無駄に長編になりました^^;
※注意!
中盤より、際どい性的表現があります。
また、盛大なキャラ崩壊ございます。
苦手な方は、注意されたし!
―近藤祐助視点―
さあて、二匹の吸血鬼を相手に逃げきれるか?
舞台は紅魔館内
この歪んだ空間を有効的に利用して、1時間逃げ切ってやるぜ。
もっとも、拘束術式のおかげで彼女達は、普通に走る事しか出来ない。
楽勝だろ?
「あそこまでダッシュ!」
ただ走り回るだけでは、体力を消耗する。
様子を見ながら、休息も取らないとな。
「祐助! 何処行ったぁぁぁぁ!!」
おっ、この声はフランちゃんか。
チラッと見てみる。
「う〜…!」
あんな所にいるんか、移動しますか。
二階へ行こう、追っ手は…
「あっ、祐さん!」
「うおっ!?」
……何だ、妖精メイドかよ
「何してるの?」
「吸血鬼に追われてる」
「お嬢様に?」
「頼むから、俺は向こうに行ったと言ってくれ」
「そんなに不味いの?」
「まぁ、ちょっとしたゲームなんだかな」
「ふーん……」
「言われた通りにしてくれたら、後で土産をやるよ」
「本当に?」
「本当だ、後で部屋に来な」
「嬉しい! 約束だからね?」
「分かったよ、とにかくフランちゃんを言いくるめてくれ」
「い、妹様を!?」
「頼んだぜ!」
「げぇ……」
妖精なら大丈夫だ、ピチュられてもな。
……そっか、能力は封印してあるから、『きゅっとして、ドカーン』は、出来ないんだっけな?
『ダッダッダッダッ……』
えっ? もう二階にも来てるのか?
そろーり、覗いて…
「……何処行った?」
「レミィ……」
向こうは無理だな、逆へ行くか。
―レミリア視点―
此処を何処だと思ってるの?
逃げれはしないわ!
しかし、能力が使えないのは、厄介ねぇ…。
『ダッダッダッダッ…』
「んっ?」
足音のする方へ向かってみると、
「あっ、祐助!?」
見つけたー!
「待ちなさい! 逃がさないわ!」
「うわっ、見つかったか!」
一目散に逃げる祐助を追いかける、
その先は迷路の様に入り組んでるから、逃げ切るのは容易じゃないわよ。
…………って、あれ?
もう、見失った!?
「何処に行ったの……」
「何処見てるんだよ、こっちだ!」
「へっ……」
逆方向から姿を見せた祐助が、全力で逃げていった。
「しまった! 待ちなさ―い!」
そう叫んではみたものの、どうやったって、あの走りには追い付けない。
何時もの自分なら、あの程度、余裕で追い付けるのに…。
忌々しいわね!
「鬼さん、こっちだお!」
「ムカつく…! 絶対に捕まえてやるわ!」
「残り55分だからな」
こうなれば、意地でも取り返してやるわ!
―フランドール視点―
「あれ……何処行ったのかな…?」
さっきまで見えていた祐さんの姿を、もう見失ってしまった。
一時間しか無いのに、それはヤバいよ!
「あっ……」
「うんっ?」
曲がり角から出て来たのは、妖精メイドだった。
「ああ、丁度良かった! 貴女、祐さんは見た?」
「祐さんですか?」
「見たなら、どっちに行ったか分かる?」
「は、はい………祐さんでしたら…」
恐る恐る、逃げたと思われる方向を指さす。
「さっき、あちらへ逃げていくのを見ましたよ」
「本当? ありがとう!」
「い、いいえ……」
すかさず、その方向へ走り出す。
もう逃がさないんだから!
「これで、良かったのかな…………って、いっけない! 逃げた方向指差しちゃった!?」
「……むっ! 足音がする!」
慎重に、そこへと近付く。
能力が使えないから、何時ものように行かない。
とにかく、慎重に、慎重に……。
「オラァァ!」
「へっ…?」
『ドガッ!』
「うげぇぇぇ!?」
突然現れた祐さんに、タックルを食らわされ、吹っ飛ばされる。
「いったーい…」
「残念、バイバーイ!」
「ま、待てぇぇぇ!」
直ぐに追い掛けようとするも、体が言うことを聞いてくれない。
「もう! そんなのありなの!?」
だったら、私も本気になるんだから!
―近藤祐助視点―
フランドール、ダウン!
此処までは作戦通りかな?
だが、まだまだ油断は出来ない。
幾ら吸血鬼の能力を封印してるからって、どんな手を使って来るか。
とある一角で一休み…。
ずっと走りっぱなしでは、流石に体力が持たない。
『ダッダッダッダッ』
……うんっ? 誰か来るな。
「…本当に何処行ったのよ?」
レミィが追い付いてきやがったか。
さて、次の一手をお見舞いするか。
「よっと!」
「……あっ! 見つけたわ!」
「やべっ、タイミング悪いぜ」
「今度は逃がさないわ!」
一気に距離を縮められる。
本来なら、もうお手上げかもしれないが…。
これも、作戦通り。
「あっ……見ろぉ! 何だあれ!?」
「へっ…?」
大声で叫びながらその方向を指さすと、彼女も釣られてその方向を振り返る。
チャーンス!
「そらよぉ!」
「うひゃぁ!?」
余所見をした隙に、服を掴み上手投げを決める。
「うがっ!?」
地面に叩き付けられて、悶絶している。
「おっと、手加減はしておいたからな」
「ちょっと……」
すぐに起き上がれないレミィを横目に、さっさと逃げる!
一応、加減したが、あれは痛かったんじゃないかな?
「ま、待ち……」
「ま・た・な・い!」
「きぃぃぃぃ!」
歯軋りするレミィも、可愛いもんだ。
……えっ? 身体に触れたんじゃないかって?
俺から帽子を奪い返さなきゃならないから、問題無い( ̄∀ ̄)
あと、42分…。
広い紅魔館を走り回る俺氏。
目の前にある部屋に隠れたり、ちょっとした仕掛けを利用したりして、2人の目を誤魔化していた。
そのおかげで今のとこ、あの二人には出くわしていない。
このまま逃げ切れれば、楽なんだがな。
「……こっち行くか」
再び歩き出した時だった。
「……あっ、祐さん?」
「おっ、メイちゃんか…」
角から美鈴が現れる。
「どうしたんだ? こんな所で」
「はい、夜の見回りをしてました」
「そうか…、丁度良かった、レミィとフランちゃんを見掛けたか?」
「お嬢様ですか? そういえば…………祐さんを探してましたよ」
「まぁ、そうだろうな…」
「血眼で探してましたが、一体どうしたんですか?」
「いや、大した事は無い。 遊んでるんだよ、吸血鬼ごっこして」
「吸血鬼ごっこ!?」
「そういう事だから、くれぐれも俺を見たとか言うなよ」
「は、はい、それは………でも、お嬢様に責められたら…」
「チクったら、シバくからな…」
「は…はい……」
口では笑いながらも、ちゃんと睨みを利かせておいた。
これで、少しは安心感が増したかな?
「それじゃあな!」
「は、はぁ…」
長居は無用。
「一体、何をやってるんだろう…」
「あっ、美鈴!」
「い、妹様!?」
―フランドール視点―
あっ、美鈴がいた!
もしかしたら、祐助を見たかもしれないね。
「美鈴、良い所にいたね、聞きたい事があったんだ」
「聞きたい事ですか?」
「祐助見なかった?」
(やっぱり……)
「…美鈴?」
「……はぃっ!?」
「祐助を見たの? 見なかったの? どっちなの?」
「は、はい! えっとですね……見て………」
「見て……?」
「…………ません」
何か怪しい…。
「本当に…?」
「は、はい……」
「嘘ついてない?」
「嘘…なんて……」
やっぱり、何かある。
「何か隠してるね!」
「ひぃぇっ!?」
「そうなんだね?」
「な、何を根拠に……」
「だって、何時もの美鈴はもっとハキハキ物言うのに、祐助の事を聞いたら態度を変えちゃってさ」
「べ、別に…何時も通り……ですよ…?」
「………嘘だ」
「―――――っ!?」
顔色が変わった、やっぱり間違いない!
「『きゅっとして、ドカーン』やっちゃうよ?」
「げえっ!?」
美鈴は、私が今能力が使えない事を知らない。
だから、あんなにビックリしてるのよね。
「祐さん、ごめんなさい…、妹様をこれ以上欺くのは無理です…」
「正直に話した方が楽になるよ?」
「は、はい……祐さんは……」
「どっち行った?」
「あちらの方です…」
美鈴が指差した方向を見ると…
「……あっ、いたぁ!」
祐さん発見!
「ありがとう美鈴! 後でご褒美あげるね!」
「は、はぁ…」
ぜーったい、帽子を取り返してやるわ!
「あぁぁ…、祐さんに殺されるかもしれない…」
―近藤祐助視点―
「裏切り者め…!」
念を押したすぐ側からこれだ!
あの野郎、後でヤキ入れてやるからな。
しかし、こうしちゃいられない!
早く逃走しないとな…。
「よし……」
誰も居ない方向へ猛烈ダッシュ!
「祐さん、見つけたよ!」
「見つけただけじゃダメだ、ちゃんと奪い返してみな!」
多分、この声は聞こえてはいないだろう。
何故なら、フランとの距離は一気に100m以上に広がったからだ。
「祐さん早すぎるよぉ、ちょっと待ってよ!」
「待てって言われて、待つヤツがいるか!」
見よ! この華麗なる走りを!
そんな余裕をかましながら逃走していると、左右の分岐に差し掛かる。
「確かこっちは…」
左に行くと突き当たりで行き止まり。
つまり、右に行くしか無いのだ。
「時間は……」
腕時計を確認すると、残り28分。
やっと折り返しの時間が過ぎたか、まだまだ長いな…。
そう思い、右に曲がった時だった。
「よし、イケる……………っ!?」
その瞬間、足が止まった。
「見つけたわ…!」
「なっ…!」
その先にレミィの姿があったのだ。
「マズい……」
速攻で引き返そうにも、
「祐助待て――――!!」
後ろからはフランが迫ってくる。
「しまった! 挟み撃ちだ!」
これは万事休すか?
辺りを見回し、打開策を模索する。
「…………っ!」
………いや、まだだ!
何とか、なりそうだぜ!
「もう追いつめたわよ!」
「私の勝ちだね!」
2人の吸血鬼が迫ってくる。
まだまだ………もう少し…。
「さあ祐助! これでゲームオーバーよ!」
「祐さん、血飲ませてぇ!」
フッ……
「2人とも、勝った気になるのは、まだ早いんじゃ無いのかな?」
「「えっ……!?」」
次の瞬間
「それっ!」
床に引かれていた絨毯を引っ張り上げる。
「うわっ、ちょっと……」
「きゃぁ、転んじゃう?」
いきなりの事に、2人は走りながらバランスを崩す。
その隙に、俺は空いた場所に身を引いて逃げ。
そして……
「あっ、フラ……」
「お姉さ……」
『ゴツンッ!』
「「いだぁぁぁぁぁ!?」」
2人は、出会い頭に衝突しましたとさ!
うん、最高。
フ「いったーい……」
レ「もう……一体何なのよ…!」
よほど痛かったんだろう、想像に難くない。
2体の吸血鬼はその場でうずくまり、絶賛悶絶中。
「おぉ、痛そうだな、お気の毒!」
それだけ言い残して、再び逃走!
「くぅぅ……こうなったら、戦争よ!」
「お姉さま、やっちゃお!」
残り25分。
「ハァ…ハァ…ハァ…」
あれから、走り続けて逃走をはかっているが、そろそろ体力が限界に近付いて来た。
30の坂を超えたおっさんは、瞬発力はあっても持久力が著しく低くなっている。
マジで、大丈夫だろうか?
レミィとフランちゃんからの逃走は、思っていた以上にキツい。
能力は使えなくとも、館内の事を熟知しているだけに、ゆっくり隠れてもいられない。
「残り時間は……」
汗を拭いながら、腕時計の時間を確認する。
「あと14分か……」
いよいよ正念場が近付いてきた。
すげー水が飲みたくなってきたが、我慢我慢…。
此処まで来たら、逃げ切って見せる。
人間の意地、見せてやらぁ!
―レミリア視点―
「ハァ…ハァ…ハア…祐助……」
息を切らしながら、祐助を探すも、何処にも居ない。
この程度で疲れるなんて、何時もの私なら絶対に有り得ない。
改めて、吸血鬼って偉大よね。
逆に、人間って何て脆弱なのかしらね…。
私と戦った霊夢も、こんな感じなのかしら?
……そんな事、思ってる場合じゃなかったわね。
「ハァ…ハア…ハア……このままじゃ、終われない!」
私はスカーレット家の当主として、何としてもアレを奪い返す!
後10分、絶対に大逆転があるわ!
この運命は、私に味方するんだ!
―フランドール視点―
「ヘェ…ヘェ…ヘェ……もう走れないよ……」
能力封印されるって、こんなに弱っちくなるの?
私、吸血鬼で良かったわ。
人間なんてなりたくない!
「そんな場合じゃなかった……祐さん…何処に居るの…?」
もう気力だけで歩いている、走る事すらままならない。
こんなに体力を限界まで使うなんて、何時以来だろう?
そんな事を思っている、その時だった、
「こっち」
「あっ…?」
見つけた!
「追い掛けてきなよ!」
「待てぇ!」
これが最後のチャンスかもしれない!
そう思い、必死になり追い掛けるも…、
―近藤祐助視点―
「おい、どうした? こっちは三割程度でしか走ってないのに追い付け無いのか?」
「ひぃ…ひぃ…ひぃ…ひぃ………もう無理!」
フランちゃんは、走りながら力無く崩れ落ち、両手を付き激しく息切れしていた。
また、額から大量の汗が流れ落ちているのも見えた。
「大丈夫か? あと7分しか無いぞ?」
「ハァ…ハア…ハア……う……うぅぅ……」
「吸血鬼の能力を封印されると、君は腑抜けになるんだなぁ」
「私……人間じゃないもん!」
「そうか、それは残念だったな。 このゲームが終わったら、君は死ぬまでその状態で過ごさなきゃならないんだぞ?」
「嫌だ……そんなの…嫌だよ……」
「悪いが、慈悲は無いと思ってくれよな!」
喋ってないで、さっさと逃げよう。
「祐さ―ん、お願い! いい子になるから許してよぉ!」
おやおや、苦し紛れに命乞いをしてきたか。
だが……
「聞こえない聞こえなーい!」
無慈悲にそう返答してやった。
そして、逃げながら時計を確認する。
「残り4分!」
「待ち……な…さい……!」
「おや……?」
視界の先には、激しく息切れしながらもすっごい形相で走って来るレミィを発見!
「おい、大丈夫かレミィ? 凄い汗だくだぞ?」
「うるさーい! さっさと私に捕まれ!」
「捕まえて見ろよ、出来るもんならな!」
此処からはラストスパートだ!
怒涛の勢いで、ダッシュを決めると、見る見るうちに彼女達との距離を広げた。
レ「えぇぇぇ!? 何でそんなに早く走れるんだよ? どこにそんな体力があるの!?」
祐「これが人間の底力だ、吸血鬼の君には到底理解出来ないだろうがな」
レ「う〜……祐助ぇ! 私はもう限界よ! 手加減してよぉ!」
祐「嫌なこった!」
フ「嫌だよぉ! 負けたくないよ〜!」
祐「さあ来いよ! 吸血鬼の意地を見せて見ろ!!」
辺りを警戒しながら、二人を挑発する。
レミィは、ついに弱音を吐き、フランは半泣きになっている。
レ「もう…ダメか……スカーレット一族も最早これまで………」
フ「吸血鬼でいられなくなる位なら私……死んだ方がいい……」
あの2人に、最早戦意は無いと見た。
「………イケるな」
残り2分!
人間様の大勝利まで、後僅か!
脳内に、あの「音楽」が鳴り響く。
2人との距離は十分ある。
タイムアップを待つばかりだ。
後ろを気にしながら、歩を進める。
周りにいる妖精メイドも、ホフゴブリンも俺の視界には入っていなかった。
残り1分!
ついに、その時は近付いてきた!
自分の勝利を確信していた……はずだった。
偶々厨房の近くへと差し掛かった時であった。
「あっ、祐さん?」
「さ、咲夜さん…?」
や、ヤバい……これは嫌な予感しかしない!
咲「何をしてるの?」
祐「何をしてるって、遊んで……」
咲「……あら、それはお嬢様と妹様の帽子じゃない?」
祐「あっ……これには、訳があってだな……」
レ「しゃーくやー!! 帽子取ってぇぇぇぇ!!」
祐「あっ、しまっ……」
気が付いた瞬間には……
咲「はい、どうぞ」
祐「あっ……」
レ「フッ……」
レミィとフランちゃんの帽子は、咲夜の手によって返されていた。
祐「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
正に、悪夢の瞬間であった。
咲「えっ? 祐さん!?」
祐「咲夜の馬鹿野郎ぉぉぉ!!!」
咲「???」
レ「……フッハッハッハッハッハッハッ!! やはり、運命は最後には私に味方したのだー!」
フ「やったぁぁぁ! 見事なまでの逆転サヨナラ勝ちだね!」
祐「そんなのありかよぉぉぉぉぉぉ!!?」
――――――――――――――――――
その後、客間へと移動した俺達。
「咲夜の大馬鹿たれが……もう僅かで大勝利だったのに、このアホンダラが!」
「祐さん、そんなに怒らなくたって…」
「うるせー! このカスメイドが! テメェが最後まで話を聞いてればこんな事にはならなかったんだ! こっちは一世一代の大勝負をしていたのに、テメェのせいで全部ぶち壊しだ、どう落とし前付けてくれるんだ!? このクソッタレが! 瀟洒なメイドだ?笑わせんな! ビッチメイドがテメェにはお似合いだ! そんなヤツの話し相手なんて二度としてやらん! ボケナスが!!!!」
「そんな………」
俺は怒りの余り、あれからずっと、咲夜に罵倒雑言を浴びせていた。
咲夜は俯き、しょんぼりとしていた。
「祐さん、落ち着いて下さいよ、咲夜さんだってわざとやった訳じゃないんですから…」
「黙れ、このチンカス中国野郎!」
「ひ、酷い…!」
この怒り、何処にぶつければいいんだ!?
「まぁ、とにかく……何にしても私達の勝ちよ、祐助」
「そうだよ! ちゃんと約束守ってくれるよね?」
2人の姉妹吸血鬼は、勝ち誇ったように、椅子に深く腰掛け、偉そうに脚を組んでやがった。
その二人の目の前で、俺は正座してうなだれていた。
ちなみに、既に拘束術式は解いてある。
「……あぁ、約束だからな。 ちゃんと守ってやるよ」
「やったぁ! 祐さんの血が飲めるぅ!」
「フフフ…、久し振りに貴方の血を堪能させて貰おうかねぇ…」
「頼むから、程々にしてくれよ…」
「大丈夫よ、ちゃんと加減してあげるから」
「はぁ……正に悪夢だ………」
「それじゃ、私から吸うね!」
フランが俺の前へと出る。
「ダメよフラン、私が先よ」
そこへ、姉がにゅいっと顔を出し阻止する。
「いいじゃない、先に吸わせてよ!」
「ダメだ! こういうのは私から飲むと決まってるんだから!」
「何よ! お姉様ばかりズルいわよ! 私が先なんだから、祐さんは私が先の方がいいよね?」
「えっ……」
「フラン! そうやって誘導するな! 私が先の方が良いわよね、祐助?」
「いや……それは……」
フ「私が先よ!」
レ「私の方が先よ!」
フ「だったら、お前なんかねじ伏せてやる!」
レ「面白い! やってみろ!!」
血を吸う位の事で、不毛な姉妹喧嘩をしやがって…。
吸血鬼は、そんなに血を飲む事が大切なのかね?
「止めろ二人とも!」
「「…………っ!」」
「そんな事で喧嘩しやがって、ガキかお前ら」
「ガ………!?」
「吸血鬼にとって、血を吸う行為は大事な事なのよ!」
「だからといって喧嘩する事無いだろ? それ以上喧嘩するなら、吸わさないぞ?」
「「そんなぁ!?」」
2人の悲鳴に似た叫びが響く。
「しゃーねーな……」
ここは、俺も覚悟を決めるか…。
「咲夜、濡れたタオルを持って来い」
「タオル? 何をするの?」
「いいから持って来い!!」
「は、はい!」
彼女が返事をした瞬間には、濡れたタオルを持って俺の前に立っていた。
「これで、いいの?」
「ああ、これで十分だ」
そして、汗でベタついた首筋をタオルで拭く。
「……これで良いかな?」
「祐助…?」
「どういう事?」
「2人同時に来な……」
首筋を見せて、そう一言。
「2人同時?」
「そうだ、それなら公平だろ?」
「良いの? そんな事して」
「どうせ、吸われる量は一緒だろ? なら同じ事だし、早く終わらせて欲しいしな…」
「……良いのね?」
「今更、後には戻れないだろ…」
「それじゃ、遠慮無く! お姉様!」
「ええ、じゃあ祐助、首を出しなさい」
「はいよ……」
いよいよ、拷問が始まりやがる……。
咲(祐さん、大丈夫かしら…)
美(よく、あんな事出来るなぁ…)
「一応確認するが、これで俺が吸血鬼化するなんて事は、無いだろうな?」
「その心配は無いわ、大量に吸い尽くさなきゃ吸血鬼化はしないわ」
「だから、安心してね!」
「安心なんて、出来るかよ…」
「さぁ、行くわよ…」
「………ああ、来やがれバカヤロー!」
「いっくよー!」
二人の顔が、俺の目の前にまで近付く。
そして……
『カプッ!』
「うぐぁぁっ!?」
2人の牙が、首筋を貫通したのを感じた。
「うわっ……ひぃぃぃっは!」
「むぐっ……(動いちゃダメよ)」
「あはっ、はぁぁぁぁ!!」
自分でも情けないが、悲鳴を止める事が出来ない。
痛いのは一瞬だったが、言葉では説明出来ない劣情が起きていた。
「むにゅ…ぐっぐっ……」
「いやっ、は、は、激しい!?」
咲「祐さん……!」
美「大丈夫ですか?」
「うはっ……はうぁ……あっあっ…ひぐぅ…あ……!!」
吸血鬼からの攻めはまた終わらない。
「ひゃうわぁ? は、激しい! 激しく吸いすぎ……だ…!」
「(じゅー…)」
「ちゅー!」
「あっはぁぁぁぁ! ダメだ! もう…無理だ! それ以上激しく吸われたら………い……イッちまうよぉぉぉぉ!!」
その瞬間、自分の背筋が反り返るのを感じた。
「はぁ…あぁぁぁぁぁぁ!!」
2人の拷問そのものの吸血が約1分近く続いた後……
「………ぷはぁ!」
「ふう…、ごちそうさま」
「うがぁぁ…はぇぇぇ……」
ようやく2人から解放され、その場に倒れ込んでしまった。
「や…やっと、終わったか……(ガタガタ…」
体が震える
寒い訳でも無いのに、震えが止まらなかった。
意識も朦朧とし、方向感覚が無い。
「祐さん、大丈夫?」
「しっかりして下さい!」
そこへ、咲夜さんとメイちゃんが駆け寄って来たが、2人の声は余り耳には入っていない。
「ふう…、美味しかったわ、祐助」
「祐さんの血、とっても美味しかったわ、ありがとね! また飲ませてよね!」
朦朧とした意識の中で俺が見たのは、艶やかに笑みを浮かべる2人の吸血鬼だった。
レミリアさんのカリスマに溢れた笑みに凄みを感じ、
フランちゃんは、普段の少女っぽい雰囲気では無く、妖艶な大人の笑みを浮かべていたのが、強烈な印象に残った。
血を吸っただけで、吸血鬼ってあんなに雰囲気が変わるものなのか?
「そ…そうか……それは…よかった……」
「一応、これでも十分加減したんだから、感謝しなさいよ」
「へ…へえ……涙出る位嬉しいわ……」
もはや、文句を言える余裕も無い。
ていうか、自分で何を言っているかすら、訳が分からなくなっていた。
「はぁぁ………血を吸ったら、急に眠くなってきちゃった…」
「そうね、さっきよく運動したから、尚更ね」
「じゃあ私、部屋に戻るからね! バイバイ祐さん!」
「私も部屋に戻るわ、咲夜、後はお願いするわ」
「はい、お嬢様…」
そう言い残し、2人は客間から出て行こうとした。
俺の心配は無しかよ!?
レ「……そうだ、言い忘れてたわ」
祐「…何だよ?」
レ「吸血鬼にとって、首筋から血を吸う行為って、どういう事か分かる?」
祐「えっ…? 首筋が吸いやすいからじゃないのか?」
レ「それだけじゃないわ……」
フ「私達にとっては、とってもエッチーな事なんだよ?」
祐「………はっ?」
レ「吸血鬼が首筋から血を吸うっていうのは、性行為も同然の事なんだよ」
祐「なっ……! せ、性……」
フ「だから、言うなれば、私とお姉様は、祐助と3P………」
祐「言うな! それ以上は言うな! お前の口から卑猥な言葉は聞きたくない!」
レ「あら、顔が赤くなってるわよ祐助? かわいいねぇ……アッハハハハ……!」
フ「きゃははは! 祐さんいい顔してるー!」
2人は笑いながら部屋を出て行った。
……屈辱だ、これほどの敗北感を感じたのは、かなり久し振りである。
「ク、クソ……アイツら………震えが止まんねぇ……」
ふと、咲夜さんとメイちゃんの方を見ると、顔を赤らめて視線を逸らしていた。
「おい…、ちょいと手を貸してくれよ……」
「えっ…えぇ………とにかく、手当てしましょう。 美鈴、手を貸して」
「は、はい!」
「悪いな…、2人とも…」
二人に起こされ、メイちゃんの肩を借りて別室へと移動した。
だが、悪夢はまだ終わっては無かった。
――――――――――――――――――
「あぁ……ダメだ、まだ震えが止まらん…」
「だ、大丈夫ですか…?」
「大丈夫と言いたい所だが、本当に吸血鬼化しないか、そっちの方が心配だ…」
別室に移動し椅子に座っていたが、まだ震えは止まらない。
メイちゃんが横に座り、心配そうにしてくれている。
「薬箱を持って来たわ、処置を……………っ」
「……咲夜さん?」
「どうしました?」
俺を見て一瞬フリーズする咲夜さん
一体、何が起こった?
「…おーい、咲夜?」
「祐さん……」
何故か艶やかな表情をした咲夜の顔が俺に近付く。
「さっきはごめんなさい、そんな事とは知らなかったの……だから、お詫びというか……」
「お、おい……君は一体何を言っているんだ? お詫びって何をする気なんだよ…?」
彼女は、先程吸血鬼に咬まれた傷口を眺めていた。
「まだ血がこんなに…」
「えっ……」
彼女は、流れる血を指で掬うと、
「うむ……」
口に含んだ。
「おい、咲夜よ……何をやっているんだ…?」
「咲夜さん、一体どうしちゃったんですか?」
「祐さん、私………もう我慢出来ないわ……」
「だから、何を……」
「戴くわ……」
彼女は首に顔を近付け、舌で傷口をペロッと舐めたのだ。
「―――――っ!?」
「これは………お嬢様が美味しいって言ってたのも分かるわ…」
そして、ついに傷口を口で含んでしまった。
「お、おい、咲夜!? 何の冗談だ? 止めろ!」
「冗談じゃないわ、これは私からのお詫び…」
まるで、吸血鬼のように血を吸い始める咲夜。
一体どういう事なんだ? 咲夜に何が起こっているんだ?
違う! これは何時も彼女じゃない!
きっと、何かの間違いだ!
パニックになりそうなのを、何とか抑えようとするも、更に追い討ちを掛けられる。
「祐さん………咲夜さんにそんなものを見せ付けられたのでは……私ももう限界です…!」
「へっ? メイちゃん……何を……」
顔を赤くしていたメイちゃんは帽子を取り、俺の目の前まで近寄って来た。
「さっきバラしちゃったお詫びです、私も……」
そう言って、メイちゃんはもう片っぽの吸血鬼の咬み傷に口を含んだ。
「むぐ……」
「ひぃぃぃぃぃ!?」
一体、何が起こってやがる!?
「や、止めろ2人とも! 吸血鬼の真似事はよせ!」
遠のきそうになる意識を何とか制御し、声を上げるも、
「静かにして、すぐ終わるわ…」
「どうです祐さん? これが良いんですか?」
「う、うぉぁぁぁぁ…!」
右から左から、両脇から2人の美女に傷口を攻められている図。
ふらつく身体では、2人を跳ね退ける事すらままならない。
何という屈辱だ!
どうしてこんな辱めを受けなきゃならんのだ!?
「うぁぁぁ……もういい! 頼むから止めてくれ!」
「……ダメ」
「……止めません!」
何故に、こうなるんだよ?
こんな事をしに来た訳じゃないのに…。
「ねぇ、祐さん……私達と、しましょうよ?」
「一瞬に、楽しみましょうよ…、夜は長いんですから……」
「もう、止めてくれ……」
余りの羞恥に、一気に頭に血が上る。
「お前ら……」
茶番は終わりだ。
「「えっ……?」」
「いい加減にせんか―――い!!!!」
『ゴッツン!』
「「いっだぁぁぁぁぁぁぁ!!?」」
頭に来てしまい、瞬時に2人から首筋を放し、
そして、咲夜と美鈴の頭を掴み、ゴッツンコしてやった。
遠退きそうな意識の中でも思いっ切りやったので、2人は白目を剥いて気絶してしまった。
「はぁ…はぁ…はぁ………とんでもねぇ阿婆擦れ共だ…!」
ふらつく身体を何とか制し、部屋を出た。
こんな所にいたら、また襲われかねん!
早いとこ、この場を放れないと…。
今、襲われたら、殺される自信がある。
――――――――――――――――――
「………そう、貴方もとんだ目に遭ったわね…」
「本当に、冗談じゃねーよ…」
あれから、俺はパチュリーさんに助けを求めて図書館にやって来た。
命からがら逃げて来たと言った方が正しいかもしれない。
彼女に回復魔法を掛けて貰い、ようやく震えが収まってきた。
「しかし、本当に何だったんだろうな? あの豹変の仕方は何時もの彼女達からは想像出来ないんだが…」
「それ、何時頃だった?」
「えっと、30分程前だったから……丑の刻?」
「なる程、多分その時間はそういう雰囲気っていうか、ムードになってしまうのよ」
「なんだよそれ? 意味が分からん…」
それ、何てエロゲ?
そんな情欲を、俺に向けないで欲しいものだ。
「………さあ、これで8割は回復した筈より、後はゆっくり休んで頂戴」
「ありがとよ、随分楽になったぜ」
「それにしても…、貴方もお人好し過ぎるわ、幾らゲームに負けたからって、レミィとフランに血を吸わせるなんて、自殺行為そのものよ?」
「スマン……全くその通りだ、言い訳は出来ん……」
「しょうがないわね……それじゃ、今から私の手伝いをしなさい」
「手伝い?」
「実験したい事が2、3あるのよ、付き合って貰える?」
「昼間の様な事にはならないだろうな?」
「大丈夫よ、今度は準備万端よ」
「それならいいんだが……なら手伝ってやるよ、さっきは助けてくれたんだからな、お返しだ」
「そう言ってくれて助かるわ、それじゃあ……」
それから、俺はパチュリーさんに言われた道具や薬物(?)の段取りや運ぶ作業、実験の助手をして手伝ってやった。
今考えれば、何の実験をするのかを聞いておくべきだった…。
「さあ、このフラスコの液体の匂いを嗅いでみて」
「………勘弁してくれ」
「ダメよ、ちゃんと手伝うって約束したでしょ?」
「いやさ、さっきまで十分にしたじゃないか」
「まだよ、これからが本番なんだから」
「何の効果があるんだ?」
「それは、後のお楽しみよ」
「大丈夫なんだろうか…」
仕方なく、フラスコ瓶の蓋を開け、瓶の口を鼻へ近付ける。
「…………ほのかに甘い香りがするが………」
それ以外は何も感じない。
……あれっ? ただの香水か?
そんな筈はないだろう、パチェがただの香水なんか作るかよ?
ていうか、香水なら俺じゃなく、咲夜かレミィに実験させるだろうよ。
「なぁ、何も起こらないんだが…」
「…………っ」
「パチェ、これは一体何の薬なんだ? 魔術に関連があるのか?」
「……………っ」
パチュリーさん、何故か顔が赤くなっていた。
……非常に、嫌な予感がする。
「……パチェ? どなんした?」
「祐……助……」
「えっ…?」
「貴方の事……前から……その……」
「おい……何の話をしてるんだ…?」
「むきゅう!」
「うおぉぉぉぉ!?」
突然、抱きつかれて来たらビビるだろ!?
「フンッ!」
「むごっ!?」
そして、俺の口に何かを入れた。
「な、何だ……飴玉? これって……(コロコロ…」
「フフフ……それはね………」
「………ぶふほぉ!!?」
突如として襲ってきた強烈な味に、卒倒してしまった。
そこから先の記憶は無い。
『チュン…チュン…』
「…………う……ん…?」
あ…朝か? 鳥の鳴き声が聞こえる。
気が付くと、何時の間にかベッドに寝かされていた。
腕時計を見ると、朝の6時を回っていた。
「あれから…どうなったんだったけ?」
寝ぼけているせいか、まだ状況が把握出来ていない。
「とりあえず、起きる………か……」
起きようとして横を向いた瞬間、俺は凍りついた。
「すぅ…すぅ…すぅ…」
「……リトル…?」
俺の横で、リトルが幸せそうな顔をして寝息を立てていたのだ。
しかも、妙に良い香りを漂わせてやがる。
「な…何で…?」
混乱しそうになるが、何とか抑える。
「この状況はよくな……」
「ううん……祐さーん♪」
「うおっ!?」
寝ているリトルが、俺の首に腕を回してきたのだ。
「ちょ、ちょっと……それはダメだろ……」
よく見れば、彼女は寝間着を着てはいるが、結構はだけている。
も、もしや……
すかさず、自分の服装を確認。
「………大丈夫だな」
服はちゃんと着ており、脱がされた形跡も無かった。
とりあえず一安心。
何とかベッドから出ようと、リトルの腕を解こうとしたが、
「うううん……」
「はっ…?」
後ろからも手が伸びてきて、俺の腕を掴んだ。
恐る恐る後ろを見ると…、
「パ…パチェ……」
それを見て、2度凍り付いた。
パチュリーが…、パチュリーが薄着で寝ていたのだ。
「てことはだ……」
俺は、人外の女に挟まれて寝ていたって事になる。
一体、あれから何があったんだ?
誰か説明してくれる人はいませんかね?
それを悟った瞬間、悲鳴を上げそうになる。
「………………っ!!!」
口を押さえ、必死で堪える。
訳の分からない汗が体中から出始めていた。
「落ち着け俺……とにかく出よう」
2人を起こさないように、そっと腕を解き、布団から出る。
「まだ起きてくれるなよ…」
直ぐに布団を掛けてやる。
何とか、起こさずに切り抜けられたが……
『……こあ! 邪魔よ、退きなさい!』
『……パチュリー様こそ……離れて下さい!』
「な、何だ…?」
突然始まった2人の寝言に、またも衝撃を受けた。
『祐助は私のものよ…! 貴女なんかの勝手にさせない』
『違います! 祐さんは私と付き合うんです! パチュリー様はお呼びじゃありません!』
『させないわ! 彼は私の男よ! 貴女なんか眼中に無いのよ!』
『そんな事絶対に許さない! 彼は私のもの、誰にも邪魔させないわ!』
「……………っ」
彼女達の寝言の会話を聞いて、鳥肌が立ってきた。
恐らく、コイツらは本音で話してるんだろう。
ていうか、夢の中までリンクしてやがるのか?
本当に本音ならば、冗談じゃねぇぞ…。
ドレミー・スイートってヤツに頼んで、何とかして貰うか?
そんな事を思いながら、静かに部屋を出た。
長い廊下を歩く道中、数少ない窓から外の様子を見る。
桜の花弁が散っているのが見えた。
「……春、真っ盛りだな………」
こういう陽気は、人妖を狂わせてしまうものだろうか?
昨晩は、紅魔館メンバーの有り得ない素顔を見てしまったのは、そのせいか?
何かの間違いだと思いたい…。
途中、何人かの妖精メイドに声を掛けられたような気がしたが、全く耳に入っていなかった。
また、ホフゴブリンに周りを付きまとわれた気がしたが、全く気にならなかった。
朝っぱらからこれかよ…。
満身創痍とは、まさにこの事だな。
そうやって俺は、荷物の置いてある客室へと向かっていた。
「早く帰りたい……」
その事ばかりで頭がいっぱいであった。
「みんな揃って……馬鹿たれ共が…!」
続く。
盛大なるキャラ崩壊がありました。
今後のストーリー展開に影響があるかは、まだ分からない…。
本当は、2つに分割しようと思いましたが、紅魔館編を早く終わらせる為に、一気に書き上げました。
次話で、紅魔館編は終わりです。
ちなみに、作中に出て来た「あの音楽」とは、「逃走中」のクライマックスで流れるあの音楽です^^