投稿します!
年末ラッシュがピークの中、舟をこぎながら投稿です…(-_-)zzz
それではどうぞ!
第4Q、残り2分14秒。
花月 86
洛山 93
花月の3連続ターンオーバーからの3連続でスリーで洛山の背中が見えて瞬間、赤司が花月の選手を5人抜きさり、得点を決めた。
「ここから先は僕自らお前達を蹂躙する。2度と歯向かう気すら起きない程の力の差を見せてやろう」
赤司が花月の選手達に振り返りながら言い放つ。
「ゾーンか…!」
様子が変わった赤司を見て空が苦々しい表情で呟いた…。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
「赤司…」
他の選手達同様、赤司の変化に気付いた洛山の選手達が赤司に駆け寄る。
「ここからは僕がやる。お前達はディフェンスに専念しろ。オフェンスでは僕がプレーしやすいようにスペースを作ってくれればいい」
駆け寄ってきた選手達に赤司がそう指示を出す。
「赤司!」
納得が行かなかった四条が赤司に詰め寄る。
「勘違いするな。お前達はここまでよくやってくれた。この言葉は世辞でも偽りでもない」
『…』
「だが、ここから先はお前達に踏み込める領域ではない」
『…っ』
無情にも告げられた赤司の言葉。洛山の選手達は表情を曇らせたのだった。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
花月のオフェンス。
『っ!?』
フロントコートに花月の選手達が侵入すると、やや深めの位置でディフェンスをしている赤司の放つプレッシャーに目を見開いた。
「…ちっ!」
それはボールを運んだ空も例外ではなく、思わず舌打ちが出る。
「(なんだこのプレッシャーは!? 赤司がゾーンに入ると、ここまでヤバいのか!?)」
フロントコートに足を踏み入れ赤司が放つプレッシャーをその身に浴びた瞬間、空はすぐに理解した。赤司の守備範囲の広さに。
ゾーンに入った者を相手にするのは初めてではない。ここまでに相手した紫原や黄瀬はもちろん、昨年時の冬も青峰を相手にしている。同年の夏に赤司もゾーンに入っている。だが、あの時は空は眼中になく、敵意の全てが三杉や堀田に向いており、その赤司を相手にしたのは三杉だったので実感がなかった。
今、赤司の敵意の大半が空に向けられており、その圧倒的なプレッシャーに圧倒された。
「(…ピクッ)」
「っ!?」
空が1歩踏み込もうとした瞬間、赤司が僅かに動きを見せた。
「(…ダメだ、これ以上距離を詰めたら取られる…!)」
現在、空と赤司の距離は2メートル強。空は直感的に理解した。これ以上踏み込まれれば赤司にボールを取られる事を…。
「赤司っちのプレッシャーがここからでも伝わるッスね」
観客席の黄瀬が苦笑しながら試合を観戦している。
「ゾーン状態でエンペラーアイを使った赤司の迎撃エリアはかなり広い。あの距離も本来なら赤司の迎撃エリア内だ。ゾーンに入った神城でなけりゃとっくに取られてるだろうよ」
同じくゾーンに入っている空のスピード、反射速度、集中力がなければとうに取れていると断ずる青峰。
「…神城っちは、今の赤司っちをどう相手にするか」
「…赤司がゾーンに入った今、これまではスピードでどうにか相手に出来たが、ここからは後出しの反射では予知には勝てねえ」
「俺も同意見ッス。…けど、それでも俺達に勝った花月が赤司っちに一泡吹かせてほしいッス」
祈るように黄瀬が試合に集中したのだった。
「…っ」
全神経を集中させ、赤司と対峙する空。少しでも集中を乱せば即座にボールを取られてしまう。今現在の空と赤司の間合いはあくまで、完全集中状態の空がギリギリ赤司の動きに対処出来る距離。それは空自身が一番理解していた。
「(どう攻める。残り時間と点差を考えて、取りこぼしは命取り。この赤司をかわして決めるにはどうすれば…)」
どう仕掛けるか思考したその時!
「っ!?」
赤司が一気に間合いを詰め、空のキープするボールを狙い打った。
「(やっば…!)」
思考の海に没頭し、僅かに赤司に対する集中が欠けたその一瞬を狙い打ったのだ。
「(取られる!)」
ほんの僅かに出来た空の隙。その隙を突いた赤司のカットに空はボールを奪われるてしまうと予感する。
「…っ!」
――ボムッ!!!
赤司の手がボールを捉える瞬間、空がボールを右方向へと弾ませるように放った。
「(頼む、誰か取ってくれ!)」
心中で叫ぶように願う空。
「ナイスパス!」
その願いがかなったのか、そこに走り込んだ大地がボールを掴んだ。
「助かったぜ!」
心の底から安堵した空。
今のパスはそこに大地がいたから出したのではなく、赤司にボールを奪われない為の咄嗟の行動であり、周囲を見渡す余裕がなかった空の苦肉の策。ここで赤司にボールを奪われて速攻に走られるくらいなら他の選手にボールを取られるか、ボールデッドしてディフェンス態勢を整える時間を作って相手ボールにした方がまだマシと咄嗟に判断したに過ぎない。
それでも相手ボールになったら花月の危機である事には変わりなく、ツキがあった事に喜んだ。
――ダムッ!!!
ボールを掴んだ大地はそのままカットイン。ペイントエリアに足を足を踏み入れた所でボールを右手で掴み、リングに向かって飛んだ。
――バシィィィッ!!!
「っ!?」
右手で掴んだボールをリングに叩きつけようとした瞬間、直前にやってきた赤司によってブロックされた。
「なんやと!?」
「綾瀬のカットインに追い付いた!?」
このブロックに天野と松永が驚愕した。大地のスピードは空と引けを取らない。その大地に追い付き、ブロックしてしまったのだ。
「あかん! リバウンド抑えるんや!」
ルーズボールに備え、声を出す天野。
「入ってろ!」
――ポン…。
バックボードに跳ね返ったボールを空がタップする。
――バス!!!
タップしたボールはバックボードに当たりながらリングを潜り抜けた。
花月 88
洛山 93
『おぉっ! すぐに押し込んだ!』
「ふぅ、危ねえ…」
何とか得点に繋げる事が出来て安堵する空。
「まあいい。どのみちここから全て決めれば同じ事だ。お前では僕は止めれれない。僕の勝利は絶対だ」
「…っ」
失点を防げなかったものの、さほど気にしていない赤司。対して空は顔を歪ませた。今のはギリギリ。次も決められる保証はない。そして、逆転する為には赤司を止めなければならない。止めるイメージが空には出来なかったのだった。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
――ダムッ!!!
スローワーの五河からボールを受け取った赤司が単独で花月のディフェンス陣を相手に仕掛けてくる。
「(何としてでも止めるんだ! 俺が!)」
ドリブルで突き進む赤司の前に空が立ち塞がる。
――ダムッ…ダムッ!!!
「…ぐっ!」
最初の切り返しに反応し、左足を踏み込んだ直後、逆に切り返され、空の右側を抜けていく赤司。
「んのやろう!!!」
左足に体重が乗ってしまい、動けない空は何とか身体を後ろに倒して赤司の持つボールに手を伸ばす。
――ダムッ!!!
だがそれも、赤司が瞬時に切り返され、かわされてしまう。
「今度こそ!」
直後、今度は大地が立ち塞がった。
「どけ、これは命令だ」
――ダムッ…ダムッ…。
「ぐぅっ!」
大地が現れた直後、赤司は数度切り返すと、大地はアンクルブレイクを起こし、前のめりに崩れ、両膝を付いてしまう。
「僕の前では何人たりとも前に立つことを許さない」
膝を付く大地を見下ろしながらボールを掴んだ赤司がシュート態勢に入った。
「まだだ!」
後ろから空がブロックに現れ、手を伸ばす。
「遅い」
だが、紙一重で赤司がボールを放つのが速かった。
――ザシュッ!!!
ボールはリングを潜り抜けた。
花月 88
洛山 95
再び点差が7点に開く。
「やっぱり、神城っち以外だと勝負にもならない…」
アンクルブレイクをかけられた大地を見て黄瀬が呟く。
「だが、その神城にしても止められねえ。アンクルブレイクにかからなかった所で同じ事だ」
持ち前のバランス感覚でアンクルブレイクが効かない空だが、赤司は重心が片方の足にかかったその瞬間に逆に切り返してかわしている。その為、空であってもその状態ではどうにか動かせるのは上半身だけ。
「何よりの問題は――」
「…っ」
フロントコートまでボールを運んだ空は赤司の放つプレッシャーをその身に浴びる。残り時間と今の状況を考えると1本の取りこぼしが命取り。
「…ちっ」
思わず舌打ちが出る。少しでも集中を緩めたり、意識を逸らせば赤司は即座にボールを狙ってくる。その為、迂闊にパスターゲットも探せないでいるのだ。
「(くそっ、だったら!)」
スリーポイントラインの1メートル程離れた所から空がボールを右手で持ち、後ろに飛んだ。
「あのフォーム、まさか、青峰っちのフォームレスシュート!?」
その構えまさに青峰を彷彿させるシュートフォームであった。
「…」
それを見て青峰を眉を顰めた。
「確かにあのシュートならトリプルスレッドに入らねえが…」
「あの距離から決められるのか!?」
池永と新海が思わず声を上げる。2人の疑問はもっともで、空がシュート態勢に入った場所はリングからかなり離れている。本家の青峰でさえそこからは打った記憶がないからだ。
「(あの距離からダイキの? ……いや違う!)」
一瞬、青峰の技が頭によぎった赤司だったが、すぐさまそれを否定した。
――ブォン!!!
空がボールをリング目掛けて放り投げた。
「…ちっ」
今度は赤司が舌打ちをした。空が投げたボールはリングから僅かに軌道が逸れていたのだ。
――バチィッ!!!
「よし!」
リングのすぐ傍で大地が空中でボールを掴んだ。
『っ!?』
これを見て洛山の選手達が目を見開いた。大地は空がシュート態勢に入った瞬間にリングに向かって走り、飛んでいたのだ。
――バス!!!
空中でボールを掴んだ大地はそのまま放り、ボールはバックボードに当たりながらリングを潜り抜けた。
花月 90
洛山 95
『すげー! 何であんなパスが出来るんだよ!?』
『パスもスゲーけど、あれを決める方もスゲーよ!』
今の一連のプレーは事前の打ち合わせはおろか、空からは何の合図も出ていない。にもかかわらず、咄嗟の空のアドリブの行動に大地が合わせ、決めた。その事に驚きを隠せないのだ。
「…まあいい、こんなプレーがいつまでも続けられる訳がない。例え出来たとしても問題はない」
失点は防げなかったものの、赤司は特に動じる事はなかった。
「(あんな博打染みたプレーが何度も通じる訳がねえ…!)」
得点を決めたものの、空の表情は晴れない。
今のも、その前のも、運よく得点に繋がっただけであり、2度も赤司に通じる代物ではない。それに所詮は博打であり、例え赤司の裏を掻けたとしても何度も成功させられるものではない。
「(オフェンスよりも問題はディフェンスだ…)」
空が頭を悩ますのはオフェンス以上に問題なのはディフェンスであった。いくら点を決められても赤司を止められなければ点差は縮まらない。洛山の選手達がスリーを要警戒している以上、スリーは望めないので点差を詰めるには赤司を止めるしかない。
「(だがどうやって止める…。素通りさせたら赤司には追い付けねえ。かと言って反応しちまったらせいぜい次に一手しか繋げられねえ。それじゃあ赤司は止めらねえ!)」
試合の残り時間が刻一刻と無くなっていく今、次のオフェンスを止めないと逆転出来ない。
「(どうする…! どうやったら赤司を止められるんだ!?)」
両の拳を握り、必死に対策を考える空。
――ポン…。
その時、空の肩に何者かの手が置かれた。
「?」
振り返ると、そこにいたのは大地だった。
「また1人で戦うつもりですか?」
大地は怒りでも失望でもなく、薄く笑みを浮かべながら空にそう告げた。
「大地…」
「1人でダメだと言うなら私も力になります。私では頼りになりませんか?」
そう尋ねる大地。
「(…そうだよ、何で俺は赤司を止める気でいたんだ。俺にはこんなにも頼りになる相棒がいるじゃねえか…!)」
ここまで勝ち残り、今日もここまで洛山と競えたのは大地がいたからだ。
「(あー俺はほんっっっっとにバカ野郎だ!)」
自分自身のバカさ加減に思わず苦笑する空。
「力を貸してくれ、相棒!」
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
ボールを受け取った赤司がそのまま駆け上がっていく。
「っ!?」
フロントコートに侵入すると、赤司の表情が変わった。これまで通り、赤司を待ち受ける空。そしてもう1人…。
『綾瀬だぁっ!!!』
大地が空と共に赤司を待ち受けていた。
『っ!?』
空と大地のダブルチームに見る者全ての注目が集まる。
「(赤司さんと勝敗にこだわる空を私は叱った。…ですが、そうさせてしまったのは私達の責任…)」
つい先程、赤司との勝敗にこだわり過ぎて熱くなっていた空を叱った大地。
「(空が赤司さんを相手にする事は私が他のキセキの世代を相手にする事では意味が違う。空と私とでは背負っているものが違うのだから…)」
チームのエースとしてコートに立つ大地と、チームを纏める主将であり、チームを指揮する司令塔である空とでは同じキセキの世代でも戦う意味合いから勝敗の重さが変わってくる。
「(だから、もうあなた1人重荷を背負わせる事はしません。私も共に背負い、あなたと戦います!)」
スッと大地が瞑っていた目を開けると、大地に纏う空気が変わった。
「っ!? 綾瀬っちもゾーンに入った!」
その変化に気付いた黄瀬が思わず立ち上がった。
「…」
同じく青峰も気付き、注目をする。
『…っ』
火神、緑間も同様に気付き、2人がどうやって赤司を止めるかに注視し始めた。
「…」
ボールをキープする赤司も当然、大地がゾーンに入った事には気付いた。
「例えお前がゾーンに入ったとて、何も変わらない。再び同時に抜きさって完全なトドメを刺す」
だが、それでも赤司は足を止める事無く突き進んでいく。
「…」
グングン迫って来る赤司。
――スッ…。
大地は空の後ろへと下がり、距離を取った。
『何だ!? ダブルチームじゃないのか!?』
その行動に観客席から疑問の声が飛び出した。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
「まさか、綾瀬の奴、前に黒子がした事と同じ事をするつもりか!?」
大地が何をしようとしているのか気付いた火神が目を見開いた。
かつて、2年前のウィンターカップ決勝で、ゾーンに入った赤司を止める為に取った火神の黒子の変則のダブルチーム。それは、赤司が火神を抜いた直後に火神の動きを先読みし、その逆に動いて目の前に現れた赤司のボールを奪うと言うものである。
「けどあれは、並外れた観察眼がある黒子だから出来た事で、いくらなんでも…」
降旗が黒子以外の者には無理だと口を挟んだ。
「出来るかもしれません」
誰しも同意見だと口を噤む中、田仲が唯一出来ると断言した。
「神城と綾瀬はそれこそかなり昔からの付き合いです。当然、綾瀬は神城の事はよく知っている。神城に限定すれば、出来るかもしれません」
「…もし、本当に出来るとするなら、ゾーンに入っている綾瀬と黒子とではスピードも瞬発力も比較にならない程差がある。赤司を止められるかもしれないな」
再びコートに注目する火神。
「…」
黒子も同様にコートでの結末にただただ注目するのであった。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
「…」
空の後ろに大地が立つ変則のダブルチーム。当然、赤司も2人が何をするつもりかは理解している。かつて、自分がボールを奪われた忌まわしきコンビプレーであるからだ。
過去の教訓を生かすからパスを出して勝負を避けるべきである。大地が黒子のように上手くやれない可能性をもあるが、もし、完璧なタイミングでボールを狙いに来たならば…。
「…」
――ダムッ!!!
赤司はそれでもパスは出さず、自ら行く選択をした。
「…来い」
グングン空との距離が詰まっていく。
「…っ!」
空とも距離が詰まった所で赤司がエンペラーアイを発動させる。
――ダムッ!!!
「っ!?」
エンペラーアイで空の重心が右足に乗った所を赤司が逆へと切り返し、空をかわした。その直後。
『赤司!』
洛山の選手達が鬼気迫る表情で赤司の名を呼んだ。赤司が空を抜いたのと同時に大地が赤司の持つボールに間髪入れず狙い打ったのだ。
「タイミングは完璧だ!」
ドンピシャと言わんばかりのタイミングで動いた大地を見て黄瀬が拳を握った。
『いっけぇぇぇぇっ!!!』
花月のコート上の選手からベンチメンバーが願いを声に乗せて叫んだ。
「あまり僕をイラつかせるな」
――ダムッ!!!
大地の手が赤司の持つボールを捉える瞬間、赤司がレッグスルーで股下を通して切り返し、その手をかわした。
『なっ!?』
完璧なタイミングだったにもかかわらず、かわされた事に言葉を失う花月の選手達。
「過去に煮え湯を飲まされた奇策。例え使い手がその時より優れていようと、同じ手で同じ失態を犯す程、愚かではない」
空を抜いた後に大地が空の動きを予測してすぐにボールを狙いに来ると分かっていた赤司はタイミングを計ってかわしたのだ。
「2人で来ようと今の僕は止められない。これで終わりだ」
無情に言い放つ赤司。
『ダメか…!』
誰しもがそう思った。
――バシィィィッ!!!
「なっ!?」
突如、赤司の持つボールが叩かれ、赤司は目を見開きながら驚愕した。
「大地が俺の動きを先読み出来るなら、その逆もしかりだぜ!」
『神城だぁっ!!!』
ボールを捉えた者の正体を知った観客が大歓声を上げた。
赤司の背後から空がボールを狙い打ったのだ。
「何で!? ……っ! まさか!?」
何故空が赤司のボールを捉えられたか疑問に感じたが、すぐさま理解した。
「…ハッ! あのバカ(空)、赤司に抜かれた直後、背後で動く綾瀬の動きを先読みしやがった」
思わず笑い出した青峰が言った。
前に立つ空の動きを先読みした大地は空とは逆に動いて空を抜いて来るであろう赤司を狙い打った。しかし、それを予測していた赤司は切り返して大地をもかわした。だが、それで終わりではなかった。1度抜かれた空が背後で動く大地の動きを先読みし、それに合わせて赤司の持つボールを狙い打ったのだ。
「さすがの赤司も、先読みした未来の先、そのさらに先までは予測出来なかったみたいだな」
愉快そうな笑みを浮かべた青峰であった。
「速攻!」
すかさずルーズボールを抑えた大地がそのまま速攻に駆け上がった。
「いかん! 止めろ! ここは絶対に死守しろ!」
ベンチに座る白金が思わず立ち上がり、叫ぶように指示を出した。
「くそっ!」
すぐさま二宮が大地の前に立ち塞がった。
――キュッキュッ!!!
すると、大地は急停止し…。
――ダムッ!!!
すぐさま再加速。緩急を使って二宮を抜きさり、そのままリングに向かっていった。
「……この僕が2度も同じ失態を。……っ!」
怒りの形相で振り返った赤司が猛ダッシュでディフェンスへと戻った。
「…っ」
スリーポイントラインを越える目前で赤司が大地を捉え、回り込んで迎え撃った。
「速い! 綾瀬が急停止した合間に追い付きやがった!?」
スピードのある大地に追い付き、回り込んで迎え撃った事に驚く火神。
「…」
それでも大地はスピードを緩める事無く突き進んでいく。
「(止める! 2度も同じ愚を犯すものか!)」
エンペラーアイを発動させた大地を迎え撃つ。大地が赤司の目前で切り返してかわす。
――バシィィィッ!!!
切り返そうとしたその瞬間、赤司の手が大地の持つボールを捉えた。
「(やはり僕のこの眼が絶対だ。今度こそトドメを――)」
ルーズボールを赤司が抑えようとしたその時!
「1人じゃねえんだよ!」
赤司がボールを捉え、零れた直後に空がそのボールを抑えた。
「よくやった神城!」
ベンチの上杉が立ち上がりながら叫んだ。
ボールを抑えた空はそのまま赤司の背後に抜け、リング付近にボールを放った。するとそこには、大地が既に飛んでいた。
「あいつ! 神城がルーズボールを抑えてそこにパスをくれると信じて飛んでたのかよ!?」
その事実に高尾が驚いていた。
空が放ったボールが大地の伸ばした右手に収まった。
「ふざけるな! 2度もあのような屈辱を味合わされてたまるか!」
アリウープを阻むように赤司がブロックに現れた。
『赤司!』
ブロックに間に合った赤司に思わず安堵する洛山の選手達。
「いえ、ここは絶対に決めます。…そうでしょう?」
尋ねるようにそう口にする大地。すると、後ろからもう1本手が現れた。
「神城!?」
その手の正体を見て思わず声を上げる赤司。
「そうとも! 絶対に決める!」
大地の右手に収まるボールに空の左手が重なる。
『決めてくれぇぇぇぇっ!!!』
花月の選手達全員が願いを込めた。
「「おぉぉぉぉぉーーーーっ!!!」」
――バキャァァァッ!!!
「っ!?」
空と大地が赤司を吹き飛ばしながらダンクを決めた。
『おぉぉぉぉぉーーーーっ!!!』
同時にこの日1番の歓声が地鳴りのように会場に響き渡った。
「っしゃぁぁっ!!!」
パチンと空と大地がハイタッチを交わした。
「…」
吹き飛ばされ、座り込む赤司。
『ビーーーーーーーーーーーーーー!!!』
『チャージドタイムアウト、洛山!』
ここで洛山の申請したタイムアウトがコールされた。
「…っ」
赤司が止められた直後、白金はすぐさまタイムアウトの申請をした。もし、赤司が止められた直後、失点でもしようなら、赤司は大きく調子を崩してしまう。かつて、誠凛との折ではもはや茫然自失と言わんばかりの所まで崩れていた。
残り時間と点差を考え、白金は即座に決断したのだ。
タイムアウトのコールを鳴り、両校の選手達がベンチへと戻っていったのだった……。
続く
この話で洛山戦の終了まで行きたかったんですが、想像以上に長くなりそうだったので、ここで一旦切ります…(^_^)/
これで2020年の最後の投稿となります。いやー、今年はかつてない程のペースで投稿した気がします…(;^ω^)
数えてみると、今年はこの二次を37話投稿してました! ちなみに2019年は17話で、2018年は14話。実に2倍以上です…(*^_^*)
個人的に良いペースで投稿出来たと思います。色々あった2020年。まだまだ色々続きそうですが、来年はいい年になりますように…。
感想アドバイスお待ちしております。
それでは、よいお年を…(^^)/~~~
それではまた!