうペアは組んでしまったぞ」という返事だった。
「あっ、対戦表発表されるみたいだよ!」
それからは、締め切り当日になってしまい、ペア抽選になってしまった。
「(パートナーがいない生徒は、当日に抽選で組決めされる。良いパートナーに恵まれるといいのだが……)」
このペア抽選の当たりは、シャルル・デュノアだ。
シャルルのペア決めで戦争が起こるってことで、生徒会長権限により、抽選で決めることになったのだ。
なので、例年よりもペア登録しなかった生徒が多数出てしまった。
「なっ……!?」
出て来た文字を見て、箒は声をあげた。
一回戦の対戦相手は一夏、シャルルのペアだったのだ。
「これはいい」
異様な気配を感じ取った箒は後ろを振り向く。
「手間が省けた」
「……ラウラ・ボーデヴィッヒ…」
◇
「一回戦目からか……これは、いいかもね」
春名は会場の外にいた。
殆どの生徒は既に会場に入ってしまって、外にいるのは春名一人だけ。
「たく、
春名はそう言い残して、会場に入場する。
そして、生徒の誰も来れないアリーナの上に座った。
それと同時に目的の試合が始まる。
一夏とラウラの試合は原作通りにことが進み、一夏がラウラを救出したと同時に春名は―――
「
その瞬間、一夏と春名を除く、全てが―――
「
消えた。