インフィニット・ストラトス ~神に抗った少年と少女の物語~   作:ぬっく~

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1話

俺は夢でも見ているのだろうか……。

突如、空から少女が落ちて来たのだ。

 

「なんだ!?」

 

外にいた大人たちは墜落音を聞き、俺たちのいる倉庫に入ってくる。

 

「う……いたたた……」

 

赤髪の少女はゆっくりと立ち上がる。

俺とさほど年齢差がない赤髪の少女は天上に空いた穴から入る光に当てられ一種の芸術作品へと変わり、俺は言葉を漏らさずにはいられなかった。

 

「綺麗だぁ……」

 

その言葉は少女に届いたのか解らないけど、俺は率直な感想を言ってしまった。

 

「ん? あれ、もしかして織斑一夏くんかな?」

 

「あ、はい……」

 

赤髪の少女は俺の存在に気付くが、その前に厄介ごとがあった。

 

Ich differents, die(貴様何者だぁ)!!」

 

そう。丁度目的の人物が誘拐されていた所に落ちて来たのだ。

少女はそのまま大人たちの方に振り向き、何かを唱え始める。

 

 

    ◇

 

 

(誘拐現場とは……何か仕組まれた感じがする……)

 

私は落ちて来たことよりも、この現場、この場所に凄く違和感を感じていた。

そして、私はアテナの実験などに参加するつもりもない。

しかし、そんなことを考えていた時、私は何かを唱えていた。

 

In der Nacht, wo alles schläft(ものみな眠る小夜中に)

 

解らなかった。

 

Wie schön, den Meeresboden zu verlassen.(水底を離るることぞ嬉しけれ)

 

私は大人たちを見た瞬間、知らない詠唱を唱えていた。

 

Ich hebe den Kopf über das Wasser,(水のおもてを頭もて)

 

だけど、これだけは解る。

 

Welch Freude, das Spiel der Wasserwellen(波立て遊ぶぞ楽しけれ)

 

これは……危険なものだと。

 

Durch die nun zerbrochene Stille,(澄める大気をふるわせて)

 

詠唱を唱えるにづれ、違和感を感じた。

 

Pechschwarzes Haar wirbelt im Wind(緑なす濡れ髪うちふるい)

 

特に私が……。

 

Welch Freude, sie trocknen zu sehen.(乾かし遊ぶぞ楽しけれ)

 

そして、その違和感の正体は……。

 

Briah――(創造)

 

ISだった。

 

Csejte Ungarn Nachtzehrer(拷問城の食人影)

 

唱え終えると同時に赤髪の少女は黒と赤を基調とした全身装甲のISを纏っていた。

それだけではなく、大人たちにも変化があった。

 

Kontakt, Neffe(お、おい)……」

 

Ist, dass wenn beispiels(これは、どう言うことだよ)……」

 

cunbeweglich(動けねぇ)……」

 

全身装甲のISから伸びた影が大人たちを縛っていたことは誰も知らなかった。

展開した当本人すらも。

さらに、その影が揺れると何かが這い出てくる。

 

Wenn, wenn, monster(ば、ば、化け物)……」

 

(ダメぇ!! それはダメぇ……やめてぇぇぇ!!!)

 

私の意思とは関係なく影の怪物は無抵抗な大人たちに襲いかかった。

その出来事はあっと言う間のことだった。

 

 

    ◇

 

 

俺は解らなかった。

瓦礫の山のせいで見ることは出来なかったが、血の臭いと大人たちの悲鳴が響き渡る。

悲鳴が止むと赤髪の少女はこちらに振り向く。

そして、腰に着けらていたブレードを抜く。

俺は一瞬解らなかったが、脳内ではアラームが鳴り響いていた。

これは、危険だと。

赤髪の少女は俺に向かってブレードを振り下ろした。

 

「一夏ぁぁぁ!!!」

 

後方からの声により俺に振り下ろされたブレードが一歩手前で止まる。

 

「一夏ぁ!! 無j……うっ!?」

 

千冬は倉庫から臭う血の臭いに口を塞ぐ。

地面一帯には夥しい血の後が広がっているが、その本体が存在しない。

 

(なんだ……これは……)

 

暮桜のハイパーセンサーには二つの生態反応をキャッチしていた。

 

「(今は一夏だぁ……)一夏ぁ!!」

 

千冬は倉庫の中で一箇所だけ照らされている場所に目が止まると同時にある場面に遭遇した。

一夏の頭すれすれにブレードが振り下ろされたのだ。

 

「貴様ぁ!! 何をしている!!」

 

千冬の激怒と同時に瞬時加速で全身装甲のISに襲いかかる。

あまりの速さに対応出来ず、千冬の凪ぎ払いをまともに受け、そのまま倉庫壁を突き破り外へと吹き飛ばされた。

 

「一夏……何ともないか!?」

 

「ち、千冬姉……」

 

千冬は一夏の無事を確認したのち、優しく抱きしめる。

その後、ドイツ軍の到着と同時にこの誘拐事件は幕を閉じた。

あることを除いて……。

 

 

 

 

千冬が凪ぎ払いで外へと吹き飛ばされた全身装甲のISはなく、一人の少女が倒れていたらしい。

すぐさま、ドイツ軍の病院に運ばれるが……。

 

「ここは……」

 

「気が付いたか……」

 

少女は身を起こそうとするが出来なかった。

手首に手錠がされていたのだ。

 

「では、最初の質問だ。お前は何者だ?」

 

「私は……」

 

しかし、その質問に帰って来た答えは……。

 

「誰なんですか?」

 

少女は記憶を失ってしまったのだ。

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