痛快! 男達の幻想郷   作:豊之丞

28 / 37
お久しぶりです!
すっかり間が空いてしまいました(汗)

それでは、どうぞ!


紅魔館の住人達 後編

「ふぅ……」

 

荷物の整理を終え、俺はバルコニーで煙管を吹かしていた。

 

昨晩の羞恥には、ホトホト参ってしまった。

本当に、此処の住人の神経を疑ってしまう。

 

「早いとこ、帰らなきゃな…」

 

あんな思いをしたなら、普通の人間はとっくに逃げ出しているだろう。

未だにこの場所に居る自分は、我ながら大したもんだぜ。

 

「おはようございます、祐さん」

 

「………?」

 

振り向くと、何事も無かったかのように、咲夜が立っていた。

服装も、何時もの様に整ったメイド服、少しめかしつけている様にもみえるのだが。

 

「あの、朝食の準備が出来ました…」

 

「…………っ」

 

俺は何も答えずに、煙管を咥えたままジト目で睨んだ。

 

「えっ……あの………祐さん…?」

 

「お前さぁ…、昨晩あんな事をしておきながら、よくも俺の前に平然とツラを出せたものだな」

 

「祐さん…あれは、その……」

 

「ああっ!?」

 

俺の問いに口ごもり、俯き目が泳いでいる。

普段の咲夜さんなら、絶対に有り得ないだろう。

 

「すぅ………ふうぅぅ……」

 

「ゴホッ!……ゲホッ、ゲホッ……」

 

わざと、煙草の煙を咲夜さんに吹きかけてやった。

ささやかだが、昨日の仕返しだ。

 

『パンッ、パンッ!』

 

「朝飯は要らねえ、俺はもう帰る」

 

煙管をしまうと、客室へ向かおうと歩き出した。

 

「祐さん、待って!」

 

後ろから咲夜に声を掛けられるが、最早振り向く気もしない。

そのまま、歩き続けた。

 

「昨日は……その………ごめんなさい……」

 

後ろから追って来る咲夜さんから、ようやく詫びの言葉が出た。

 

「昨晩のあれは………本当にお詫びがしたいと思って……その場の雰囲気っていうか、つい…」

 

「その結果はどうだった? 俺は非常にムカついたんだが?」

 

「そ、それは…」

 

「あれはな、変態がやる所業だ、まともな人間がやる事では無い。 俺は変態と友人になった覚えは無い」

 

「うっ……」

 

「寧ろ、男として屈辱を受けたぜ。三十余年生きて来たが、あんな事は初めてだったぞ」

 

「………っ」

 

「あんな屈辱、そう簡単に忘れられる様な出来事では無いだろ? こんな事があるのなら、もう紅魔館には来ない。 そんじゃ、あばよ」

 

客室に到着し、自分の荷物を担ぐと、直ぐに玄関へと向かう。

 

「待って、祐さん!」

 

そこで初めて、咲夜に腕を掴まれた。

振り向くと、彼女は涙目で俺を見つめていた。

 

「本当に…本当にごめんなさい! 貴方が屈辱を受けたというのなら、私は手を付いてでも謝ります! 許して欲しいなんて言いません、しかし……」

 

「しかし…?」

 

「私の事は嫌いになってもいい、でも、紅魔館やお嬢様を嫌いにならないで!」

 

「何故お嬢様が出てくる? これは君の問題だろ?」

 

「それは……貴方は大事なお客様です、お嬢様にとっても私にとっても……だからまた……来て欲しいの! お嬢様の為にも!」

 

そうやって自分の事を蔑ろにするのか、コイツは。

 

「…自分はどうなっても良いっていうのか?」

 

「はい……」

 

「この馬鹿たれが!」

 

「………っ!?」

 

「お前がいるからこそ、紅魔館は機能してるんだろうが! お前が居なくなったら何にも無くなるんだよ! 主を大切するのは結構だが、自分の事も大事にしろ! 俺はそういうのが嫌いなんだ!!」

 

「ゆ、祐さん…!」

 

俺を見つめる彼女の目から、一筋の涙が流れた。

全く、俺ってこういうのに弱いんだよな…。

掴まれた腕をほどき、彼女の涙を拭ってやった。

 

「はぁ………もう良いよ、今回は水に流してやる」

 

「えっ…?」

 

「今回はな、次またやったらキレますよ?」

 

「………はい!」

 

やっと彼女に笑顔が戻ってきた。

咲夜さんには、笑顔がよく似合う。

 

「あの…それで……」

 

「分かったよ、朝飯を食べさせて貰うよ」

 

「はい! では、案内しますわ」

 

彼女は俺の手を取り、食堂へと案内した。

 

場所は分かってるんだけどなぁ…。

 

 

――――――――――――――――――

 

 

「ふぅ、朝から食った食った!」

 

朝っぱらから、鱈腹飯を食ってしまった。

やはり、咲夜さんの作る飯は美味い。

 

さっきの発言は撤回しよう、そう思ってしまった。

本当、甘いよなあ、俺って。

 

ひと息入れたら、今度こそ帰ろう。

このまま居座ると、面倒な事になりそうな予感がするのだ。

 

特に、パチェとリトルには会いたくない。

あの寝言を聞いた後だ、リアルで何か起きそうな気がする。

 

鞄を担ぎ玄関へと向かう。

 

扉を開けた瞬間、眩しい日差しが入ってくる。

 

「朝日が眩しいな…」

 

一瞬目が暗むが、直ぐに元に戻る。

 

すると、視界の先に

 

「えっと、水やりはこんなもなかな?」

 

美鈴が、花壇の花に水やりをしている最中であった。

 

「あの野郎……」

 

彼女を見た瞬間、怒りが沸々と沸き上がって来た。

 

「………あっ、祐さん! おはようございます!」

 

「…………っ」

 

昨晩の事があるから、返事はせずに睨んでいた。

 

「あの……祐さん……?」

 

「美鈴…、昨晩はよくもやってくれたな、それでいて今朝は何事も無かったかの様に挨拶か、良い根性してるよなぁ」

 

「あ…!………あれは…その……咲夜さんがあんな事をするから…つい……」

 

「人の所為にすんな!」

 

「いや……だから……」

 

「オマケに、フランに俺の居場所を教えたな?」

 

「あれは、えっと……仕方無かったんですよ…妹様に責められたら、嘘は通せないですから……」

 

「あの時のフランは、能力を封印してあったんだ。 お前は黙ってたって無事だったんだよ」

 

「そんな!? そんなの聞いてませんよ! 初耳ですよ!」

 

「じゃかぁしい! 居場所をバラしたらどうなるかって、ちゃんと言ったよなあ?」

 

「ごごごごめんなさい! どうか許して下さい!」

 

「聞く耳持たん! 表出ろや!!」

 

「ひぃぃぃぃ!?」

 

「貴様のその腐った根性、叩き直してやる!」

 

「ど、どうかご勘弁を…」

 

「いいから来い!」

 

「や、止めて下さぁぁぁぁい!!」

 

激しく嫌がる美鈴の手を掴み、無理矢理引きずりながら門の方へと向かった。

 

しっかり、ヤキ入れてやるからな。

 

 

――――――――――――――――――

 

 

「さあメイちゃんよぉ、此処まで来たら覚悟を決めな!」

 

「祐さん…、お願いですから止めましょうよ…」

 

「おいっ! お前は紅魔館の門番だろ? そんな弱気でどうする!? 仮に俺が侵入者だったら何とするつもりだ!?」

 

「だって……祐さんと闘うと、ボコボコにされちゃうんですから…」

 

実は、以前何度か稽古と称してメイちゃんと勝負をして、全て俺が彼女をフルボッコにしているのだ。

 

本人にしてみれば、トラウマものであろう。

 

「勝てるように努力しろって、何時も言ってるだろう?」

 

「祐さん強過ぎですよ! 博麗の巫女を育てた実績は、伊達じゃ無いんですから!」

 

「それとこれとは話は別だ、苦手意識は捨てて、さあ掛かって来い!」

 

「うぅぅぅ……」

 

渋るメイちゃん、逃げ場は無いぜ。

 

「仕方無い………祐さん! 手加減出来ませんよ!」

 

「いいとも、本気で来い!」

 

「すぅぅぅ……」

 

ようやくその気になったメイちゃんが気を練り出し、一気に臨戦態勢に入る。

 

「はいやぁぁ!」

 

「ふんっ!」

 

美鈴が打ち込んで来るのを見定め、次の一手を決める。

 

「はぁぁ……」

 

蹴りのモーションに入ったのを見逃さない。

 

「そらぁ!」

 

「ふぇっ!?」

 

両手で脚を止め、

 

「オラァ!」

 

『ドガッ!』

 

「ぐへぇぇぇぇ!?」

 

俺の膝が、美鈴の鳩尾にクリーンヒット。

メイちゃん、うずくまり悶絶。

 

「おい、何だそのシケた攻撃は? 本気で来いって言っただろ!?」

 

「い…いえ……本気ですから……」

 

「立て! まだ終わりじゃ無いぞ!」

 

「は、はい……」

 

何とか立ち上がると、再び気を練り出す。

 

俺も少しだけ霊力強化しとくか…。

懐に忍ばせた札を取り出し、術式を唱える。

 

「行きます! 虹府『彩虹の…………うがぁぁぁぁ!?」

 

彼女がスペルを宣言しようとした瞬間には、一気に踏み込み、またしても鳩尾に一撃を叩き込んだ。

 

メイちゃん、またしても倒れ込んで悶絶。

ついでに、のたうち回っていた。

 

「今、何をしようとした?」

 

「す…スペルの宣言を……」

 

「遅い、遅過ぎる!」

 

「そ、そんなぁ!?」

 

普通の人間じゃ、彼女を伏せる事など出来はしない。

だが俺は…、それが可能である。

 

普通じゃないから(笑)

 

「(どうしよう…、このまましゃ、絶対負ける…!)」

 

「おいおい、俺は人間だぞ? そして君は妖怪だ。 人間なんかに負けて悔しくは無いのか?」

 

「悔しいけど……けど、祐さんは別格です」

 

「人間に違いはねぇよ、そんな弱気じゃあまた負けるぞ。 今度こそ本気で来い!」

 

「く…クソ……!」

 

立ち上がった可能から、一気に妖気が溢れて来た。

いよいよ本気になってくれたか?

 

「はぁぁぁぁあ!!」

 

「あれは……」

 

「華符『彩光蓮華掌』!」

 

「来たな…」

 

米粒のような弾が、拡散しながら俺へと向かって来た。

 

「こりゃ、勝負というよりスペル攻略だな…」

 

なかなか、いい弾幕だ。

 

弾の動きを見極め、右へ左へと回避する。

地上で回避するのは難易度が上がるが、俺にしてみればこれは普通だ。

 

そうしている間にも、メイちゃんも動き回っている。

彼女のスペルの特徴でもあるな。

 

これでカメラでも持ってりゃ、切り取り撮影してやるのだが。

 

「なあ、全く当たらないんだが…、ワザとか?」

 

「そ、そんな……」

 

「俺も色んなヤツのスペルカードを見てきたからな、これ位はそよ風が吹いてるみたいで心地良いな、それっ!」

 

地上での回避が面倒になったので、軽く飛び上がってみた。

 

「あれっ、祐さん飛べるんですか?」

 

「おや?以前見せなかったっけ? 一定の条件下なら短時間だけ飛ぶ事も可能だが?」

 

「し、知りませんでした…」

 

「最も、俺が空を飛ぶなんて超希少なんだがな」

 

やっぱり飛ぶと疲れるから止ぁめた。

ゆっくり地上へと降りると、

 

「…今だ!」

 

「………っ?」

 

「それを待っていたわ! 隙ありぃ!」

 

狙っていたかと言わんばかりに、飛び蹴りを繰り出してきた。

あれで、隙があるように見えたのかね?

 

大した眼力だ(笑)

 

「フンッ!」

 

美鈴の脚を僅かに避け、直ぐに胸倉を掴む。

 

「なっ……!」

 

「はいっ!」

 

そのまま、投げ飛ばしてやるが、

 

 

「ふぁぁぁ!」

 

 

態勢を取り直した美鈴は、そのまま着地する、流石だ。

 

だが………!

 

 

「隙ありってのはな…」

 

 

「えっ……」

 

 

彼女が顔を上げた時には

 

 

「こうするんだぁぁ!」

 

 

『ドゴッ!』

 

 

「うがぁぁ!?」

 

 

俺の右フックが炸裂し

 

 

「はぁっ!」

 

 

『ガッ!』

 

 

「がはぁぁ!?」

 

 

そのまま連続攻撃!

次に左裏拳!

 

 

「オラァァァ!!」

 

 

『バギィッ!』

 

 

「ごばぁぁぁぁ!?」

 

 

最後は右アッパーで締め!

俺のお得意の3連続攻撃。

通称、ガ○リングアタック!

 

それを食らった美鈴は、盛大に吹っ飛んだ。

 

大抵の相手は、これでKOだ。

幻想郷の強者もこれを受けたら、しばらくは立ち上がれない。

 

 

「あーあ、スッキリした……」

 

「うぎぎぎ……痛い……もうダメ……」

 

立ち上がる事も出来ず、満身創痍の美鈴。

ちょいと、本気を出し過ぎたかな?

最後の方、骨が砕けた音がしたような…?

 

「おーい、生きてるかー?」

 

倒れたメイちゃんに声を掛けるが、弱々しい返事が返って来た。

 

「な…何とか……生きてる……みたい………です……」

 

「まだ続けるかい?」

 

「もうダメです………勘弁して下さい……私、死んじゃいます……」

 

「心配するな、君はこの程度では死にはしないさ」

 

「祐さん、酷いです……ていうか、全く手も足も出ませんでした……」

 

「言っとくけど、そこまで本気で攻めてなかったんだぞ? 最後の一撃は本気だったが」

 

「あれで本気じゃなかって……悔しい過ぎるぅぅぅぅ!!」

 

彼女は寝たまま泣き始めた。

 

こりゃ、本当に悔しかったんだろうなあ。

 

「悪いが、修羅場を潜ってきた数は君より多い筈だ。 それこそが、俺を鍛えた一因でもある」

 

「……どうすれば、そんなに強くなれるんですか…? 私ももっと……強くなりたい……」

 

「強くなりたいなら、武者修行の旅をオススメするよ、幻想郷を歩いていれば幾らでも妖怪が襲って来るからな、それを片っ端からぶちのめして行けば、自ずと実力がついて来る」

 

「でも、そんな事で……」

 

「修行あるのみだ!」

 

俺は、メイちゃんに手を差し伸べた。

 

「………っ!」

 

彼女も、俺の手を掴んだ。

そして、起こしてやった。

 

「大分怪我したな、手当てしてやるよ」

 

「祐さん…」

 

近くに置いておいた鞄を取り、中から治療道具を取り出す。

これは何時も持ち歩いているものだ、何かあった時はとても役に立つ。

何てたって、永遠亭の八意永琳の作った薬だからな、信頼性は高い。

 

「ちょっと染みるぞ、我慢しな」

 

「あ………いぃぃぃぃ…!!」

 

消毒液を傷口に付けると、メイちゃんは苦悶の表情で、歯を食い縛っていた。

 

「此処も傷があるな、ちょちょっと…」

 

「し、染みるぅぅぅ…!」

 

「もう少しだ、我慢我慢!」

 

「ぐぅぅぅぅ……」

 

手早く傷口の消毒をして、薬を塗り付けた絆創膏を貼り付ける。

 

「こ、これは……痛いぃぃぃ!!」

 

「………よし、もう終わりだ。 妖怪の君なら明日には完治するさ」

 

包帯を巻き終え、今度は薬と水を用意する。

 

「何ですか、コレ?」

 

「痛み止めだ、これを飲めばしばらくは痛みを和らげてくれる。 さあ、ぐっと飲め」

 

「はい……うぐっ…うぐっ…」

 

俺が渡した薬と水を一気に飲み干すメイちゃん。

 

「ふう…、ありがとうございました」

 

「もう大丈夫か? 立てるか?」

 

「はい…、何とか…」

 

俺の手を借りて、痛そうにしてたが立ち上がる事が出来た。

 

「何とか大丈夫そうだな」

 

「はい、お陰様で。 祐さんは、こんな治療も出来るんですね!」

 

「俺の稼業は怪我が絶えないからな。 これ位の応急処置はお手の物さ」

 

まあ、大体は鈴仙さんに教わったんだがな。

 

「それから…気を付けろよ、肋骨が砕けてるかもしれないからな」

 

「えっ……」

 

「さっき吹っ飛んだ時に、鈍い音がしたからさ」

 

「あう……」

 

それを聞いてショックを受けたのか、ガックリと肩を落とした。

 

…敢えて、見なかった事にしよう。

 

「さて、そろそろ……」

 

「あ、あの……」

 

今度こそ帰る支度をしようとすると、メイちゃんに声を掛けられる。

 

「うん? どうした?」

 

「また…、勝負してくれますか?」

 

「もちろんだ、次こそ俺を手こずらせてくれよ?」

 

「は、はい!」

 

「よし! そろそろ帰ろうかな……」

 

「待ちなさい」

 

「……っ?」

 

不意に声を掛けられる。

そこには、日傘を差して立っているレミリアさんと咲夜さん、リトルがいた。

 

レ「面白い余興だったわ」

 

祐「何だ、見てたのか」

 

レ「最初からじゃないけどねえ」

 

咲「やっぱり、美鈴じゃ歯が立たなかったわねぇ」

 

美「見てたんなら、止めて下さいよ…」

 

咲「無理よ、ああなったら私じゃ止められないもん」

 

祐「いや、君なら止められるだろ…」

 

小「祐さーん!」

 

祐「うおっ!?」

 

リトルがいきなり抱き付いてきやがった。

 

小「次はいつ来るんですか?」

 

祐「さあ…、いつになるかまだ分からないが……」

 

小「えぇぇぇ!? 私、寂しいよぉぉ! 出来るだけ早く来てね! 次こそ祐さんをモノにするんだから!」

 

祐「おいリトル! 誤解を招くような言い方は…………っ!?」

 

ふと、辺りを見ると、3人が俺をジト目で見つめていた。

 

レ「祐助…、これは一体どういう事なの?」

 

祐「どういう事って……小悪魔に聞いてくれないか?」

 

小「ウフフ♪ 祐さんは私とお付き合いするんですよ!」

 

『はぁぁぁぁ!?』

 

一同は驚きの声を上げる。

 

一番驚いているのは、俺だっつーの。

 

レ「お、お前! 一体誰に許可を得てそんな事を言っているんだ!?」

 

小「あら、お嬢様。 妬いてるんですかぁ?」

 

レ「そ、そんな訳無いでしょ! 祐助は貴女のモノじゃないのよ!?」

 

小「いいえ、お嬢様のものではありません。もちろん、パチュリー様のものでも無いわ」

 

祐「そう言えば、そのパチュリーさんは?」

 

小「まだ寝てますわ、今日はもう起きないかもね?」

 

「……………っ」

 

何をしたんだコイツは…。

まさか……そんな事は無いよな?

 

レ「……とにかく、そんな事は許さないわ!」

 

小「横取りはいけませんよ?」

 

レ「うるさーい! 横取りも何も無いでしょうがぁ!」

 

レミリアさん、顔を真っ赤にして怒っている。

何とかしないと、本当に殺し合いが始まりそうだ。

 

祐「リトル、 それ位にしな。俺は君と付き合うつもりは無いって言っただろ?」

 

小「そんなぁぁ!?」

 

レ「……なぁんだ、ちゃんと分かってるじゃないの、祐助」

 

祐「かと言って、君でもないからな?」

 

レ「う〜〜…!」

 

そこら辺は、はっきりさせておかないといかんからな。

 

「さて、後は君達で話し合ってくれ。 俺はお暇させてもらう」

 

 

鞄を持ち湖の方向を向くと、そのまま歩き出す。

 

レ「また、必ず来なさいよ。 色々と相手になって貰うから」

 

咲「祐さん、来てくれたらまた夕食をご馳走しますわ」

 

美「次は絶対、一矢報いてやりますから!」

 

祐「おう、期待してるぜ。 じゃーなー」

 

俺は、振り向く事無く手だけ振って、その場を後にした。

この後はきっと、修羅場になるんだろうな…。

 

 

 

 

 

 

 

 

小「ウフフフフ……祐さん、次はいつ来てくれるのかなぁ?」

 

レ「小悪魔……話がある、今から図書館へ来なさい」

 

小「何ですぅ? やっぱり嫉妬してるんですか、お嬢様?」

 

レ「違うと言っているだろ!? 一度お前は躾をし直さなきゃならないようだな!」

 

小「いやだ、こわーい♪」

 

レ「コイツぅ……!」

 

咲「お嬢様、何故そこまでムキになるのですか?」

 

レ「へっ? 咲夜…?」

 

咲「彼はモノではありません、ましてやお嬢様1人のモノでは無いのです」

 

レ「さ、咲夜? 貴女まで何を言い出すの?」

 

咲「彼は私の……」

 

美「祐さんは、私と勝負するんです! だから、誰にも手出しさせませんよ!?」

 

咲「美鈴…、どさくさに紛れて何を言っているの?(怒」

 

美「祐さんの相手は私です、お嬢様でも咲夜さんでもありません!」

 

レ「ふーん…、大した度胸ねぇ…」

 

咲「貴女がそんな事をホザくなんて、思ってもいなかったわ…」

 

美「やる気ですか? 受けて立ちますよ!」

 

レミリアは爪を向け、咲夜はナイフを構え、美鈴も直ぐに踏み込める態勢に入った。

 

小「ちょっと! 私を差し置いて何を勝手な事を言ってるの? 祐さんは私の……」

 

レ「うるさい! みんな纏めて痛い目に遭わせてやる!」

 

そこへ、思わぬ横槍が入る。

 

フ「わーい! 何か面白そうだから、私も混ぜてぇぇ!」

 

レ「フ、フラン!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズド―――――――ン!!

 

 

 

 

 

「うん………何だ……?」

 

 

何か、もの凄い爆発音がしたので振り返ってみる。

 

紅魔館の方角から、凄い煙が上がっているのが見えた。

 

 

「あいつら…、やっぱりやっちまったか………放っとけ、気にしない気にしない」

 

もう、あそこに行くのは懲り懲りだ。

出来れば、もう行きたくは無いな。

 

……でも、また行くんだろうなあ、きっと………。

 

お人好しな性格は、これだから困る(苦笑)

 

「そう言えば、土産物のお菓子が少し残ってたな、誰かに渡さなきゃ…」

 

鞄の中を確認すると、粒餡最中の箱が幾つか残っていた。

ちと、買いすぎたか…。

 

「はぁ…、渡すたってなぁ……誰に渡そうか……」

 

森を歩きながら、その事で悩む俺。

 

 

『グォォォォォォォ!!』

 

 

「……お前には、これをやる」

 

 

 

シュッ…………チュドーン!

 

 

 

『ギャオォォォォォ…!!』

 

 

不意を突いて来る悪い妖には特別サービス。

博麗札では無く、守矢札をお見舞いしてやる。

 

「どうだい? 霊力ばかりじゃ詰まらないだろ? たまには神力で退治されるのも最高じゃないか?」

 

『……………っ』

 

だが、その妖はピクリとも動かなかった。

 

「おやっ、即死か………お気の毒様」

 

博麗札も十分凄いが、守矢札もなかなかの威力だ。

流石は、あの二柱が力を込めてるだけはあるな。

 

「一応、封印しておくか…」

 

屍になった妖の身体に博麗札を貼り付け、封印術式を唱える。

これで、復活する事は二度と無いだろう。

 

別に殺してしまう事は無かったか?

仕方ない、これは不可抗力だ。

守矢札が凄すぎるんだ。

 

それに、身に降る火の粉は振り払わなければならない。

コイツも、襲う相手が悪かったな…。

 

しかし、よく考えてみれば、今回の外出で初めて妖に襲撃されたんだよな。

 

……何かこう、もっと骨のある妖は居ないもんかねぇ?

 

「慶治や平九郎の方がよっぽど手応えあるぜ…」

 

まあ、あの2人と比べたらダメか。

 

 

その場を離れ、再び森の中を歩き出す。

 

 

「(♪)春は名のみの 風の寒さや

谷のうぐいす 歌は思えど

時にあらずと 声も立てず

時にあらずと 声も立てず〜…」

 

 

早春賦を口ずさみながら、森を散策して歩く。

童謡を歌うと、何だか気持ちが落ち着く。

 

さっきの様な殺伐とした妖怪退治をした後でも、童謡を口ずさむと気持ちが和むものである。

 

 

「(♪)氷融け去り 葦はつのぐむ

さては時ぞと 思うあやにく

今日も昨日も 雪の空

今日も昨日も 雪の空〜……

 

………昔を思い出すなぁ…」

 

 

柄にもなく、黄昏ってしまった。

 

すると、遠くの方から何か音が聞こえた。

 

「うん……?」

 

『ドドドドン!………ドンドンドン……ドガガガガ……!』

 

「何だか、激しいリズムだな……」

 

『ドガガガガ! ドドドドドドドドドンドガ!………ヒャッハ―――!!』

 

「………プリズムリバーの音では無いな……」

 

こんな激しいドラムのリズム……、ビートを奏でるのは幻想郷じゃ、1人しかいない。

 

「堀川雷鼓め……」

 

昼間だからいいものの、こんな音を真夜中に放たれては、近所迷惑もいいとこだ。

 

「せっかくだし、行ってみるか…」

 

お土産のお菓子も残ってる事だし、丁度良い。

 

そんな訳で、俺は激しいビートを奏でるライブ会場(笑)へと、向かってみるのであった。

 

 

 

 

 

続く…。




紅魔館を離れても、また一騒動の予感が……?


すっかり、失踪常習犯になってしまいました、皆さんお元気ですか?

ペースは上がらなくても、どうにか続けてはおりますw
執筆ペースが上がらないのは、単に自分のモチベーションに問題があるんですが…。

暑い日々が続きますが、少しずつ進めていきます。。。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。