痛快! 男達の幻想郷   作:豊之丞

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お待たせしました、最新話です。
ネタ満載でお送りします^^


ルーミアをイジメてみた

命蓮寺を後にし、博麗神社へ歩みを進める俺氏。

 

相変わらずの、獣道みたいな参道を歩く。

足元だけはしっかりしているが、草は伸び放題、周りの視界も宜しくない。

妖怪が潜んでいても、これでは気付くのは難しいだろう。

 

「…全く、霊夢のヤツ……あれほど手入れをしておけって言ったのに…」

 

実は以前、余りの荒れ放題な参道を見かねて、俺と慶治と平九郎の3人で、数日掛けて参道の整備をしてやった事がある。

 

 

もちろん、タダでやる訳が無い。

 

期間中は、三食、風呂、寝床付きという条件を押し付けて承諾させてやった。

現ナマ要求しないだけ、有り難いと思いやがれってんだ。

まぁ、要求した所で無いだろうけどな(笑)

 

それで、3人で苦労してようやく整備を済ませ、たまの手入れだけはするようにと、念を押したのだが……。

 

この有様である。

 

アイツは、普段から里に来る時は空を飛ぶって邪道な手段を使うから、参道が荒れ放題でも分からないんだろうなあ。

 

せっかく、一時期は参拝客が来るようになったのに、これでは客足がまた遠退いてしまう。

仮に俺が無力な人間だったら、こんな道を通ってまで参拝に行くなど、御免被りたい。

俺だから何とか進めるが、他の人間なら妖怪に襲われかねない。

最も、あの神社は霊夢の代になってからは、妖怪ばかりが集まって来る『妖怪神社』なのだが。

 

 

……とにかく、こればかりは幾度も説教してやったが、未だに直らん。

アイツの持病みたいなものだ。

 

今日も、そんな話をしなきゃならないのかねぇ…。

 

ちなみに、今のところ、未だ野良妖怪とは遭遇していない。

偶々か、向こうが避けているのかは分からない。

 

「………っ?」

 

そう思っていたら、9時の方向から何やら気配を感じた。

 

「……よっと!」

 

反射的に、茂みに身を隠し、その存在を確かめてみる。

 

「あれって…」

 

その周辺だけ闇に包まれたものが、此方に近付いてきた。

 

「……あれっ? こっちの方から人間の匂いがしたような気がしたんだけど…」

 

やっぱり、ルーミアか。

 

さて、どうしようかね?

ただ、目の前に現れて驚かすのも芸が無いし…。

 

…そうだ! アレを使おう。

今こそ、アレを使う絶好の機会じゃないか!

 

そこで、鞄の中から例のブツを取り出し、何時でも発射出来るようにセットする。

 

「……よし、準備万端! 遊んでやるぜ、ルーミア…!」

 

物音を立てずに、静かにルーミアの背後へと移動する。

 

「……あれぇ? 確かに此処から気配を感じたんだけど??」

 

さっきまで俺が居た場所で、ルーミアは辺りをキョロキョロしている。

俺が背後に回った事には、全く気付いていないようだ。

 

さぁて、どのタイミングで仕掛けようかねぇ、へっへっへっ……。

 

「絶対に、この辺りにいる筈なのだー、何処にいる…」

 

「…こっちだよ、バァァァカ!!」

 

 

カチッ…

 

 

パァァァァン!!

 

 

「へっ!? ……きゃぁぁぁぁ!?」

 

凄い破裂音と共に、網状の物がルーミアを覆った。

 

「な、何なのだこれはぁぁぁ!?」

 

「ああ、それはな、『ネットランチャー』って言ってな、お前のような妖怪に襲われそうになったら、その相手目掛けてこのスイッチを押すと、瞬時に網が飛び出して、相手の動きを封じるっていう非常に便利なアイテムなんだ」

 

俺は、丁寧にそのアイテムの説明を、現物を見せながらしてやった。

もちろん、彼女がそれを理解しているとは到底思えないが。

 

「ゆ…、祐助!? それより、ねっとらんちゃーって何なのだー!? 全然分かんないよー!?」

 

「言っておくがな、その網は収縮性に優れていて、簡単には破れない素材なんだ。 それにな、その網には巧みに錘が付いてるから、もがけばもがく程に絡まってしまい、終いには自力で脱出出来なくなるまでになってな、動けないまま人生オワタ\(^0^)/になっちまうんだぞ?」

 

「えぇぇぇ!? そんなぁ、嫌だよぉぉぉぉ!!」

 

必死で網から抜け出そうと、もがきまくるルーミア。

だが、それは逆効果であり、既に見るからに自力での脱出は不可能な位に絡まってしまっている。

 

…そう、俺が香霖堂で大金叩いて買ったってのは、このネットランチャーの事である。

強い上級妖怪相手でも、上手く使いこなせれば、逃げる猶予を与えてくれる、正に弱者の味方!

殺傷能力は無いが、逃げの一手に転じるには、これ以上のアイテムは無い。

 

本来は俺では無く、無力な人間が使ってこそ威力を発揮するのだが、これはこれでまた面白い。

 

さて、ルーミアさんはまだ悪あがきをしてるのかな?

 

「うわぁぁぁぁ! どうしようぅぅ! 全然取れないよぉぉぉ!?」

 

「バ――カ、そのまま死ね!」

 

「あぁぁぁ!? 待って!待ってぇぇ! 行かないでぇぇぇぇ!!」

 

ルーミアの滑稽な姿が悪戯心を擽ってしまい、わざとその場を後にしようとする。

案の定、ルーミアは必死で俺を呼び止めようとする。

 

「お願いだから、これを何とかして欲しい……うわぁぁっ!?(ドテッ!」

 

追い掛けようとしたら、網が足に絡まったらしく、見事にコケた。

 

「プッ……アッハッハッハッ……! 情けねえ姿だな、ルーミアさんよお! そのまま他の妖怪の餌になるのが、お似合いだぜ」

             ・・・ ・・・

「嫌だぁぁ!お願いだから、とって、とってぇぇ! うわぁぁぁぁぁん!!」

 

ついに泣きし出したルーミア、良いツラしてやがる。

     ・・・

仕方ない、とってやるか。

鞄の中から、カメラを取り出してっと…。

 

「ちょっと…、何してるの?」

 

「何って、『撮ってる』んだが」

 

「違―――う! その『撮る』じゃなぁぁい! この網を『取って』欲しいのだー!!」

 

泣き顔で必死に訴えるルーミアを無視して、カメラのシャッターを切る俺氏。

無縁塚で拾ってきた外の世界の『ポラロイドカメラ』を、河童に魔改造して貰い、連写が出来るという凄い仕様なのだ。

 

「見ろルーミア! 綺麗に写ってるだろ? 凄いだろ!?」

 

「きぃぃぃぃ! そんなのどーでもいいのだー!! この気持ち悪いの早く取ってよぉぉぉ!!」

 

「ううん、写真を撮るって面白いな。天狗の気持ちが少しだけ分かったぞ。 もう少し撮るか」

 

「ひぇぇぇぇん! お願いだから、これ取ってよぉぉっおぉぉぉ………うぇぇぇぇ…っぇぇぇあぁぁ……」

 

あっ、今度という今度は、ガチで泣き出してしまったな。

 

……流石に可哀想だから、これ以上虐めるのは止めてやるか。

 

「…分かったよ、今取ってやるから、動くんじゃないぞ」

 

ポラロイドを仕舞い、小柄で絡まっていた網を丁寧に切り落としてやった。

 

それから、ルーミアに絡まった網を取り除くのに、さほど時間は掛からなかった。

 

 

――――――――――――――――――

 

 

「ほらっ、網はちゃんと取れたんだし、泣くのを止めろよ」

 

「グスッ…グスッ……うぐっ……ひっく…ひっく……」

 

解放してやってからしばらく、ルーミアはまだ泣き止まなかった。

よほど怖かったのか、いいようにやられたのが悔しかったのかは分からないが、なかなか泣き止んでくれなかった。

 

「さぁ、涙を拭きなよ」

 

「ふぅんっ!」

 

俺が差し出したハンカチを、引ったくるように取ると、涙や鼻水を拭き出した。

 

「はぁぁ……ぶぅぅぅぅん!!」

 

「……それ、返さなくていいからな…」

 

鼻をかみ終えたルーミアは、少し落ち着いたのか、不機嫌そうに話し出した。

 

「酷いよ祐助! 私何もしてないのに、あんな目に遭わされて、酷いのだー!」

 

「悪かったよルーミア、そう怒るなって、それにな……何もしてないって言い切れるのか?」

 

「えっ…?」

 

「君は、この数日以内に人間を食ったんじゃないのか?」

 

「なっ…!? 何で分かるのだー!?」

 

「匂うんだよ、血の匂いがな…」

 

「ひ、ひぃっ!?」

 

そう言って俺が立ち上がると、ルーミアも釣られて立ち上がる。

 

しかし、その表情は恐怖で固まっていた。

 

「…誰をやった?」

 

「誰ってその……」

 

「正直に言え、誰なんだ?」

 

「えっと……」

 

睨みを利かせ、ルーミアを問い詰める。

 

「その…多分……外の人間だと思うよ…」

 

「本当に、そう言えるのか?」

 

「格好から見て多分そうだよ……あっ、それにね、私が見つけた時には死んでたのだー」

 

「…野垂れ死にしてたって訳か」

 

「そーなのだー」

 

その外来人は、幻想郷に迷い込んで、右も左も分からずに彷徨って、野垂れ死にしたんだろうな。

せめて、妖怪に惨殺されなかっただけでも、運が良かったかもしれない。

幻想郷では、特に珍しい事では無いとはいえ、不憫なものだ…。

 

恐らく、コイツは嘘は言ってはいまい、嘘を言う様な妖怪で無い事は、俺も良く知っている。

 

「…ねぇ、祐助……本当だよ? 私、嘘は言って無いよ?」

 

「…あぁ、よく分かったよ。 疑って悪かったな」

 

睨むのを止めると、ルーミアも安心したのか座り込んでしまう。

 

「どうした? 疲れたのか?」

 

「うん…、お腹空いたのだー」

 

彼女の腹の虫が鳴くのが、はっきりと聞こえた。

 

「そうか、腹が減ったのか。 よし、丁度良かった、君にあげたい物がある」

 

「あげたい物?」

 

そう言って、鞄を開けて中からお菓子の入った箱を取り出した。

 

「今、人里で人気のお菓子だ。 食いな」

 

「うわぁ…、こんなに良いの?」

 

「ああ、いいとも。 さっきのお詫びもあるからな」

 

「わーい! やったのだー!」

 

お菓子の箱を受け取ると、笑顔で貪り出した。

こういう所は、やっぱり子供っぽいよな。

俺より長く生きているなんて、俄かに信じられん。

 

「旨いか?」

 

「うん、美味しい! 甘くて香ばしくて私好みなのだー!」

 

「そうか、喜んで貰えて何よりだ」

 

その様子を見ていると、自然と顔が綻ぶ。

人食い妖怪とはいえ、可愛いとこあるじゃんか。

 

だが……

 

今でこそこんな感じだが、昔はコイツを半殺しにしてやった事もあったっけか。

本人は、覚えてるかどうかは分からないが。

 

……いや、多分覚えてるな。

 

さっき、睨んでやったら青ざめていたから、きっとそうだ。

こんな頭の悪いヤツでも、あれはトラウマになったんかな?

 

「…どうしたの?」

 

「いや、何でもない。 少し考え事をしてただけだ」

 

「考え事…?」

 

「それより…、口の周りにアンコが付いてるぞ、ほらっ!」

 

「うううん……」

 

ルーミアの口の周りに付いていたアンコを拭き取ってやる。

少し嫌そうな顔をしたが、特に抵抗する事は無かった。

 

「…さて、そろそろ行くかな」

 

「行くって、何処に行くの?」

 

「博麗神社だ、あのグータラ巫女に渇を入れに行くんだよ」

 

「へえ…」

 

「君は其処でゆっくり食べてな、其れは全部やるから」

 

俺は立ち上がり、鞄を担ぎ直すと神社の方角へと歩こう。

 

……そう思ったのだが……

 

「待って、私も行くのだー」

 

「…はぁ?」

 

「私も祐助と行きたいのだ、一緒に行こう?」

 

「別に着いて来なくても良い、其処にいろ」

 

「嫌だ! 着いて行く!」

 

「面倒臭いから来んな」

 

「絶対着いてく!」

 

「来なくていい」

 

「行く!」

 

「来んな」

 

「行くのだー」

 

「来るな…」

 

「嫌だ!」

 

「…シバくぞ」

 

「いーきーたーいー!!」

 

「…………っ」

 

何なんだよ、コイツ…。

 

さっきあんな目に遭わされたのに、お菓子の一つでもう忘れたとか言うんじゃないだろうな?

 

だとしたら、とんだ⑨野郎だ。

 

「はぁ……好きにしろ…」

 

「やったー!」

 

結局は俺の根負けだ…、最近こんなのばっかな気がする…。

 

「精々、博麗の巫女に退治されないようにしなよ」

 

着いて来るのは勝手だから、気にせず歩こうとした時であった。

 

「………っ(ジ――)」

 

突然、ルーミアが俺の前に出て来て、上目遣いで見ていた。

 

「……何だよ?」

 

「…抱っこ」

 

「はぁぁ!!?」

 

「抱っこして欲しいのだー」

 

「何で俺がお前を抱っこしなきゃならないんだ!?」

 

「だって…、こんな事お願い出来るのは、祐助しか居ないのだー!」

 

「自分で歩けよ、厚かましいぞ!」

 

「ねえお願い! 抱っこ! 抱っこぉ!」

 

目を潤ませ、俺を見つめるルーミア。

頼むから、そんな目で見ないでくれ…。

 

「だ、ダメだって……」

 

「うぅぅぅぅ……」

 

今にも泣きそうな顔で指を咥えている。

 

ち…畜生! 俺が何したってんだよ!

女の武器を使うな! こんな時だけ卑怯だぞ!

俺が、それに弱いの知ってて使いやがって、シカトも出来やしねぇ!

 

 

もうヤダもうヤダもうヤダもうヤダもうヤダ…

 

 

「ゆーすけー……」

 

「うぅぅぅ………」

 

何で俺の知り合いは、こんなヤツばっかりなんだ?

そういえば、弾幕ごっこするヤツって女しか居なかったっけ?

 

で、何かあれば色目使ったり上目遣いで憂いを秘めながら見つめたりって…、女の武器に物言わせるなんてセコ過ぎる!

 

こんなのに付き合ってたら、身の破滅だ。

よっぽど、俺の人生の方が終わってるじゃんか!

 

「はぁ……しょうがない」

 

「えっ…?」

 

「……ほらよ」

 

仕方無く、両腕を開いて構えた。

 

「わぁぁぁ……、わっは――!!」

 

「うぉぉぉっ!?」

 

それを察知した彼女は、大喜びで俺の胸に飛び込んできた。

 

見た目は少女だが、騙されてはいけない。

こやつは妖怪だ、飛び込んで来る力は人間の大人か、それ以上の威力があるから、しっかり身構えてないと吹っ飛ばされてしまう。

 

「ほうら、こうしてやる」

 

「わーい! お姫様抱っこ!」

 

少しサービス心を出してやったら、とってもご満喫の様子で俺の胸に頬擦りしやがる。

 

結局は、俺が折れてしまうのか。

意志弱すぎるだろ俺!

 

時々、人からは『祐さんは女の知り合いばっかり多くて羨ましいな』なんて言われる事があるが、冗談じゃない。

 

大体のヤツらは、俺を見ると我が儘を言ったり無理難題押し付けたりと、妖怪とは名ばかりのガキンチョばかりだ。

それでいて、ちょっと突っぱねてやると、すぐに不機嫌になって、俺はお前の機嫌取りなんてしたくもねーよ。

 

羨ましいとか思ってるヤツ、代わってやるよ、お前らに相手が出来るもんならな!

 

相手は吸血鬼だぞ? 鬼だぞ? 月人だぞ? 天狗だぞ? 河童だぞ? 魔法使いだぞ? 尸解仙だぞ? 付喪神だぞ? 幽霊だぞ? 妖精だぞ? 神様だぞ? 死神だぞ? 名のある妖怪達なんだぞ?

 

…もう、考えるのも面倒臭ぇ。

 

「さぁ、行くぞ」

 

「はーい!」

 

お姫様抱っこしたルーミアを連れて、再び博麗神社へと向かった。

 

「それにしても、ルーミアは軽いな」

 

「そうかなぁ?」

 

「軽い軽い、ちゃんと食べてるのか?」

 

「もっと、人間食べたいなぁ…」

 

「おい…、俺の前で次に同じ事を言ってみろ、お前の首と胴体がお別れする事になるぞ?」

 

「ひぇぇっ!? ごめんなさい! もう絶対言わないのだー!」

 

「バカタレが……」

 

 

 

 

 

――閑話休題――

 

 

 

 

 

「―――――でね、だったらまた勝負しようって言われたから、魔理沙と勝負したんだぁ。 そしたら、コテンパンにやられちゃったのだー」

 

「ハハハ…、そうだろうな…」

 

コイツが、魔理沙に勝つのは多分無理だろうな。

何だかんだ言って、アイツも強いからなぁ。

 

博麗神社までの道中、俺はルーミアの話をずっと聞いていた。

 

「コテンパンに負けるのは、君の努力が足りないからだ。 どうすればアイツに勝てるか、もっと突き詰めて考えなきゃな」

 

「うーん……どうすれば勝てるんだろう…?」

 

「恋符『マスタースパーク』は、ビームが発生するまでに隙があるんだが、その前に畳み掛けるって事をしたか?」

 

「隙があるのか? 全然分からないのだー。 それに、畳み掛けるって何をするのだ?」

 

「ガクッ…」

 

そんな事言ってるんじゃ、勝てる訳がねぇな。

ちゃんと話が通じるんだったら、対魔理沙戦の攻略法を細かく教えてやるんだかなぁ。

 

動きは早いが、それにもの言わせ過ぎなんだ。

派手な魔法に拘り過ぎて、肝心な所がお留守になってたりするし。

俺は、それを初見で見抜いて、速攻でシバき倒してやったがな。

 

ただ、それは昔の話であって、今はどうかは分からない。

魔理沙も、かなり実力を付けたからなぁ…。

久しぶりに、魔理沙とバトルがしたくなってきたな。

 

「祐助…?」

 

「…スマン、また考え事だ」

 

「変なの…」

 

「君が、その気があるんなら、魔理沙との戦い方を教えてやるぞ。 俺はアイツを攻略してるからな」

 

「わー、魔理沙に勝てるなんて凄いのだー、霊夢にも勝てるの?」

 

「勿論だ、ただの武術勝負だけなら、アイツは俺の前でひれ伏せるだけだ」

 

「武術勝負だけ?」

 

「そういうこった。 そこに呪術を入れたら、逆に俺がピチュられるわ」

 

「へぇ…、そうなんだー」

 

こんな会話、楽しいのかな?

少し疑問に思っていると、博麗神社に繋がる長い石段が見えてきた。

 

「さぁ、そろそろ到着だな」

 

「え〜、もう着いたの?」

 

「残念だが、そのようだ。 さぁ、降りな」

 

「はーい…」

 

名残惜しそうにしていたが、素直に従い、俺に抱かれた状態から離れた。

 

「どうする? 一緒に来るか?」

 

「ううん、私はもう行くね!」

 

「そう言うと思った」

 

「祐助、お菓子ありがとうなのだ!」

 

「ああ、今度遊びに来いよ。 また、旨い物を食わせてやるからな」

 

「本当? わーい!」

 

「うぉっ!?」

 

また、勢いよく抱き付いてくるものだから、衝撃が…。

 

「私、祐助の事、大好きなのだー!」

 

「そう好きになられても困るんだが…」

 

「えへへ♪ じゃあ私は行くのだ、バイバーイ!」

 

そう言って、満面の笑みで手を振りながら、ルーミアは飛び立って行った。

相変わらず、自身の周りだけ闇に包まれながら。

 

「はぁ、用が済んだらどうでもいいってか、何だかなぁ…」

 

本当、アイツと付き合うのは疲れる。

 

ていうか、何で俺は遊びに来いなんて言ったんだよ?

 

マジで、バカだよな…。

 

「愚痴ってても仕方無いか…」

 

言ってしまったものは仕方無い。

気持ちを切り替えて、霊夢の所に行こう。

 

俺は、博麗神社へと続く石段を見上げていた。




とにかく、主人公は顔が利くって設定です。
何かと、苦労人だったりするしね。

次回も、お楽しみに!
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