黒子のバスケ~次世代のキセキ~   作:bridge

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投稿します!

早くも3回戦です。

それではどうぞ!



第113Q~伏兵~

 

 

 

翌日…。

 

インターハイ4日目、3回戦が始まる。

 

準々決勝進出をかけた16校が生き残りをかけた試合が行われる。

 

「行くぞ、お前ら!」

 

『はい!!!』

 

会場の手前で上杉が選手達に檄を飛ばし、選手達がこれに応えた。

 

「(今日も…いや、今日に限った話やあらへんけど、気合い入れな。昨日はあれやったが、今日はバンバンリバウンド取るでぇ!)」

 

「(僕が外を決めればチームが勢いづく。今日は1本も外さない気持ちで…いや、1本も外さない!)」

 

「(インサイドの要を担うはずの俺が昨日は役に立たなかった。同じ轍は踏まん!)」

 

天野、生嶋、松永が心中で気合いを入れる。

 

花月の選手達の中に、1人の選手の姿が見えない。そう、空の姿がない。昨日の試合で無理をし過ぎた為、今日1日は絶対安静を言い渡された為、空は旅館で静養している。

 

「(今日は俺がスターター…、それも司令塔だ。キャプテンの代わりは何としても俺が務める!)」

 

空不在の穴を埋める為に竜崎がスタメン予定の為、ひと際気合いを入れる竜崎。

 

「…」

 

無言で会場を見つめる大地。

 

いつもなら会場入りの際にはしゃぐ空を諫めているのだが、今日はその空がいない。

 

「(空、あなたがいないだけでこうも違うとは…)」

 

溜め息交じりで呆れながら空を諫めていたのだが、実はそれも悪くなかったと思い始めた大地。

 

『悪い、今日の試合は頼んだぜ。でもまあ、お前がいるから何も心配してないぜ。布団でグッスリしながら吉報を待ってるぜ』

 

旅館を出発前、空からそう声をかけられた大地。その様子を見て苦笑した大地だったが…。

 

「(あなたにそう言われてしまったなら、その期待に応えねばなりませんね…)」

 

相棒であり、親友の期待に応える為、大地は気合いを入れたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

『…(ざわざわ)』

 

会場入りをすると、この日も会場には観客席を埋め尽くさんばかりの観客で賑わっていた。

 

観客の目当てはキセキを冠する者達の試合。その中でも注目しているのが…。

 

 

 桐皇学園高校 × 海常高校

 

 

この2校の激突だ。

 

キセキの世代の青峰大輝を擁する桐皇学園高校。対するは黄瀬涼太が率いる海常高校。

 

しかし、昨日の試合で青峰が負傷退場している事は知れ渡っている為、今日の試合に出場するのか否か、注目されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

花月控室…。

 

『…』

 

目の前に迫る試合を前に、選手達は粛々と準備を進めている。

 

「全員、そのまま準備を進めながら話を聞け」

 

控室にやってきた上杉が選手達に声をかける。

 

「分かっているとは思うが、今日の試合、何があっても神城は出さん。ベンチにも入れさせん」

 

「当然やな。空坊には1日グッスリしてもらわんとな」

 

ストレッチをしながら天野が返す。

 

「昨日の試合は見事だった。…だが、それはもう忘れろ」

 

『…』

 

「そんなものはこの先…この試合には役に立たん。自分達はあくまでも挑戦者だという事を忘れるな」

 

『はい!!!』

 

「…うむ、それでは昨晩のミーティングの再確認だ」

 

選手達を見渡し、その表情を見て満足気に頷くと、試合前の最終ミーティングを始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

「…」

 

ここは花月高校が宿泊する旅館。布団を被りながら天井を見つめる空。

 

「……ハァ」

 

溜息を吐く空。

 

今日1日静養を命じられている空だったが、昨日の試合から今までほとんど寝ていた為、目が冴えてしまい、眠る事が出来ない。その為、試合の事ばかりが気になってしまう。

 

「…ふぅ」

 

布団から上半身を起こす空。

 

「何処へ行くの?」

 

同時に部屋の脇から声をかけられる。声をかけたのは姫川。今日は試合には同行せず、空の監視と世話を兼ねて旅館に残っている。現在、自前のノートパソコンにイヤホンを指しながら他校の分析をしている。

 

「…別に、飲み物取りに行くだけだよ」

 

げんなりしながら答える空。眠れない理由の1つにこの姫川の存在である。ただでさえ目が冴えているのに、近くで人がいられては落ち着かない。一応、音が漏れないようにイヤホンで気を遣ってもらっているのだが、それでもだ。

 

「用があるなら私に言って。……はい。お茶で良い?」

 

「……サンキュ」

 

冷蔵庫から取り出したお茶を空は礼を言いながら受け取り、蓋を開けて一口飲み、再び横になった。

 

「…」

 

横にはなったものの、後頭部で両手を組み、目は閉じずに天井を見つめている。

 

「…そんなに試合が気になるの?」

 

そんな様子が目に入った姫川は声をかける。

 

「昨日だってあなたなしで立派に戦って見せたじゃない。それに今日の相手は今年初出場の無名校よ。あなたが気にする事は――」

 

「珍しいな。油断と驕りを嫌う姫川からそんな言葉が飛び出すなんて」

 

「…っ」

 

突然の空の指摘に姫川は思わずしまったと表情を曇らせ、視線を逸らした。

 

「わざわざ監視にお前を残すなんて何かあるなとは思ってたんだ。…今日の相手、何があるんだ? 教えてくれよ」

 

「…」

 

尋ねる空だが、姫川は口を閉ざした。

 

「喋んねえなら力付くでここから飛び出して試合会場まで行っても良いんだぜ?」

 

「……ハァ、分かったわ。教えるから大人しく安静にしてなさい」

 

ニヤリと悪い笑みを浮かべながら空を見て、姫川は観念して話し始める。

 

「さっきも言ったけど、今日の相手は岡山県代表、鳳舞高校。今年の夏が全国初出場。それは間違いないわ。この高校は創立してまだ3年程度なのだけど、スポーツに力を入れているらしく、全国から選手達を集めているの」

 

「ふーん」

 

「それは中学生はもちろん、同じ高校生でも、様々な事情で部活を続けられない等の理由で部活を離れた者に関しても特別奨学金制度を用いて選手を集めているの」

 

「要するに引き抜きか」

 

「悪い言い方をすればそうね。そうやって集めた選手達を率いて今年、岡山県を勝ち進んで来たのだけど、その躍進の理由はとある選手を獲得した事が大きな理由なの。その選手は――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

『ビーーーーーーーーーーーーーー!!!』

 

 

『後半開始まで、10分間のインターバルに入ります。鳳舞高校、花月高校は、アップを開始して下さい』

 

コート上では第2Qが終わり、試合を行っていた選手達がベンチに下がり、控室に移動していった。入れ替わりに次の試合を行う高校の選手達が試合前の練習を行う為、コート入りした。

 

『来た来た! 待ってたぞ!』

 

『またスゲー試合見せてくれ!』

 

花月の選手達が現れると、観客が沸きだした。

 

昨年に続いてキセキの世代を擁するチームを撃破した事で今や注目度はインターハイ参加校の中でも指折りとなった花月高校。

 

『しゃす!』

 

エンドラインで一斉に礼をし、コート入りした花月選手達がウォーミングアップを開始した。

 

「来たな。昨日の試合結果が実力かそれともただのマグレか、見極めさせてもらうぜ」

 

観客席にて、試合時間までまだ時間がある誠凛の火神が不敵な笑みを浮かべながらコートを見つめていた。

 

「火神君、偉そうです。…やはり、神城君の姿はありませんね」

 

隣でいつもの表情でコートを見つめる黒子。

 

「うるせえ。…そりゃ、途中で担架で運ばれた上に最後にあんだけ無茶をしたんだ。仕方ねえな。…で、今日の相手は岡山の鳳舞高校。聞いた事ねえな」

 

「学校自体が創設してまだ3年で、バスケ部に至っては去年に出来て公式戦に参加したのが今年かららしいので、何処かうち(誠凛)と似てますね」

 

自身が所属する誠凛高校と酷似している事に親近感を覚える黒子。

 

「誠凛もキャプテン(日向)達が創設して1年目で決勝リーグまで進んでたが、いきなり全国か。どんな選手を集めて――っ!? 黒子! あいつ、見ろよ!」

 

鳳舞高校の選手達を1人1人観察していた火神がとある選手を見つけ、思わず指を指しながら声を上げた。

 

「っ!? そんな、どうして彼が…!」

 

火神が指差した先の選手を見て黒子も驚きを隠せなかった。

 

「去年姿を見なかったからてっきりバスケを辞めたかと思ってたが、こんなところにいやがったのか!」

 

そこにいたのは、かつて、ウィンターカップで海常高校と戦い、一時は海常を追い詰め、黄瀬を圧倒した…。

 

 

――灰崎祥吾だった…。

 

 

「…見て下さい。灰崎君の隣の選手。彼にも見覚えありませんか?」

 

「あん? ……っ!? あいつ、丞成の…、確か、鳴海! なんでここに!?」

 

黒子が見つけたもう1人の選手。隣の灰崎より高い身長を誇る、かつて、ウィンターカップ予選で対戦した丞成高校に所属していた鳴海大介であった。

 

灰崎祥吾、鳴海大介。どちらも他県の別々の高校に所属していたはずの選手である。

 

「灰崎に鳴海。…恐らく、他の奴もヘボな訳がねえ。花月は今日神城がいないってのに、やべーぞ」

 

まさかの伏兵が現れ、火神は表情を曇らせたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

――バス!!! …バス!!!

 

 

花月の選手達はパスを出し、走ってボールを受け取り、レイアップを決める。各選手、ボールの感触、今日の調子を確かめながらウォーミングアップをしている。

 

「…っ!?」

 

大地の番となり、パスを出そうとした瞬間、何かを察知し振り返ると、大地目掛けて勢いのある威力でボールが飛んできた。

 

 

――バチィッ!!!

 

 

咄嗟に持っていたボールを手放した大地は飛んできたボールを右手で受け止めた。

 

「誰や!? 危ないやないか!」

 

あまりに危険な行為に天野が注意を飛ばす。

 

「あーわりぃわりぃ。手が滑っちまった」

 

そこには手をひらひらさせながら悪びれる様子もなく、ニヤニヤとしている男がいた。

 

『…っ』

 

反省の色のない態度。そもそも、今の事故などの類のものではなく、明らかにわざと…故意であるのは明白である為、花月の選手達の表情が険しくなる。

 

「…灰崎、祥吾さん」

 

大地はボールを投げつけた者の名前を呟いた。

 

「ボール、取ってくれよ」

 

「…」

 

先程飛んできたボールを要求され、大地は足元のボールを拾い、渡した。

 

「サンキュー。…そういやよー、ちょろちょろうるせー奴の姿がねえけど、何処にいるんだ?」

 

「ちょろちょろ……もしかして、空の事ですか? ここにいませんよ。昨日の怪我が癒えていませんので今日の試合は出場しません」

 

失礼な物言いに少々気に障った大地だったが、聞かれた質問に正直に答えた。

 

「あん? …チッ、聞けば、あのダイキとやり合ったっつうから少し遊んでやろうと思ったのによー」

 

目当ての空がいない事に舌打ちをする灰崎。

 

「灰崎! てめえ他所にちょっかい出してねえでちゃんとアップしろ!」

 

その時、鳳舞選手の鳴海が灰崎に怒声を飛ばす。

 

「チッ、うるせーな。…言っとくがてめえらに興味なんざねえ。俺の目当ては明日の試合だ。ダイキがあの様じゃ試合に出られねえだろうから上がってくんのは間違いなくリョータだからな。せいぜいウォーミングアップ程度にはなってくれよ?」

 

それだけ告げ、灰崎は自身のチームが練習する片側のコートに戻っていった。

 

「灰崎祥吾。噂通り腐った性格しとるのう」

 

無礼の限りを尽くした灰崎を目の当たりにしてげんなりした表情をする天野。

 

「…ですが、実力はあります」

 

そうピシャリと言う大地。

 

「元はあのキセキの世代と同じ所に立っておった男や。腐っても鯛、やな」

 

「鳳舞は灰崎のワンマンチームではない。奴ばかり警戒していたら痛い目にあう」

 

「絶対的なエースに、他の4人も全国レベルの選手。キセキの世代を擁するチームと遜色ないね」

 

松永と生嶋も鳳舞を要警戒している。

 

「灰崎先輩…。俺が入学した時にはもうバスケ部にはいませんでしたから中学時代の事は俺もよく知りませんが、あの黄瀬先輩を一時は圧倒し、海常を後一歩まで追いつめた実力者…!」

 

思わず息を飲んだ竜崎。

 

「…ですが、恐れる事はありません」

 

灰崎に…鳳舞に飲まれそうになる選手達の不安をかき消すよう大地が言葉を発する。

 

「私達はあの陽泉に勝ったのですから。力を尽くして、必ず勝ちましょう」

 

笑顔で大地は告げた。

 

「ハハッ! せやな。そんで呑気に昼寝こいとる空坊に吉報を届けてやるとするかのう」

 

その笑顔に釣られるように天野が笑いながら言った。

 

「行くで! たかがキセキの世代落ちが相手や。勝って勢い付けようや!」

 

『おう!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

やがて練習を終え、コートを離れた両チームは控室へと戻っていった。その後、コートでの試合が終了する直前に再びコートへと戻ってきた。

 

 

『ビーーーーーーーーーーーーーー!!!』

 

 

タイムアップのブザーが鳴り、試合が終了した。

 

勝利の余韻に浸る時間も敗北の悲しみ暮れる時間も惜しみながら試合を行った2校のチームが素早く片付けを済ませてベンチから撤収し、コート上から去っていった。

 

両チームがそれぞれベンチに入り、試合の準備を始める。

 

「久しぶりだね~、上杉君」

 

そこへ、上杉に話しかける両手を腰の後ろで組んだ60歳近いニコニコした男が現れた。

 

「お久しぶりです。…まさか、あなたがまだ監督をしているとは思いませんでしたよ。織田先生」

 

挨拶を交わす上杉。

 

「うんうん。歳だから引退してたんだけど、頼まれちゃって。監督すればお小遣いくれるって言うから引き受けちゃった」

 

右手の親指と人差し指で丸を作りながらニコニコ答える織田。

 

「ハハッ、相変わらず変わらないですね」

 

苦笑する上杉。

 

「勝てばお小遣い増えるから、今日はほどほどにね~」

 

「えぇ。かつての知将の手腕、勉強させていただきます」

 

2人は握手を交わし、ベンチへと下がっていった。

 

「あちらの監督とは知り合いなんですか?」

 

やり取りを見ていた菅野がベンチに戻ってきた上杉に尋ねた。

 

「あぁ。お前らは知らないだろうが、かつては中学、高校、大学、社会人問わず、弱小のチームの監督を引き受けては軒並みチームを全国レベルまで引き上げ、何度も優勝に導き、優勝請負人とまで呼ばれ引っ張りだこだった監督だ。日本代表の監督経験もある方だ」

 

「…すごい人なんですね」

 

経歴を聞いて思わず引き攣る菅野。

 

「…だが、相手にするととにかくやり辛い。相手の嫌がる事をさせれば右に出る者はいない。選手のやる気と実力を引き出す手腕も優れている。とんだ食わせ者の狸ジジイだ」

 

やや表情を曇らせながら上杉は言葉を続ける。

 

「よし、全員こっちを向いて話を聞け」

 

話を中断した上杉は選手達の注目を集める。

 

「スターターに変更はない。1番から、竜崎、生嶋、綾瀬、天野、松永で行く。竜崎、今日はお前が司令塔だ。遠慮はいらん。強気でゲームを引っ張れ」

 

「はい!」

 

「コートリーダーは天野だ。チームを纏めろ」

 

「任しとき!」

 

「相手は強者から曲者まで揃っている。恐らく、奇をてらう事もしてくるだろう。だが、決して慌てるな。自分達のバスケを貫け」

 

『はい!!!』

 

「行って来い!」

 

『おう!!!』

 

上杉の檄に大声で応え、花月の選手達はコートへと向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

「みんな~、準備出来てる?」

 

「はい! 出来てます!」

 

監督、織田が声をかけると鳴海がいの一番に返事を返し、続いて選手達も返していく。

 

「灰崎君~、返事がないけどどうかね~?」

 

「うるせーよ。…必要はねえだろうけど、一応はやってやったぜ」

 

面倒くさげに灰崎は返事をした。

 

「今日の相手はあの陽泉に勝っちゃった花月だ。いいチームだね~。ウチと監督を変わってもらいたいくらいだよ」

 

「監督…」

 

本気と冗談とも付かない言葉に選手達は困惑する。

 

「けど、番狂わせを起こした直後は何処も緩むし、何より向こうは本来の司令塔がいないから付け入る隙もあるからみんな頑張ろうね~」

 

『はい!!!』

 

「うんうん。勝ったらまたみんなで美味しいものでも食べに行こう。…では、行っておいで」

 

『はい!!!』

 

満足そうに頷いた織田が選手達も送り出すと、選手達はそれに応えた。

 

「行くぞ!」

 

『おう!!!』

 

「…チッ、うるせー」

 

コートに向かいながら鳴海が戦闘で声を出すと、鳳舞のスタメンの選手達が続きながら声を出した。灰崎だけが小指で耳をほじりながら面倒くさそうにしながら続いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

続々とコートの中心に集まってくる花月、鳳舞の選手達。やがて、センターサークル内で両チームが整列した。

 

 

花月高校スターティングメンバー

 

 

5番SG:生嶋奏  182㎝

 

6番SF:綾瀬大地 185㎝

 

7番PF:天野幸次 193㎝

 

8番 C:松永透  196㎝

 

10番PG:竜崎大成 183㎝

 

 

鳳舞高校スターティングメンバー

 

 

4番PF:大城義光 188㎝

 

5番 C:鳴海大介 197㎝

 

6番SF:灰崎祥吾 191㎝

 

8番PG:三浦祐二 174㎝

 

9番SG:東雲颯  171㎝

 

 

「これより、花月高校対鳳舞高校の試合を始めます。礼!」

 

『よろしくお願いします!!!』

 

「久しぶりだな、綾瀬」

 

挨拶を交わした直後、鳳舞の選手の1人が大地に話しかけた。

 

「お久しぶりです。三浦さん」

 

話しかけてきたのは相手のポイントガードである三浦祐二だった。中学時代、空と大地が全中地方予選の決勝で戦った選手の1人であった。

 

「鳳舞高校に入学していたのですね」

 

「ああ。故あってな。…やっぱり神城は…」

 

「…えぇ。昨日の試合の影響が残ってまして今日の試合は…」

 

予想していた事だが、返事を聞いて三浦は表情を曇らせる。

 

「そうか。…だが、お前がいるならそれでいいさ。中学時代の借りはここで返させてもらうぜ」

 

「望むところです」

 

そう言って2人は握手を交わし、散らばっていった。

 

「…」

 

「…」

 

センターサークル内に残されたのはジャンパーである松永と鳴海。ボールを持った審判が2人の間に入り、ボールを構えそして、ボールは高く放られ、ティップオフ!

 

「「…っ!」」

 

同時に2人がボール目掛けて飛ぶ。

 

 

――バシィィィッ!!!

 

 

「くそっ!」

 

ジャンプボールを制したのは松永。

 

「オッケー! 1本、行きましょう!」

 

ボールは竜崎に渡り、ゆっくりとゲームメイクを始めた。

 

 

――ダムッ…ダムッ…。

 

 

ボールをキープする竜崎。目の前に三浦。鳳舞のディフェンスはマンツーマンで、竜崎に三浦、生嶋に東雲、大地に灰崎、天野に大城、松永に鳴海が付いている。

 

「…」

 

最初の1本。竜崎は慎重に攻め手を思考する。

 

 

――スッ…。

 

 

その時、天野が動き、三浦の背後にスクリーンに入り、指で合図を出した。

 

 

――ダムッ!!!

 

 

合図と同時に竜崎はカットイン。

 

「…っ!」

 

後を追おうとした三浦だったが、天野のスクリーンに捕まってしまう。

 

「馬鹿やろ…! 声かけろよ!」

 

スクリーンの声掛けをしなかった事に苛立ちながら鳴海がヘルプに飛び出す。

 

「(来た! 俺にマークが集まった!)」

 

自分を包囲に来た事を確認した竜崎は完全に囲まれる前にボールを外に出した。

 

「ナイスパス!」

 

右アウトサイド、スリーポイントラインの外側に走り込んだ生嶋にボールが渡った。

 

「…空けてないよ!」

 

そこに素早く東雲がチェックに入った。それでもお構いなしに生嶋はシュート態勢に入る。

 

「っ! 打たせ――っ!?」

 

ブロックに飛んだ東雲だったが、生嶋は斜め右に飛んでブロックを交わしながらスリーを放った。

 

 

――ザシュッ!!!

 

 

ボールはキレイにリングを潜り抜けた。

 

「ナイッシュー! ええで!」

 

「さすがです!」

 

決めた生嶋に天野が肩を叩き、竜崎が駆け寄って労った。

 

試合開始の最初の得点は花月。

 

「へー、いいな、…それ」

 

生嶋を見ながら灰崎がニヤリと笑うのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 





ここでまさかの人物が登場です。彼らが鳳舞高校にいる理由は次話にて説明するかもしれません。

ここ最近良い感じのペースになってきてちょっと自分の事ながら誇らしいです…(^-^)

感想アドバイスお待ちしております。

それではまた!
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