黒子のバスケ~次世代のキセキ~   作:bridge

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投稿します!

台風が吹きすさむ中、仕事も休みとなり、早めの投稿です。

遂にこの二次も100話目に到達!!!

それではどうぞ!



第100Q~トラジションゲーム~

 

 

 

――ティップオフ!!!

 

 

「「…っ!」」

 

高く上げられたジャンプボール。ジャンパーの松永と紫原が同時にボール目掛けて飛んだ。

 

 

――バシィィィッ!!!

 

 

「くっ!」

 

松永より遥かに高い所で紫原がボールを叩いた。

 

「ナイスだ、紫原!」

 

ボールは、永野の立っていた所へと飛んでいく。永野がボールを掴む。

 

 

――バシィィィッ!!!

 

 

「なっ!?」

 

だが、永野がボールを掴む直前、空がそのボールに飛びついていち早く掴んだ。

 

「よっしゃっ! 行け!!!」

 

ボールを確保した空は、着地と同時にボールを前へと放り投げた。そこには、リング目掛けて走っている大地の姿があった。

 

『まさか、神城がボールを取るのを見越していたのか!?』

 

観客の考えている通り、大地は、ジャンプボールで紫原の叩いたボールの軌道と空のポジションを確認した上で空がボールを奪うと確信し、速攻に走っていた。

 

ボールを掴んだ大地はそのままリング付近までドリブルをし、そのままリングに向かって跳躍した。

 

『先制は花月だ!』

 

観客の誰もが花月の先取点を確信する。

 

 

――バチィィィィッ!!!

 

 

だが、その淡い期待は背後からやってきた黒い影に阻まれる。

 

「サセナイヨ!」

 

「っ!?」

 

ブロックに現れたのはアンリ。ブロックされるとは思わなかった大地は思わず目を見開いた。

 

「なっ!? 先頭を走る大地に追いついただと!?」

 

空も驚きを隠せなかった。

 

紫原がボールを叩いた後、大地が速攻に走ったのは確認していた。その大地に僅かに遅れてアンリが大地を追いかけて走っていったのも確認していた。

 

「アウトオブバウンズ、緑(花月)ボール!」

 

ボールはエンドラインを割ってコートの外に転がった。

 

「(先頭を走った大地に追いつけるのは俺くらいかと思っていたが…)」

 

スピードに絶対の自信がある大地。実際、スピードだけなら大地は高校生の中でもトップクラスである。そんな大地に後ろから追いついてしまったアンリのスピードに空は驚愕した。

 

「…ふぅ」

 

未だ、驚きを隠せない大地。思わずアンリに視線を向けた。

 

「サンキュー、アンリ!」

 

「フー、スゴイスピードダ。アトイッポオソカッタラオイツケナカッタ」

 

アンリ自身も余裕があった訳ではなく。同じくスピードに自信を持っていただけに、ギリギリまで追いつかせなかった大地のスピードに驚いていた。

 

「コレハ、クロウシソウダ」

 

大地に視線を向け、強敵である事を改めて確信するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

花月ボールで試合は再開される。ボールは大地から空に渡される。

 

「1本! 止めるぞ!」

 

永野が声を張り上げ、気合いを入れる。

 

「…」

 

ボールをキープする空。陽泉のディフェンスはもはやお馴染みの2-3ゾーン。前のポジションに永野と木下。後ろのポジションに渡辺、紫原、アンリが立った。

 

平均身長190㎝以上の選手達によるゾーンディフェンス。中央に紫原を置いた事により、圧倒的なプレッシャーを放っていた。

 

「あんだけデカい奴らにゾーンを組まれると相当攻めづらいぞ」

 

「しかも、紫原さんが中央に立ってるから他の4人はさらに前にポジションを取っているから外も打ちづらい」

 

観客席で試合を観戦していた海常の小牧と末広が自身が試合をしている想定で感想を語る。

 

「あれがキセキの世代のセンターの紫原かい。えープレッシャー放つのう。是非とも相手してみたいもんじゃ」

 

圧倒的な存在感を放つ紫原を見て三枝は不敵な笑みを浮かべる。

 

「正直、あのディフェンスを崩すのは俺でも難しいっス。…花月はどう攻めるんスかね」

 

黄瀬は、花月のオフェンスの行方に注目したのであった。

 

「っし! 行くか!」

 

攻め手を決めた空はハイポストに立つ松永にパスを出した。

 

「よし!」

 

ボールを受けた松永はスリーポイントラインの外側に立つ生嶋にパスを出す。生嶋はすかさず中の天野にパスを出した。

 

花月は絶えずパスを出し続け、ボールを動かし続ける。

 

 

「へぇー、去年にはなかったパターンだな。去年は神城がパスを出すか、天野を中継してそこからシュートがほとんどだったのに」

 

「あれから半年以上月日が経っているのだ、この程度のパスワークなど、出来て当たり前なのだよ」

 

試合を観戦している高尾がパスワークを見て感心し、緑間は厳しい意見を出す。

 

「…けど、チーム全体が広い視野とパスセンスを持つ大仁田でもこのディフェンスは崩せなかった。果たして、得点を奪えるのかね」

 

高尾が囁くように言った。

 

 

ボールを絶えず動かし続ける花月。だが、陽泉のディフェンスは崩れず、シュートチャンスを作れない。

 

『もうすぐ20秒だぞ?』

 

ショットクロックは間もなく残り4秒に差し掛かろうとしており、早くシュートを打たなければオーバータイムを取られてしまう。

 

「…」

 

20秒に達したの同時に空がインサイドへと飛び込む。同時に右アウトサイドでボールを受け取った生嶋が空へとパスを出した。

 

『仕掛けるか!?』

 

動きを見せた空を見て、観客の注目が集まる。陽泉のディフェンスが空へと集まっていく。

 

 

――スッ…。

 

 

「なっ!?」

 

「っ!?」

 

ボールが空の手に収まろうとしたその時、空はボールを取る為に伸ばした手を引っ込め、ボールをスルーする。

 

「よし!」

 

スルーされたボールは、そのまま逆サイドに展開していた大地の手に渡る。

 

『あっ!?』

 

中へ走りこんだ空に釣られてしまった為、陽泉のゾーンディフェンスが乱れてしまう。大地はボールを受け取るのと同時にシュート態勢に入る。だが、そこに紫原のブロックが現れる。

 

「はぁ? それで俺を出し抜いたと――」

 

「――思っていませんよ」

 

大地はボールをリリースする。ボールはブロックに飛んできた紫原の横を通っていく。

 

「(この軌道、シュートじゃない。……っ!?)」

 

いち早く大地の放ったボールがリングの軌道を僅かに逸れている事に気付いた紫原。それと同時に、そのボールに向かって飛ぶ1人の選手に気付く。

 

「こっちが本命だ!」

 

『神城だぁっ!!!』

 

放られたボールに飛び込んだのは空だった。ボールをスルーした直後、陽泉選手の視線が大地に釘付けになっている隙に1度下がり、紫原がヘルプに飛び出したのを確認してから大地に合図を出し、リングに向かって飛んだ。

 

「…っ! 決めさせ――」

 

脅威の反射神経でこのパスに反応した紫原。再度ブロックに向かおうとしたが、阻まれる。

 

「っ! 通行止めや」

 

天野がスクリーンをかけ、紫原のヘルプを妨害する。これにより、紫原はヘルプに行けなかった。

 

ボールを空中でキャッチした空。そのままボールを構え、リングに向かってボールを叩きつける。

 

『先取点は、花月だ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

――バチィィィィッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

「っ!?」

 

その直前、空の右手に収まっていたボールは弾き飛ばされてしまう。

 

「フゥー、アブナイアブナイ」

 

間一髪でアンリが空のアリウープを阻止した。

 

「二重三重に絡めた奇策は見事だった。…1つ言っておく、アンリは紫原ほどのディフェンスエリアはないが、それでもかなり広い。ディフェンスエリア内であれば、アンリは一瞬でブロックに来るぞ」

 

両腕を胸の前で組みながら荒木が言った。

 

「ナイス、アンリ。キャプテン!」

 

ルーズボールを拾った渡辺が永野にボールを渡す。

 

「行くぞ、速攻だ!」

 

「ちっ、戻れ! ターンオーバーだ!」

 

オフェンスが失敗し、ディフェンスに戻る花月。陽泉選手達は全員フロントコートまで走っていく。

 

「っと!」

 

スリーポイントライン直前で空が永野を捉え、回り込む。同時に大地も戻っていた事もあり、永野は1度停止した。

 

「よこせ!」

 

フロントコートに走ってきた紫原がボールを要求した。

 

「あの紫原が序盤からオフェンスに来やがったのか!?」

 

観客席のかつて対戦経験のある誠凛の火神がその光景を見て驚く。

 

基本的に自陣のゴール下に留まり、ディフェンスに専念する事の多い紫原。第1Q序盤…それも、最初のオフェンスから参加する事はほぼ皆無な事である。

 

「どういう風の吹き回しだが知らないが、やる気を出してくれるってんならありがたい!」

 

永野は躊躇う事なくローポストにポジションを取った紫原にカットされないよう飛びながら高くボールを放ってパスを出した。

 

「捻り潰してやる」

 

背中に張り付くようにディフェンスに付いた松永。

 

「…ぐっ!」

 

ジリジリと背中でドリブルをしながら松永を背中で押し込みゴール下まで侵入する。

 

 

――バキャァァァッ!!!

 

 

リングの下に到達するとすかさずボールを掴んでリングにボースハンドダンクを叩き込んだ。

 

『うおぉぉぉぉぉぉっ!!! スゲー迫力!!!』

 

「どう? お前ごときじゃ絶対止められな――」

 

 

――ピッ!!!

 

 

自分をマークしていた松永に言葉を吐きかけようとした紫原。松永はリングに叩きつけられたボールをすぐさま拾い、スローワーとなって天野にパスを出す。

 

「速攻や!」

 

ボールを受け取った天野はフロントコート目掛けてボールを投げた。そこには、すでにフロントコートまで走りこんでいた空と大地の姿があった。

 

「っ!? 戻れ!」

 

普段であれば紫原がディフェンスに専念している為、トランジッションゲームの警戒は必要ないのだが、今は紫原がオフェンスに参加している。その為、慌てて声を掛け、自陣へと戻る永野。

 

「くそっ、あいつらー…!」

 

苛立った表情で同様にディフェンスに戻る紫原。

 

「よし!」

 

スリーポイントライン目前でボールを掴み、そのままリングに向かってドリブル。そのままレイアップの態勢に入る。

 

「ウタセルカ!」

 

そこへ、シュートコースを塞ぐようにアンリが現れる。

 

『うわー! やっぱりはえー!!!』

 

「…知ってるよ」

 

空はレイアップを中断。ビハインドパスでボールを右に流す。

 

「ナイスパス!」

 

「っ!?」

 

 

――バス!!!

 

 

ボールを受け取った大地がそのままレイアップを沈めた。

 

『おぉぉぉぉぉぉぉぉーーーっ!!!』

 

『早くも無失点記録が途絶えた!』

 

1回戦を0点に抑えて勝利した陽泉。無失点の記録を花月が試合開始1分経たずに破った事に観客が沸き上がる。

 

「くそっ…」

 

先取点を決めて早々に返され、悔しさを露にする永野。

 

「さっさとボールよこせ! 俺がもう1回捻り潰すからさあ!」

 

「お、おう!」

 

急かすようにボールを要求する紫原。珍しくオフェンスに意欲を示す姿に戸惑いを覚えながら永野はボールを受け取り、ゲームメイクを開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

――バキャァァァッ!!!

 

 

再び紫原のダンクが炸裂する。

 

「走れ!」

 

 

――ザシュッ!!!

 

 

同時にフロントコートに走った空か大地にボールが渡され、どちらかが得点を決める。

 

試合が開始され、早くも3分が経過した。試合は、紫原が得点を決め、直後、速攻に走った空と大地が決め返す。

 

時折、紫原へのパスがカットされたり、空と大地のオフェンスが止められたりして得点が決まらない事もあったが、同じパターンを繰り返していた。

 

 

第1Q、残り6分58秒。

 

 

花月 10

陽泉 10

 

 

目まぐるしく攻守が切り替わる試合展開。ハイペースで試合は進行していた。

 

 

「なるほど、無視か」

 

試合を観戦していた赤司がポツリと呟いた。

 

「? どういうことだ?」

 

その言葉に疑問を覚えたチームメイトの四条が聞き返す。

 

「花月は紫原を止める事を放棄している。見ろ」

 

ローポストにポジションを取っている紫原にボールが渡る。松永は侵入を阻止する素振りを見せるが…。

 

 

――バキャァァァッ!!!

 

 

ゴール下まで侵入した紫原がダンクの態勢に入ると距離を取り、ブロックには行かなかった。

 

「ホントだ。あの8番、マークには付いてるが、紫原がシュート態勢に入ってもブロックに向かう素振りすら見せてない」

 

「ローポストで紫原がボールを掴んだら花月に止める手段はない。ディフェンスでは、基本紫原にボールが渡らないよう徹底的にディナイをかける。もし、紫原にボールが渡ってしまったら無理にブロックに行かず、そのまま打たせる。そして…」

 

ボールをすかさず拾った松永がフロントコートにロングパス。そこには既に空と大地が走りこんでいた。

 

 

――バス!!!

 

 

空がそのままレイアップを決めた。

 

「紫原のダンクと同時に速攻に走っていた神城か綾瀬にパスを出し、陽泉のディフェンスが整う前に決めてしまう。如何に紫原でも、ゴール下で得点を決めたのと同時に速攻に走ったあの2人に追いつくのは不可能だ」

 

「なるほど、如何なる攻撃を跳ね返す盾も、構える前に攻撃されちまえば意味がない、か」

 

赤司の解説に納得が言った四条は頷いた。

 

 

 

「でもむっくん、どうしてムキになってオフェンスに参加するんだろ? いつもみたいに自陣でディフェンスに専念すれば防げるのに」

 

場所か変わって、同じく観客席で観戦していた桃井が思わず首を傾げる。

 

「恐らく、神城が何か言ったんだろ。あいつは紫原が嫌うタイプだからな。さっきも試合前に何か話してたからな」

 

疑問に答えるように青峰が答える。

 

「…けどまあ、このままじゃ少しヤバいかもな」

 

「花月が?」

 

「いや、ヤバいのは――」

 

 

「陽泉は自滅する?」

 

再び場所が変わり、誠凛の選手達が集まる観客席の一角。

 

「ええ。陽泉は花月のペースにハマっているわ」

 

コートに視線を向けたままリコが口を開く。

 

「このまま極端なトランジッションゲームをこのまま続けていけば、後半の勝負所の前に陽泉の足は止まってしまうわ」

 

「…けどよう、それは花月も同じなんじゃねえの?」

 

「池永君。あなた先週まで花月と合宿してたんだから知ってるでしょ? 神城君と綾瀬君がどれ程のスタミナを有しているのか」

 

「いやまあ、あいつらそうだけどよう、他の奴らは…」

 

「それについても問題ないわ見なさい」

 

リコが池永を促すようにコートの一角を指差す。紫原が得点を決め、空と大地がお馴染みの速攻に駆けあがる。

 

「…あっ」

 

ここで、ある事に気付いた降旗が声を上げる。

 

「そう。基本的に速攻からオフェンスに参加するのは神城君と綾瀬君のみ。残りの3人は2人の速攻が失敗した時のオフェンス、またはボールを奪われた時のカウンターに備えているわ」

 

天野、生嶋、松永は、花月のオフェンスに切り替わると、2人にパスをした後は、ゆっくりとフロントコートまで駆けあがっていた。

 

「得点を決めた紫原君と同じくインサイドが主体の渡辺君はこの速攻に対応出来ない。永野君と木下君も2人のスピードに付いていけない。ディフェンスに対応出来るのはアンリ君のみ。けど、規格外の身体能力を持つアンリ君でも2人の速攻を止めるのは困難だから他の3人は無理にオフェンスに参加する必要はないのよ」

 

ディフェンスに来るのがアンリだけと分かっている以上、空と大地以外の3人が体力を消耗してまで速攻に参加するメリットはさほどない。その為、3人はオフェンスを2人託し、速攻が失敗した時の次のオフェンスかボールを奪われた時のディフェンスに備えていると解説する。

 

「このままだと陽泉はドツボにハマるわ。何か手を打たないと…」

 

「打つみたいですよ」

 

割り込むように黒子が口を挟む。陽泉のベンチから1人の選手がオフィシャルテーブルに向かう。

 

「アウトオブバウンズ、白(陽泉)ボール!」

 

永野から紫原のパスを大地がカットし、ボールはラインを割った。

 

 

『ビビーーーーーーーーーーーーー!!!』

 

 

「メンバーチェンジ! 白(陽泉)!!!」

 

陽泉のメンバーチェンジがコールされる。

 

「はぁっ!?」

 

交代を命じられたのは紫原。命じられた紫原は思わず声が出る。

 

「何で俺が交代なのさ!?」

 

納得がいかない紫原は監督の荒木に抗議する。

 

「交代だ紫原。早くベンチに戻れ」

 

そんな抗議には耳を貸さず、淡々と交代を命じる荒木。

 

「嫌だし。こいつら捻り潰すまで交代しねーし」

 

それでも駄々をこねて交代に応じない紫原。

 

「いいからさっさとベンチに戻れ紫原!!!」

 

言う事を聞かない紫原に遂に怒りを爆発させた荒木は語気を荒げながら紫原に向かって言った。

 

『スゲー迫力…!』

 

『こえー…』

 

「…ハッ!? …コ、コホン//」

 

思わず地が出してしまった荒木は誤魔化すように咳払いをした。

 

「おい紫原。これ以上監督怒らすと後が怖いぜ。今は大人しく従っとけって」

 

「…分かったよ」

 

永野に促され、渋々ながら紫原はベンチへと下がっていった。

 

陽泉は紫原に代わり、背番号12番、立花がコートに入った。

 

「さすが荒木。手を打つのが早いな」

 

ベンチから視線だけ相手ベンチの荒木に向け、感心する上杉。

 

紫原に代わってコートに入った立花が荒木の指示を他の選手達に伝える。荒木の指示は2つ、まずはポジションチェンジ。抜けた紫原のポジションであるセンターに渡辺が入り、パワーフォワードに立花が入った。

 

後は、主将であり、司令塔である永野への伝令である。内容は、ペースダウンとパスを全体に散らす事。

 

「珍しく紫原がのっけからやる気出してたからつい紫原一辺倒になっちまった。…よし、これからもっと時間を使って攻めるぞ。ボールも回すから全員集中しろよ」

 

『おう(はい)(ワカッタ)!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

「…むぅ」

 

ベンチ下げられた紫原は不機嫌そうな表情でベンチに座った。

 

「頭を冷やせこの馬鹿者が。相手の安い挑発に乗って相手のペースにハマるなど言語道断だ」

 

「…別に、あのまま続けたって余裕だし」

 

注意を受けると唇を尖らせながら拗ねる紫原。

 

「けどさまさこちん。俺下げて大丈夫なの? どうなっても知らないよー」

 

「まさこちんと呼ぶなと言っているだろ! …心配するな。ウチはお前1人いなくなったくらいで崩れるようなやわなチームではない。大人しく試合を見ていろ」

 

竹刀で紫原の後頭部をひっぱたいた荒木はコートに視線を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

「1本! じっくり攻めるぞ!」

 

立花のスローインからボールを受け取った永野が指を1本立てながらゲームメイクを始めた。

 

「(ペースを落としてきたか…)」

 

これまでの速い展開から一変、ペースダウンをした事を瞬時に察した空。

 

「(この1本は確実にモノにしたい。…なら、ここだ)」

 

攻め手を決めた永野はパスを出す。パスの先は…。

 

『来た!!!』

 

ボールを受けたのはアンリ。右45度付近のスリーポイントラインの外側でボールを受け取った。目の前に、大地がディフェンスとして立った。

 

「ヨウヤクデバンダ。イクヨ!」

 

「止めてみせます」

 

宣戦布告をするアンリ。それを受ける大地。

 

陽泉の黒い影が、花月に牙をむく……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 





気が付けば100話。我ながらよく続いたな驚いています…(;^ω^)

ひと通りオリキャラも出てきたので、そろそろかなり以前に書きかけだったオリキャラのデータ集を改めて作ろうかな…(>_<)

100話到達記念に何かしようとも考えたんですが、何も浮かばなかったのでとりあえず保留です。

試合が始まり、ここからどうするか……。原作、他作品、またはリアルバスケを見て研究せねば…(・ω・)

感想、アドバイスお待ちしております。

それではまた!
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