日の光が遠い闇の中、俺たちは出撃した。
本来提督である俺自身が戦闘の最前線にでるなど前例のないことだが、敵にも前例のないやつがいることだし、まぁお互いさまといったとこだろう。
今回の作戦は表向きには殲滅作戦だが俺たちの目的はただ1つのみ...
夕立と思われる深海凄艦の捕獲。アイツは俺の知っている夕立に違いない、見た目もさして変りがあるわけでもなかった。喋り方もカタコトだったがあの特徴的な喋り方間違いない。
確かにアイツは作戦中に敵の手によって沈められた...だが、アイツは深海凄艦になって俺たちの前にまた姿を現した。
後悔は振り返っても始まらない、夕立を深海凄艦の手から取り戻す!これは俺に訪れた懺悔のチャンスなのかもしれない。
「空が明るくなってきたな、もうすぐ日が昇る。そのころにはどこから敵機がきてもおかしくなんかないな」
「提督、このあたりで待っていてくれないかな?本当に前線なんかに来たらいくらなんでも砲弾、爆撃機から守れるって約束できない。これはぼくたちの総意だよ」
「だけどこんなとこに俺一人いて待っていたとして、安全が確認できて俺を向かいに来るなんて面倒だろ?どうせここまで来たんだ、だったら時雨たちの戦いを見せてもらうよ」
「だけど...」
「時雨、言うだけ無駄だ」
「長門...だけれど!」
「言ったって聴かない、そんなの私たちみなとおの昔から知っていることだろう?」
「まぁそうだけどみんなだって提督のことが心配でしょ?なら説得するのを手伝ってよ」
「時雨そこまで心配しているのはたぶんお前だけだと思うぞ?」
「!?」
「言ったら聴かないそんなこと知ってます、説得に時間をかけるのなら索敵機を出しますよ(にこっ♪)」
「赤城...ちょっとひどくないかな?」
「赤城さんに同感ね、バカにかまっているいる暇があるなら索敵機を出すほうが得策ね」
「加賀さん、バカって俺のことかな...?」
「あら、あなた以外に誰がいて?」
「うっ...なにも言い返せねぇ」
「テイトクはバカじゃないデース!ちょっと思考回路がオカシイだけデース♪」
「金剛それ俺のことフォローしてるつもりなのか、罵っているのか...」
「能代...提督は...いい人です」
「え、なんか傷ついたよ?能代だけは味方だと思っていたのに!もうちょっとほめてよ~」
「え、無理ですよ、だって金剛さんの言った通りじゃないですか? クスッ♪」
「えぇ~みんなひどいなぁ」
『あははは~ ひでぇなぁ~』
「ほらみんなこの通りだ、時雨もわかっただろう?」
「提督、意外としたわれてなかったの?」
「したっていないわけじゃない、信頼、友情、愛情、なにより提督は私たち艦娘のことを兵器だと一度でも思ったことなどないんだろう。私たちの提督はほかの提督と違う、私たちを一人の人間として見てくれている。だから今回の作戦も一人の人間いや、一人の家族を助けたいと強く思っているはずだ」
「...」
「私たちなどより時雨や夕立なんかはより特別なはずだ。それは時雨、お前が一番理解しているんじゃないのか?その指輪がなによりの証拠じゃないか?」
「確かにぼくは提督に一人の人間として認めてくれて、他のみんなよりも特別だと言ってくれた。だけどそこには夕立もいたとぼくは思うんだ」
「結果はどうあれ時雨は提督に選ばれたんだ。お前は選ばれたんだよ、本来夕立もいたとしてもお前の立場は変わらない二人同じ愛情をそそいでくれるはずだ。あの人はそういう人だろ?」
「そうだね、提督がぼくを信用しているのにぼくは信用しているようで信用していなかったわけだ。ありがとう長門」
「なにどうということはない。さぁ提督のもとに行ってやれ、そしてお前もちゃんと信用していることを伝えてやれ」
「うん!」
ぼくは愚かだった、ぼくが信頼していなかった。分かっているようでわかっていなかったんだ、ちゃんと思ってくれている人がいる。ちゃんと見てくれている。帰りを待ってくれる人がいる。
ぼくはそれに答えてあげなくちゃいけなかったんだ。
みんなもいる、周りが助けてくれる。ぼくは一人で抱え込み過ぎていたみたいだったんだね。周りが見えなくなってもみんながそれを教えてくれて助けてくれる。ぼくは一人なんかじゃないんだ。なに勘違いしたんだろうなぁ。
さて行こうかな、ぼくを思う大切な人のところに...
「空が明るくなってきたなぁ、今はこうして戦争なんかしているのが嘘みたいな空間だったがこのまま日が昇ったらそうはいかなくなるんだな...
俺なみんなの前じゃ言えないけど時雨の前でなら言える。みんなの前じゃいつも通りに話していられたけど、分かるか?」
見ると提督は足が震えているようだね
「笑っちゃうだろ?怖くて震えてんだな。いつもなら部屋で帰りを待っているだけの俺がこうして戦場に実際来てみたらこのざまだ。戦場がいったいどんなものなのか映像と資料でしか見たことがなかったんだ。いざこれから目の前が戦場になるって考えただけでこれだよ。時雨たちはいつもこんな怖い場所に来てるんだな」
「そうだね、最初は誰だって怖いのが戦場ってものだよ、でもねそれに慣れてしまった自分自身がちょっといやかな」
「慣れか...慣れってもんは本当に怖いもんだよな、普通じゃない場所がいつの間にか普通になっている、それも慣れのせいなんだよな、でもそれに慣れないといけないときって絶対にあるんだよな。
それが今だ思う」
「うん、慣れは怖いものだけどその慣れのおかげでぼくたちは今をこうして生きていることができるんだ。それで一つ気づくことができたんだ」
「なんだ?」
「ぼくは、いや、ぼくたちは誰かの支えがあって生きていること出来るってこと。今まで普通過ぎて気づいていたと思っていたことが気づけてなかった。
一人で悩み続けていることも多かった。でもその悩みを打ち払うことができたのはここにいるみんなのおかげなんだ。今はいないけど夕立はたぶんこのことに気付いていたんだと思う。だって夕立はなんだかんだで周りの人に気遣うっていうか周りの人を笑顔にしていたと思わないかい?」
「そういえば俺がため息なんかついて悩んでいたり落ち込んでいた時気づいたら夕立がそばにいてうるさいほど元気でいつの間にか落ち込んでいたことなんてすっかり忘れていたってことも多かったな。あと新人の子たちが入ってきたときとか真っ先に打ち解けて仲良くしていたなぁ」
「ほらね、思い返せばいくらでも心当たりがあるでしょ?ぼくも提督も気づかないうちに夕立に笑顔にされていたんだよ。そんな夕立は今はいない。
だからか分からないけど、今のぼくと提督は前みたいに笑顔とか少ないでしょ?基地全体もあまり良い雰囲気でもなかった。」
「それには俺にも責任がある。俺が思い詰めていたから基地にいるみんなに迷惑もかけたし暗い気持ちにさせてしまったかもしないそれに...」
「なぁにそんなことはないぞ提督よ!」
「長門?」
「提督のせいで暗くなっていたわけではない。むしろ私たちは暗い気持ちになったつもりもない。暗い気持ちというのは提督が周りを見ていなかった、見えていなかったからではないか?」
「そうか、俺は周りが見えなくなってしまったのか」
「だが決して気に病むことは無い。一人の大切な仲間を失ったのだ。それで落ち込まなかったりしないやつはむしろ私が主砲を一発お見舞いしてやる!
なんてな、だが提督はそんな輩ではないだろ?現にこうして落ち込み、失った仲間が戻ってくるかもと一途の可能性を知った提督は前線まで来てしまっている。私の知っている限りそんなことしている提督など貴方が初めてだ」
「......」
「だからそんなに肩を落とすことは無い。夕立を救出し元の私たちのいた基地に戻ろうではないか?」
「そうだな...俺たちの目的は深海凄艦と化した夕立を捕獲救出し他の深海凄艦どもを蹴散らし昔の俺たちをとりもどそうじゃないか!」
「それでこそ私たちの提督だ」
「長門ありがとう、他のみんなもありがとう!」
「ねぇ提督?」
「何だ時雨」
「あっちの太陽の上っているほうちょっとみてくれないかな?みんなも一緒にみてくれるかい?」
『なんだ?』
「‼‼」
「あれはまさか...」
『深海凄艦群‼』
「そう、それも周りの海を囲むようにいる。そして敵は普通の敵じゃない」
「夕立...」
『又会えタネミンナ。ワタシトッテモ嬉シイッポイヨ 』
「全員戦闘配置!」
『サァ、素敵ナパーティーヲ始メマショウ?♪』
どうもお久しぶりですマキシマでございます。
本来なら全三部で完結予定だったのですが、文字数が多くなりそうなので四部にしようかと思いまして中途半端になってしまいましたが終わらせてしまいました。スイマセンm(__)m
この後の流れとしては
戦 闘
↓
会 話
↓
新たな始まり
みたいになるかと思います。
作成も途中途中、中断しながらの作業でしたのでなにかおかしい点などあるかもしれません。その場合は見つけ次第自分のほうでも直しますが他に分かってくれた方などいましたら私のほうにご報告してくださりましたら幸いです。
また、辛口の意見や感想などありましたら感想の欄に書いていただけましたら嬉しいです(´艸`*)
今後のこのssをよろしくお願いします!