黒子のバスケ~次世代のキセキ~   作:bridge

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投稿します!

遂に年越し2週間を切りました。早いですねぇ…(;^ω^)

それではどうぞ!



第177Q~好敵手を前に~

 

 

 

残り時間30秒を切って海常が2点リードでのオフェンス。黄瀬の紫原のコピーによるトールハンマーを緑間が起死回生のブロック。

 

緑間がスクリーンからのピック&ロールとチームメイトが必死のフォローを受けて中でボールを受け、得点チャンスを得た。

 

しかし、海常の誰しもが意表を突かれる中、黄瀬だけが緑間から目を離さず、ゴール下で待ち受けていた。だが…。

 

緑間も黄瀬が立ち塞がる事を予想しており、黄瀬のブロックを逆手に取って黄瀬からファールを貰い、同点…からのフリースローで逆転を狙った。

 

審判が笛を吹き、緑間の放ったレイアップはリングを潜り抜けた。緑間の狙い通り。誰しもが秀徳の勝利を確信したが、審判はオフェンスファールとジャッジ。

 

誰しもが耳を疑ったが、ただ1人、黄瀬がニヤリと笑っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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『ビーーーーーーーーーーーーーー!!!』

 

 

オフェンスファールとなり、海常ボールとなり、再開と同時に試合終了のブザーが鳴った。

 

 

試合終了

 

 

秀徳 100

海常 102

 

 

『勝ったぁっ!!!』

 

歓喜に沸く海常ベンチ。

 

『…』

 

敗北と言う事実を前に打ちひしがれる秀徳ベンチ。

 

「…ふぅ」

 

「…はぁ」

 

勝利の喜びよりも安堵の方が大きいのか、コート上の海常の選手達は皆一様に溜息を吐いていた。

 

「…っ」

 

「…くそっ!」

 

秀徳の選手達は悔しさを噛みしめる者、涙を流す者など、敗北の事実を痛感していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「102対100で、海常高校の勝ち。礼!」

 

『ありがとうございました!!!』

 

センターサークル内で整列した両校の選手達が審判の号令で挨拶を交わし、この試合が終わった。

 

激闘を繰り広げた者同士がそれぞれ握手を交わし、健闘を称え合う。

 

「まさか、お前も狙っていたとはな」

 

黄瀬と緑間が歩み寄り、緑間が先に声を掛ける。

 

「咄嗟の思い付きッスけどね。…正直、勝った気がしないッスよ」

 

苦笑しながら黄瀬が返す。

 

「…少々気に入らん結末ではあるが、結果が全てだ」

 

苦い表情をしながら緑間が皮肉る。互いにファールを狙った最後の攻防。審判がオフェンスファールをコールした事で海常に軍配が上がった。その事に緑間は理解はしても納得が行かない思いもあるのだ。

 

「今日の緑間っち相手に延長戦したくはなかったからああするしかなかったんスよ。運…と言えばそれまでッスけど、強いて言うなら、これのおかげッスね」

 

そう言って黄瀬は、緑間に右手首に付けた青のリストバンドを見せた。

 

「? …それがいったい何の――そういう事か」

 

黄瀬の意図に最初は理解出来なかったが、すぐに理解した。緑間が崇拝するおは朝占い今日の双子座のラッキーアイテムの事を…。

 

「俺は緑間っち程信じてる訳じゃないッスけど、相手が相手ッスからね。縋れるものに縋らせてもらったッスよ」

 

ニコリと笑う黄瀬。

 

「…フッ、そうか、お前も人事を尽くしていたのだな」

 

それを聞いて緑間は自嘲気味に笑った。

 

「お前の、勝ちなのだよ」

 

そして改めて黄瀬にそう告げた。

 

「緑間っちとはまた何処かで戦いたいッス。次も負けないッスよ」

 

「抜かせ。次勝つのは俺なのだよ」

 

そう言って、互いに握手を交わしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「全員、顔を上げろ」

 

ベンチに戻った秀徳の選手達。敗北の悔しさで皆俯く中、緑間がそんな選手達に向かって告げる。

 

「情けない姿を見せるな。最後まで顔を上げ、胸を張ってコートを去るのだよ」

 

そう言って、緑間は秀徳のベンチ入りを果たせなかった部員が集まる観客席の前に移動する。緑間に続いて他の選手達も続き、緑間の横に並ぶ。

 

『応援、ありがとうございます!!!』

 

選手達が一斉に頭を下げた。同時に絶え間ない拍手と声援が秀徳選手達に贈られる。

 

『…っ』

 

敗戦直後で当然未だ悔しさもある部員達だが、顔を上げ、胸を張りながらコートを去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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『…』

 

通路を無言で歩いて行く秀徳の選手達。誰もが沈黙を保っている。

 

「……あっという間の3年間だったよな」

 

その沈黙を、高尾が破った。

 

「入部したのが昨日の事に思えるくらいあっという間の3年間だったぜ」

 

『…』

 

努めていつもの明るい口調で喋る高尾。

 

「…もう、終わり…なんだよな…。もっと、ここ(秀徳)で…バスケがしたかったな…」

 

感情が溢れ、今まで堪えていたものが溢れだした。

 

『…っ』

 

それをきっかけに他の選手達も悔し涙を流し始めた。

 

「…」

 

選手達の最後尾を緑間が歩いている。俯く事無く淡々と足を進めていた。

 

「緑間」

 

そんな緑間に対し、監督の中谷が緑間の肩に手を置きながら声を掛けた。

 

「すまなかったな」

 

「……何故、監督が謝るのですか」

 

謝罪の言葉を告げた中谷を理解出来ない緑間。

 

「今日、勝たせてやれなかったのは……いや、お前が加入してから1度たりとも優勝させてやれなかったのは、私の責任だ」

 

「…っ! そんな、事…!」

 

責任を感じている中谷の言葉を否定しようとする緑間。

 

「今日まで秀徳を引っ張ってくれて感謝する。ありがとう」

 

「……こちらこそ、今日までご指導ご鞭撻、ありがとうございました…!」

 

堪えていたものが両の瞳が溢れだす緑間。絞り出すように感謝の言葉を告げたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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・・・・

 

 

「海常が勝ったね」

 

「…」

 

桃井が声をかけるが、青峰は返事を返さない。

 

「最後のファール、オフェンスファールを取られたけど、大ちゃんから見てどうだった?」

 

勝敗を分けた最後のファールに付いて尋ねる。桃井の目から見ると最後のはディフェンスファールに見えたからだ。

 

「さあな。ここでどんだけ議論しても意味なんてねえだろ」

 

結果だけを受け止め、審判のジャッジには興味を示さない青峰。

 

「それにしてもきーちゃんはどうして最後ファールを狙ったんだろう。結果的にはオフェンスファールになったけど、もしかしたらディフェンスファールを取られてかもしれないのに…」

 

結果的にはオフェンスファールだったが、審判によっては…、あるいは審判が見ていた角度が違っていれば判定が逆だったかもしれないファール。半ばギャンブル紛いのファールを狙った黄瀬の考えが桃井は分からなかった。

 

「夏に延長戦で負けてるからな。夏より余力があったとは言え、今日の秀徳相手に延長戦をやりたくなかったんだろ。もし、秀徳にまだ隠し玉があったら延長戦の短い時間じゃ逆転は不可能だからな」

 

秀徳がさらに切り札を隠し持っていた場合、1度流れを持って行かれて点差を開けられれば逆転は困難。今日の秀徳にはまだ切り札を持っていると思わせるだけの不気味さがあった。

 

「…ミドリン、悔しいだろうね」

 

悲し気に言う桃井。勝敗を分けたのが審判のジャッジであり、視方を変えれば運に恵まれずに負けたとも取れるからだ。

 

「…例え結末が審判のジャッジによるものでも、黄瀬もファールを狙った結果だ。運が悪かったから負けたんじゃねえ。黄瀬の方が強かったから勝った。それだけだ」

 

「……そっか」

 

青峰の言葉に桃井は納得するように頷いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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・・・・

 

 

「秀徳が負けたか」

 

上杉がポツリと呟く。

 

「相変わらずキセキの世代はどいつもこいつも化け物やで。開いた口が塞がらんわ」

 

両者の激闘を見た天野が冷や汗交じりにそう感想を漏らす。

 

「こりゃ、海常とまた当たる事もあり得そうだな…」

 

「…覚悟をしておくべきでしょうね」

 

菅野の言葉に松永が頷く。インターハイでは辛くも勝利した相手だが、内容は紙一重。次は勝敗がひっくり返りかねない相手だった。

 

「…ま、今更でしょ。何処が相手でも全力を尽くして勝つ。それだけだ」

 

「あなたらしいですね。…ですが、同感です」

 

特に動じる事無く言う空に、大地は頷いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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・・・・

 

 

秀徳と海常の激闘後も残った試合が行われた。

 

 

――バキャァァァッ!!!

 

 

火神のダンクが炸裂。

 

誠凛も火神を中心にお馴染みのオフェンス力で相手を圧倒。危なげなく3回戦を突破。

 

 

 

――バチィィィッ!!!

 

 

陽泉も鉄壁のディフェンスで相手の攻撃をシャットアウト。相手のオフェンスを封殺し、順当に勝利。

 

 

 

――ザシュッ!!!

 

 

洛山も抜群のチームプレーで相手を圧倒。完璧な試合運びで開闢の帝王の実力を発揮し、勝利。

 

3回戦が終わり、この日、秀徳高校がその姿を消した。翌日の準々決勝に続くのだった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

「はぁっ…! やっぱこの季節はさみぃ…!」

 

時刻は20時。既に日は落ち、辺りは夜の帳に包まれる中、空は1人夜道を歩いていた。

 

「…おっ! あったあった」

 

目当ての公園に辿り着いた空は小脇に抱えていたボールを地面に付きながら公園内に入り、リングのある広場まで移動する。

 

「…っし、らぁっ!」

 

 

――バキャァァァッ!!!

 

 

リングに辿り着いた空はドリブルしながら助走を付け、右手でボールを掴んで飛び、リングにボールを叩きつけた。

 

「…ふぅ」

 

自身の試合後の秀徳対海常戦での緑間と黄瀬の激突。それを見てから空は身体の疼きが抑えられないのだ。

 

「あんな熱い戦い見せつけられたら我慢出来ねえ! 早く明日にならねえかな!」

 

興奮しながらスリーを放つ。

 

 

――ガン!!!

 

 

力み過ぎたのか、ボールはリングに弾かれてしまう。

 

「っと」

 

弾かれたボールを追いかける空。すると…。

 

「?」

 

転がったボールの先に人影が現れ、ボールを拾った。闇夜な上、現在、月を雲が覆っている為、その姿は分からない。

 

「奇遇だね」

 

「っ!? お前は!?」

 

同時に月を覆っていた雲が晴れ、月明かりが公園内を照らし出し、今まで見えなかった姿を照らし出した。

 

「…赤司、征十郎」

 

現れたのはキセキの世代、洛山高校の赤司だった。

 

「あんたもこんな時間に散歩か? それとも、ここにバスケでもやりに来たのか?」

 

「ただの散歩だよ。バスケがしたいならわざわざここまで来ずともうち(洛山)には専用の体育館がある」

 

「ふーん。それよりも…」

 

空が目を細めて赤司を注視。

 

「今日はそっちのあんたか。やたら尊大で偉そうな方の」

 

違う赤司である事に気付く空。

 

「…相変わらず口の利き方を知らない奴だ。僕の方が年長だ。言葉遣いに気を付けろ」

 

空の口の利き方に引っ掛かりを覚えた赤司は目付きを鋭くしながら警告する。

 

「んなもん俺に期待すんなよ。生憎と、あんたと違って育ちは良くねえんだよ。…つうか早くボール返せ」

 

「…ふん」

 

威圧する赤司に物ともせず、空は飄々と言い返す。赤司は鼻を鳴らしながら空にボールを放った。

 

「せっかく偶然にも顔を合わせたんだ。いっちょ、『明日の試合』前の前哨戦を兼ねて1ON1やらないか?」

 

ニヤリと笑みを浮かべながらもう1度赤司にボールを渡した。

 

「断る。結果の見えた勝負に興味はない」

 

「つれねえな」

 

再び赤司がボールを返すと、空は踵を返し、ゆっくりリングの方へドリブルしながら進んで行った。

 

「桐皇に勝ったようだが…」

 

赤司に背を向ける空。赤司はそんな空に向かって喋り始める。

 

「1つ尋ねる」

 

「?」

 

突然の赤司の言葉に思わず振り返る空。

 

「桐皇での試合。あれがお前達の全力か?」

 

「……あん?」

 

質問の意図が分からず、聞き返す。

 

「もしそうだと言うなら、お前達は明日、絶対に僕達には敵わない」

 

「っ!?」

 

その言葉に空が目を見開く。

 

「ではな。『明日の試合』、楽しみにしているよ」

 

そう告げ、赤司はその場を後にする。

 

「待てよ」

 

そんな赤司を空は呼び止める。

 

「桐皇は強かった。全身全霊全力を尽くしてやっとの事で勝てた。それは事実だ」

 

「…」

 

空が呼び止めると、赤司はその場で足を止め、振り返る事無く空の言葉に耳を傾ける。

 

「だが安心していいぜ。例えその時の俺達があんた達に勝てなくとも、それはあくまでもその時の俺達だ。明日の俺達はその時より強い」

 

「ほう?」

 

その言葉に赤司は不敵な笑みを浮かべながら振り返る。

 

「ついでに、明日の俺はひと味違うぜ? 何せ、相手はあんただからな。とびっきりのものを見せてやる。そんで勝つ。楽しみにしてな」

 

そう言ってニヤリと笑う空。

 

「面白い」

 

そう言って空の傍まで歩み寄る赤司。

 

「夏は君達との試合の影響で優勝を逃した。僕達にとってあの試合は負けにも等しい結果だった」

 

「負けた俺からすれば嫌味にしか聞こえねーぞ」

 

表情を険しくする空。

 

インターハイの準決勝で花月に快勝した洛山だったが、激闘が祟ったのか、洛山のスタメン選手達は軒並みコンディションが悪く、赤司に至っては最悪と言ってもいい状態だった。結果、優勝を逃した。

 

「今度こそ完膚なきまでに叩きのめす。その上で優勝し、絶対が僕達である事を証明しよう」

 

「おもしれー。今度こそあんたも洛山も叩きのめしてやる」

 

不敵に笑みを浮かべながら空は赤司に宣戦布告をした。

 

「…」

 

「…」

 

暫しの間、睨み合う両者。次の瞬間…。

 

「?」

 

赤司が右手を差し出した。

 

「へぇー、あんたもそんな殊勝な事するんだな」

 

「勘違いするな。ただの気まぐれだ。敵と握手を交わすのはこれが最初で最後だ」

 

ニヤニヤする空に対し、赤司はやや不機嫌そうに返す。

 

「そうかい。…そんじゃ、明日はよろしく」

 

「楽しみにしているよ。…空」

 

2人は握手を交わしたのだった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ※ ※ ※

 

 

翌日…。

 

本日行われるウィンターカップ準々決勝。

 

 

 第1試合   花月高校 × 洛山高校

 

 

 第2試合 多岐川東高校 × 田加良高校

 

 

 第3試合   海常高校 × 陽泉高校

 

 

 第4試合   誠凛高校 × 鳳舞高校

 

 

ここまで勝ち残った8つの高校が準決勝進出をかけて鎬を削り合う。

 

『第1試合から熱い試合だ!』

 

『花月は夏のリベンジ達成なるか!?』

 

『第3試合も熱いぜ!』

 

『海常と陽泉。どっちが勝ってもおかしくねえ!』

 

『第4試合も注目だぜ』

 

『鳳舞も戦力的には誠凛に引けを取らない。番狂わせは大いにあり得るぜ!』

 

試合開始前から観客席はほぼ満員。既に観客達は各々今日行われる試合の予想をし合っている。

 

「うわー、凄い人の数」

 

「…」

 

観戦にやってきた青峰と桃井。観客の多さに驚く桃井。

 

「もー、大ちゃんがもう少し早く来てくれれば座って試合見れたのに…」

 

「何処で見たって同じだろ」

 

口先を尖らせる桃井。対して青峰は気を咎める事無く返す。

 

「今日はどの試合も注目だね。大ちゃんの予想は?」

 

「海常と陽泉は予想が付かねえな。誠凛と鳳舞はまあ、誠凛が勝つだろ。2試合目はどっちが勝とうと興味ねえ」

 

尋ねられた青峰が大雑把に予想を口にする。

 

「洛山と花月は?」

 

「…俺達とやった時の花月と比較すんなら洛山だな」

 

「へぇー」

 

自分達に勝った花月の肩入れするかもと思っていた桃井だったが、先入観無しの予想に感心する。

 

「だがまあ…」

 

「?」

 

「正直結果は分かんねえ。花月は良くも悪くも予想を遙かに超えて来るからな。…テツ達みてーにな」

 

「…そうだね」

 

続く青峰の言葉に桃井は薄っすら笑みを浮かべながら頷いたのだった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

花月の控室…。

 

『…』

 

迫る試合を前に、選手達は黙々と準備を進めていく。

 

「…フゥ」

 

柔軟運動を終えた空が一息吐く。

 

「何や空坊。やけに落ち着いとるやんけ。いつもみたいに喧しく叫ばへんのか?」

 

「今日はそんな気分じゃないんで。…フゥー! 早く試合の時間来ないかな…!」

 

「…っ」

 

茶化し気味に声をかけた天野だったが、普段は荒い気性を抑えつつも内で轟々と燃えている空の闘志を感じ取り、思わず圧倒される。

 

「(空…)」

 

そんな空を見てこの試合に賭ける覚悟を傍で見ていた大地も感じ取っていた。

 

「全員、しっかり汗は流せているな?」

 

その時、控室の扉を上杉が開けて入ってきた。

 

「もう時間ですか?」

 

「間もなくだ。すぐに移動を開始するぞ」

 

その言葉を聞いて選手達及びマネージャー2人は移動の準備を開始する。

 

「っしゃっ!!! 夏のリベンジマッチだ。気合い入れて行くぞ!!!」

 

『おう!!!』

 

空の掛け声に選手達が応える。

 

「結局叫ぶんかい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

『来た!!!』

 

『誠凛に続いてキセキ撃破を成し遂げた、不屈の旋風、花月高校!!!』

 

花月の選手達がコートのあるフロアにやってくると、観客達が歓声を上げた。

 

『圧倒的な実力と全国ナンバーワンのチームワークを誇る開闢の帝王、洛山高校!!!』

 

続いて洛山の選手達がやってくると、同様に歓声を上げた。

 

「前日のミーティングどおり、スタメンの変更はない。スターターは神城、生嶋、綾瀬、天野、松永で行く」

 

ベンチにやってきた花月の選手達。選手達の前に上杉が立つ。

 

「相手は高校最強、洛山だ。夏と同じでは絶対に勝てん」

 

『…』

 

「夏のお前達を…、洛山を超えて来い!」

 

檄を飛ばす上杉。

 

「全員集まれ」

 

空が立ち上がると、選手達及びマネージャーが円陣を組むように集まる。

 

「遂に来たぜこの時が。2回戦では去年負けた桐皇と、そして今日は夏に負けた洛山。バスケの神様ってのがいるなら、俺は感謝するぜ。他と潰し合う前にこの2校と戦れて」

 

『…』

 

「ここまでやれる事はやってきた。この場に立っているのは、キセキの世代打倒って言う、敢えて困難な道に足を踏み入れ、それでも勝つと覚悟を決めた大馬鹿野郎達だ。後は勝つだけだ」

 

『…』

 

「洛山をぶっ倒す! 行くぞ!!! 花月ー!!! ファイ!!!」

 

『おう!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

 

 

試合開始目前となり、花月、洛山のスタメン選手達がコートに足を踏み入れ、センターサークル内に集まる。

 

 

花月高校スターティングメンバー

 

 

4番PG:神城空  180㎝

 

5番SG:生嶋奏  182㎝

 

6番SF:綾瀬大地 185㎝

 

7番PF:天野幸次 193㎝

 

8番 C:松永透  196㎝

 

 

洛山高校スターティングメンバー

 

 

4番PG:赤司征十郎 175㎝

 

5番SG:二宮秀平  186㎝

 

6番SF:三村彰人  189㎝

 

7番PF:四条大智  193㎝

 

8番 C:五河充   202㎝

 

 

「これより、花月高校対洛山高校の試合を始めます。礼!」

 

『よろしくお願いします!!!』

 

「…」

 

「…」

 

無言で見つめ合う空と赤司。昨晩に互いに言いたい事を言い合った2人に今更話す事はなく、無言で検討を称え合った。

 

ジャンパーの松永と五河を残してコートに広がる両校の選手達。

 

「…」

 

ジャンパーの間に立って交互に視線を向ける審判。ボールを構えると、高々とボールは上げられた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――ティップオフ!!! 準決勝進出をかけたリベンジマッチの幕が、切って落とされた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 





遂に開始される花月の試合。正直、大雑把な展開は決めているんですが、肝心な試合内容の方がほぼほぼ白紙で、今からじっくり考えなければいけません…(;^ω^)

もしかしたらこれがこの二次の今年最後の投稿になるかもしれません。何とか間に合うよう今からネタ集めに奔走したいと思います…m(_ _)m

年末となり、リアルも忙しくなり、今年の最後の追い込みがやってきました。季節もすっかり冬となり、朝が凄まじく寒い…((+_+))

皆さま、体調には気を付けて残り少ない2021年を過ごして下さい…(^_^)v

感想アドバイスお待ちしております。

それではまた!
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