オリキャラは全て男のみという、非常に男臭いお話になってます^^;
二人は、馴染みの居酒屋へ到着し、勢い良く戸を開けた。
「こんばんは、おやっさん」
「おお、祐助と慶治か、いらっしゃい」
「カウンター良いですか?」
「ああ、構わないから座りな」
「それじゃ…、いつもの肴を頼みますよ」
「今日は、冷でつけて下さい」
「あいよ!」
二人から注文を受けた店主が、早速調理に入った。
「いらっしゃいませ!」
すると、横から元気良い声が響いた。
「よう、ヒデ!」
「元気にやってるか?」
「祐助さんに慶治さん!ご無沙汰してます!」
二人にヒデと呼ばれた男の名は、『秋山秀嗣』
半年程前に幻想入りをした、二十歳を少し過ぎた青年である。
祐助は、幻想郷の事や妖怪との接し方等、此処で住むためのイロハを彼に教えたのだ。
また、住む所の無い秀嗣に自宅の空き部屋を提供したり、馴染みであるこの店を斡旋したのも彼であった。
「元気そうで何よりだ」
「はい、親方にも良くして貰ってますし、毎日楽しいです!」
「そうか、そう言ってくれりゃ、紹介した甲斐があったってもんだ」
「本当に、祐助さんには何とお礼を言うべきか…」
3人が雑談していると、店主が声を掛けた。
「ヒデ、喋ってないで仕事しな! ほら、上がったぞ」
「はいっ!すみません!」
ヒデは、出来上がった酒と肴を持ち、2人の元へ持って行った。
「お待ちどう様です」
「サンキュー」
「俺に、注がせて下さい」
「おう、悪いな」
そう言って、ヒデは祐助のお猪口に酒を注いだ。
「慶治さんもどうぞ!」
「ありがとよ」
そして、慶治にも注いだ。
「後はお願いします」
「はいよ」
青年は厨房の方へと入って行った。
その後、店主を含めた4人が酒を交わしながら世間話をしていた。
「…それにしても祐助よぉ、あんまり皆に心配掛けちゃいかんぜよ?」
「何の話ですか、おやっさん?」
「昼間の事よ、妖怪を残滅したんだって?」
「祐さん、またやったんですか?」
「祐助さん、強すぎっすよ」
「またって…、副業をこなしたまでよ……ってか、誰から聞いたんですか?」
「こういう商売をしてると、自然と耳に入って来るものよ」
「わざわざご忠告ありがとうございます。 でも、あんなの大したことでは無いですよ」
「そりゃ、祐さんなら大したこと無いだろうけど、里の人は結構心配してるんですよ?」
「お前は、親父さん以外に家族が居ないから、やりたい放題なんだろうが、その度にやきもきしてる人間が居ることを忘れるなよ?」
「そういうおやっさんだって、昔は上級妖怪相手に、大立ち回りを繰り広げたっていうじゃないですか」
「ああ、聞いたことあるよそれ。あの博麗の巫女も真っ青な立ち回りだったらしいですね」
「止めてくれ、もう昔の話だ…。あれは、若気の至りというか…」
「まあとにかく二人とも、俺は大丈夫たから。しかしなあ慶治…」
そこから、祐助の目つきが変わる。
「お前は、そういう事を言える立場なのか?」
「そ、それは…」
「今でこそ、酒井の家は鍛冶職人で名を馳せているが、元は俺の家系と同じ、同業者だろうが」
「うっ……」
「お前もしっかりしてくれなきゃ、いざって時にヤバいぞ?」
「俺は大丈夫ですよ…、普段から鍛冶で鍛えてますから…」
「本当か?力任せだけじゃ、退治は出来ないぞ? まだ、ちゃんと呪術は使えるのか?今度テストするぞ」
「えぇぇぇっ!?」
「祐助さん…、俺には話が見えないんですけど…」
話の内容が分からず、秀嗣は祐助に尋ねる。
「そうか…、そう言えば君にはまだ話していなかったかな?
俺が猟師だって事はご承知の通りだが、本来、近藤の家系は猟師じゃないんだ」
「えっ!? 猟師じゃない? じゃあ…」
祐助は、懐から取り出した煙管に葉を詰め、マッチで火をつけながら言う。
「近藤の家の本来の姿、それは…」
「妖怪退治を生業にする家系なんだ」
「よ、妖怪退治ですか!?」
「そう、俺はその末裔なんだ」
「それは知らなかった…」
「そして、此処にいる酒井慶治も、元々は妖怪退治を生業にしていた、酒井一族の末裔なんだよ」
「そ、そうなんですか、親方?」
「ああ、かつてはこの幻想郷で、それなりに名を馳せた妖怪退治の達人、外の世界で言えば、『スペシャリスト』だな」
「まあ、達人とは言っても、結局は博麗の巫女には敵いませんでしたけどね」
「博麗の巫女は、格が違い過ぎますよ…」
店主の話に、二人は苦笑いをしていた。
「へぇ…、てっきり妖怪退治は博麗の巫女の専売特許だと思ってましたが…」
「確かに、今ではそうなってるが、かつては俺達の出番も、それなりに多かったんだぜ?」
「今の様な状況になったのは、やっぱりスペルカードルールが制定されたのが大きいな」
「良く言えば、そのおかげで幻想郷は昔より平和になったし、悪く言えば博麗の巫女以外で妖怪退治を生業していたヤツらの技術は、急激に廃れていったのさ」
「な、なるほど…」
「本来は殺し合いの決闘が、スペルカードルールによって遊び感覚で出来るようになったんだから、平和にもなるだろう」
「特に、霧雨さんとこの娘は、それを大いに活用してるみたいですよ、おやっさん」
「…そう言えば祐助さん、この前あの娘の弾幕ごっこを生で見たけど、凄かったよ。『弾幕はパワーだぜ!』なんて言ってたけど、強ち間違いでは無さそうだ」
「魔理沙のヤツも相変わらずだなぁ…」
「しかしなぁ…、あの娘は親不孝もんだ…」
店主がボソッと呟くと、秀嗣が再び2人に尋ねた。
「魔理沙って、あの金髪で魔女みたいな格好した子ですか?」
「そうだ、ああ見えて幻想郷縁起にも名を連ねる強者だからな、甘く見るなよ?」
「マスタースパークで、ぶっ飛ばされちまうぜ?」
二人は笑いながら言い、酒を飲んだ。
秀嗣は、先程から圧倒されっぱなしであった。
「やっぱり、幻想郷は外の世界の常識は通用しない場所なんですね…」
「そうビビる事はねぇよ、少なくても人里に居れば安全だしな」
「妖怪の賢者のお墨付きだからな」
「里の人間に何かあれば、博麗の巫女が黙っちゃいないだろう」
「………っ」
「…どうした? ヒデ?」
何かを考えている様子の秀嗣に、祐助が声を掛けた。
すると、突然表情を変えて詰め寄った。
「祐助さん、慶治さん、格好いいです!」
「「……はぁ?」」
「俺にも、武術や妖怪退治のやり方教えて下さい!」
「お、おい…、何だよいきなり…」
「そんな事に首を突っ込まない方がいいぞ、命が幾つあっても足りなくなるからな」
「慶治の言う通りだ、お前はこの幻想郷って土地にもっと慣れて、勉強するのが先だ」
「だ、だけど、親方…」
「ヒデ、おやっさんの言う通りだ、君はまだまだ幻想郷って場所を知らな過ぎる。 ちゃんとその心構えが出来たら、少しは特訓してやるよ」
渋る秀嗣に、祐助とは優しく諭した。
「ほ、本当ですか? ありがとうございます!特訓して貰えるまで、俺は待ちますから!」
秀嗣の顔に笑顔が戻った。
「全く、単純なヤツだなぁ…」
それを見ていた店主が、軽く溜め息を付いた。
「まぁ良いじゃないですか、おやっさん」
「それより、もう一本付けて下さいよ」
「あいよ!」
「ふう…、酒を飲みながらの一服は、うめぇ〜♪」
煙管を吹かしながら、とても幸せそうな表情をする祐助。
そうして、4人の世間話は夜更けまで続いた。
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「おやっさん、ご馳走さんでした」
「また来ますよ」
「おう、何時でも来な。 だがな慶治、嫁さんはもっと大事にするもんだぞ?」
「分かりましたよ、もう耳にタコが出来ましたよ…」
「まあ、おやっさんの言う事は間違い無いよ」
「またお待ちしてます! 次は平九郎さんも連れて来て下さいよ」
「ああ、平九郎か…、今アイツは忙しい時期だしな…」
「今度来る時は誘ってみるよ」
「はい!では、またの御来店お待ちしてます!」
秀嗣に元気良く送り出され、二人は所々にだけ灯る薄暗い街灯を頼りに、里の中へと消えて行った。
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翌朝、俺は山に行く為の準備をしていた。
「服装は、これでよしっと…」
普段は着物を来ているが、またぎや運動等をするときは、紺色の服を着る。霖之助さん曰わく、外の世界の作業服らしい。
香霖堂で買いました。
「博麗札…、よし!」
これは、以前霊夢に金を渡して大量生産して貰ったお札だ。
一枚一枚に霊夢の霊力が込められており、護身用にも妖怪退治をする時にも、とても重宝する。
昔は、うちでもこの手の札は作れたのだが、いつの間にかその伝承は途絶えてしまっており、博麗札に頼らざる得ないのが現状である。
まあ、特に問題は無いからいいが。
「警戒棒…、よしっと」
これも、香霖堂で見付けて買ってきた物だ。
自在に収縮出来て、持ち運びが大変便利。
伸ばせば、1メートルオーバーの長さになり、それでいて頑丈で、妖怪をこれで叩きのめしても、ほとんど傷も付かない凄いアイテムである。
俺の妖怪退治スタイルには欠かせない武器だ。
外の世界の技術は凄いわ。
「拳銃…、よしと」
いつも愛用する猟銃を慶治の所に預けてあるから、しばらくはこれで代用。
コイツも、香霖堂で見付けて買ってきた物だ。
何でも、「コルトパイソン」っていうのが正式名称らしい。
これに合う弾薬も大量に買い込んで、備えあれば憂い無しだ。
こんなものまで拾って来るとは…、流石は霖之助さんだ。
外の世界の物マニアの俺にとっては、香霖堂は正にお宝の宝庫だ。
金が幾らあっても足りない(苦笑
…何にせよ、コイツは懐に閉まっておける点が便利なのだが、猟銃ほど射程距離が無く、また妖怪相手では若干役不足である。
だが、無いよりはマシと言うしな。
それに、ちょっとした裏ワザを使えば、破壊力は倍増するから、なかなか捨て難い。
だが、あくまでも飛び道具は最終手段として使用している。
「後は、水筒に弁当に、ロープやピッケルと…、地図も用意完了っと」
背中に担ぐ鞄に必要なものが入っているか確認。
「スコープも入ってるな」
これが無ければ、にとりに渡せない。
「その他の持ちの物はっと……よし、とりあえず、こんなもんか」
持ち物を確認した俺は、鞄を担ぎ、外へと出る。
まだ、朝早くって事もあり、朝日が眩しかった。
「フンッ!ハァッ! ウラァ!」
準備運動がてらに、シャドーボクシングを行う。
以前、にとりに見せて貰った「動画」というもので、ボクシングという武術に触れ、俺の中ではカルチャーショックを受けた。
俺が使う武術は、いわゆる「古武術」で、弾幕ごっこみたいなスポーツ感覚の物では無く、確実に相手を仕留める為の武術である。
最も、スペルカードルール制定で無用な殺生はしなくなった事によって、妖怪退治以外では使う事もあまり無くなったが…。
…とにかく、今の俺はこのボクシングというものにハマっている。
動画の中に映っていた、具○堅○高とかいう男が、とてもカッコ良く見えたのだ。
正に、男の中の男とは彼の事を言うのだろう。
「よし、身体も温まってきたし、そろそろ行きますか!」
そして、俺は歩き出した。
いざ、妖怪の山へ…!
多少の勘違い要素がありましたね^^;
オリキャラ紹介2
名前:酒井慶治
性別:男
年齢:30代前半
職業:鍛冶職人
主人公とは、先輩後輩の仲であり、幼い頃から遊び回ってきた幼なじみでもある。
普段は、腕の良い鍛冶職人で里の中でも上位の腕前である。
毎日、力仕事をしているので、かなり厳つい身体つきである。
祐助と同様、古武術の使い手だが、彼の場合はどちらかというと大雑把で、力任せで振り回す癖があり、隙が大きいのが難点である。
そのせいで、祐助と勝負しても勝てた試しが無いらしい…。
既婚者で、二児の父親。
今は鍛冶職人である彼も、もう一つの顔は、祐助と同じ…。
このプロフィールの続きは、また追加していきます。